【安全・簡単】Thunderbirdの上書きインストール完全ガイド|データを残したままバージョンアップ

プログラミング・IT

「Thunderbirdを最新版にアップデートしたいけど、メールデータは消えないかな?」
「再インストールしたいけど、設定をやり直すのは面倒…」

Thunderbirdを使っていて、こんな不安を感じたことはありませんか?

実は、Thunderbirdは上書きインストールという方法で、メールデータや設定を残したまま、簡単にバージョンアップや再インストールができます。

この記事では、上書きインストールの基本から、安全な手順、注意点まで、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。


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  1. 上書きインストールとは?普通のインストールと何が違う?
    1. 上書きインストールの基本概念
    2. Thunderbirdのデータが消えない理由
  2. 上書きインストールが必要になる3つのケース
    1. ケース1:バージョンアップしたい時
    2. ケース2:動作が不安定になった時
    3. ケース3:32bit版から64bit版に変更したい時
  3. 【基本編】通常の上書きインストール手順
    1. 手順1:現在のバージョンを確認する
    2. 手順2:最新版をダウンロードする
    3. 手順3:Thunderbirdを終了する
    4. 手順4:インストーラーを実行する
    5. 手順5:Thunderbirdを起動して確認する
  4. 【応用編】バージョンを戻す(ダウングレード)方法
    1. ダウングレード時の重要な注意点
    2. ダウングレードの手順
  5. 上書きインストール前にやっておくべき3つのこと
    1. 1. プロファイルのバックアップを取る
    2. 2. アドオンの互換性を確認する
    3. 3. メールアカウントのパスワードを確認
  6. よくあるトラブルと解決方法
    1. トラブル1:インストールが「既にインストールされています」で止まる
    2. トラブル2:上書きインストール後、メールが表示されない
    3. トラブル3:アドオンが動かなくなった
    4. トラブル4:「古いバージョンを実行しています」エラー
  7. 自動更新と手動更新の違い
    1. 自動更新のメリット・デメリット
    2. 手動更新に切り替える方法
  8. 32bit版と64bit版の違いと切り替え方法
    1. どちらを使うべき?
    2. 自分のパソコンが64bitか確認する方法
    3. 32bit版から64bit版に切り替える手順
  9. まとめ

上書きインストールとは?普通のインストールと何が違う?

上書きインストールの基本概念

「上書きインストール」とは、既存のソフトの上に新しいバージョンをそのままインストールする方法のことです。

通常のインストールとの違いを簡単に説明すると、こんな感じです。

通常のインストール(クリーンインストール)

  1. 古いバージョンを完全にアンインストール
  2. 設定やデータもすべて削除
  3. 新しいバージョンを一から設定

上書きインストール

  1. 古いバージョンはそのまま
  2. 新しいバージョンを上から入れる
  3. 設定やデータは自動的に引き継がれる

つまり、上書きインストールなら、面倒な設定をやり直す必要がないというわけです。

Thunderbirdのデータが消えない理由

「でも本当にデータは残るの?」と心配になりますよね。

実は、Thunderbirdには重要な仕組みがあります。

プログラム本体とデータは別々の場所に保存されている

  • プログラム本体C:\Program Files\Mozilla Thunderbird
  • プロファイル(データ)C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Roaming\Thunderbird

プロファイルには以下のデータが含まれています。

  • すべてのメールデータ
  • アカウント設定
  • アドレス帳
  • フィルター設定
  • パスワード情報
  • アドオン設定

上書きインストールでは、プログラム本体だけが新しくなり、プロファイル(データ)はそのまま残ります。

だから、メールや設定が消えることはないのです。


上書きインストールが必要になる3つのケース

どんな時に上書きインストールをするべきなのでしょうか?

