パソコンの電源を入れるとBIOS画面は表示されるのに、その先に進まずWindowsが起動しない。こんな症状に遭遇したことはありませんか?
この状態は「ハードウェアは動作しているがOS読み込みに失敗している」ことを示しています。
放置すると大切なデータが失われる可能性もあります。
この記事では、BIOSは起動するのにPCが起動しない原因と、安全で効果的な対処法を詳しく解説します。
BIOSとは何か

BIOSは「Basic Input Output System」の略で、パソコンの各デバイスを制御するための基本プログラムです。
マザーボードに搭載されており、電源を入れた直後に最初に起動します。
BIOSの主な役割は次の通りです。
- ハードウェアの初期化と動作確認
- 起動デバイス(HDD、SSD、USBなど)の優先順位設定
- CPU、メモリ、ストレージなどの基本設定管理
- OSの起動準備
最近のパソコンではBIOSの後継規格であるUEFI(Unified Extensible Firmware Interface)が使われていますが、基本的な役割は同じです。
BIOSが正常に起動しても、その後のOS読み込み段階で問題が発生すると、Windowsが起動できなくなります。
BIOSは起動するがPCが起動しない症状
この問題が発生すると、次のような症状が現れます。
- 電源ランプは点灯し、ファンも回転している
- BIOS画面やメーカーロゴは表示される
- BIOS設定画面には入れる
- しかしWindowsのロゴ画面まで進まない
- または「No bootable device」などのエラーメッセージが表示される
- 黒い画面に英語のメッセージが表示される
- 自動的に再起動を繰り返す
この状態は、ハードウェアとしては基本的な機能が動作している一方、OS読み込みプロセスで失敗していることを示しています。
PCが起動しない主な原因
BIOSは起動するのにWindowsが起動しない場合、以下の原因が考えられます。
起動順序の設定ミス
BIOSの起動順序(ブートオーダー)が間違っていると、OSがインストールされたドライブを読み込めません。
外付けUSBメモリやDVDドライブが優先されている場合、OSが起動しない原因になります。
M.2 SSDは特に設定依存のトラブルが発生しやすく、接触状態や設定で問題が起きることがあります。
ストレージ(HDD/SSD)の障害
ストレージ自体の物理的な故障が原因で起動しないケースがあります。
HDDは異音や動作遅延などの前兆が出やすいですが、SSDは予告なく突然認識しなくなることが多いです。
経年劣化、衝撃、コントローラーの異常などでストレージが認識されなくなると、OSを読み込めません。
システムファイルの破損
Windowsの起動に必要なシステムファイルが破損すると、ロゴ画面から進まない、再起動を繰り返すなどの症状が出ます。
ブート構成データ(BCD)の破損やドライバー更新後の不整合、ソフトウェアアップデート直後に起きることがあります。
外部機器の干渉
USB機器や外付けストレージが接続されていると、起動を妨げるケースがあります。
特に外付けHDDやUSBメモリが優先的に読み込まれ、OSが見つからないエラーになることがあります。
メモリやハードウェアの接触不良
メモリモジュールの接触不良や故障が原因で正常に起動しないことがあります。
ビデオカードやその他の拡張カードの不具合も起動障害の原因になります。
PCが起動しない時の対処法
以下の対処法を順番に試してみてください。
重要なデータがある場合は、作業前にデータ保護を考慮しましょう。
外部機器をすべて取り外す
最初に試すべき最も簡単な方法です。
- パソコンの電源を切る
- すべてのUSB機器や周辺機器を取り外す(キーボードとマウスは残す)
- 外付けHDD、USBメモリ、プリンター、SDカードなどを全て外す
- 電源を入れて起動するか確認する
起動した場合は、1つずつ機器を再接続して問題の原因を特定します。
放電処理(ハードリセット)
パソコン内部に溜まった余分な電気を放出する作業です。
デスクトップPCの場合
- パソコンの電源を切る
- 電源ケーブルをコンセントから抜く
- 電源ボタンを15〜30秒間長押しする
- 5分程度待つ
- 電源ケーブルを接続して起動する
ノートPCの場合
- パソコンの電源を切る
- 電源ケーブルを抜く
- バッテリーが取り外せる場合は取り外す
- 電源ボタンを15〜30秒間長押しする
- 5分程度待つ
- バッテリーと電源ケーブルを接続して起動する
BIOSで起動順序を確認する
起動デバイスの優先順位が正しいか確認します。
- パソコンの電源を入れる
- BIOS起動キー(F2、Delete、Escなど)を連打する
- BIOS画面が表示されたら「Boot」または「起動」タブに移動
- 起動順序(Boot Order)を確認
- OSがインストールされているドライブを最優先に設定
- 設定を保存して再起動(Save and Exit)
メーカーによってBIOS起動キーは異なります。
- Dell、HP、Lenovo:F2キー
- ASUS:F2またはDeleteキー
- MSI:Deleteキー
- Acer:F2キー
BIOS設定を初期化する
BIOS設定の不具合が原因の場合、初期化で解決することがあります。
