VSCodeのポート開放(ポート転送)完全ガイド!ローカルサーバーを外部公開する方法

「VSCodeでローカルサーバーを立ち上げたけど、スマホで確認したい」
「チームメンバーに開発中のアプリを見せたい」
「ngrokみたいなツールなしで外部公開できないの?」

実は、VSCodeにはポート転送(Port Forwarding)機能が標準で搭載されています。

この機能を使えば、ローカル環境で動いているWebサーバーやアプリケーションを、外部から簡単にアクセスできるようにできるんです。

この記事では、VSCodeのポート転送機能の使い方を、初心者の方にもわかりやすく解説します。

スポンサーリンク
  1. VSCodeのポート転送とは
    1. なぜポート転送が必要?
    2. VSCodeポート転送の仕組み
    3. いつから使える?
  2. ポート転送を使う準備
    1. 必要なもの
    2. GitHubアカウントでログイン
  3. ポート転送の基本的な使い方
    1. 手順1:ローカルサーバーを起動
    2. 手順2:PORTSパネルを開く
    3. 手順3:ポート番号を入力
    4. 手順4:GitHub認証(初回のみ)
    5. 手順5:外部URLを取得
    6. 手順6:外部URLにアクセス
  4. 公開範囲の設定(Private / Public)
    1. Private(プライベート)
    2. Public(パブリック)
    3. 公開範囲の変更方法
  5. 便利な機能
    1. ポートにラベルをつける
    2. ポート転送を停止する
    3. ブラウザで直接開く
    4. 自動的にポート転送する
  6. よくある使い方シーン
    1. シーン1:スマホで表示確認
    2. シーン2:デザイナーに確認してもらう
    3. シーン3:チームレビュー
    4. シーン4:フロントエンドとバックエンドを同時に公開
  7. Remote SSHでのポート転送
    1. 使い方
  8. WSL(Windows Subsystem for Linux)での使い方
    1. 基本的な流れ
  9. 注意点とセキュリティ
    1. セキュリティリスク
    2. VSCodeを閉じたらアクセスできなくなる
    3. 長時間の公開には向かない
  10. トラブルシューティング
    1. Q1. PORTSタブが表示されない
    2. Q2. 「Forward a Port」ボタンが押せない
    3. Q3. URLにアクセスしても表示されない
    4. Q4. 「Too many redirects」エラーが出る
    5. Q5. スマホからアクセスできない
    6. Q6. 複数のポートを同時に転送できる?
    7. Q7. 転送したポートのURLを変更できる?
    8. Q8. ポート転送に料金はかかる?
    9. Q9. ngrokとの違いは?
    10. Q10. ポート転送が遅い
  11. まとめ:ポート転送を活用しよう!

VSCodeのポート転送とは

ポート転送(Port Forwarding)とは、ローカル環境(あなたのパソコン)で動いているサーバーを、インターネット経由で外部からアクセスできるようにする機能です。

なぜポート転送が必要?

通常、ローカルで開発しているWebサイトやアプリケーションは、localhost(127.0.0.1)でしかアクセスできません。

つまり、あなたのパソコンからしか見られないんです。

でも、こんなシーンで困りますよね。

困るシーン:

  • スマホでの表示を確認したい
  • デザイナーやクライアントに開発中の画面を見せたい
  • チームメンバーとレビューしたい
  • 外出先から自宅の開発環境にアクセスしたい

ポート転送を使えば:

  • 外部からアクセス可能なURLが発行される
  • そのURLを共有するだけで、誰でもアクセスできる
  • ngrokなどの外部サービスを使わなくてもOK

VSCodeポート転送の仕組み

VSCodeのポート転送は、GitHubのサーバーを経由してトンネルを作成します。

流れ:

  1. あなたのパソコンでlocalhost:3000でサーバーを起動
  2. VSCodeのポート転送機能で3000番ポートを転送
  3. https://xxx.tunnel.vscode.devのような外部URLが発行される
  4. このURLにアクセスすると、GitHubサーバー経由であなたのローカルサーバーに届く

安全に外部公開できるように、GitHubアカウントで認証されます。

いつから使える?

