「新しいiPhoneを買ったけど、データ移行を忘れてしまった!」
「初期設定を済ませた後に、Androidのデータを移したくなった」
そんな経験はありませんか?実は、iPhoneの初期設定が終わった後でも、Androidからデータを移行する方法はいくつかあります。
今回は、初期設定後にAndroidからiPhoneへデータ移行する方法を、わかりやすく解説していきます。
なぜ「あとから」移行が必要になるのか?

まず、多くの人が「あとから」データ移行したくなる状況を見てみましょう。
よくあるパターン
- 携帯ショップで店員さんに初期設定をしてもらい、データ移行の画面をスキップしてしまった
- 新しいiPhoneをすぐに使いたくて、データ移行を後回しにした
- 「iOSに移行」アプリの存在を知らずに初期設定を完了させてしまった
- 初期設定時はWi-Fi環境がなく、後でゆっくり移行しようと思った
これらは全て、実際によくある状況です。安心してください。初期設定後でもデータ移行は可能です。
「iOSに移行」アプリは初期設定後には使えない?
Appleが公式に提供している「iOSに移行(Move to iOS)」アプリは、AndroidからiPhoneへのデータ移行に非常に便利なツールです。
しかし、重要な制限があります。
「iOSに移行」アプリは初期設定時にしか使えない
このアプリは、iPhoneの初期設定プロセスの中にある「アプリとデータを転送」という画面でしか利用できません。
初期設定を完了してしまった後は、このアプリを使ってデータ移行することはできないんです。
どうしても「iOSに移行」を使いたい場合
初期設定後でも「iOSに移行」アプリを使う唯一の方法は、iPhoneを工場出荷時の状態にリセットすることです。
ただし、この方法には大きなデメリットがあります:
- iPhoneに既に保存されているデータが全て消える
- 初期設定からやり直す必要がある
- すでにインストールしたアプリやログイン情報も全て削除される
そのため、既に何日か使っているiPhoneの場合、リセットはあまりおすすめできません。
初期設定後にデータを移行する5つの方法
リセットせずに、初期設定後のiPhoneにAndroidのデータを移行する方法を紹介します。
方法1:クラウドサービスを使う(おすすめ)
最も安全で確実な方法が、クラウドサービスを利用することです。
Google Driveを使った移行
写真、動画、ドキュメントなどのファイルを移行できます。
Androidでの操作
- Google Driveアプリを開く(なければインストール)
- 画面右下の「+」ボタンをタップ
- 「アップロード」を選択
- 移行したいファイルを選択してアップロード
iPhoneでの操作
- App StoreからGoogle Driveアプリをダウンロード
- Androidと同じGoogleアカウントでログイン
- アップロードしたファイルを表示
- ファイルをタップして「コピーを送信」から「画像を保存」を選択
Google Driveは無料で15GBまで利用できます。
Google フォトを使った写真・動画の移行
写真や動画に特化したサービスです。
Androidでの操作
- Google フォトアプリを開く
- 「バックアップと同期」をオンにする
- Wi-Fiに接続すると自動的にアップロードが始まる
iPhoneでの操作
- App StoreからGoogle フォトアプリをダウンロード
- 同じGoogleアカウントでログイン
- すぐに全ての写真・動画が表示される
- iPhoneのカメラロールに保存したい場合は、写真を選択して「デバイスに保存」をタップ
Google フォトは無料で利用でき、高画質設定なら容量無制限で保存できる場合があります(Googleアカウントの種類による)。
iCloudを使った移行
Appleの純正サービスも利用できます。
- Androidのブラウザで「iCloud.com」にアクセス
- Apple IDでログイン
- 「写真」「iCloud Drive」などに直接ファイルをアップロード
- iPhoneで自動的に同期される
iCloudは無料で5GBまで利用できます。
方法2:個別にアプリでデータを移行する
一部のアプリやデータは、個別に移行する必要があります。
連絡先の移行
方法A:Googleアカウント経由
- Androidの「設定」→「アカウント」→「Google」を開く
- 「連絡先の同期」をオンにする
- iPhoneの「設定」→「連絡先」→「アカウント」→「アカウントを追加」をタップ
- Googleアカウントを追加して「連絡先」をオンにする
方法B:VCFファイル経由
- Androidの連絡先アプリを開く
- メニューから「エクスポート」を選択
- VCF(vCard)ファイルとして保存
- ファイルをメールやクラウドでiPhoneに送信
- iPhoneでVCFファイルを開くと自動的にインポートされる
LINEの引き継ぎ
LINEは特別な手続きが必要です。
- Android側でLINEアプリを開く
- 「ホーム」→「設定」→「アカウント引き継ぎ」をタップ
