プレイリストを聴いていて、曲と曲の間の無音時間が気になったことはありませんか?
実は2025年秋にリリースされたiOS 18で、Apple Musicに「AutoMix(オートミックス)」という革命的な機能が追加されました。これを使えば、まるでプロのDJがミックスしているかのように、曲から曲へスムーズに繋がっていくんです。
この記事では、話題のAutoMix機能について、基本的な仕組みから実際の使い方、上手に活用するコツまで詳しく解説していきますね。
Automix(オートミックス)って何?基本を理解しよう
Automixは、音楽の再生中に曲と曲を自然に繋ぐ技術のこと。
特にApple Musicに搭載された新機能「AutoMix」が注目を集めていて、AIを使って曲のテンポやキー(音の高さ)を自動で解析し、DJのように滑らかにミックスしてくれます。
AutoMixの主な特徴
- AIが楽曲の構造を分析してベストなタイミングで繋ぐ
- ビートマッチング(リズムを合わせる技術)を自動実行
- タイムストレッチ(テンポ調整)で自然な移行を実現
- 曲の最初と最後の無音部分を自動で削除
- プレイリストやラジオステーションで動作
従来の「クロスフェード」という機能とは一線を画す、より高度な音楽体験を提供してくれるんです。
クロスフェードとAutoMixの違いを知っておこう
「クロスフェードも曲を繋ぐ機能だよね?何が違うの?」と思いますよね。
実は、この2つには大きな違いがあります。
クロスフェードの仕組み
クロスフェードは、前の曲が徐々に音量を下げながら(フェードアウト)、同時に次の曲が徐々に音量を上げていく(フェードイン)という単純な方法。
設定した秒数(例えば5秒)の間、2つの曲が重なって聞こえます。ただし、曲のテンポやリズムは考慮されないので、ビートが合わないこともあります。
AutoMixの高度な技術
一方のAutoMixは、単なる音量調整ではありません。
- 楽曲分析:AIが曲の構造、テンポ、キーを理解する
- 最適なタイミング選択:曲ごとに最も自然な繋ぎ方を判断
- ビートマッチング:リズムが合うように調整
- タイムストレッチ:必要に応じてテンポを微調整
- 無音削除:曲の最初と最後の不要な無音を自動カット
つまり、AutoMixは「音楽を理解するAI」が働いているわけです。まるでプロのDJが、曲の展開を読みながら次の曲に繋いでいくような感覚なんですね。
Apple Music AutoMixの使い方【設定編】
それでは、実際にAutoMixを使ってみましょう。設定はとても簡単です。
必要な条件を確認
AutoMixを使うには、以下の条件を満たしている必要があります。
- iOS 18以降にアップデートされたiPhone(iPhone 11以降)
- Apple Musicのサブスクリプション契約
- iPadOSまたはmacOS(Apple Silicon搭載Mac)
無料プランやローカル保存した曲だけでは使えないので注意してください。
設定アプリからAutoMixをオンにする方法
手順1:設定アプリを開く
iPhoneのホーム画面から「設定」アプリをタップします。
手順2:「アプリ」→「ミュージック」へ進む
設定画面を下にスクロールして「アプリ」を選択し、その中から「ミュージック」をタップ。
手順3:「曲のトランジション」を選択
「オーディオ」セクションにある「曲のトランジション」をタップしてください。
手順4:AutoMixを選択
「曲のトランジション」のスイッチをオン(緑色)にして、「AutoMix」を選択します。チェックマークが付けば設定完了です。
iOS 18では、AutoMixがデフォルトでオンになっているので、気づかないうちに使っている人も多いかもしれませんね。
ミュージックアプリからその場でオン/オフする方法
設定アプリを開かなくても、再生中にサッと切り替えることもできます。
- Apple Musicアプリで曲を再生
- 画面下部の再生バー(ミニプレイヤー)をタップ
- 再生画面が開いたら、右下の「次に再生」アイコン(3本線のマーク)をタップ
- 画面右上に表示される「2つの円が重なったアイコン」をタップしてオン/オフ
このアイコンが白く光っていればAutoMixがオン、グレーならオフの状態です。
AutoMixを最大限に楽しむコツ
AutoMixは便利な機能ですが、使い方次第でさらに快適になります。
似たジャンルでプレイリストを作る
AutoMixは、テンポやキーが近い曲同士で特に効果を発揮します。
例えば、こんなプレイリストがおすすめ:
- エレクトロニカやハウスなど電子音楽のみ
- テンポの速いロック系でまとめる
- チルアウト系のゆったりした曲を集める
- 同じアーティストのベスト盤
ジャンルがバラバラだと、AutoMixがうまく機能しないこともあるので注意しましょう。
作業用BGMやドライブに最適
AutoMixが特に威力を発揮するのは、こんなシーン:
- 集中作業中のBGM:曲の切り替わりで集中が途切れない
- 車の運転中:操作不要で音楽が流れ続ける
- パーティーの雰囲気づくり:DJ風の演出で盛り上がる
- ワークアウト時:リズムが途切れず運動に集中できる
曲を一つ一つじっくり聴きたい時は、AutoMixをオフにするのもありですよ。
アルバム再生では自動的にオフになる
AutoMixは、プレイリストやラジオステーション専用の機能。
アルバムを通して聴く場合や、一部のジャンル(クラシック音楽など)では、自動的にトランジションなしの通常再生になります。これはアーティストの意図を尊重するための配慮なんですね。
よくあるトラブルと解決方法
AutoMixを使っていて「あれ?」と思ったら、以下をチェックしてみてください。
