「スマホのPINを忘れてロック解除できない…」そんな困った状況に陥っていませんか?
PINコードを忘れてしまうと、スマホが使えなくなってしまいます。しかし、慌てる必要はありません。この記事では、AndroidのPINを忘れた時の解決方法を、データ消失のリスクも含めて分かりやすく解説します。
まず確認:PINには2種類ある

AndroidのPINには、実は2種類あることをご存じでしょうか。対処法が異なるので、まずどちらのPINなのか確認しましょう。
画面ロックのPIN
スマホの画面を解除する時に入力する4桁〜16桁の数字です。この記事で主に扱うのはこのPINです。電源を入れた時やスリープから復帰する時に求められます。
SIMカードのPIN
SIMカード自体を保護するための暗証番号です。初期設定は「0000」や「1234」などに設定されていることが多く、変更していない人がほとんどです。
SIMカードのPINを忘れた場合は、PUKコード(PIN Unlock Key)という解除コードで対応できます。PUKコードは契約時の書類や、携帯電話会社の会員ページで確認できます。
この記事では、画面ロックのPINを忘れた場合の対処法を中心に説明します。
データを失わずに解除できる方法(条件付き)
最初に、データを消さずにPINロックを解除できる可能性がある方法を紹介します。ただし、事前に設定が必要だったり、特定の条件を満たしている必要があります。
方法1:生体認証(指紋認証・顔認証)を使う
PINを忘れていても、指紋認証や顔認証を設定していれば、それでロックを解除できます。
手順
- ロック画面で指紋センサーに指を置くか、カメラに顔を向ける
- 認証が成功すればロックが解除される
- スマホにアクセスできたら、すぐに設定アプリを開く
- 「セキュリティ」または「ロック画面」をタップ
- 「画面ロック」から新しいPINを設定し直す
重要な注意点
生体認証は、スマホを再起動した直後には使えません。再起動後の最初のロック解除には、必ずPINが必要になります。
また、生体認証でロックを解除できたとしても、PINの変更や重要な設定変更には元のPINが求められることがあります。
方法2:Smart Lock(スマートロック)機能を使う
Android 5.0以降には、Smart Lockという便利な機能があります。特定の条件下で自動的にロックを解除してくれる機能です。
Smart Lockの種類
- 信頼できる場所:自宅などの登録した場所にいる時は自動解除
- 信頼できるデバイス:登録したBluetoothデバイス(スマートウォッチなど)に接続している時は自動解除
- 持ち運び検知:スマホを持ち歩いている間は解除状態を維持
使用条件
Smart Lockは、PINを忘れる前に設定しておく必要があります。設定済みの場合は、該当する条件(登録した場所に行く、Bluetoothデバイスに接続するなど)を満たせば、自動的にロックが解除されます。
手順
- 登録した場所に移動するか、登録したBluetoothデバイスに接続
- スマホが自動的にロック解除される
- 設定アプリから新しいPINを設定し直す
注意点
Smart Lockも再起動後の最初のロック解除には使えません。あくまでスマホが起動している状態でのみ機能します。
方法3:Samsung限定「SmartThings Find」を使う
Samsungのスマホを使っている方には、特別な方法があります。
SmartThings Findとは
Samsungが提供する端末管理サービスで、遠隔からスマホのロックを解除できます。
使用条件
- Samsungアカウントにログインしている
- スマホがWi-Fiまたはモバイルデータに接続している
- 事前にSmartThings Findを有効にしている
手順
- パソコンやタブレットで「SmartThings Find」のウェブサイトにアクセス
- Samsungアカウントでログイン
- 自分のスマホを選択
- 「ロック解除」をクリック
- 指示に従って操作
この方法なら、データを失わずにロック解除が可能です。
データが消える方法(最終手段)
上記の方法が使えない場合、残念ながらスマホを初期化してデータを消去する必要があります。
方法4:Googleの「デバイスを探す」で初期化
Google公式の機能を使って、遠隔から初期化できます。
使用条件
- スマホがインターネットに接続している
- Googleアカウントのパスワードを覚えている
- 事前に「デバイスを探す」が有効になっている(通常は自動的に有効)