- 「アカウントを引き継ぐ」をオンにする(36時間有効)
- メールアドレスとパスワードが設定されているか確認
- iPhone側でLINEアプリをインストール
- 「ログイン」をタップして電話番号を入力
- SMSで届いた認証番号を入力
- 「以前の電話番号でログイン」を選択(必要に応じて)
- トーク履歴を復元(事前にバックアップが必要)
注意: トーク履歴は、事前にAndroid側でGoogleドライブにバックアップしておく必要があります。ただし、Android→iPhoneの場合、トーク履歴の完全な移行は困難です。
その他のSNSアプリ
- Instagram、Twitter(X)、Facebook:iPhoneでアプリをインストールして、IDとパスワードでログインするだけ
- ゲームアプリ:多くの場合、アカウント連携(GoogleアカウントやFacebookなど)をしておけば、iPhone側でも同じアカウントでログイン可能
方法3:メールでデータを送る
少量のデータであれば、メールで送る方法もシンプルです。
- Androidのファイルマネージャーやギャラリーアプリを開く
- 送りたいファイルを選択
- 共有メニューから「メール」を選択
- 自分のメールアドレス宛に送信
- iPhoneでメールを開いて添付ファイルをダウンロード
この方法は、写真数枚や小さなドキュメントファイルなど、データ量が少ない場合に便利です。
方法4:パソコン経由で移行する
パソコンがある場合、パソコンを中継地点として使えます。
写真や動画の場合
- AndroidをUSBケーブルでパソコンに接続
- ファイルマネージャーでAndroidの「DCIM」フォルダを開く
- 写真・動画をパソコンにコピー
- iPhoneをパソコンに接続
- iTunesまたはFinderを使ってiPhoneに写真を同期
その他のファイルの場合
- Androidからパソコンにファイルをコピー
- iCloudまたはGoogle DriveなどのクラウドサービスのPC版でアップロード
- iPhoneでダウンロード
方法5:サードパーティ製のツールを使う
有料・無料のデータ移行ツールもいくつかあります。
主なツール
- AnyTrans:Android→iPhone間の包括的なデータ移行が可能
- MobileTrans:ワンクリックでデータ移行
- Dr.Fone:データ復元・移行ツール
- iCareFone iTransGo:リセット不要でデータ移行
これらのツールは、多くの場合有料ですが、大量のデータを一度に移行したい場合や、技術的な操作が苦手な方には便利です。
注意点
- 信頼できる開発元のツールを選ぶ
- レビューや評価を確認する
- 無料体験版がある場合は、まず試してから購入する
- データのプライバシーとセキュリティに注意する
データの種類別:移行方法まとめ

どのデータをどの方法で移行すればいいのか、一覧にしました。
写真・動画
- おすすめ: Google フォト
- 代替手段: Google Drive、iCloud、メール(少量の場合)、パソコン経由
連絡先
- おすすめ: Googleアカウント同期
- 代替手段: VCFファイルでエクスポート→インポート
音楽
- ストリーミングサービス利用者: Spotify、Apple Music、YouTube Musicなどはアプリをインストールしてログインするだけ
- ローカル音楽ファイル: Google Drive経由またはパソコン経由で移行
ドキュメント・PDFファイル
- おすすめ: Google Drive
- 代替手段: iCloud Drive、メール
アプリのデータ
- 基本的に: 各アプリで個別に引き継ぎ手続きが必要
- ゲーム: アカウント連携(GoogleアカウントやSNS連携)を確認
- LINE: 専用の引き継ぎ手順が必要
メール
- Gmail、Yahoo!メールなど: iPhoneでアカウントを追加するだけ
- キャリアメール: 各キャリアの手順に従う
カレンダー
- Googleカレンダー: iPhoneでGoogleアカウントを追加してカレンダー同期をオンにする
データ移行時の注意点
初期設定後のデータ移行では、いくつか注意すべきポイントがあります。
Wi-Fi環境で作業する
クラウドサービスを使う場合、大量のデータをアップロード・ダウンロードします。モバイルデータ通信を使うと、通信量制限に引っかかる可能性があるため、必ずWi-Fi環境で作業しましょう。
iPhoneのストレージ容量を確認
Androidで使っていたデータ量が、iPhoneの空き容量を超えていないか確認してください。
iPhoneの空き容量は、「設定」→「一般」→「iPhoneストレージ」で確認できます。
容量が足りない場合は:
- 不要なアプリを削除する
- 移行するデータを選別する
- iCloudストレージを活用する
バックアップを取っておく
万が一に備えて、Android側のデータは消さずに残しておきましょう。データ移行が完全に終わり、iPhoneで問題なく使えることを確認してから、Androidのデータを削除するのが安全です。
アプリの引き継ぎ手順を事前に確認
