スマホや固定電話に着信があったとき、画面に「非通知設定」「非通知」と表示されて困ったことはありませんか?
誰からの電話か分からないと、出るべきか迷ってしまいますよね。実は非通知電話には様々な理由があり、対処法も知っておくと安心なんです。
今回は、非通知電話の仕組みから、かかってくる理由、そして具体的な対処法まで分かりやすく解説していきます。
非通知電話とは?基本を知っておこう

非通知電話とは、電話がかかってきたときに相手の電話番号が表示されない通話のことです。通常なら着信画面に電話番号が表示されますが、非通知の場合は「非通知設定」「非通知」「プライベート」などと表示されます。
日本では「発信電話番号通知サービス」によって、誰から電話がかかってきたのか分かるようになっています。でも、発信者が特定の設定をすると、この番号通知を意図的に隠すことができるんですね。
非通知電話の仕組み:どうやって番号を隠すの?
非通知で電話をかける方法は、実はとても簡単です。主に2つの方法があります。
方法①:184をつけてダイヤルする
電話番号の前に「184」という番号をつけるだけで、その1回の通話だけ番号が通知されなくなります。
具体例:
- 通常:090-1234-5678にかける
- 非通知:184-090-1234-5678にかける
この方法なら、一時的に番号を隠したいときに便利ですね。184を付けずにかければ、次からは通常通り番号が表示されます。
方法②:スマホの設定を変更する
スマホの「発信者番号通知」や「通話設定」で、常に非通知で発信する設定に変えることもできます。
iPhoneの場合:
- 「設定」アプリを開く
- 「電話」をタップ
- 「発信者番号を通知」をオフにする
Androidの場合:
- 「電話」アプリを開く
- メニュー(3つの点)から「設定」を選択
- 「通話設定」や「その他の設定」を探す
- 「発信者番号通知」を「通知しない」に設定
この設定をすると、すべての発信が自動的に非通知になります。設定を戻さない限り、ずっと非通知のままになるので注意が必要です。
なぜ非通知電話がかかってくるの?考えられる理由
非通知電話がかかってくる理由は様々です。良い理由もあれば、注意が必要なケースもあります。
①電話番号を知られたくない(プライバシー保護)
最も一般的な理由は、相手に自分の電話番号を知られたくないからです。
具体的なケース:
- 一度きりの連絡で、今後連絡を取る予定がない
- 緊急で連絡したいが、番号は教えたくない
- 仕事とプライベートの電話を使い分けている
この場合は悪意がないことがほとんどですね。
②うっかり設定したまま忘れている
以前に何らかの理由でスマホの設定を非通知に変更し、そのまま戻すのを忘れているケースです。
本人は自分が非通知で発信していることに気づいていないかもしれません。知り合いから「非通知で電話がかかってきたよ」と言われて初めて気づく人も多いんです。
③営業・勧誘目的
企業や営業担当者が、着信拒否を回避するために非通知で電話してくることがあります。
特定の番号で着信拒否されている場合でも、非通知なら通話できる可能性があるため、営業電話で使われることがあるんですね。
④詐欺やいたずら目的(要注意!)
残念ながら、非通知電話で特に注意が必要なのがこのケースです。
危険な非通知電話の例:
- オレオレ詐欺や振り込め詐欺
- 個人情報を聞き出そうとする詐欺
- 電話番号が実際に使われているか確認する業者
- 空き巣の在宅確認
- ストーカー行為や嫌がらせ
- いたずら電話
身元がバレないように非通知で電話をかけてくるわけですね。このような電話には絶対に出ないほうが安全です。
非通知電話が危険な理由

「電話に出るだけなら問題ないでしょう?」と思うかもしれませんが、実は電話に出るだけでもリスクがあるんです。