手順
- パソコンやタブレットで「Googleデバイスを探す」にアクセス
- ロックされたスマホで使っているGoogleアカウントでログイン
- 対象のスマホを選択
- 「デバイスデータを消去」をクリック
- 確認画面で再度「消去」をクリック
注意点
この方法では、スマホ内のすべてのデータが削除されます。写真、アプリ、連絡先など、すべてが消えてしまいます。
ただし、Googleアカウントにバックアップされているデータ(連絡先、Googleフォトの写真など)は、初期化後に同じアカウントでログインすれば復元できます。
方法5:リカバリーモードから初期化する
スマホがインターネットに接続していない場合や、Googleアカウントが分からない場合は、この方法を使います。
リカバリーモードとは
Androidの特別な起動モードで、システムレベルの操作ができます。
手順(機種によって異なります)
Samsung、Huawei、Xiaomi、OPPOなどの場合
- スマホの電源を完全に切る
- 音量アップボタンと電源ボタンを同時に長押し
- メーカーロゴが表示されたら、電源ボタンだけを離す
- リカバリーモードの画面が表示される
Google Pixel、Motorola、OnePlus、LGなどの場合
- スマホの電源を完全に切る
- 音量ダウンボタンと電源ボタンを同時に長押し
- 画面が表示されたら操作を続ける
リカバリーモードでの操作
- 音量ボタンで「Wipe data/factory reset」または「Factory reset」を選択
- 電源ボタンで決定
- 「Yes」または「Yes — delete all user data」を選択
- 初期化が完了したら「Reboot system now」を選択
注意点
リカバリーモードの起動方法は機種によって大きく異なります。うまくいかない場合は、お使いの機種名と「リカバリーモード」で検索してください。
また、この方法も当然すべてのデータが消去されます。
初期化後の注意点:Google FRP保護について
Android 5.1以降の端末には、FRP(Factory Reset Protection)という盗難防止機能があります。
FRP保護とは
初期化後、元々ログインしていたGoogleアカウントとパスワードの入力を求められる機能です。これがないと、初期化してもスマホを使えません。
対処法
初期化前にログインしていたGoogleアカウントとパスワードを、必ず覚えておいてください。忘れている場合は、初期化する前にGoogleアカウントの復旧手続きを行いましょう。
PINを忘れないための予防策

今後同じ問題を起こさないために、以下の対策をおすすめします。
予防策1:覚えやすいPINを設定する
複雑すぎるPINは忘れやすくなります。
他人に推測されにくく、自分は覚えやすい番号を選びましょう。
避けるべきPIN
- 生年月日(推測されやすい)
- 「1234」「0000」などの単純な並び
- 電話番号
おすすめのPIN
- 思い出の日付を変換したもの
- 複数の数字を組み合わせたもの
- 6桁以上に設定(セキュリティ向上)
予防策2:生体認証を必ず設定する
指紋認証や顔認証を設定しておけば、普段PINを入力する機会が減り、忘れにくくなります。
設定方法
- 「設定」→「セキュリティ」→「指紋」または「顔認証」
- 画面の指示に従って登録
- 登録後も定期的にPINを使って確認する
予防策3:Smart Lockを設定する
自宅など安全な場所では自動解除されるようにしておくと便利です。
設定方法
- 「設定」→「セキュリティ」→「Smart Lock」
- PINを入力
- 「信頼できる場所」または「信頼できるデバイス」を選択
- 登録したい場所やデバイスを追加
予防策4:定期的にバックアップを取る
万が一初期化することになっても、バックアップがあれば被害を最小限に抑えられます。
Googleアカウントの自動バックアップを有効化
- 「設定」→「システム」→「バックアップ」
- 「Googleドライブへのバックアップ」をオンにする
これで、連絡先、アプリデータ、設定などが自動的にバックアップされます。
予防策5:PINをメモして安全な場所に保管
最終手段として、PINを紙にメモして、スマホとは別の安全な場所(自宅の金庫など)に保管しておくのも一つの方法です。
ただし、スマホケースの中やスマホと一緒に持ち歩く場所には絶対に保管しないでください。
よくある質問
Q1:PINを5回以上間違えるとどうなりますか?
