PDFファイルが大きすぎてメールで送れない、クラウドストレージの容量を圧迫している…そんな経験はありませんか?iPhoneがあれば、実は簡単にPDFファイルを圧縮してサイズを小さくできるんです。
この記事では、iPhoneでPDFを圧縮する様々な方法を、初心者でもわかりやすく解説します。標準機能から専用アプリ、オンラインツールまで、あなたの状況に最適な方法が見つかりますよ。
PDF圧縮が必要になる場面って?

まず、なぜPDFを圧縮する必要があるのでしょうか?主な理由を見てみましょう。
メールでの送信制限 多くのメールサービスでは、添付ファイルのサイズに制限があります。容量の大きなPDFファイルはメールに添付できないことがあります。一般的には25MB程度が上限とされているため、それを超える場合は圧縮が必要になります。
ストレージ容量の節約 iPhoneの容量は限られています。大きなPDFファイルがたくさんあると、写真や動画、アプリのための容量が不足してしまいます。
アップロード・ダウンロード時間の短縮 ファイルサイズが小さければ、クラウドストレージへのアップロードや、他の人とのファイル共有がずっと早くなります。
これらの問題を解決するために、次の章からiPhoneでのPDF圧縮方法を詳しく見ていきましょう。
方法1:iPhoneの標準機能でPDF圧縮(iOS 17以降)
実は、最新のiOS 17では、追加アプリなしでPDFを圧縮できるようになりました。この機能は多くの人が知らない隠れた便利機能です。
クイックアクション機能の使い方
ファイルアプリを開き、圧縮するPDFを見つけます。メニューが表示されるまでファイルのアイコンを長押しして、「クイックアクション」>「ファイルサイズの最適化」をタップします。
手順を詳しく解説しますね:
- iPhoneの「ファイル」アプリを開く
- 圧縮したいPDFファイルを探す
- PDFファイルを長押しする
- メニューが表示されたら「クイックアクション」をタップ
- 「ファイルサイズの最適化」を選択
- 圧縮されたファイルを任意の場所に保存
この方法の良いところは、追加アプリが不要で、iPhoneだけで完結することです。ただし、iOS 17以降でないと使えないため、古いバージョンの方は次の方法を試してください。
この標準機能を使った圧縮では、文書の読みやすさを保ちながらファイルサイズを効率的に小さくできます。次は、より詳細な設定ができる専用アプリを使った方法を見てみましょう。
方法2:Adobe Acrobat Readerで圧縮
Adobe Acrobat Readerは、PDFの閲覧・編集で最も有名なアプリの一つです。無料版でもPDF圧縮機能が使えるので、多くの人におすすめです。
Adobe Acrobat Readerの設定手順
Adobe Acrobat Readerアプリを起動し、サイズを縮小するPDFファイルを見つけます。メニューアイコンをタップして使用可能なツールのリストを表示し、「PDFの圧縮」オプションを選択します。
詳しい手順はこちら:
- App StoreからAdobe Acrobat Readerをダウンロード・インストール
- アプリを開いて圧縮したいPDFファイルを選択
- 画面下部の「…」メニューをタップ
- 「PDFの圧縮」を選択
- 圧縮レベルを選択(高・中・低から選べます)
- 「圧縮」ボタンをタップして処理開始
圧縮レベルの選び方のコツ
ファイルサイズをできるだけ小さくしたい場合は「高」を、なるべく画質を保ちたい場合は「低」を選びましょう:
- 高圧縮:ファイルサイズを最優先で小さくしたい場合
- 中圧縮:サイズと品質のバランスを取りたい場合
- 低圧縮:画質を重視したい場合
実際の使用例では、798KBのPDFファイルが268KBまで圧縮され、約3分の1のサイズになったという報告もあります。
Adobe Acrobat Readerは信頼性が高く、圧縮後の品質も良好ですが、処理に少し時間がかかる場合があります。次は、もっと手軽に使える専用圧縮アプリを紹介しましょう。
方法3:専用PDF圧縮アプリを使う
App Storeには、PDF圧縮に特化した様々なアプリがあります。それぞれに特徴があるので、あなたの用途に合わせて選んでみてください。