この機能は、VSCode version 1.82(2023年9月リリース)から標準搭載されています。

最新版のVSCodeを使っていれば、誰でも無料で使えます。

ポート転送を使う準備

必要なもの

  1. VSCode version 1.82以降
  2. GitHubアカウント(無料で作成可能)

GitHubアカウントでログイン

ポート転送機能を使うには、VSCodeでGitHubアカウントにログインする必要があります。

ログイン方法:

  1. VSCode左下のアカウントアイコン(人型アイコン)をクリック
  2. GitHubでサインイン」を選択
  3. ブラウザが開くので、GitHubの認証画面で許可

これで準備完了です。

ポート転送の基本的な使い方

実際にポート転送を使ってみましょう。

手順1:ローカルサーバーを起動

まず、ローカルでWebサーバーを起動します。

例1:Live Serverを使う場合

VSCodeの拡張機能「Live Server」をインストールしている場合:

  1. HTMLファイルを開く
  2. 右下の「Go Live」ボタンをクリック
  3. ブラウザでlocalhost:5500が開く

例2:Node.jsサーバーを起動

# Reactアプリの場合
npm start
# ブラウザでlocalhost:3000が開く

# Next.jsの場合
npm run dev
# ブラウザでlocalhost:3000が開く

# Expressサーバーの場合
node server.js
# ターミナルに"Server running on port 3000"と表示

例3:Pythonの簡易サーバー

python -m http.server 8000
# ブラウザでlocalhost:8000にアクセス

どの方法でもOKです。まずはローカルでサーバーが動いていることを確認してください。

手順2:PORTSパネルを開く

VSCodeの画面下部(パネル)を見てください。

「ターミナル」「問題」などのタブの中に、「PORTS」(または「ポート」)というタブがあります。

開き方:

方法1:タブをクリック

  • パネル下部の「PORTS」タブをクリック

方法2:ショートカットキー

  • パネルが表示されていない場合は、Ctrl + J(MacはCmd + J)でパネルを開く
  • その後、「PORTS」タブをクリック

方法3:ステータスバーから

  • 画面右下のステータスバーにある「電波塔のようなアイコン」をクリック

手順3:ポート番号を入力

PORTSパネルを開くと、「Forward a Port」というボタンが表示されています。

操作:

  1. Forward a Port」ボタンをクリック
  2. 画面上部にポート番号の入力欄が表示される
  3. サーバーが動いているポート番号を入力(例:3000
  4. Enterキーを押す

手順4:GitHub認証(初回のみ)

初めて使う場合は、ブラウザが開いてGitHub認証画面が表示されます。

表示されるメッセージ:
「次の場所の開発者用トンネルに接続しようとしています」

操作:

  1. 内容を確認
  2. Allow」または「続行」をクリック

これで、GitHubサーバー経由でポート転送が有効になります。

手順5:外部URLを取得

認証が完了すると、PORTSパネルに転送されたポート情報が表示されます。

表示される情報:

  • Port:ポート番号(例:3000)
  • Local Address:ローカルアドレス(localhost:3000)
  • Forwarded Address:外部URLアドレス(例:https://xxx-3000.tunnel.vscode.dev
  • Visibility:公開範囲(Private または Public)

手順6:外部URLにアクセス

Forwarded Addressに表示されているURLをコピーして、ブラウザでアクセスしてみましょう。

初回アクセス時:

警告画面が表示されます。

「次の場所の開発者用トンネルに接続しようとしています」

操作:
続行」ボタンをクリック

これで、ローカルで動いているサーバーに外部からアクセスできます!

公開範囲の設定(Private / Public)

デフォルトでは、転送されたポートはPrivate(プライベート)に設定されています。

Private(プライベート)

特徴:

  • GitHubアカウントにログインしないとアクセスできない
  • あなたのGitHubアカウントでログインした人だけが見られる

使いどころ:

  • セキュリティを重視したい
  • 限定されたメンバーとだけ共有したい

Public(パブリック)

特徴:

  • GitHubログインなしで誰でもアクセスできる
  • URLを知っていれば誰でも見られる

使いどころ:

  • デザイナーやクライアントに見せたい(GitHubアカウントを持っていない人)
  • スマホで確認したい
  • 幅広い人に共有したい

公開範囲の変更方法

手順:

