動画を見ようとしたら「インターネットに接続されていません」という表示が出たり、いつも使っているWi-Fiのマークが消えていたり。iPhoneがWi-Fiに繋がらないトラブルは、誰でも一度は経験する困りごとの一つです。
Wi-Fiが使えないと、データ通信量が心配になりますし、動画や音楽のダウンロードもできません。アプリの更新すらままならない状態になってしまいますよね。
でも安心してください。実は、iPhoneのWi-Fi接続トラブルの多くは、ちょっとした設定の見直しや簡単な操作で解決できることがほとんどなんです。
この記事では、iPhoneがWi-Fiに繋がらない原因と、すぐに試せる解決方法を分かりやすくご紹介します。難しい専門知識は必要ありませんので、一緒に解決していきましょう!
まずは状況を確認しよう

トラブルを解決する前に、今の状況を整理してみましょう。どんな症状が出ているかによって、原因が絞り込めます。
パターン1:Wi-Fiマークは出るけどネットに繋がらない
Wi-Fiのマーク(扇形のアイコン)は画面上部に表示されているのに、Safariでウェブサイトを開けなかったり、LINEのメッセージが送れなかったりする状態。この場合、iPhoneはWi-Fiには接続できているけれど、インターネットまで繋がっていない可能性があります。
パターン2:Wi-Fiを選択できるけど接続できない
設定画面でWi-Fiネットワークは表示されるものの、タップして選んでも「接続できません」と出たり、ずっとクルクルと読み込んでいる状態。パスワードが正しくても繋がらないケースもこれに含まれます。
パターン3:Wi-Fi自体が見つからない・グレーアウトしている
設定画面を開いても、いつも使っているWi-Fiの名前が全く表示されなかったり、Wi-Fi設定自体がグレー(灰色)になっていてオンにできない状態です。
パターン4:頻繁に接続が切れる
一度は繋がるけれど、数分後にはまた切断されてしまう。安定してWi-Fiを使えない状態。動画を見ていると途中で止まってしまうのも、このパターンに当てはまります。
あなたのiPhoneはどのパターンに近いでしょうか? それでは、それぞれの対処法を見ていきましょう。
すぐに試せる基本的な解決方法
まずは誰でもすぐに試せる、基本的な対処法からご紹介します。これだけで解決することも多いんですよ。
【方法1】Wi-Fiのオン・オフを切り替える
最もシンプルで効果的な方法が、Wi-Fi機能を一度オフにして、もう一度オンにすることです。
手順:
- iPhoneの「設定」アプリを開く
- 「Wi-Fi」をタップ
- 一番上のスイッチをタップしてオフ(グレー)にする
- 5秒ほど待つ
- もう一度タップしてオン(緑色)にする
- 接続したいWi-Fiネットワークをタップ
この操作で、Wi-Fi接続がリフレッシュされます。一時的な接続不良なら、これだけで直ることが多いです。
【方法2】機内モードを使ってリセットする
機内モードのオン・オフも効果的です。Wi-Fiだけでなく、モバイル通信やBluetoothも含めて、すべての無線接続を一度リセットできます。
手順:
- 画面右上から下にスワイプ(iPhone 8以前は下から上)してコントロールセンターを開く
- 飛行機マークのアイコンをタップしてオレンジ色にする
- 10秒ほど待つ
- もう一度タップしてオフにする
または設定アプリから「機内モード」のスイッチを操作しても同じ効果が得られます。
【方法3】iPhoneを再起動する
シンプルですが、意外と効果が高いのが再起動です。iPhoneの小さな不具合がリセットされて、Wi-Fi接続が復活することがあります。
再起動の方法:
iPhone X以降の場合:
- 音量ボタン(上または下)と電源ボタンを同時に長押し
- 「スライドで電源オフ」が表示されたらスライド
- 完全に電源が切れたら、電源ボタンを長押しして起動
iPhone 8以前の場合:
