「Thunderbirdが突然フリーズして、何もできなくなった…」
「”応答なし”と表示されて、メールが見られない!」
「起動しようとすると”既存のプロセスを終了させてください”というエラーが出る…」
Thunderbirdは便利なメールクライアントですが、突然「応答なし」になったり、起動できなくなることがあります。
この記事では、Thunderbirdが応答しない・開けない時の原因と解決方法を、初心者の方にもわかりやすく徹底解説します。
基本的な対処法から上級者向けの方法まで、順を追ってご紹介しますので、ぜひ試してみてください。
- Thunderbirdの「応答なし」問題とは?
- Thunderbirdが応答しない主な原因
- Thunderbirdの応答なし・開けない問題を解決する方法
- 【解決方法1】既存のThunderbirdプロセスを強制終了する
- 【解決方法2】PCを再起動する
- 【解決方法3】トラブルシューティングモード(セーフモード)で起動する
- 【解決方法4】アドオン(拡張機能)を無効にする
- 【解決方法5】起動時キャッシュを消去する
- 【解決方法6】新着メールの自動チェックを無効にする
- 【解決方法7】MSFファイル(インデックスファイル)を削除する
- 【解決方法8】フォルダを最適化(圧縮)する
- 【解決方法9】古いメールを削除またはアーカイブする
- 【解決方法10】アンチウイルスソフトの例外設定に追加する
- 【解決方法11】ハードウェアアクセラレーションを無効にする
- 【解決方法12】新しいプロファイルを作成する
- 【解決方法13】Thunderbirdを最新版に更新する
- 【解決方法14】Thunderbirdを再インストールする
- 【解決方法15】システムリソースを確保する
- トラブルシューティングのフローチャート
- よくある質問
- Thunderbirdの「応答なし」を予防するには
- まとめ
Thunderbirdの「応答なし」問題とは?

よくある症状
- 「応答なし」と表示される
- ウィンドウが白くなる、または薄暗くなる
- クリックしても反応しない
- 数分待つと回復することもある
- 起動時のエラーメッセージ
- 「Thunderbirdは起動していますが応答しません」
- 「既存のThunderbirdプロセスを終了させなければなりません」
- フリーズする特定のタイミング
- メール作成中
- メール送信時
- 新着メール受信時
- 一定時間放置後(10分、20分など)
- 完全に開けない
- ダブルクリックしても起動しない
- ウィンドウすら表示されない
Thunderbirdが応答しない主な原因
応答しなくなる原因は様々です。
1. 既存のThunderbirdプロセスが残っている
最も多い原因:
- 前回のThunderbirdが正常に終了していない
- バックグラウンドでプロセスが動いたまま
2. メールボックスファイルの肥大化
大量のメールによる負荷:
- 受信トレイに何千通ものメールがある
- 添付ファイル付きメールが多い
- メールボックスのサイズが数GB以上
3. アドオン・拡張機能の不具合
互換性の問題:
- 古いアドオンが最新のThunderbirdに対応していない
- 複数のアドオンが競合している
- バグのあるアドオン
4. プロファイルの破損
設定ファイルの問題:
- プロファイルデータが壊れている
- 設定ファイルに不整合がある
5. MSFファイル(インデックスファイル)の破損
メールインデックスの問題:
- .msfファイルが壊れている
- インデックスの再構築が必要
6. アンチウイルスソフトの干渉
セキュリティソフトの影響:
- メールスキャン機能がThunderbirdの動作をブロック
- リアルタイム保護が干渉
7. 新着メールの自動チェック
頻繁な同期による負荷:
- 〇〇分ごとの新着チェックが重い
- 複数アカウントの同時チェック
8. ハードウェアアクセラレーションの問題
グラフィック処理の不具合:
- GPU処理が原因でフリーズ
9. PCのスペック不足
システムリソースの枯渇:
- メモリ不足
- CPU使用率100%
- ディスク容量不足
Thunderbirdの応答なし・開けない問題を解決する方法
それでは、具体的な解決方法を、試しやすい順に解説します。
【解決方法1】既存のThunderbirdプロセスを強制終了する
バックグラウンドで動いているThunderbirdプロセスを終了します。
Windows の場合:
- Ctrl + Shift + Esc キーを押してタスクマネージャーを開く
- 「プロセス」 タブを選択
- 「Thunderbird」 または 「thunderbird.exe」 を探す
- 右クリックして 「タスクの終了」 をクリック
- すべてのThunderbirdプロセスを終了
- Thunderbirdを再起動
Mac の場合:
- Command + Option + Esc キーを押す
- 「Thunderbird」 を選択
- 「強制終了」 をクリック
- Thunderbirdを再起動
【解決方法2】PCを再起動する
最もシンプルで効果的な方法です。
手順:
- すべてのアプリケーションを閉じる
- PCを再起動
- Thunderbirdを起動
なぜ効果的?