おすすめアプリ1:PDF Expert
PDF Expertなら、数秒でPDFを圧縮できます。ドキュメントの画質に妥協することなく、PDFファイルのサイズを小さくすることができます。
PDF Expertの特徴:
- 高速処理で数秒で圧縮完了
- 画質の劣化を最小限に抑制
- PDF編集機能も豊富
- 7日間の無料トライアルあり
おすすめアプリ2:UPDF
UPDFを使用すると、PDFをさまざまな品質で圧縮できます。圧縮品質と保存場所を選択し、「縮小」をクリックしてPDFを圧縮します。
UPDFの魅力:
- 複数の圧縮品質から選択可能
- クラウドストレージとの連携
- OCR機能も搭載
- 使いやすいインターフェース
おすすめアプリ3:PDFelement
PDFelementは、フル機能のPDF編集ツールです。PDF の圧縮、編集、変換など、PDFドキュメントでさまざまな機能を使用することができます。
PDFelementの利点:
- 圧縮レベルを5段階から選択して、品質を維持したまま PDFファイルを小さいサイズにすることができます
- 一括処理機能あり(PC版)
- 豊富な編集機能
これらのアプリは基本的に同じような手順で使用できます:アプリを開く → PDFファイルを選択 → 圧縮レベルを選択 → 圧縮実行 → 保存
専用アプリは機能が豊富ですが、多くが有料版での利用となります。無料で気軽に試したい場合は、次に紹介するオンラインツールがおすすめです。
方法4:オンライン圧縮ツールを活用
インターネット接続があれば、ブラウザだけでPDF圧縮ができる便利なオンラインツールがたくさんあります。アプリをインストールする必要がないのが最大のメリットです。
Adobe Acrobat オンラインツール
Acrobat オンラインツールを使って、iPhoneやiPadで「PDFを圧縮」する方法をご紹介します。
使い方は非常にシンプル:
- SafariでAdobe Acrobat オンライン圧縮ツールにアクセス
- 「ファイルを選択」をタップしてPDFを選択
- 圧縮レベルを「高・中・低」の3段階より選択します
- 「圧縮」ボタンをタップ
- 圧縮完了後に画面中央に表示される「ダウンロード」をタップすると、圧縮後のPDFファイルのプレビューが表示されます
- 「”ファイル”に保存」で保存完了
iLovePDF
最良のクオリティーを保ったままPDFファイルの容量を減らし最適化しますと評判のツールです。
iLovePDFの圧縮オプション:
- 最も高い圧縮率(低品質、高圧縮)
- 推奨の圧縮(良品質、良圧縮)
- 低圧縮(高品質、低圧縮)
Smallpdf
日本語対応で使いやすく、1時間に2ファイルまで無料で利用できます。Google DriveやDropboxとの連携も可能です。
オンラインツール利用時の注意点
オンラインツールは便利ですが、以下の点に注意してください:
- 機密情報を含むファイルの場合、セキュリティを確認する
- インターネット接続が必要
- ファイルサイズが大きいとアップロードに時間がかかる
- 一部のツールには回数制限がある
オンラインツールは手軽さが魅力ですが、プライバシーが気になる方や頻繁に圧縮作業をする方は、アプリ版の利用を検討してみてください。
圧縮レベルの選び方とコツ

PDF圧縮では、ファイルサイズと品質のバランスが重要です。用途に応じて最適な圧縮レベルを選ぶことで、満足のいく結果が得られます。
用途別の圧縮レベル選択指針
メール添付の場合 メールサービスが対応可能なファイルサイズに調整してからメールに添付する必要があります。一般的には25MB以下にする必要があるため、高圧縮を選択しましょう。
アーカイブ保存の場合 長期保存が目的なら、画質を重視して低圧縮または中圧縮がおすすめです。後で再編集する可能性も考慮しましょう。
プレゼンテーション資料の場合 画像やグラフが多い資料では、中圧縮で品質とサイズのバランスを取るのが良いでしょう。
圧縮前の事前チェックポイント
- 元ファイルのバックアップ:圧縮前には必ず元のファイルをバックアップしておきましょう