ケース1:バージョンアップしたい時

Thunderbirdに新しいバージョンがリリースされた時、上書きインストールで簡単に最新版にできます。

こんな時におすすめ

  • セキュリティアップデートが出た
  • 新機能を使いたい
  • バグ修正版が出た

ケース2:動作が不安定になった時

Thunderbirdの調子が悪くなった時、上書きインストールで改善することがあります。

改善できる症状

  • 起動が遅い、フリーズする
  • メール送受信がうまくいかない
  • 設定をいじりすぎて「なんか変になった」

ケース3:32bit版から64bit版に変更したい時

パソコンが64bitなのに32bit版のThunderbirdを使っている場合、64bit版に変更することでパフォーマンスが向上します。

ただし、この場合は少し特殊な手順が必要です。


【基本編】通常の上書きインストール手順

それでは、実際の上書きインストール手順を見ていきましょう。

手順1:現在のバージョンを確認する

まず、今使っているバージョンを確認しましょう。

  1. Thunderbirdを起動
  2. 画面右上の「三本線」メニューをクリック
  3. 「ヘルプ」を選択
  4. 「Thunderbirdについて」をクリック

ここで現在のバージョンが確認できます。

手順2:最新版をダウンロードする

公式サイトから最新版のインストーラーをダウンロードします。

公式ダウンロードページ
https://www.thunderbird.net/ja/

「無料ダウンロード」ボタンをクリックすると、お使いのOSに合ったバージョンが自動的にダウンロードされます。

手順3:Thunderbirdを終了する

重要:インストール前に必ずThunderbirdを終了してください。

起動したままインストールすると、エラーが発生する可能性があります。

  1. Thunderbirdのウィンドウを閉じる
  2. タスクバーのタスクトレイにアイコンがないか確認
  3. もし残っていたら、右クリックして「終了」

手順4:インストーラーを実行する

ダウンロードしたインストーラー(.exeファイル)をダブルクリックします。

  1. 「次へ」をクリック
  2. 「標準インストール」を選択(推奨)
  3. 「次へ」をクリック
  4. 「インストール」をクリック
  5. インストール完了まで待つ
  6. 「完了」をクリック

手順5:Thunderbirdを起動して確認する

インストールが完了したら、Thunderbirdを起動しましょう。

確認ポイント

  • メールがすべて残っているか
  • 受信トレイ、送信済みアイテムを確認
  • アカウント設定が残っているか
  • アドレス帳が残っているか
  • メール送受信が正常にできるか

すべて問題なければ、上書きインストール成功です!


【応用編】バージョンを戻す(ダウングレード)方法

「最新版にしたら使いにくくなった…」
「アドオンが動かなくなった…」

こんな時は、以前のバージョンに戻すことも可能です。ただし、通常の上書きよりも少し手順が複雑です。

ダウングレード時の重要な注意点

プロファイルの互換性問題

新しいバージョンで作られたプロファイルは、古いバージョンでは開けないことがあります。

特に、大きなバージョンアップ(例:102→115)をした後に戻す場合は要注意です。

ダウングレードの手順

準備:必ずバックアップを取る

  1. Thunderbirdを起動
  2. 「ヘルプ」→「トラブルシューティング情報」
  3. 「プロファイルフォルダー」の「フォルダーを開く」をクリック
  4. 開いたフォルダの中身を全部デスクトップなどにコピー

手順1:旧バージョンをダウンロード

公式のアーカイブから、戻したいバージョンをダウンロードします。

404 Not Found

例:バージョン91.12.0に戻したい場合

  1. 「91.12.0」フォルダをクリック
  2. 「win32」または「win64」をクリック(お使いのWindowsに合わせて)
  3. 「ja」をクリック(日本語版)
  4. 「Thunderbird Setup ~.exe」をクリックしてダウンロード

手順2:現在のバージョンをアンインストール(任意)

最近のバージョンでは、アンインストールせずに上書きできることもあります。

まずは上書きを試して、うまくいかない場合のみアンインストールしてください。

  1. Windowsの「設定」を開く
  2. 「アプリ」→「インストールされているアプリ」
  3. 「Mozilla Thunderbird」を見つけて「アンインストール」

手順3:旧バージョンをインストール

ダウンロードしたインストーラーを実行します。

重要:インストール完了画面で「今すぐThunderbirdを起動」のチェックを外してください。

このまま起動すると、エラーが出ます。

手順4:特別なコマンドで起動

Windowsの「ファイル名を指定して実行」を開きます(Windowsキー + R)。

以下のコマンドを入力してEnterキーを押します。

"C:\Program Files\Mozilla Thunderbird\thunderbird.exe" -p --allow-downgrade

(64bit版の場合)

または

"C:\Program Files (x86)\Mozilla Thunderbird\thunderbird.exe" -p --allow-downgrade

(32bit版の場合)

プロファイルマネージャーが起動するので、既存のプロファイルを選択して「起動」します。

手順5:自動更新を無効化

ダウングレード後、すぐに最新版に自動更新されないよう設定を変更します。

  1. 「設定」を開く
  2. 「一般」タブを選択
  3. 「Thunderbirdの更新動作」で「更新を確認するが、インストールするかどうかを選択する」を選ぶ

上書きインストール前にやっておくべき3つのこと

安全に上書きインストールするために、事前準備をしておきましょう。

1. プロファイルのバックアップを取る

万が一に備えて、必ずバックアップを取っておきましょう。

バックアップ手順

  1. Thunderbirdを起動
  2. 「ヘルプ」→「トラブルシューティング情報」
  3. 「プロファイルフォルダー」の「フォルダーを開く」
  4. 一つ上のフォルダ(Profiles)に移動
  5. 「〇〇.default」フォルダを丸ごとコピー
  6. 外付けHDDやUSBメモリ、別のドライブに保存