- 電源ボタン(上部または側面)を長押し
- 「スライドで電源オフ」が表示されたらスライド
- 完全に電源が切れたら、電源ボタンを長押しして起動
再起動後、もう一度Wi-Fiに接続してみてください。
【方法4】Wi-Fiルーターを再起動する
iPhoneではなく、Wi-Fiルーター(無線LANルーター)側に問題がある場合もあります。ルーターの再起動も試してみましょう。
手順:
- Wi-Fiルーターの電源を抜く
- 30秒ほど待つ(完全に放電させる)
- もう一度電源を入れる
- ランプが安定するまで1〜2分待つ
- iPhoneからWi-Fiに接続を試す
他の家族のスマホやパソコンもWi-Fiに繋がらない場合は、ルーター側の問題である可能性が高いです。
Wi-Fiネットワーク設定を見直す方法
基本的な対処法で解決しない場合は、Wi-Fiネットワークの設定を見直してみましょう。
【方法5】Wi-Fiネットワークを削除して再接続する
iPhoneに保存されているWi-Fi設定に問題がある場合、一度その設定を削除して、もう一度最初から接続し直すと解決することがあります。
手順:
- 「設定」アプリを開く
- 「Wi-Fi」をタップ
- 接続できないWi-Fiネットワークの右にある「i」マークをタップ
- 「このネットワーク設定を削除」をタップ
- 確認画面で「削除」をタップ
- Wi-Fi一覧に戻り、同じネットワークを選択
- パスワードを入力して接続
この方法は特に、「以前は繋がっていたのに急に繋がらなくなった」という場合に効果的です。
【方法6】DNSを変更してみる
少し専門的になりますが、DNS(ドメインネームシステム)という設定を変更すると、接続が安定することがあります。DNSとは、ウェブサイトの名前を数字のアドレスに変換する仕組みのこと。
手順:
- 「設定」→「Wi-Fi」を開く
- 接続しているWi-Fiの右にある「i」マークをタップ
- 下にスクロールして「DNSを構成」をタップ
- 「手動」を選択
- 既存のDNSサーバーを削除(左にスワイプして削除)
- 「サーバーを追加」をタップ
- 「8.8.8.8」を入力(GoogleのパブリックDNS)
- もう一度「サーバーを追加」をタップして「8.8.4.4」を入力
- 右上の「保存」をタップ
これで接続が改善されるか試してみてください。
【方法7】IPアドレスを更新する
IPアドレスとは、ネットワーク上でiPhoneを識別するための番号です。この番号を更新することで、接続問題が解決する場合があります。
手順:
- 「設定」→「Wi-Fi」を開く
- 接続しているWi-Fiの右にある「i」マークをタップ
- 下にスクロールして「IPアドレス」セクションを探す
- 「リースを更新」をタップ
- 確認画面で再度「リースを更新」をタップ
数秒で処理が完了します。
iPhoneの設定をリセットする方法
ここまでの方法で解決しない場合は、iPhone本体の設定に問題があるかもしれません。設定のリセットを試してみましょう。
【方法8】ネットワーク設定をリセットする
この方法は、Wi-Fiやモバイル通信に関する設定をすべて初期状態に戻します。保存されているWi-Fiパスワードやモバイルデータ設定が消えるので、注意してください。
手順:
- 「設定」アプリを開く
- 「一般」をタップ
- 一番下までスクロールして「転送またはiPhoneをリセット」をタップ
- 「リセット」をタップ
- 「ネットワーク設定をリセット」を選択
- パスコードを入力
- 確認画面で「ネットワーク設定をリセット」をタップ
リセット後、iPhoneが再起動します。再起動したら、Wi-Fiパスワードを入力して接続し直してください。
この方法は効果が高い反面、Wi-Fiパスワードを再入力する必要があるので、パスワードを事前に確認しておきましょう。
Wi-Fiパスワードに関する問題
パスワードが原因で繋がらないケースも多くあります。
【方法9】パスワードが正しいか再確認する