  1. PORTSパネルで、変更したいポートを右クリック
  2. Port Visibility」→「Public」を選択

または

  1. Visibility」列をクリック
  2. Public」に変更

これで、誰でもアクセスできるようになります。

便利な機能

ポートにラベルをつける

複数のポートを転送している場合、ラベルをつけると管理しやすくなります。

手順:

  1. PORTSパネルで、ラベルをつけたいポートを右クリック
  2. Set Port Label」を選択
  3. ラベル名を入力(例:「フロントエンド」「API サーバー」)
  4. Enterキーを押す

ポート転送を停止する

転送を停止したい場合は、簡単に削除できます。

手順:

  1. PORTSパネルで、停止したいポート上で右クリック
  2. Stop Forwarding Port」を選択

または

  1. ポートを選択
  2. PORTSパネル右上の「ゴミ箱アイコン」をクリック

VSCodeを閉じても、自動的に転送は停止されます。

ブラウザで直接開く

転送したURLを、VSCodeから直接ブラウザで開けます。

手順:

  1. PORTSパネルで、開きたいポート上で右クリック
  2. Open in Browser」を選択

自動的にポート転送する

毎回同じポートを使う場合、自動的に転送するように設定できます。

手順:

  1. プロジェクトのルートに.vscodeフォルダを作成(なければ)
  2. .vscode/settings.jsonを開く(または作成)
  3. 以下を追加:
{
  "remote.autoForwardPorts": true,
  "remote.portsAttributes": {
    "3000": {
      "label": "フロントエンド",
      "onAutoForward": "notify"
    },
    "8000": {
      "label": "バックエンド",
      "onAutoForward": "openBrowser"
    }
  }
}

これで、サーバーを起動すると自動的にポート転送が開始されます。

よくある使い方シーン

シーン1:スマホで表示確認

手順:

  1. PCでローカルサーバーを起動
  2. VSCodeでポート転送を設定(Publicに)
  3. 発行されたURLをスマホのブラウザで開く

レスポンシブデザインの確認に便利です。

シーン2:デザイナーに確認してもらう

手順:

  1. VSCodeでポート転送を設定(Publicに)
  2. 発行されたURLをSlackやメールで共有
  3. デザイナーがブラウザでURLにアクセス

GitHubアカウントがなくても、URLだけで見てもらえます。

シーン3:チームレビュー

手順:

  1. VSCodeでポート転送を設定(Privateのまま)
  2. URLを共有(チームメンバーはGitHubアカウントでログイン)
  3. 全員で同じ開発環境を確認

セキュリティを保ちつつ、レビューできます。

シーン4:フロントエンドとバックエンドを同時に公開

手順:

  1. フロントエンドサーバーを起動(localhost:3000)
  2. バックエンドAPIサーバーを起動(localhost:8000)
  3. 両方のポートを転送
  4. それぞれのURLでアクセス

複数のサーバーを同時に公開できます。

Remote SSHでのポート転送

VSCodeのRemote SSH機能を使っている場合も、ポート転送が使えます。

使い方

リモートサーバーに接続している状態で、通常と同じ手順でポート転送を設定できます。

自動転送:

Remote SSH接続中は、リモートサーバーでサーバーを起動すると、VSCodeが自動的に検知してポート転送してくれます。

手動で追加:

  1. Ctrl + Shift + P(MacはCmd + Shift + P)でコマンドパレットを開く
  2. Forward a Port」と入力
  3. ポート番号を入力

リモートサーバーのポートが、あなたのローカル環境に転送されます。

WSL(Windows Subsystem for Linux)での使い方

WSLで開発している場合も、ポート転送が使えます。

基本的な流れ

  1. WSL内でサーバーを起動
  2. WSL側では自動的にWindowsホストにポートが転送される
  3. Windows側のVSCodeで「ポートの転送」を実行
  4. 外部URLが発行される

WSLを使っている場合、2段階のポート転送になりますが、操作は同じです。

注意点とセキュリティ

セキュリティリスク

ポート転送は便利ですが、セキュリティリスクもあります。

リスク:

  • 外部にサーバーが公開される
  • URLを知っている人がアクセスできる(Publicの場合)
  • 機密情報が漏れる可能性

対策:

  • 本番環境のデータは使わない
  • 開発用のテストデータを使う
  • 必要がなくなったらすぐに転送を停止する
  • Publicは慎重に使う(基本はPrivateで)

VSCodeを閉じたらアクセスできなくなる

ポート転送は、VSCodeが起動している間だけ有効です。

VSCodeを閉じると、外部URLにアクセスできなくなります。

一時的な確認用として使いましょう。

長時間の公開には向かない

ポート転送は、あくまで一時的な確認・共有用です。

長時間公開したい場合は、以下を検討してください。

  • Vercel、Netlifyなどのホスティングサービス
  • Heroku、AWSなどのクラウドサービス
  • Docker、クラウドのテスト環境

トラブルシューティング

Q1. PORTSタブが表示されない

A: VSCodeのバージョンが古い可能性があります。

確認方法:

  1. メニューから「ヘルプ」→「バージョン情報
  2. version 1.82以降かチェック

古い場合は、VSCodeを最新版にアップデートしてください。

Q2. 「Forward a Port」ボタンが押せない

A: GitHubアカウントでログインしているか確認してください。

左下のアカウントアイコンから、GitHubでサインインしてください。

Q3. URLにアクセスしても表示されない

A: 以下を確認してください。

  1. ローカルサーバーが起動しているか
  2. ポート番号が正しいか
  3. VSCodeが起動しているか
  4. 公開範囲が正しいか(Publicにしたか)

Q4. 「Too many redirects」エラーが出る

A: ブラウザのキャッシュをクリアしてみてください。

または、シークレットモード(プライベートブラウジング)で試してみてください。

Q5. スマホからアクセスできない

A: 公開範囲がPublicになっているか確認してください。

Privateの場合、GitHubログインが必要です。

Q6. 複数のポートを同時に転送できる?

A: はい、できます。

「Forward a Port」を複数回実行すれば、複数のポートを同時に転送できます。

Q7. 転送したポートのURLを変更できる?

A: いいえ、URLは自動生成されます。

カスタムURLは設定できません。

Q8. ポート転送に料金はかかる?

A: いいえ、完全無料です。

VSCodeとGitHubアカウントがあれば、追加費用なしで使えます。

Q9. ngrokとの違いは?

A: 主な違い:

VSCodeポート転送:

  • VSCode標準機能
  • 無料
  • GitHubアカウントが必要
  • VSCodeから簡単に操作

ngrok:

  • 独立したツール
  • 無料プラン・有料プランあり
  • カスタムドメイン設定可能(有料)
  • より柔軟な設定が可能

簡単な確認ならVSCodeポート転送で十分です。

Q10. ポート転送が遅い

A: GitHubサーバーを経由するため、多少のレイテンシ(遅延)があります。

ローカルで確認するよりは遅くなることを理解しておきましょう。

まとめ:ポート転送を活用しよう!

VSCodeのポート転送機能についてまとめます。

ポート転送とは:

  • ローカルサーバーを外部からアクセスできるようにする機能
  • GitHubサーバー経由でトンネルを作成
  • VSCode version 1.82から標準搭載

基本的な使い方:

  1. GitHubアカウントでログイン
  2. ローカルサーバーを起動
  3. PORTSパネルで「Forward a Port」をクリック
  4. ポート番号を入力
  5. 外部URLが発行される

公開範囲:

  • Private:GitHubログインが必要(安全)
  • Public:誰でもアクセス可能(便利だけど注意)

よく使うシーン:

  • スマホでの表示確認
  • デザイナーやクライアントへの共有
  • チームレビュー
  • リモート開発環境での作業

注意点:

  • セキュリティリスクに注意
  • あくまで一時的な確認用
  • VSCodeを閉じるとアクセスできなくなる
  • 機密情報は公開しない

メリット:

  • 外部ツール不要
  • 無料
  • 設定が簡単
  • VSCodeから直接操作できる

ポート転送機能を使えば、ngrokなどの外部サービスを使わずに、簡単にローカルサーバーを外部公開できます。

特に、スマホでの表示確認やチームメンバーとの共有に便利です。

ぜひ、この記事を参考に、VSCodeのポート転送機能を活用してみてください!

コメント

タイトルとURLをコピーしました