- BIOS画面を開く
- 「Load Defaults」「Restore Defaults」「Load Optimized Defaults」などを選択
- 確認画面でYesを選択
- 設定を保存して再起動
または、CMOS電池を取り外して初期化する方法もあります。
- パソコンの電源を切り、電源ケーブルを抜く
- パソコンを開けてマザーボードを確認
- CMOS電池(CR2032のボタン電池)を取り外す
- 5〜10分待つ
- 電池を元に戻して起動する
HDD/SSDの接続を確認する
ストレージの接続が緩んでいないか確認します。
- パソコンの電源を切り、電源ケーブルを抜く
- パソコンを開ける(デスクトップの場合)
- SATA/M.2ケーブルの接続を確認
- ケーブルを一度抜いて挿し直す
- ケース を閉じて起動する
M.2 SSDの場合は、スロットにしっかり挿さっているか、固定ネジが緩んでいないか確認します。
メモリモジュールの抜き差し
メモリの接触不良が原因の場合があります。
- パソコンの電源を切り、電源ケーブルを抜く
- メモリスロットを確認
- メモリを一度取り外す
- 金属端子部分を柔らかい布で軽く拭く
- しっかりと挿し直す(カチッと音がするまで)
- 起動する
複数のメモリがある場合は、1枚ずつ挿して動作確認すると問題のメモリを特定できます。
セーフモードで起動を試す
Windowsのロゴまで進む場合は、セーフモードでの起動を試します。
- 電源を入れてWindowsロゴが表示されたら電源ボタン長押しで強制終了
- これを3回繰り返す
- 自動修復画面が表示される
- 「詳細オプション」→「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「スタートアップ設定」→「再起動」を選択
- F4キーを押してセーフモードで起動
セーフモードで起動できたら、最近インストールしたプログラムやドライバーをアンインストールします。
Windows回復環境(WinRE)を使う
Windows回復環境から修復を試みます。
回復ドライブまたはインストールメディアから起動
- 別のパソコンでWindows回復ドライブまたはインストールメディアを作成
- USBメモリを起動しないパソコンに接続
- BIOSでUSBを最優先の起動デバイスに設定
- USBから起動
- 「コンピューターを修復する」を選択
- 「トラブルシューティング」→「詳細オプション」を選択
- 「スタートアップ修復」または「システムの復元」を実行
コマンドプロンプトで修復コマンドを実行
Windows回復環境のコマンドプロンプトから修復します。
- 回復環境から「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「コマンドプロンプト」を選択
- 以下のコマンドを順番に実行
bootrec /fixmbr
bootrec /fixboot
bootrec /rebuildbcd
- 各コマンド実行後にEnterキーを押す
- すべて完了したら「exit」と入力してコマンドプロンプトを閉じる
- 再起動する
これらのコマンドはブート情報を修復します。
データを守るための注意点

起動しないパソコンを修復する際は、以下の点に注意してください。
むやみに再起動を繰り返さない
何度も再起動を繰り返すと、ストレージに負荷がかかりデータ破損のリスクが高まります。
症状を確認したら、適切な対処法を選んで実行しましょう。
初期化やクリーンインストールは最後の手段
Windows の初期化やクリーンインストールはデータが消える可能性があります。
大切なデータがある場合は、データを取り出してから実行してください。
フォーマットは絶対に実行しない
「フォーマットしますか?」というメッセージが表示されても、絶対にフォーマットしないでください。
フォーマットするとデータ復旧が困難または不可能になります。
大切なデータがある場合は専門業者に相談
以下の場合は、自分で作業せず専門のデータ復旧業者に相談することをおすすめします。
- 重要な業務データや写真が保存されている
- ストレージから異音がする
- 何度試しても改善しない
- 物理的な故障の可能性がある
無理な操作で症状が悪化すると、データ復旧の可能性が下がってしまいます。
メーカー別BIOS起動キー一覧
パソコンメーカーによってBIOS起動キーは異なります。
| メーカー | 起動キー |
|---|---|
| Dell | F2 |
| HP | F2、F10、Esc |
| Lenovo | F2、F1 |
| ASUS | F2、Delete |
| Acer | F2 |
| MSI | Delete |
| Gigabyte | Delete |
| ASRock | F2、Delete |
| Toshiba | F2、F12 |
| NEC | F2 |
| 富士通 | F2 |
| Panasonic | F2 |
起動キーを押すタイミングは、電源を入れた直後からメーカーロゴが表示されている間です。
タイミングが分からない場合は、電源を入れたらすぐに連打してください。
よくある質問
BIOSは起動するがWindowsが起動しない原因は何ですか?
