パソコンで作業中に、エンターキーを押していないのに勝手に確定されてしまったり、自動的にエンターキーが押されたような挙動をすることがあります。
文字入力の途中で確定されてしまったり、メニューやダイアログが勝手に閉じたりと、作業に大きな支障をきたす厄介な問題です。
この記事では、エンターキーが勝手に押される原因を詳しく解説し、それぞれの状況に応じた具体的な対処法を紹介します。
ハードウェアの問題からソフトウェアの設定、エクセル特有の問題まで、幅広くカバーしていますので、あなたの症状に合った解決策がきっと見つかります。
エンターキーが勝手に押される主な原因

エンターキーが自動的に押されたような挙動をする原因は、大きく分けて以下の5つに分類されます。
原因1:キーボードのハードウェア故障
最も多い原因は、キーボード本体の物理的な問題です。
エンターキーが押されたままの状態になっていたり、キー内部の機構が故障している可能性があります。
具体的な症状:
- エンターキーが物理的に押し込まれたままになっている
- キーを押した感触が以前と違う
- 特定のキーだけが連続入力される
- パソコンの起動時にビープ音が鳴り続ける
発生しやすい状況:
- キーボードに液体をこぼした後
- 長年使用している古いキーボード
- キーの隙間にゴミやホコリが詰まっている
原因2:キーボードドライバーの問題
キーボードドライバー(キーボードを制御するソフトウェア)に問題があると、キー入力が正常に認識されなくなることがあります。
ドライバーが古くなっている場合や、Windows Updateなどで自動更新された際に不具合が発生するケースがあります。
原因3:Windows設定の問題
Windowsには、キーボードの動作を補助するための機能がいくつか搭載されています。
これらの機能が意図せず有効になっていると、キーが自動的に押されたような挙動を示すことがあります。
関連する設定:
- フィルターキー機能
- 固定キー機能
- キーリピート速度の設定
原因4:外部アプリケーションやマルウェア
バックグラウンドで動作している外部アプリケーションが、キーボード入力に干渉している可能性があります。
特にマクロツールやIME関連のソフトウェア、マルウェアなどが原因となることがあります。
原因5:エクセル・Officeソフト特有の問題
エクセルやその他のMicrosoft Officeソフトでのみ症状が発生する場合、IME設定やエクセル固有の機能が原因となっている可能性があります。
エクセル特有の症状:
- 文字入力中に勝手に確定される
- 1文字目が自動確定される
- メニューやパレットが勝手に閉じる
対処法1:キーボードの物理的な確認と清掃
まずは、キーボードのハードウェアに問題がないか確認します。
エンターキーの状態を確認
- エンターキーが物理的に押し込まれたままになっていないか確認
- キーを何度か押して、正常に戻るか確認
- キーの感触が他のキーと違わないか確認
エンターキーが押されたままの状態になっている場合は、キーを優しく引き上げたり、周囲を軽く押して元の位置に戻るか試してみてください。
キーボードの清掃
キー内部にゴミやホコリが詰まっている場合は、清掃することで改善する可能性があります。
清掃手順:
- パソコンの電源を切る(ノートPCの場合は電源も抜く)
- エンターキーの隙間に息を吹きかける
- エアダスターがある場合は、キーの隙間に吹き付ける
- キーボードを裏返して軽く振り、中のゴミを落とす
エアダスターを使用する際は、缶を垂直に保ち、短く吹き付けるようにしてください。
長時間吹き付けると、冷却液が出てキーボードを痛める可能性があります。
外付けキーボードでテスト
ノートパソコンの場合は、外付けUSBキーボードを接続して症状が改善するか確認してください。
外付けキーボードで問題が発生しない場合は、内蔵キーボードの故障です。
逆に、外付けキーボードでも同じ症状が出る場合は、ソフトウェアや設定の問題の可能性が高くなります。
キーボードの交換が必要な場合
以下の場合は、キーボードの修理または交換が必要です。
- 清掃しても改善しない
- 液体をこぼした後から症状が続いている
- キー内部の機構が破損している
デスクトップPCの場合は、新しいキーボードを購入すれば解決します。
ノートPCの場合は、メーカーのサポートに修理を依頼するか、外付けキーボードを使用することを検討してください。
