「iPhoneでいつも同じ操作を何度も繰り返してる」「もっと効率的に使えないかな」と思ったことはありませんか?
そんな悩みを解決してくれるのが、iPhoneに標準で入っている「ショートカット」アプリです。このアプリを使えば、複雑な操作も1タップやSiriへの呼びかけだけで実行できるようになるんです。
この記事では、ショートカットの基本から実用的な使い方まで、初めての方にもわかりやすく解説していきます。
ショートカットってなに?
ショートカットは、iOS 13から標準搭載されているApple純正のアプリです。iPhoneやiPadで無料で使えます。
このアプリの最大の特徴は、「複数の操作を1つにまとめられる」ということ。
例えば、こんな使い方ができます。
バッテリー節約モードの例
通常なら以下の操作が必要です:
- 設定アプリを開く
- Wi-Fiをオフにする
- Bluetoothをオフにする
- 画面の明るさを下げる
- 低電力モードをオンにする
でも、ショートカットを設定しておけば、これらの操作がワンタップで完了します。Siriに「節約モード」と言うだけでもOKなんです。
ショートカットでできること
ショートカットを使うと、次のようなことができるようになります。
日常操作の自動化
よく使う操作をまとめて実行できます。例えば、朝起きたときに天気予報とニュースを自動で表示したり、家に着いたら家族に「着いたよ」とメッセージを送ったりできます。
アプリ間の連携
複数のアプリを横断した操作も可能です。Webページを開いてPDF化して保存、といった一連の流れも自動化できるんです。
条件付きの自動実行
バッテリー残量が20%を切ったら自動で低電力モードに切り替えるなど、特定の条件で自動的に動作させることもできます。
ショートカットを使う3つの方法
ショートカットを利用するには、大きく分けて3つの方法があります。
方法1:ギャラリーから追加する
Appleが用意した既成のショートカットを使う方法です。
タップするだけで追加できるので、初心者の方にはこの方法がおすすめですね。天気予報の取得や写真の編集など、すぐに使える便利なショートカットがたくさん用意されています。
方法2:自分で作成する
自分の使い方に合わせて、オリジナルのショートカットを作る方法です。
少し難しく感じるかもしれませんが、基本的な「アクション」を組み合わせていくだけなので、慣れれば簡単です。
方法3:他の人が作ったレシピをダウンロードする
インターネット上には、他のユーザーが作成したショートカットがたくさん公開されています。
URLをタップするだけで自分のiPhoneに追加できるので、便利なショートカットを手軽に使えます。
まずはギャラリーから試してみよう
それでは、実際にショートカットを使ってみましょう。最初はギャラリーから追加する方法がわかりやすいですよ。
ギャラリーからの追加手順
- ホーム画面で「ショートカット」アプリをタップ
- 画面下部の「ギャラリー」をタップ
- 使いたいショートカットを探してタップ
- 「ショートカットを追加」をタップ
これだけで完了です!
追加したショートカットは「マイショートカット」に保存されます。
設定が必要なショートカットもある
ショートカットによっては、追加する前に細かい設定が必要な場合があります。
例えば、「自宅までの所要時間」というショートカットなら、自宅の住所や通知を送る相手を設定する必要があるんです。
画面の指示に従って必要な情報を入力していけば大丈夫ですよ。
自分でショートカットを作ってみよう
ギャラリーのショートカットに慣れてきたら、自分でオリジナルを作ってみましょう。
基本的な作成手順
- ショートカットアプリを開く
- 画面右上の「+」ボタンをタップ
- 「アクションを追加」をタップ
- 使いたい機能(アクション)を選ぶ
- 必要に応じて複数のアクションを追加
- 「完了」をタップ
アクションってなに?