- メモリがクリアされる
- 不要なプロセスが終了する
- システムの一時的な不具合がリセットされる
【解決方法3】トラブルシューティングモード(セーフモード)で起動する
アドオンを無効にして起動します。
方法1:メニューから起動(Thunderbirdが開ける場合)
- Thunderbirdを起動
- 「ヘルプ」 → 「トラブルシューティングモード」 を選択
- 「再起動」 をクリック
方法2:キーを押しながら起動
- Shift キーを押しながら Thunderbirdのアイコンをダブルクリック
- Shiftキーを押し続ける
- 確認画面が表示されたら 「セーフモードで続ける」 をクリック
トラブルシューティングモードで正常に動く場合:
- アドオンが原因の可能性が高い
- アドオンを1つずつ無効にして原因を特定
【解決方法4】アドオン(拡張機能)を無効にする
問題のあるアドオンを特定して無効にします。
手順:
- トラブルシューティングモードで起動
- 確認画面で 「すべてのアドオンを無効化」 にチェック
- 「変更を実行して再起動」 をクリック
- 正常に動作するか確認
アドオンを1つずつ有効にして原因を特定:
- メニュー(≡)→ 「アドオンとテーマ」 を開く
- アドオンを1つ有効にする
- Thunderbirdを再起動
- 問題が再発するまで繰り返す
- 問題を引き起こすアドオンを削除または更新
【解決方法5】起動時キャッシュを消去する
キャッシュをクリアしてリフレッシュします。
手順:
- Thunderbirdを起動(起動できる場合)
- 「ヘルプ」 → 「トラブルシューティング情報」 をクリック
- 右側の枠にある 「起動時キャッシュを消去」 をクリック
- 「再起動」 をクリック
【解決方法6】新着メールの自動チェックを無効にする
定期的なメールチェックが負荷の原因の場合があります。
手順:
- Thunderbirdを起動
- 右上の メニュー(≡)→ 「アカウント設定」 をクリック
- 左側のメニューから 「サーバー設定」 をクリック
- 「新着メッセージがないか〇〇分ごとに確認する」 の チェックを外す
- OK をクリック
複数アカウントの場合:
- すべてのアカウントで同じ設定を行う
手動でメールをチェックする方法:
- ツールバーの 「受信」 ボタンをクリック
- または Ctrl + Shift + T(Windows)/ Command + Shift + T(Mac)
【解決方法7】MSFファイル(インデックスファイル)を削除する
メールのインデックスファイルを再構築します。
重要: MSFファイルは自動的に再生成されます。メール本体は削除されません。
手順:
- Thunderbirdを 完全に終了
- Windows + R キーを押して「ファイル名を指定して実行」を開く(Windows)
- 以下を入力して Enter キーを押す:
%APPDATA%\Thunderbird\Profiles\
- 自分のプロファイルフォルダ(例:
xxxxxxxx.default-release)を開く - 「Mail」 フォルダを開く
- 各アカウントのフォルダ内にある
.msfで終わるファイルを すべて削除
- 例:
Inbox.msf、Sent.msfなど
- 「ImapMail」 フォルダがあれば、同様に
.msfファイルを削除 - Thunderbirdを再起動
Macの場合:
~/Library/Thunderbird/Profiles/
【解決方法8】フォルダを最適化(圧縮)する
削除したメールの空き領域を整理します。
手順:
- Thunderbirdを起動
- 左側のフォルダ一覧で、最適化したいフォルダを 右クリック
- 「最適化」 を選択
- すべての主要フォルダ(受信トレイ、送信済み、ゴミ箱など)で実行
自動最適化を有効にする:
- メニュー(≡)→ 「設定」 → 「一般」
- 「ディスク領域」 セクションを探す
- 「フォルダを自動的に最適化する」 にチェック
【解決方法9】古いメールを削除またはアーカイブする
メールボックスのサイズを減らします。
大きなメールを探す:
- 検索ボックスに 「サイズが大きい」 と入力
- 大きな添付ファイル付きメールが表示される
- 不要なメールを削除
古いメールをアーカイブ:
- 古いメール(1年以上前など)を選択
- 右クリック → 「アーカイブ」 を選択
- または 「A」 キーを押す
削除したメールを完全に削除:
- 「ゴミ箱」 フォルダを右クリック
- 「ゴミ箱を空にする」 を選択
【解決方法10】アンチウイルスソフトの例外設定に追加する
セキュリティソフトの干渉を防ぎます。
手順(一般的な方法):
- アンチウイルスソフトを開く
- 「設定」 または 「オプション」 を開く
- 「例外」 または 「除外」 リストを探す
- Thunderbirdのプログラムフォルダを追加:
- Windows:
C:\Program Files\Mozilla Thunderbird\ - Mac:
/Applications/Thunderbird.app
- Thunderbirdのプロファイルフォルダも追加:
- Windows:
C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Roaming\Thunderbird\ - Mac:
~/Library/Thunderbird/
メールスキャン機能を無効にする:
- アンチウイルスの「メールスキャン」または「メール保護」機能を一時的にオフにして確認
【解決方法11】ハードウェアアクセラレーションを無効にする
グラフィック処理を無効にします。
手順:
- Thunderbirdを起動
- メニュー(≡)→ 「設定」 → 「一般」 をクリック
- 下にスクロールして 「設定エディター」 をクリック
- 警告が表示されたら 「危険性を承知の上で使用する」 をクリック
- 検索ボックスに
layers.acceleration.disabledと入力 - 値が
falseの場合、ダブルクリックしてtrueに変更 - Thunderbirdを再起動
または:
- メニュー(≡)→ 「設定」 → 「一般」
- 下にスクロール
- 「ハードウェアアクセラレーション機能を使用する」 の チェックを外す(存在する場合)
- Thunderbirdを再起動
【解決方法12】新しいプロファイルを作成する
プロファイルが破損している場合の最終手段です。
注意: 新しいプロファイルは空の状態から始まります。メールアカウントを再設定する必要があります。
手順:
- Thunderbirdを 完全に終了
- Windows + R キーを押して「ファイル名を指定して実行」を開く
- 以下を入力して Enter キーを押す:
thunderbird.exe -ProfileManager
- Macの場合:ターミナルで以下を実行
/Applications/Thunderbird.app/Contents/MacOS/thunderbird -ProfileManager
- 「新しいプロファイルを作成」 をクリック
- プロファイル名を入力(例:「新規プロファイル」)
- 「完了」 をクリック
- 新しいプロファイルを選択して 「Thunderbirdを起動」 をクリック
古いプロファイルのデータをバックアップ:
- 新しいプロファイルで問題が解決した場合、古いプロファイルからメールをエクスポート可能
【解決方法13】Thunderbirdを最新版に更新する
古いバージョンにバグがある可能性があります。
手順:
- Thunderbirdを起動(起動できる場合)
- 「ヘルプ」 → 「Thunderbirdについて」 をクリック
- 自動的にアップデートがチェックされる
- アップデートが利用可能な場合、自動的にダウンロード・インストールされる
- 「再起動」 をクリック
手動でダウンロードする場合:
- Thunderbird公式サイトにアクセス:https://www.thunderbird.net/
- 最新版をダウンロード
- インストーラーを実行
【解決方法14】Thunderbirdを再インストールする
すべての方法で解決しない場合の最終手段です。
重要: 再インストール前に必ずプロファイルをバックアップしてください。
バックアップ手順:
- Windows + R キーを押す
- 以下を入力:
%APPDATA%\Thunderbird\ - 「Profiles」 フォルダ全体をコピーして、デスクトップなど別の場所に保存
再インストール手順:
- 「設定」 → 「アプリ」 → 「インストールされているアプリ」
- 「Mozilla Thunderbird」 を選択
- 「アンインストール」 をクリック
- PCを再起動
- Thunderbird公式サイトから最新版をダウンロード
- インストーラーを実行
- Thunderbirdを起動(自動的に既存のプロファイルを認識)
【解決方法15】システムリソースを確保する
PCのスペック不足が原因の場合の対策です。
確認項目:
- タスクマネージャー を開く(Ctrl + Shift + Esc)
- 「パフォーマンス」 タブを確認
- メモリ使用率が90%以上、CPU使用率が常に高い場合は要注意
対策:
- 不要なアプリケーションを閉じる
- バックグラウンドアプリを減らす
- メモリを増設する(可能な場合)
- ディスク容量を確保する(最低10GB以上の空き容量)
トラブルシューティングのフローチャート

どの方法から試せばいいかわからない場合は、以下の順番で試してください。
ステップ1:基本的な確認
- 既存のプロセスを強制終了 → 解決方法1
- PCを再起動 → 解決方法2
ステップ2:軽い対処
- トラブルシューティングモードで起動 → 解決方法3
- 起動時キャッシュを消去 → 解決方法5
- 新着メールチェックを無効化 → 解決方法6
ステップ3:中程度の対処
- アドオンを無効にする → 解決方法4
- MSFファイルを削除 → 解決方法7
- フォルダを最適化 → 解決方法8
- 古いメールを削除 → 解決方法9
ステップ4:上級対処
- アンチウイルスの例外設定 → 解決方法10
- ハードウェアアクセラレーション無効化 → 解決方法11
- 最新版に更新 → 解決方法13
ステップ5:最終手段
- 新しいプロファイルを作成 → 解決方法12
- 再インストール → 解決方法14
よくある質問
Q1. 「応答なし」から何分待てば回復しますか?