画面ロックのPINを何度も間違えると、一時的に入力できなくなります。30秒から数分間待つ必要があります。
ただし、これはSIMカードのPINとは異なります。SIMカードのPINを3回間違えると、PUKコードが必要になります。
Q2:PUKコードも忘れてしまいました
PUKコードは、携帯電話会社のマイページや契約時の書類で確認できます。それでも分からない場合は、携帯電話会社のショップに行く必要があります。
PUKコードを10回間違えると、SIMカードが完全に使用不可能になり、再発行(有料)が必要です。
Q3:初期化せずにPINを解除する方法はありませんか?
公式には、初期化せずに完全にPINを解除する方法はありません。生体認証やSmart Lockを設定していない場合、初期化が唯一の解決策です。
サードパーティの解除ツールも存在しますが、セキュリティリスクがあり、推奨できません。
Q4:初期化後、アプリは元に戻りますか?
Googleアカウントでバックアップされていたアプリは、初期化後に同じアカウントでログインすれば自動的に再インストールされます。
ただし、アプリ内のデータ(ゲームのセーブデータなど)は、各アプリが独自のバックアップ機能を持っていない限り失われます。
Q5:子供がPINを勝手に変更してしまいました
子供が新しく設定したPINが分からない場合も、対処法は同じです。生体認証が設定されていれば解除できますが、そうでない場合は初期化が必要です。
Q6:携帯ショップに持っていけば解除してもらえますか?
携帯ショップでも、画面ロックのPINを解除することはできません。できるのは、SIMカードのPIN(PUKコードによる)やGoogleアカウントに関する相談のみです。
画面ロックのPINは、セキュリティ上の理由から、本人しか解除できない仕組みになっています。
Q7:中古スマホを購入したらPINが分かりません
これは深刻な問題です。前の所有者がPINを設定したまま譲渡した場合、そのPINが分からなければ使用できません。
中古品を購入する際は、必ず初期化されているか、その場で動作確認することが重要です。前の所有者に連絡が取れる場合は、PINを教えてもらうか、初期化してもらいましょう。
Q8:データのバックアップを取っていませんでした
残念ながら、バックアップがない状態で初期化すると、データは完全に失われます。
今後は、定期的に自動バックアップを設定しておくことを強くおすすめします。
まとめ
AndroidのPINを忘れた場合、データを保ったまま解除できるのは、以下の条件を満たす場合のみです。
- 生体認証(指紋・顔認証)が設定されている
- Smart Lockが設定されていて、その条件を満たせる
- Samsung端末でSmartThings Findが使える
これらの条件を満たさない場合、残念ながらスマホを初期化してすべてのデータを消去する必要があります。
初期化の方法は、Googleの「デバイスを探す」を使う方法と、リカバリーモードから行う方法の2つがあります。
今回の経験を活かして、今後はPINを忘れないための予防策を実践しましょう。
- 覚えやすいPINを設定する
- 生体認証を必ず登録する
- Smart Lockを活用する
- 定期的にバックアップを取る
- PINを安全な場所にメモしておく
特に重要なのは、定期的なバックアップです。万が一の時でも、データを失わずに済みます。
スマホのセキュリティは大切ですが、自分自身がロックアウトされては本末転倒です。セキュリティと利便性のバランスを考えながら、適切な設定を心がけましょう。


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