アクションとは、ショートカットの基本単位のことです。「Wi-Fiをオフにする」「メッセージを送る」「写真を撮る」など、1つ1つの動作がアクションになります。
複数のアクションを組み合わせることで、複雑な操作も自動化できるんです。
アクションの探し方
アクションは、カテゴリー別に整理されています。
主なカテゴリーは以下の通りです:
- スクリプティング:条件分岐や繰り返しなど
- メディア:写真や音楽の操作
- 位置情報:マップや現在地の取得
- Web:ブラウザやURL関連
- テキスト:文字列の操作
- 共有:他のアプリへのデータ送信
カテゴリーをタップすると、その中のアクション一覧が表示されます。また、検索バーでアクションを直接検索することもできますよ。
ショートカットをホーム画面に追加する方法
作成したショートカットは、ホーム画面にアイコンとして配置できます。アプリを開く手間がなくなるので便利ですね。
ホーム画面への追加手順
- 「マイショートカット」で追加したいショートカットの「…」をタップ
- 画面右上の共有ボタン(四角に上矢印のマーク)をタップ
- 「ホーム画面に追加」をタップ
- アイコンの名前や画像をカスタマイズ(省略可)
- 「追加」をタップ
これでホーム画面に専用アイコンが表示されます。
アイコンの見た目を変更する
ショートカットのアイコンは、自分の好きな画像に変更できます。
アイコン部分をタップすると、以下の選択肢が表示されます:
- 写真を撮る:その場でカメラで撮影
- 写真を選択:カメラロールから選ぶ
- ファイルを選択:ファイルアプリから選ぶ
オリジナルのアイコンにすれば、見た目も楽しくなりますよ。
オートメーション機能を使いこなそう
ショートカットには、「オートメーション」という強力な機能があります。
これは、特定の条件が満たされたときに自動的にショートカットを実行してくれる機能です。
通常のショートカットとの違い
通常のショートカット
自分でタップするか、Siriに頼む必要がある
オートメーション
条件が満たされると自動で実行される
例えば、「バッテリー残量が20%になったら低電力モードをオンにする」といった設定ができるんです。
オートメーションの作成手順
- ショートカットアプリを開く
- 画面下部の「オートメーション」をタップ
- 「新規オートメーション」または「+」をタップ
- 「個人用オートメーションを作成」をタップ
- トリガー(実行条件)を選ぶ
- 条件の詳細を設定
- 「次へ」をタップ
- 実行したいアクションを追加
- 「完了」をタップ
主なトリガーの種類
オートメーションでは、さまざまなトリガーを設定できます。
時刻関連
- 時刻:特定の時刻になったとき
- アラーム:アラームを止めたとき
移動関連
- 到着:特定の場所に着いたとき
- 出発:特定の場所から離れたとき
- CarPlay:車に接続したとき
デバイス関連
- Wi-Fi:特定のWi-Fiに接続/切断したとき
- Bluetooth:デバイスに接続/切断したとき
- バッテリー残量:特定の%を上回る/下回ったとき
- 充電器:充電器に接続/切断したとき
アプリ関連
- アプリ:特定のアプリを開いた/閉じたとき
通信関連
- メッセージ:特定の人からメッセージが来たとき
これらのトリガーを組み合わせることで、自分だけの便利な自動化が実現できます。
おすすめのショートカットレシピ10選
ここからは、すぐに使える便利なショートカットを紹介していきます。
1. バッテリー節約モード
バッテリーが少なくなったときに、一発で節約設定に切り替えるショートカットです。
設定される内容
- Wi-Fiオフ
- Bluetoothオフ
- 画面の明るさを最低に
- 低電力モードオン
外出先でバッテリーがピンチのとき、このショートカットをタップすればすぐに節約モードになります。
2. 即メモ
思いついたことをすぐにメモできるショートカットです。
タップするだけで新しいメモが開くので、メモアプリを探して開いて新規作成して…という手間がありません。
突然のアイデアを逃さず記録できますね。
3. WebページをPDF化
今見ているWebページを、まるごとPDF化して保存できるショートカットです。