2. アドオンの互換性を確認する

使っているアドオン(拡張機能)が新しいバージョンに対応しているか、事前に確認しましょう。

確認方法

  1. 使っているアドオンの名前をメモ
  2. Thunderbirdアドオン公式サイトで検索
  3. 対応バージョンを確認

もし非対応なら、代替アドオンを探すか、ダウングレードを検討しましょう。

3. メールアカウントのパスワードを確認

万が一の再設定に備えて、メールアカウントのパスワードを確認しておきましょう。

特に、Gmailなどで2段階認証を使っている場合は、「アプリパスワード」が必要になることがあります。


よくあるトラブルと解決方法

トラブル1:インストールが「既にインストールされています」で止まる

原因
Thunderbirdが完全に終了していない可能性があります。

解決方法

  1. タスクマネージャーを開く(Ctrl + Shift + Esc)
  2. 「プロセス」タブで「thunderbird.exe」を探す
  3. 見つかったら右クリック→「タスクの終了」
  4. 再度インストーラーを実行

トラブル2:上書きインストール後、メールが表示されない

原因
プロファイルの読み込みに失敗している可能性があります。

解決方法

  1. Thunderbirdを終了
  2. プロファイルマネージャーを起動
  • Windowsキー + R
  • thunderbird.exe -p と入力してEnter
  1. 正しいプロファイルを選択して起動

トラブル3:アドオンが動かなくなった

原因
新しいバージョンに対応していないアドオンです。

解決方法

  1. アドオンの最新版がないか確認
  2. 代替アドオンを探す
  3. どうしても必要なら、旧バージョンにダウングレード

トラブル4:「古いバージョンを実行しています」エラー

原因
ダウングレード時にプロファイルの互換性問題が発生しています。

解決方法

特別なコマンドで起動してください(前述の「ダウングレード方法」参照)。

thunderbird.exe -p --allow-downgrade

自動更新と手動更新の違い

自動更新のメリット・デメリット

メリット

  • 常に最新版を使える
  • セキュリティアップデートが自動適用される
  • 手間がかからない

デメリット

  • アドオンが突然使えなくなることがある
  • デザインや操作方法が変わって戸惑う
  • 更新のタイミングを選べない

手動更新に切り替える方法

自分のタイミングで更新したい場合は、手動更新に設定できます。

  1. Thunderbirdを起動
  2. 「設定」を開く
  3. 「一般」タブを選択
  4. 「Thunderbirdの更新動作」を探す
  5. 「更新を確認するが、インストールするかどうかを選択する」を選ぶ

これで、更新通知は来るけど、自分で「更新する」ボタンを押さない限りバージョンアップされなくなります。


32bit版と64bit版の違いと切り替え方法

どちらを使うべき?

64bit版を使うべき人

  • パソコンのOSが64bit
  • メモリ(RAM)が4GB以上
  • 大量のメールを保存している
  • 複数のアカウントを管理している

32bit版でもOKな人

  • パソコンのOSが32bit
  • メモリが少ない古いパソコン

自分のパソコンが64bitか確認する方法

Windows 11/10の場合

  1. 「設定」を開く
  2. 「システム」→「バージョン情報」
  3. 「システムの種類」を確認
  • 「64ビット オペレーティング システム」なら64bit対応

32bit版から64bit版に切り替える手順

基本的には通常の上書きインストールと同じです。

  1. 公式サイトから64bit版をダウンロード
  2. 現在のThunderbirdを終了
  3. ダウンロードしたインストーラーを実行
  4. 「標準インストール」で進める
  5. 完了後、起動して確認

データはそのまま引き継がれます。


まとめ

Thunderbirdの上書きインストールについて、詳しく解説してきました。

この記事のポイント

  • 上書きインストールは、データを残したまま新バージョンにできる便利な方法
  • プログラムとデータは別の場所に保存されているから安全
  • 基本的には公式サイトからダウンロードして実行するだけ
  • ダウングレードする場合は特別な手順が必要
  • 必ずバックアップを取ってから作業する
  • アドオンの互換性を事前確認することが重要
  • 自動更新と手動更新は設定で切り替えられる

上書きインストールをおすすめする人

  • 最新版にアップデートしたい
  • 動作が不安定で再インストールしたい
  • 32bit版から64bit版に変更したい
  • 設定やメールデータは絶対に残したい

念のためクリーンインストールした方がいい人

  • 完全に初期状態に戻したい
  • プロファイルが破損している可能性がある
  • 複数のプロファイルを整理したい

上書きインストールは、正しい手順で行えば非常に簡単で安全です。

ただし、大切なメールデータを扱うソフトなので、必ずバックアップを取ることだけは忘れないでくださいね。

万が一トラブルが起きても、バックアップさえあれば完全に復元できますから!

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