- ファイル内容の確認:テキスト中心か、画像中心かで圧縮効果が変わります
- 目標サイズの設定:何MB以下にしたいか事前に決めておくと選択がスムーズです
圧縮効果を最大化するテクニック
iPhoneでPDFを作成する際から圧縮を意識することで、より効果的な圧縮ができます:
「ファイル」アプリから書類をスキャンしたPDFと、iPhoneで撮影したデータをPDF化したPDFを比べると、正しい方法でスキャンした方が圧倒的に軽量で見やすいのです。
つまり、最初から適切な方法でPDFを作成することが、圧縮効果を高める秘訣なんですね。
適切な圧縮レベルの選択により、ファイルサイズと品質の両方を満足できる結果が得られます。次は、よくあるトラブルとその解決方法を見てみましょう。
よくあるトラブルと解決方法
PDF圧縮作業中によく遭遇する問題と、その解決方法をまとめました。困ったときの参考にしてください。
トラブル1:圧縮できない・効果が出ない
既存のPDFファイルが高度に圧縮されているか、さらに圧縮できる要素が最小限であることが考えられます。
解決方法:
- 別の圧縮ツールを試してみる
- 圧縮レベルを「高」に変更する
- テキスト中心のPDFの場合、効果が限定的なのは正常
トラブル2:圧縮後に文字が読めなくなった
高圧縮設定にしすぎて、文字や画像が潰れてしまうケースです。
解決方法:
- バックアップファイルから再度圧縮を実行
- 圧縮レベルを「中」または「低」に変更
- どの圧縮レベルでも文字が潰れて読めないといったことがないよう、圧縮後は画質をチェックしましょう
トラブル3:アプリが動作しない・処理が止まる
iPhoneの容量不足やアプリの不具合が原因の可能性があります。
解決方法:
- iPhoneを再起動する
- 不要なアプリを終了してメモリを確保
- アプリを最新版にアップデート
- ファイルサイズが大きすぎる場合は、分割してから圧縮
トラブル4:オンラインツールでアップロードできない
インターネット接続やファイルサイズの問題が考えられます。
解決方法:
- Wi-Fi接続を確認する
- ファイルサイズ制限を確認(多くのツールは100MB程度が上限)
- ブラウザのキャッシュをクリアする
- 別のオンラインツールを試す
セキュリティに関する注意点
圧縮アプリの中には勝手にアップロードするアプリもあるため、警戒して機内モードで試して良かった。セキュリティ上、まったく安全じゃないのでおすすめしませんという口コミもあります。
機密情報を含むPDFを扱う場合は:
- 信頼できるアプリ・ツールを選ぶ
- オンラインツールより、オフラインで動作するアプリを優先
- 圧縮後は必要に応じてパスワード保護を設定
これらのトラブル解決方法を参考に、スムーズなPDF圧縮作業を行ってください。最後に、今回の内容をまとめてみましょう。
まとめ:あなたに最適なPDF圧縮方法を見つけよう
iPhoneでPDFを圧縮する方法は、思っているより簡単で多様な選択肢があります。この記事で紹介した方法を振り返ってみましょう。
方法の特徴まとめ
- 標準機能(iOS 17以降):追加アプリ不要、手軽さが魅力
- Adobe Acrobat Reader:信頼性が高く、バランス良好
- 専用アプリ:機能豊富で本格的な圧縮が可能
- オンラインツール:インストール不要で気軽に利用
用途別おすすめ方法
たまに使う程度なら:標準機能またはオンラインツール 頻繁に使うなら:専用アプリの導入がおすすめ
品質重視なら:Adobe Acrobat ReaderやPDF Expert 無料で済ませたいなら:標準機能やiLovePDF
成功のポイント
- 圧縮前には必ずバックアップを取る
- 用途に応じて圧縮レベルを適切に選択
- 圧縮後は品質をしっかりチェック
- 機密情報は信頼できるツールで処理
PDFの圧縮は、メールでの共有やストレージ容量の節約など、日常的に役立つスキルです。まずは手軽な方法から試してみて、あなたの使用頻度や用途に応じて最適なツールを見つけてください。
iPhoneひとつあれば、いつでもどこでもPDFファイルを効率的に管理できるようになります。ぜひこの記事の方法を活用して、より便利なデジタルライフを送ってくださいね。
コメント