Safariの共有メニューからこのショートカットを実行するだけで、ページ全体がPDFになります。資料として残しておきたいページがあるときに便利ですよ。
4. 充電完了時間を通知
充電器に接続したとき、充電が完了するまでの時間を教えてくれるショートカットです。
これを使うと、「あと何分で充電できるかな」という疑問がすぐに解決します。ただし、このショートカットはオートメーション設定が必要です。
5. 自宅までの所要時間を送信
現在地から自宅までの経路と到着時間を調べて、家族にメッセージで送信するショートカットです。
「今から帰るよ」というメッセージと一緒に、到着予定時刻も自動で送れるので便利ですね。
6. おやすみモード設定
寝る前の一連の設定をまとめて実行するショートカットです。
設定される内容
- おやすみモードオン
- アラーム設定
- 画面の明るさを最低に
- 音量を下げる
毎晩の習慣をワンタップで完了できます。
7. テキスト翻訳
選択したテキストを他の言語に翻訳するショートカットです。
英語のWebサイトを読んでいるときなど、わからない部分を選択してこのショートカットを実行すれば、すぐに日本語訳が表示されます。
8. 複数のタイマー設定
カップ麺や料理など、よく使う時間のタイマーをメニュー形式で選べるショートカットです。
「3分」「5分」「10分」など、自分がよく使う時間を登録しておけば、いちいち時間を入力する手間が省けますね。
9. 音楽自動再生(オートメーション)
Bluetoothイヤホンに接続したら、自動で音楽アプリを開いて再生を始めるオートメーションです。
通勤・通学時に毎回同じ操作をしている人には、かなり便利な設定ですよ。
10. 会議モード
会議の前にサッと設定できるショートカットです。
設定される内容
- おやすみモードオン
- 音量ミュート
- メモアプリを開く
会議が始まる前に、このショートカットを1タップするだけで準備完了です。
他の人が作ったレシピをダウンロードする方法
インターネット上には、便利なショートカットがたくさん公開されています。
ダウンロード手順
- ブラウザでショートカットのURLを開く
- 自動的にショートカットアプリに切り替わる
- ショートカットの説明画面が表示される
- 内容を確認して「ショートカットを追加」をタップ
これでダウンロード完了です。
信頼できないショートカットの設定について
iOSのバージョンが古い場合、他の人が作ったショートカットをダウンロードできないことがあります。
その場合は、以下の設定を変更してください。
- iPhoneの「設定」アプリを開く
- 「ショートカット」をタップ
- 「信頼されていないショートカットを許可」をオンにする
ただし、最新のiOSにアップデートすれば、この設定は不要になります。
Siriと連携して使う方法
ショートカットは、Siriに話しかけるだけで実行できます。
Siriフレーズの設定方法
- ショートカットの「…」をタップ
- 「Siriに追加」をタップ
- 好きなフレーズを録音
- 「完了」をタップ
例えば、バッテリー節約モードのショートカットに「節約モード」というフレーズを設定すれば、Siriに「節約モード」と言うだけで実行できるようになります。
運転中や料理中など、手が離せないときに特に便利ですね。
ウィジェットとして使う方法
ショートカットは、ホーム画面のウィジェットとしても配置できます。
ウィジェットの追加手順
- ホーム画面の何もない場所を長押し
- 左上の「+」ボタンをタップ
- 「ショートカット」を選択
- ウィジェットのサイズを選ぶ
- 「ウィジェットを追加」をタップ
- ウィジェットをタップして表示するショートカットを選択
ウィジェットなら、アプリを開かなくてもすぐにショートカットを実行できます。
背面タップでショートカットを実行する方法
iPhone 8以降の機種では、iPhoneの背面をタップしてショートカットを実行できます。
背面タップの設定方法
- iPhoneの「設定」アプリを開く
- 「アクセシビリティ」をタップ
- 「タッチ」をタップ
- 「背面タップ」をタップ
- 「ダブルタップ」または「トリプルタップ」を選択
- リストから実行したいショートカットを選ぶ
この設定をしておけば、iPhoneの背面を軽く2回または3回叩くだけでショートカットが実行されます。