回答:
状況によりますが、通常は1~5分程度です。
- 新着メールチェック中:1~2分
- 大きな添付ファイルの処理中:3~5分
- 10分以上待っても回復しない場合は、強制終了を検討
Q2. メール作成中に「応答なし」になった場合、下書きは保存されますか?
回答:
自動保存が有効なら、定期的に保存されています。
ただし、最後の数分間の変更は失われる可能性があります。
自動保存の確認:
- 「設定」 → 「編集」 → 「自動保存」 が有効か確認
Q3. トラブルシューティングモードで起動できない場合は?
回答:
以下を試してください:
- Shiftキーを押すタイミングを変える(ダブルクリックと同時、または直後)
- ショートカットではなく、実行ファイル(thunderbird.exe)から起動
- コマンドプロンプトから起動:
"C:\Program Files\Mozilla Thunderbird\thunderbird.exe" -safe-mode
Q4. プロファイルのバックアップはどこにありますか?
回答:
Windows:
C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Roaming\Thunderbird\Profiles\
Mac:
~/Library/Thunderbird/Profiles/
フォルダ全体をコピーして保存してください。
Q5. 「応答なし」は特定のタイミングで発生します
回答:
タイミング別の原因と対策:
メール作成・送信時:
- SMTPサーバー設定を確認
- 送信済みフォルダを最適化
- 大きな添付ファイルを避ける
起動直後:
- 新着メールチェックを無効化
- アドオンを無効化
- プロファイルを新規作成
一定時間放置後(10分、20分など):
- 新着メールの自動チェックが原因の可能性大
- 自動チェックを無効化(解決方法6)
Q6. Macでも同じ方法で解決できますか?
回答:
はい、ほとんどの方法がMacでも有効です。
ただし、以下の違いに注意:
- ファイルパスが異なる
- キーボードショートカットが異なる(CtrlをCommand、AltをOption に読み替え)
- プロファイルの場所:
~/Library/Thunderbird/Profiles/
Q7. すべての方法を試しても解決しません
回答:
以下を検討してください:
- Thunderbird公式フォーラムで質問
- https://support.mozilla.org/ja/
- ハードウェアの問題を疑う
- メモリテスト
- ディスクのエラーチェック
- 別のメールクライアントへの移行を検討
- Outlook、Mailbird、eM Client など
Thunderbirdの「応答なし」を予防するには
今後、同じ問題が発生しないようにするための予防策です。
1. 定期的にメールを整理する
- 受信トレイのメール数を1,000通以下に保つ
- 古いメールをアーカイブする
- 大きな添付ファイルは別途保存して削除
2. フォルダの最適化を定期的に実行
- 月に1回程度、主要フォルダを最適化
- 自動最適化機能を有効にする
3. アドオンは必要最小限に
- 使わないアドオンは削除
- アドオンを定期的に更新
4. Thunderbirdを最新版に保つ
- 自動更新を有効にする
- 定期的にバージョンを確認
5. プロファイルのバックアップ
- 月に1回程度、プロファイルをバックアップ
- 外部ストレージに保存
6. PCのメンテナンス
- ディスククリーンアップを定期的に実行
- 不要なファイルを削除
- 十分な空き容量を確保(最低20GB以上)
7. アンチウイルスの適切な設定
- Thunderbirdを例外リストに追加
- メールスキャンの頻度を調整
まとめ
Thunderbirdの「応答なし」・「開けない」問題について、重要なポイントをまとめます。
主な原因:
- 既存のプロセスが残っている
- メールボックスの肥大化
- アドオンの不具合
- プロファイルやMSFファイルの破損
- アンチウイルスソフトの干渉
- 新着メールの頻繁なチェック
効果的な解決方法(基本):
- 既存のプロセスを強制終了
- PCを再起動
- トラブルシューティングモードで起動
- 起動時キャッシュを消去
- 新着メールチェックを無効化
効果的な解決方法(上級):
- アドオンを無効にする
- MSFファイルを削除
- フォルダを最適化
- アンチウイルスの例外設定
- ハードウェアアクセラレーション無効化
最終手段:
- 新しいプロファイルを作成
- Thunderbirdを再インストール
予防策:
- 定期的にメールを整理
- フォルダの最適化
- アドオンの管理
- 定期的なバックアップ
- PCのメンテナンス
多くの場合、プロセスの強制終了、トラブルシューティングモードでの起動、MSFファイルの削除 で解決できます。
それでも解決しない場合は、順番に他の方法を試してみてください。
快適なThunderbirdライフが実現できることを願っています!


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