「パスワードが違います」と表示される場合、本当にパスワードが間違っている可能性があります。
チェックポイント:
- 大文字と小文字を間違えていないか
- 数字の「0(ゼロ)」とアルファベットの「O(オー)」を間違えていないか
- 数字の「1(いち)」とアルファベットの「l(エル)」を間違えていないか
- スペース(空白)が入っていないか
Wi-Fiルーターの底面や側面に、パスワードが記載されたシールが貼ってあることが多いので、そちらで確認してみてください。
【方法10】キーチェーンでパスワードを確認する
もし別のAppleデバイス(MacやiPadなど)で同じWi-Fiに繋がっている場合、そちらからパスワードを確認できます。
Macで確認する方法:
- 「アプリケーション」→「ユーティリティ」→「キーチェーンアクセス」を開く
- 検索欄にWi-Fi名を入力
- 該当する項目をダブルクリック
- 「パスワードを表示」にチェック
- Macのパスワードを入力
これでWi-Fiパスワードが表示されます。
ルーター側の設定を確認する

iPhoneの設定に問題がない場合、Wi-Fiルーター側の設定を確認してみましょう。
【方法11】接続台数制限を確認する
多くのWi-Fiルーターには、同時に接続できる端末の台数に上限があります。家族全員のスマホやパソコン、ゲーム機など、たくさんの機器を接続していませんか?
上限に達していると、新しい機器が接続できなくなります。使っていない機器のWi-Fi接続を切るか、ルーターの設定画面で接続台数の上限を増やせないか確認してみてください。
【方法12】MACアドレスフィルタリングを確認する
セキュリティのため、特定の機器しか接続できないように設定している場合があります。この機能を「MACアドレスフィルタリング」といいます。
新しいiPhoneや、iPhoneを交換した後に繋がらない場合は、この設定が原因かもしれません。ルーターの管理画面にアクセスして、MACアドレスフィルタリングが有効になっていないか確認しましょう。
【方法13】ルーターのファームウェアを更新する
Wi-Fiルーターにも「ファームウェア」というソフトウェアが入っています。このファームウェアが古いと、新しいiPhoneと相性が悪くなることがあるんです。
ルーターの管理画面にアクセスして、ファームウェアの更新がないか確認してみてください。更新方法はルーターのメーカーや機種によって異なるので、取扱説明書を参照しましょう。
特定の場所で繋がらない場合
【方法14】電波の届く範囲を確認する
Wi-Fiの電波には届く範囲があります。ルーターから離れた部屋や、壁を何枚も挟んだ場所では、電波が弱くなって接続できないことがあります。
チェックポイント:
- ルーターの近くなら繋がるか試す
- Wi-Fiマークの横にある扇形のアイコンの本数を確認(本数が少ないと電波が弱い)
- 電子レンジや電話機の近くは電波干渉で繋がりにくいことがある
電波が弱い場合は、Wi-Fi中継器の導入を検討するのも一つの方法です。
【方法15】5GHzと2.4GHzの周波数帯を切り替える
多くのWi-Fiルーターは、「5GHz」と「2.4GHz」という2つの周波数帯を使っています。
それぞれの特徴:
5GHz:
- 速度が速い
- 障害物に弱い
- 対応機器が少ない
2.4GHz:
- 速度は5GHzより遅い
- 障害物に強く、遠くまで届く
- ほとんどの機器が対応している
接続できない場合、別の周波数帯のWi-Fiに切り替えてみると繋がることがあります。Wi-Fi名の最後に「-A」や「-G」、「5G」「2G」といった文字が付いている場合、それが周波数帯を示していることが多いです。
iOSのアップデートで解決する場合
【方法16】iOSを最新バージョンにする
iPhoneのOS(基本ソフト)が古いと、Wi-Fi接続に不具合が出ることがあります。最新のiOSにアップデートすることで、既知の不具合が修正されている可能性があります。