対処法2:パソコンの再起動と放電
一時的なシステムエラーが原因の場合、再起動や放電で改善することがあります。
通常の再起動
- 開いているファイルを保存
- スタートメニュー→電源→再起動をクリック
- 再起動後、症状が改善したか確認
強制再起動(通常の再起動ができない場合)
キーが連続入力されて正常に操作できない場合は、電源ボタンを長押し(5秒以上)して強制終了します。
ただし、この方法は保存していないデータが失われる可能性があるため、最終手段として考えてください。
放電処理
ノートパソコンに不要な電気が帯電している場合、放電することで改善することがあります。
放電手順:
- パソコンをシャットダウン
- 電源ケーブルを抜く
- ノートPCの場合は、バッテリーを取り外す(取り外し可能な場合)
- 電源ボタンを15秒ほど長押し
- バッテリーと電源ケーブルを接続し直す
- 電源を入れる
対処法3:キーボードドライバーの更新・再インストール
キーボードドライバーに問題がある場合、更新または再インストールで改善します。
ドライバーの更新手順
- Windowsキー+Xキーを同時に押す
- 「デバイスマネージャー」をクリック
- 「キーボード」をクリックして展開
- 使用しているキーボードを右クリック
- 「ドライバーの更新」を選択
- 「ドライバーソフトウェアの最新版を自動検索」を選択
- 更新完了後、パソコンを再起動
ドライバーの再インストール手順
更新で改善しない場合は、ドライバーを一度削除して再インストールします。
- デバイスマネージャーを開く
- キーボードを右クリック
- 「デバイスのアンインストール」を選択
- 確認画面で「アンインストール」をクリック
- パソコンを再起動
再起動後、Windowsが自動的にキーボードドライバーを再インストールします。
重要:
ドライバーをアンインストールすると、内蔵キーボードが一時的に使えなくなります。
ノートPCの場合は、外付けUSBキーボードを用意しておくと安心です。
対処法4:Windows設定の確認と調整
Windowsのキーボード関連設定を確認し、問題がある場合は調整します。
フィルターキー機能を無効にする
フィルターキー機能は、キー入力の遅延を調整する機能ですが、有効になっているとキー入力に問題が出ることがあります。
Windows 10/11の場合:
- スタートメニュー→設定を開く
- 「簡単操作」(Windows 11では「アクセシビリティ」)を選択
- 「キーボード」を選択
- 「フィルターキー機能を使用する」をオフにする
固定キー機能を無効にする
固定キー機能が有効になっていると、特定のキーがロックされた状態になることがあります。
無効化手順:
- 設定→簡単操作(アクセシビリティ)→キーボード
- 「固定キー機能を使用する」をオフにする
- 「固定キー機能を起動するショートカットキーを許可する」のチェックを外す
キーリピート速度を調整
キーリピート速度が速すぎると、連続入力されやすくなります。
調整手順:
- コントロールパネルを開く
- 「ハードウェアとサウンド」→「キーボード」を選択
- 「表示までの待ち時間」を長め(右側)に設定
- 「表示の間隔」を遅く(左側)に設定
- OKをクリック
設定画面のテキストボックスで実際に文字を入力して、適切な速度に調整してください。
高速スタートアップを無効にする
高速スタートアップ機能が原因で、キーボードの動作に問題が出ることがあります。
無効化手順:
- コントロールパネル→電源オプションを開く
- 「電源ボタンの動作を選択する」をクリック
- 「現在利用可能ではない設定を変更します」をクリック
- 「高速スタートアップを有効にする」のチェックを外す
- 変更を保存
対処法5:外部アプリケーションの確認
バックグラウンドで動作しているアプリケーションが原因の場合、セーフモードで起動して確認します。
セーフモードで起動
セーフモードは、必要最小限のプログラムだけでWindowsを起動するモードです。
Windows 10/11のセーフモード起動手順:
- スタートメニュー→設定→更新とセキュリティ
- 「回復」を選択
- 「今すぐ再起動」をクリック
- トラブルシューティング→詳細オプション→スタートアップ設定
- 再起動後、F4キーを押して「セーフモードを有効にする」を選択
セーフモードで症状が出ない場合は、外部アプリケーションが原因です。