よく使うショートカットを割り当てておくと、驚くほど便利ですよ。
ショートカットを削除する方法
使わなくなったショートカットは、簡単に削除できます。
削除手順
- 「マイショートカット」を開く
- 削除したいショートカットを長押し
- 「削除」をタップ
- 確認画面で「ショートカットを削除」をタップ
ホーム画面に追加したアイコンは、通常のアプリと同じように長押しして「削除」を選べばOKです。
ショートカットがうまく動かないときは
ショートカットが期待通りに動作しない場合、いくつかの原因が考えられます。
アプリの権限を確認する
ショートカットが他のアプリを操作する場合、そのアプリの権限が必要です。
例えば、位置情報を使うショートカットなら、位置情報へのアクセス許可が必要になります。
「設定」→「プライバシーとセキュリティ」から、各アプリの権限を確認してください。
iOSを最新版にアップデートする
古いバージョンのiOSでは、一部のショートカット機能が正しく動作しないことがあります。
「設定」→「一般」→「ソフトウェアアップデート」から、最新版が利用可能か確認しましょう。
アクションの順序を見直す
複数のアクションを組み合わせている場合、実行順序が重要です。
前のアクションの結果を次のアクションで使う場合、順序が間違っているとエラーになります。
実際の活用例
ここで、日常生活でのショートカット活用例をいくつか紹介します。
朝のルーティン
アラームを止めたら、自動で今日の天気予報とニュースを表示するオートメーションを設定。
朝起きてすぐに必要な情報が手に入るので、スムーズに1日をスタートできます。
通勤・通学時
車やバイクのBluetoothに接続したら、自動で音楽を再生開始。
毎回アプリを開いて再生ボタンを押す手間がなくなりますね。
仕事中
特定のアプリ(SlackやTeamsなど)を開いたら、自動でおやすみモードをオン。
通知に邪魔されずに集中できます。
帰宅時
自宅の近くに到着したら、自動でエアコンをオン(スマートホーム連携の場合)。
家に着いた頃には快適な温度になっています。
就寝前
決まった時刻になったら、自動でおやすみモードをオンにして画面の明るさを下げる。
毎晩の習慣を自動化できます。
よくある質問
ショートカットアプリが見つからない
iOS 13以降のiPhoneなら、標準でインストールされています。
もし見つからない場合は、App Storeから「ショートカット」で検索してダウンロードしてください。無料で利用できます。
すべてのアプリでショートカットが使えるの?
残念ながら、すべてのアプリが対応しているわけではありません。
ショートカットで操作できるのは、Siriショートカットに対応しているアプリだけです。ただし、主要なアプリの多くは対応していますよ。
オートメーションが自動実行されない
一部のオートメーションは、「実行前に確認する」という設定がデフォルトでオンになっています。
この設定をオフにすれば、確認なしで自動実行されるようになります。
オートメーションを開いて、「実行の前に尋ねる」をオフにしてください。
ショートカットは電池を消費する?
基本的には、ショートカット自体が大きく電池を消費することはありません。
ただし、オートメーションをたくさん設定すると、バックグラウンドでの処理が増えるため、若干の影響はあるかもしれません。
まとめ
iPhoneのショートカット機能を使えば、日常の操作を大幅に効率化できます。
ポイントをおさらいしましょう:
- まずはギャラリーから既成のショートカットを試してみる
- 慣れてきたら自分でオリジナルを作成する
- オートメーション機能を使えば、完全自動化も可能
- Siri、ウィジェット、背面タップなど、実行方法はいろいろ
- よく使う操作から少しずつ自動化していく
最初は難しく感じるかもしれませんが、1つずつ試していけば必ず使いこなせるようになります。
シンプルなショートカットから始めて、徐々に複雑なものにチャレンジしていくといいですよ。あなたのiPhoneライフが、もっと便利で快適になることを願っています。


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