リスク①:電話番号が「使われている」と確認される
非通知電話に出ると、その電話番号が実際に使われていることを相手に知らせてしまいます。
業者の中には、ランダムに電話をかけて「実際に使われている番号」をリスト化し、それを他の業者に販売するケースもあるんです。一度リストに載ってしまうと、様々な迷惑電話のターゲットになる可能性があります。
リスク②:個人情報が漏れる
電話に出てしまうと、以下のような情報が相手に伝わる可能性があります。
- 声から推測される性別や年齢
- 話し方から推測される性格や警戒心の強さ
- 電話に出る時間帯(在宅時間の推測)
詐欺師はこのような情報を巧みに利用して、次の攻撃に活かすことがあります。
リスク③:思わず個人情報を話してしまう
巧妙な詐欺では、相手が身内や公的機関を装って電話してきます。
詐欺の例:
「クレジットカードの不正利用がありました。本人確認のためにフルネーム、生年月日、住所をお聞かせください」
このように言われると、つい信じて答えてしまいそうですよね。でも、本物の企業や公的機関は非通知で電話をかけてきませんし、電話で個人情報を聞くこともほとんどありません。
非通知電話への正しい対処法
それでは、具体的にどうすれば非通知電話から身を守れるのでしょうか?効果的な対処法をご紹介します。
対処法①:電話に出ない(基本中の基本)
最も安全で効果的な対処法は、非通知電話には出ないことです。
考えてみてください。本当に重要な用件があるなら、相手は番号を通知して電話してくるはずです。わざわざ非通知で電話するということは、重要な用件ではない可能性が高いんですね。
「でも、もしかしたら大事な電話かも…」と心配になる気持ちも分かります。でも、本当に大事な用件なら、相手は留守番電話にメッセージを残すか、別の方法で連絡してくるでしょう。
対処法②:スマホの設定で非通知電話を拒否する
最も確実な方法は、スマホの設定で非通知電話を着信拒否することです。設定方法はiPhoneとAndroidで異なります。
iPhoneでの設定方法:
- 「設定」アプリを開く
- 下にスクロールして「電話」をタップ
- 「不明な発信者を消音」を探してタップ
- スイッチをオン(緑色)にする
この設定をすると、連絡先に登録されていない番号や非通知の電話は自動的に消音され、着信履歴にだけ記録されます。電話が鳴らないので、作業の邪魔になりません。
Androidでの設定方法:
- 「電話」アプリを開く
- 右上の3つの点(メニュー)をタップ
- 「設定」を選択
- 「番号のブロック」や「着信拒否設定」を探す
- 「不明な発信者をブロック」や「非通知着信拒否」をオンにする
※機種やメーカーによって表示が異なる場合があります。
対処法③:キャリアのサービスを利用する
大手キャリア(ドコモ、au、ソフトバンクなど)では、非通知電話を拒否できるサービスを提供しています。多くの場合、無料で利用できるんです。
主要キャリアの非通知拒否サービス:
- ドコモ:番号通知お願いサービス
- au:番号通知リクエストサービス
- ソフトバンク:ナンバーブロック
これらのサービスを設定すると、非通知でかけてきた相手に「番号を通知してかけ直してください」というメッセージが自動的に流れます。
対処法④:もし電話に出てしまったら…
うっかり非通知電話に出てしまった場合は、次のことに注意してください。
絶対にやってはいけないこと:
- 自分から名前を名乗らない
- 住所や生年月日などの個人情報を話さない
- 相手の質問にすぐ答えない
- クレジットカード番号や口座番号を教えない
すべきこと:
- まず相手に名乗ってもらう「どちら様でしょうか?」
- 相手の話を鵜呑みにしない
- 少しでも怪しいと感じたらすぐに切る
- 強引な話し方をされたら、感情的にならずに冷静に電話を切る
「非通知」と「不明」の違いって?