手順:
- Wi-Fi(またはモバイルデータ通信)に接続
- 「設定」→「一般」→「ソフトウェアアップデート」をタップ
- 利用可能なアップデートがあれば「ダウンロードしてインストール」をタップ
- パスコードを入力
- 利用規約に同意
- インストールが完了するまで待つ
アップデートには時間がかかることがあるので、充電しながら行うのがおすすめです。
それでも解決しない場合の対処法
ここまでの方法を試してもまだ繋がらない場合は、以下の可能性を検討してください。
ハードウェアの故障
iPhoneのWi-Fiアンテナが物理的に壊れている可能性があります。落下や水没の後に繋がらなくなった場合は、この可能性が高いです。
確認方法:
- 他のWi-Fiネットワーク(カフェや友人の家など)でも全く繋がらない
- Wi-Fi設定がグレーアウトしてオンにできない
- Bluetoothも同時に使えなくなった
このような症状が出ている場合は、Apple Storeや正規サービスプロバイダでの修理が必要かもしれません。
プロバイダーや回線の問題
インターネット回線自体に問題がある可能性もあります。
確認方法:
- パソコンを有線LANケーブルで繋いでもインターネットに繋がらない
- ルーターのランプが普段と違う色や点滅パターンになっている
- 契約しているプロバイダーの障害情報を確認
この場合は、プロバイダーのサポートに連絡して状況を確認しましょう。
Appleサポートに相談する
どうしても解決しない場合は、Appleの公式サポートに相談するのが確実です。
サポートを受ける方法:
- 「Appleサポート」アプリから問い合わせ
- Apple Store直営店でGenius Barを予約
- Appleの公式サイトからチャットサポート
専門スタッフが詳しく診断してくれます。
予防策:Wi-Fiトラブルを未然に防ぐコツ
最後に、今後Wi-Fi接続トラブルを防ぐためのポイントをご紹介します。
定期的にルーターを再起動する
月に1回程度、Wi-Fiルーターを再起動する習慣をつけると、接続トラブルが起きにくくなります。ルーターも長時間動かし続けると、動作が不安定になることがあるんです。
iOSは常に最新版にしておく
新しいバージョンのiOSには、バグ修正やセキュリティ向上が含まれています。アップデートの通知が来たら、なるべく早めに更新しましょう。
Wi-Fiパスワードはメモしておく
いざというときのために、Wi-Fiパスワードをどこかにメモしておくと安心です。ルーター本体のシールが剥がれていたり、色褪せて読めなくなったりすることもあります。
ルーターの設置場所に気をつける
ルーターは、家の中心に近い場所で、床から少し高い位置に置くのが理想的です。家具の陰や部屋の隅に置くと、電波が届きにくくなります。
まとめ:焦らず一つずつ試してみよう
iPhoneがWi-Fiに繋がらないときの原因と解決方法をご紹介しました。
まずはこれを試そう:
- Wi-Fiのオン・オフを切り替える
- 機内モードで無線接続をリセット
- iPhone本体を再起動する
- Wi-Fiルーターを再起動する
それでもダメなら:
- Wi-Fiネットワーク設定を削除して再接続
- DNSやIPアドレスを変更
- ネットワーク設定をリセット
- iOSを最新バージョンにアップデート
ほとんどの場合、これらの方法のどれかで解決できるはずです。一度に全部試すのではなく、一つずつ確認しながら進めていくのがコツ。
Wi-Fi接続のトラブルは誰にでも起こりうる問題ですが、適切な対処法を知っていれば怖くありません。この記事が、あなたのiPhoneとWi-Fiの快適な接続に役立てば嬉しいです!
もし自分で解決できない場合は、無理せずAppleサポートや詳しい人に相談してくださいね。

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