クリーンブートで原因を特定
クリーンブートにより、起動時に読み込まれるプログラムを最小限にして原因を特定できます。
クリーンブート手順:
- Windowsキー+Rキーで「ファイル名を指定して実行」を開く
- 「msconfig」と入力してOK
- 「サービス」タブを選択
- 「Microsoftのサービスをすべて隠す」にチェック
- 「すべて無効」をクリック
- 「スタートアップ」タブ→「タスクマネージャーを開く」
- すべてのスタートアップ項目を無効にする
- パソコンを再起動
クリーンブート後に症状が改善した場合は、無効にしたサービスやスタートアップ項目の中に原因があります。
一つずつ有効にしていき、原因を特定してください。
マルウェアスキャン
マルウェアが原因の可能性もあるため、ウイルス対策ソフトでフルスキャンを実行します。
- ウイルス対策ソフトを開く
- フルスキャン(完全スキャン)を実行
- 検出された脅威を削除
- パソコンを再起動
ウイルス対策ソフトがインストールされていない場合は、Windows標準のWindows Defenderでスキャンできます。
対処法6:エクセル・Office特有の問題への対処
エクセルやその他のOfficeソフトでのみ症状が発生する場合の対処法です。
IME設定を以前のバージョンに戻す
新しいMicrosoft IMEが原因で、文字入力中に勝手に確定されることがあります。
設定手順:
- スタートメニュー→設定→時刻と言語
- 「言語」→「日本語」→「オプション」
- 「キーボード」欄で「Microsoft IME」→「オプション」
- 「全般」を選択
- 「以前のバージョンのMicrosoft IMEを使う」をオンにする
この設定により、古いバージョンのIMEが使用されるようになり、症状が改善することがあります。
IME予測入力の設定を変更
IMEの予測入力機能が原因で、1文字目が自動確定されることがあります。
予測入力の文字数を変更:
- IMEのオプション設定を開く(上記手順を参照)
- 「予測入力」セクションを探す
- 「予測候補を表示するまでの文字数」を1文字から3文字程度に変更
- 適用をクリック
この設定により、1文字入力しただけでは予測候補が表示されなくなります。
エクセルのクエリと接続の問題を解決
エクセル2019以降で、Power Queryを使用している場合に1文字目が勝手に確定される問題があります。
対処法:
- エクセルで「データ」タブをクリック
- 「クエリと接続」をクリックして、サイドバーを開く
- 選択されているクエリがある場合は、クリックして選択を解除
- サイドバーを閉じる
- ファイルを保存
クエリが選択されたまま保存されていると、次回開いた時に症状が発生します。
必ず選択を解除してから保存してください。
エクセルのオートコンプリート機能を無効にする
エクセルのオートコンプリート機能が原因で、入力が遅くなったり固まることがあります。
無効化手順:
- ファイル→オプションをクリック
- 「詳細設定」を選択
- 「編集オプション」セクションで「オートコンプリートを使用する」のチェックを外す
- OKをクリック
エクセルのIME自動切り替え設定を解除
セルごとにIMEモードが自動的に切り替わることが原因の場合があります。
解除手順:
- 問題が発生する列または行全体を選択
- 「データ」タブ→「データの入力規則」をクリック
- 「日本語入力」タブを選択
- 「日本語入力」を「コントロールなし」に設定
- OKをクリック
対処法7:ノートPC特有の対処法
ノートパソコンの場合、追加で試せる対処法があります。
バッテリーの完全放電と再充電
バッテリー関連の問題が原因の場合、完全放電と再充電で改善することがあります。
手順:
- ACアダプターを外す
- バッテリー残量がゼロになるまで使用する
- 完全にシャットダウンする
- ACアダプターを接続して100%まで充電
- 電源を入れる
強制終了スイッチを使用
一部のノートPCには、強制終了スイッチが搭載されています。
本体の底面や側面に、「RESET」「OFF」「REPAIR」と刻印された直径2〜3mmの穴があれば、それが強制終了スイッチです。
クリップなどの細いもので押すことで、システムをリセットできます。
予防策:キーボードトラブルを防ぐために
今後のトラブルを防ぐために、以下の対策を実施してください。