起動順序の設定ミス、ストレージの障害、システムファイルの破損、外部機器の干渉などが主な原因です。BIOSが起動するということはハードウェアの基本機能は動作しているため、OS読み込み段階での問題と考えられます。
データを失わずに修復できますか?
多くの場合、適切な対処法でデータを失わずに修復できます。ただし、ストレージの物理的な故障の場合は専門業者への依頼が必要です。重要なデータがある場合は、初期化やフォーマットを実行する前にデータ取り出しを優先してください。
セーフモードでも起動しない場合はどうすればいいですか?
セーフモードでも起動しない場合は、ハードウェアの問題またはシステムファイルの深刻な破損が疑われます。Windows回復環境からの修復、またはストレージを取り出して別のPCに接続してデータを救出する方法を試してください。
BIOS設定を初期化してもデータは消えませんか?
BIOS設定の初期化はマザーボードの設定をリセットするだけで、ストレージ内のデータには影響しません。Windows や保存ファイルは消えないので安心してください。
起動順序を変更してもWindowsが起動しない場合は?
起動順序が正しいのに起動しない場合は、ストレージの接続不良、ストレージ自体の故障、システムファイルの破損などが考えられます。BIOS画面でストレージが認識されているか確認し、認識されていない場合は接続を確認してください。
M.2 SSDが認識されない場合の対処法は?
M.2 SSDは接触不良が起きやすいです。一度取り外して挿し直す、固定ネジを締め直す、別のM.2スロットに挿してみるなどを試してください。BIOS設定でM.2スロットが有効になっているかも確認します。
外付けHDDから起動してしまう場合は?
BIOSの起動順序で外付けHDDが優先されている可能性があります。外付けHDDを取り外して起動するか、BIOS設定で内蔵ストレージを最優先に設定してください。
コマンドプロンプトの修復コマンドが失敗する場合は?
修復コマンドが失敗する場合は、ブート領域の深刻な破損またはストレージの物理的な問題が考えられます。この場合は、Windows のクリーンインストールを検討するか、データ復旧業者に相談してください。
どのくらい古いパソコンまでこの方法で対処できますか?
Windows 7以降のパソコンであれば、基本的にこの記事の対処法が適用できます。ただし、古いパソコンの場合はハードウェアの経年劣化による故障の可能性が高くなります。
修復後にまた同じ症状が出る場合は?
修復後すぐに同じ症状が出る場合は、ストレージの経年劣化や物理的な故障が進行している可能性があります。重要なデータをバックアップして、ストレージの交換を検討してください。
まとめ
BIOSは起動するのにWindowsが起動しない場合、多くは設定ミスやソフトウェアの問題で解決できます。
この記事で紹介した対処法を順番に試してみてください。
重要なポイントをまとめます。
- まずは外部機器をすべて取り外して再起動を試す
- 放電処理で改善することも多い
- BIOSで起動順序を必ず確認する
- 症状に応じてセーフモードや回復環境を活用する
- データが大切な場合は無理な操作をしない
- 改善しない場合は専門業者への相談を検討する
最も重要なのは、大切なデータを守ることです。
症状が改善しない場合や不安がある場合は、無理に作業を進めず専門家に相談しましょう。
日頃からデータのバックアップを取る習慣をつけることで、万が一の時も安心です。


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