特に重要なアプリ(銀行アプリ、電子決済アプリ、ゲームアプリなど)は、事前に公式サイトで引き継ぎ手順を確認しておきましょう。
一部のアプリでは、機種変更前に特別な手続きが必要な場合があります。
二段階認証アプリに注意
Google Authenticatorなどの二段階認証アプリを使っている場合は、特に注意が必要です。
移行前に、各サービスの二段階認証設定を確認し、バックアップコードを控えておくか、一時的に二段階認証を解除してから移行するのが安全です。
キャリアメールは移行できない場合も
ドコモ、au、ソフトバンクなどのキャリアメールは、機種変更時に特別な手続きが必要な場合があります。各キャリアのサポートページを確認してください。
完全移行できないデータもある
残念ながら、AndroidからiPhoneへ完全には移行できないデータもあります。
LINEのトーク履歴
LINEのトーク履歴は、Android→iPhone間では完全に移行できません。
ただし、2023年以降、一部のトーク履歴を移行できる機能が追加されましたが、制限があります。
おサイフケータイのデータ
AndroidのおサイフケータイのデータをiPhoneに移行することはできません。iPhoneでは、Apple Payという別のシステムを使うため、各サービスで改めて登録が必要です。
一部のゲームアプリのデータ
ゲームによっては、Android版とiOS版でデータ共有ができないものがあります。事前にゲームの公式サイトで確認しましょう。
通話履歴
通話履歴は基本的に移行できません。必要な場合は、Androidでスクリーンショットを撮るなどして記録しておきましょう。
どうしても「iOSに移行」を使いたい場合の手順

「やっぱりApple公式のツールを使いたい」という場合は、iPhoneをリセットする方法があります。
ただし、iPhoneの既存データが全て消えるので、慎重に判断してください。
iPhoneをリセットする手順
- iPhoneに既に保存されている重要なデータをバックアップする(iCloudやパソコン経由)
- 「設定」を開く
- 「一般」をタップ
- 「転送またはiPhoneをリセット」をタップ
- 「すべてのコンテンツと設定を消去」をタップ
- Apple IDのパスワードを入力
- 「iPhoneを消去」をタップ
リセット後の「iOSに移行」の使い方
- iPhoneが再起動し、初期設定画面が表示される
- 言語、地域、Wi-Fi設定を進める
- 「アプリとデータを転送」画面で「Androidから」をタップ
- Androidで「iOSに移行」アプリを開く(Google Playからインストール)
- アプリの指示に従って進める
- iPhoneに表示されたコードをAndroidに入力
- 転送したいデータを選択して「続ける」をタップ
- 転送が完了するまで待つ(両方のデバイスを充電しながら実行推奨)
よくある質問
初期設定後、何日経ってもデータ移行できる?
はい、できます。初期設定から何日、何週間経っていても、上記の方法でデータ移行は可能です。
データ移行には何時間かかる?
移行するデータ量や方法によって異なります。
- 少量の写真をメールで送る:数分
- Google フォトで数千枚の写真をアップロード:数時間(バックグラウンドで実行可能)
- クラウド経由での移行:数時間〜1日程度(データ量による)
AndroidとiPhoneを同時に使いながら移行できる?
はい、クラウドサービスやメールを使った方法なら、両方のスマホを使いながら少しずつ移行できます。
移行中にバッテリーが切れたらどうなる?
クラウドサービスを使った方法なら、充電後に続きから再開できます。ただし、大量のデータを移行する際は、両方のデバイスを充電しながら作業することをおすすめします。
無料でデータ移行できる?
はい、この記事で紹介した方法のほとんどは無料です。Google Drive、Google フォト、メールなど、無料のサービスで移行できます。
まとめ
AndroidからiPhoneへのデータ移行を初期設定後に行う方法を解説しました。
最も重要なポイントは、Appleの「iOSに移行」アプリは初期設定時にしか使えないということです。
ただし、初期設定後でも以下の方法でデータ移行は可能です:
- Google Drive / Google フォトを使う(最もおすすめ)
- 個別にアプリで移行する(連絡先、LINE、SNSなど)
- メールで送る(少量のファイル向け)
- パソコン経由で移行する
- サードパーティ製ツールを使う(有料が多い)
どうしても「iOSに移行」アプリを使いたい場合は、iPhoneをリセットする必要がありますが、既存のデータが消えてしまうため、あまりおすすめしません。
データの種類に応じて適切な方法を選び、Wi-Fi環境で時間をかけて少しずつ移行していけば、初期設定後でも問題なくデータを移せます。
移行作業は少し手間がかかりますが、大切なデータを新しいiPhoneで使えるようになれば、快適なiPhoneライフが始まりますよ。焦らず、確実に移行作業を進めてくださいね。


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