AutoMixが表示されない・使えない
原因1:iOSバージョンが古い
iOS 18以降でないと使えません。「設定」→「一般」→「ソフトウェア・アップデート」でアップデートしましょう。
原因2:Apple Musicに未加入
AutoMixはサブスクリプション限定機能です。無料プランでは利用できません。契約状況を確認してください。
原因3:対応していないデバイス
Intel搭載のMac、Apple TV、Apple Watch、HomePod、Androidデバイスでは現時点で利用できません。
AutoMixをオンにしても普通に再生される
アプリを再起動してみる
Apple Musicアプリを完全に終了させて、もう一度開いてみてください。
デバイスを再起動
iPhoneやiPad自体を再起動すると、問題が解決することがあります。
ローカルファイルではないか確認
iTunes Storeで購入した曲や、自分でアップロードした音楽ではAutoMixは動作しません。Apple Musicのストリーミング楽曲のみで使えます。
ミキシングがカクカクする・不自然
Dolby Atmosやロスレスオーディオをオフにする
高音質設定だと、AutoMixがうまく機能しないことがあります。
「設定」→「アプリ」→「ミュージック」→「オーディオの質」で、ロスレスオーディオをオフにしてみてください。
曲の終わりに長い無音がある場合
一部の楽曲では、意図的に10秒以上の無音が入っていることがあります。この場合、AutoMixがクロスフェードのような動作になることも。これは仕様なので、気になる場合は該当曲を除外しましょう。
ジャンルによって効果が違う
AutoMixの効果は、音楽ジャンルによって大きく変わります。
相性の良いジャンル
- エレクトロニカ、トランス、ハウス
- ダンスミュージック全般
- ヒップホップ、R&B
- ポップス
相性がイマイチなジャンル
- クラシックロックの長いアウトロ(フェードアウト)がある曲
- ジャズやクラシック音楽
- バラードなど静かな曲
- フォールスエンディング(偽の終わり)がある曲
これは技術的な限界というより、ジャンルの特性によるものです。
Apple Music以外のAutomix技術
Automixという言葉は、Apple Musicだけでなく、他の音楽関連サービスでも使われています。
Spotifyのミックス機能
実は、AppleがAutoMixを発表する直前に、Spotifyも似た機能を追加しました。
Spotifyプレミアム会員向けの「Spotify Mix」では、プレイリストの曲間をスムーズに繋ぐことができます。競争が激しい音楽ストリーミング業界ならではの展開ですね。
音楽制作用のAIオートミキシングツール
プロデューサーや音楽制作者向けには、別の意味での「Automix」ツールも存在します。
例えば「RoEx Automix」は、複数のトラックを自動的にミキシングしてくれるAI駆動のツール。ボーカル、ドラム、ベース、ギターなどの個別トラックをアップロードすると、AIがバランスを調整して、プロ品質のミックスを数分で作成してくれます。
特徴
- マルチトラックオーディオを自動処理
- 高度な音声信号処理技術とAIを組み合わせ
- ロンドン大学クイーンメアリー校の研究を活用
- プロのオーディオエンジニアが監修したトレーニングデータ
月額14.99ドル(または都度課金)で利用でき、スタジオ設備がない独立系ミュージシャンに人気があります。
DJソフトウェアのオートミックス機能
プロのDJ向けソフトウェア(Serato DJ、rekordbox、Virtual DJなど)にも、オートミックス機能が搭載されています。
こちらはより高度で、BPM(テンポ)の自動検出、キーマッチング、キューポイント設定などが可能。Apple MusicのAutoMixは、これらのプロツールを一般ユーザー向けに簡略化したものと言えるでしょう。
AutoMixの今後の進化に期待
iOS 18で登場したAutoMixは、まだ発展途上の機能です。
現時点でもかなり完成度が高いですが、Appleは今後のアップデートでさらに改善していく予定。特に以下の点が期待されています。
今後追加されそうな機能
- より多くのジャンルへの最適化
- フォールスエンディングの検出精度向上
- AirPlayスピーカーへの対応
- Apple Intelligence統合でさらに賢い曲選び
- ユーザーの好みを学習するパーソナライズ機能
ベータテストに参加したユーザーからのフィードバックも非常に好評で、「iOS 18で最も気に入った機能」と評価する人も多いんですよ。
まとめ:AutoMixで音楽体験が劇的に変わる!
Automix(オートミックス)、特にApple MusicのAutoMix機能は、音楽の聴き方を変える革新的な技術です。
この記事のポイント
- AutoMixはAIがDJのように曲を繋ぐ機能
- クロスフェードより高度なビートマッチングを実現
- iOS 18以降+Apple Musicサブスクリプションで利用可能
- 設定は簡単、アプリからもその場でオン/オフ可能
- 似たジャンルでまとめたプレイリストが最適
- 作業用BGMやドライブで特に効果的
- トラブル時はiOSアップデートや高音質設定を確認
- Spotifyや音楽制作ツールでもAutomix技術が進化中
プロのDJがミックスしたような音楽体験が、追加料金なしで楽しめるなんて、すごい時代になりましたよね。
まだ試していない方は、ぜひお気に入りのプレイリストでAutoMixをオンにしてみてください。音楽がノンストップで流れる快適さに、きっと驚くはずですよ!


コメント