スマホの着信画面には「非通知」以外に「不明」「Unknown」と表示されることもあります。この2つは実は違うものなんです。
非通知(No Caller ID)
発信者が意図的に電話番号を隠している状態です。184をつけたり、設定で非通知にしたりして、わざと番号を見せないようにしているんですね。
不明(Unknown Caller)
電話会社のネットワークが発信者の情報を認識できない状態です。
不明になる原因:
- 海外からの国際電話
- 古い電話システムからの発信
- ネットワークの一時的な障害
- 一部のIP電話サービスからの発信
不明の場合は、発信者が意図的に隠しているわけではないことが多いですが、それでも注意は必要です。
固定電話での非通知電話対策
スマホだけでなく、自宅の固定電話にも非通知電話はかかってきます。固定電話での対策もご紹介しますね。
NTTのナンバー・リクエストサービス
NTT東日本・西日本では「ナンバー・リクエスト」というサービスを提供しています。
このサービスを申し込むと、非通知でかけてきた相手に自動音声で「お客様の電話番号を通知しておかけ直しください」とアナウンスが流れます。
ナンバー・リクエストの特徴:
- 月額220円(税込)で利用可能
- ナンバー・ディスプレイ(着信番号表示サービス)の契約が必要
- 家族や知人には事前に知らせておくと親切
電話機の機能を使う
最近の固定電話機には、非通知着信を拒否する機能が搭載されているものもあります。
取扱説明書で「非通知拒否」「迷惑電話対策」などの項目を確認してみてください。
こんなときどうする?シチュエーション別対処法
ケース①:何度も非通知電話がかかってくる
しつこく非通知電話がかかってくる場合は、嫌がらせやストーカーの可能性も考えられます。
対処法:
- 絶対に電話に出ない
- すぐに非通知着信拒否の設定をする
- 着信履歴を記録しておく(日時、回数など)
- エスカレートするようなら警察に相談する
特に身の危険を感じる場合は、迷わず警察に相談してください。
ケース②:深夜に非通知電話がかかってくる
深夜の非通知電話は、ほぼ間違いなく悪意のある電話です。
対処法:
- 絶対に出ない
- スマホをマナーモードや機内モードにする
- 翌朝、非通知着信拒否の設定をする
- 着信音で目が覚めてしまう場合は、就寝時に「おやすみモード」を設定する
ケース③:仕事で非通知電話に出る必要がある場合
仕事の都合上、どうしても非通知電話に出なければならない場合もあるでしょう。
対処法:
- 会社名と名前を名乗ってもらう
- 相手がはっきりしない場合は、用件を先に聞く
- 詳しい情報はホームページなどを案内する
- 個人情報は絶対に話さない
業務用の電話なら、通話録音機能を使うのも効果的です。
逆に自分が非通知で電話をかけたいときは?
事情があって非通知で電話をかけたい場合もあるかもしれません。正当な理由で使う分には、非通知電話自体は違法ではありません。
非通知で電話をかける方法
一時的に非通知にする場合:
電話番号の前に「184」をつけてダイヤルする
例:184-03-1234-5678
常に非通知にする場合:
スマホの「発信者番号通知」設定をオフにする
非通知で電話をかけるときの注意点
非通知で電話すると、相手が電話に出ない可能性が高いことを理解しておきましょう。
こんな番号には非通知でかけられません:
- 110(警察)や119(消防・救急)などの緊急通報
- 0120や0800などのフリーダイヤル
- 一部の企業のカスタマーサポート
緊急時や重要な連絡では、必ず番号を通知してかけるようにしましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1:非通知でかけてきた相手の番号を知る方法はありますか?
残念ながら、一般の個人が非通知の相手を特定することは基本的にできません。
ただし、警察は通信記録から相手を特定できます。犯罪性がある場合は警察に相談してください。
また、「*69」や「136」をダイヤルすると、最後にかかってきた電話に折り返しできるサービスがありますが、非通知電話には対応していないことがほとんどです。
Q2:非通知電話は完全に違法じゃないんですか?
非通知で電話をかけること自体は違法ではありません。プライバシー保護のための正当な機能です。
ただし、詐欺や嫌がらせ、ストーカー行為など、犯罪目的で非通知機能を使った場合は当然違法になります。
Q3:非通知拒否の設定をしたら、大事な電話を逃すことはありませんか?
本当に大事な用件で連絡してくる人は、通常は番号を通知して電話してきます。
また、非通知拒否の設定をしていても、相手が番号を通知し直せば通話できます。大事な連絡を逃す可能性は非常に低いので、安心して設定できますよ。
まとめ:非通知電話には基本的に出ない!
非通知電話について、仕組みから対処法まで詳しく解説してきました。最後にポイントをまとめます。
非通知電話の対処法まとめ:
- 基本的に非通知電話には出ないのが一番安全
- スマホの設定で非通知着信を拒否する
- キャリアの非通知拒否サービスを活用する
- もし出てしまっても、個人情報は絶対に話さない
- しつこい場合や身の危険を感じたら警察に相談
覚えておきたいこと:
- 本当に重要な連絡なら、相手は番号を通知してかける
- 非通知電話に出ると、詐欺やトラブルに巻き込まれるリスクがある
- 電話に出るだけでも、「この番号は使われている」と認識される
- 非通知着信拒否の設定は無料でできる
非通知電話は、プライバシー保護という本来の目的がある一方で、残念ながら悪用されるケースも多いのが現実です。
自分と家族を守るために、今すぐ非通知着信拒否の設定をしておくことをおすすめします。特に高齢のご家族がいる場合は、一緒に設定してあげると安心ですね。
「知らない番号には出ない」「非通知電話には絶対に出ない」。この2つを習慣にして、安全で快適な電話ライフを送りましょう!

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