定期的な清掃
キーボードは定期的に清掃しましょう。
清掃方法:
- 週に1回程度、エアダスターでホコリを除去
- 月に1回程度、湿らせた布で表面を拭く
- キーの隙間に食べかすなどが入らないよう注意
キーボードに液体をこぼさない
キーボード周辺で飲食する際は、十分注意してください。
万が一こぼした場合は、すぐに以下の対応を取ってください:
- すぐに電源を切る
- 電源ケーブルとバッテリーを外す
- キーボードを逆さにして水分を出す
- タオルで拭き取る
- 完全に乾燥するまで(24時間以上)電源を入れない
ドライバーとWindowsを最新に保つ
定期的にWindows Updateを実行し、システムを最新の状態に保ちましょう。
- 設定→更新とセキュリティ→Windows Update
- 「更新プログラムのチェック」をクリック
- 利用可能な更新があればインストール
外付けキーボードを常備(ノートPCの場合)
ノートPCの内蔵キーボードに問題が発生した場合に備えて、外付けUSBキーボードを1つ用意しておくと安心です。
改善しない場合の最終手段
ここまでの対処法を試しても改善しない場合は、以下を検討してください。
システムの復元
以前は正常に動作していた場合、システムの復元で問題が解決する可能性があります。
システムの復元手順:
- コントロールパネル→システムとセキュリティ→システム
- 「システムの保護」をクリック
- 「システムの復元」をクリック
- 復元ポイントを選択(キーボードが正常だった日付)
- 復元を実行
注意:
システムの復元は、復元ポイント以降にインストールしたプログラムが削除される可能性があります。
重要なファイルは事前にバックアップしてください。
Windowsの再インストール
システムの復元でも解決しない場合、Windowsを再インストールすることで、ソフトウェア関連の問題は解消されます。
ただし、データやプログラムがすべて削除されるため、必ず重要なデータをバックアップしてから実行してください。
メーカーサポートへの問い合わせ
ノートPCの内蔵キーボードが故障している場合や、自分で対処できない場合は、メーカーのサポートに修理を依頼してください。
サポートに連絡する前に準備すること:
- PCの型番
- 購入日
- 症状の詳細(いつから、どのような状況で発生するか)
- 試した対処法
保証期間内であれば、無料で修理してもらえる可能性があります。
まとめ
エンターキーが勝手に押される原因と対処法をまとめます。
主な原因:
- キーボードのハードウェア故障(ゴミ・液体こぼし・経年劣化)
- キーボードドライバーの問題
- Windows設定(フィルターキー、固定キー、キーリピート)
- 外部アプリケーションやマルウェア
- エクセル・Office特有の問題(IME設定、クエリ選択)
対処の優先順位:
- キーボードの物理的確認と清掃
- パソコンの再起動
- 外付けキーボードでテスト(ハードウェアとソフトウェアの切り分け)
- キーボードドライバーの更新・再インストール
- Windows設定の確認と調整
- セーフモード起動で外部アプリの影響を確認
- エクセル使用時のみの場合はIME設定やクエリを確認
最も重要なポイント:
まずは外付けキーボードで問題が発生するかテストすることで、ハードウェアの問題かソフトウェアの問題かを切り分けられます。
外付けキーボードで問題が出ない場合は、内蔵キーボードの故障です。
外付けキーボードでも同じ症状が出る場合は、ソフトウェアや設定の問題ですので、本記事の対処法を順番に試してください。
この記事で紹介した対処法を一つずつ試すことで、ほとんどのケースで問題を解決できます。
それでも改善しない場合は、メーカーサポートに相談することをお勧めします。
参考情報
この記事は、以下の公式情報および信頼できる技術情報を参考にしています。
- Microsoft サポート – Windows 10で特定のキーが勝手に入力される場合の対処方法
- 富士通サポート – 文字が勝手に入力され続けたり、カーソルが勝手に移動し続けたりします
- Microsoft Q&A – 勝手にエンターキーを押されたような挙動をする
※この記事は2025年2月時点の情報に基づいています。

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