Slackオーガナイゼーションとは?ワークスペースとの違いを初心者向けに解説

プログラミング・IT

「Slackのオーガナイゼーションって何?」「ワークスペースと何が違うの?」

企業でSlackを使い始めたときに、これらの用語を聞いて混乱した経験はありませんか?

この記事では、Slackのオーガナイゼーション(Organization/OrG)とは何か、ワークスペースとの違い、どんな企業に必要なのかを、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。


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  1. Slackオーガナイゼーションとは?基本を理解しよう
    1. オーガナイゼーションの定義
    2. 例え話で理解する
    3. 利用できるプラン
  2. ワークスペースとオーガナイゼーションの違い
    1. ワークスペース
    2. オーガナイゼーション(Enterprise Grid)
    3. 比較表
  3. オーガナイゼーションの主な機能とメリット
    1. 機能1:無制限のワークスペース作成
    2. 機能2:ワークスペース間でのチャンネル共有
    3. 機能3:組織全体での検索
    4. 機能4:組織レベルのポリシー設定
    5. 機能5:統一された管理画面
    6. 機能6:組織全体のダイレクトメッセージ
  4. どんな企業にオーガナイゼーションが必要?
    1. オーガナイゼーションが向いている企業
    2. 通常のワークスペースで十分な企業
  5. オーガナイゼーションの管理者と権限
    1. OrGオーナー(Organization Owner)
    2. OrG管理者(Organization Admin)
    3. ワークスペースオーナー/管理者
    4. 一般メンバー
  6. Slackコネクトとオーガナイゼーションの関係
    1. Slackコネクトとは
    2. オーガナイゼーションとの違い
    3. 組み合わせて使う
  7. オーガナイゼーションの料金体系
    1. 料金の決まり方
    2. 参考プラン(一般的なSlackプラン)
    3. 見積もりの取り方
  8. オーガナイゼーションの設定と運用
    1. 導入の流れ
    2. 運用のベストプラクティス
  9. よくある質問と回答
    1. Q1. 無料プランでも複数のワークスペースを作れる?
    2. Q2. 小規模企業でもオーガナイゼーションを使える?
    3. Q3. オーガナイゼーションとワークスペースを切り替えられる?
    4. Q4. 他社とのコミュニケーションもオーガナイゼーションでできる?
    5. Q5. 途中からEnterprise Gridにアップグレードできる?
  10. まとめ:自社に合ったSlackの使い方を選ぼう

Slackオーガナイゼーションとは?基本を理解しよう

オーガナイゼーションの定義

Slackオーガナイゼーションとは、同じ企業や組織内に存在する複数のSlackワークスペースを統合管理するための「親」のような存在です。

簡単に言うと、複数のワークスペースをまとめて、一つの大きな組織として管理できる仕組みのことです。

例え話で理解する

オーガナイゼーションを理解しやすくするために、建物に例えてみましょう。

ワークスペース = 各フロア

  • マーケティング部門のフロア
  • 営業部門のフロア
  • 開発部門のフロア

オーガナイゼーション = ビル全体

  • 各フロア(ワークスペース)を統括管理
  • ビル全体のルールを設定
  • フロア間の行き来も可能

このように、オーガナイゼーションは複数のワークスペースを一つの傘の下で管理する仕組みなのです。

利用できるプラン

Slackオーガナイゼーションは、Enterprise Gridプランという大企業向けのプランでのみ利用できます。

無料プランやプロプラン、ビジネスプラスプランでは、基本的に一つのワークスペースのみでの運用となります。


ワークスペースとオーガナイゼーションの違い

多くの方が混乱するのが、この二つの違いです。分かりやすく比較してみましょう。

ワークスペース

特徴

  • チームがコミュニケーションをする場所
  • チャンネル、メッセージ、ファイルが保存される
  • 独立した単位として機能

誰が使う?

  • 小規模〜中規模の企業
  • 一つの部門やプロジェクト
  • 最大500名程度のチーム

  • A社マーケティングチーム専用のSlack
  • プロジェクトX用のSlack
  • 社内全体で使う単一のSlack

オーガナイゼーション(Enterprise Grid)

特徴

  • 複数のワークスペースを統合管理
  • 組織全体のポリシーを一括設定
  • ワークスペース間でのデータ共有が可能

誰が使う?

  • 大企業や複雑な組織構造を持つ企業
  • 複数の部門や子会社を持つ企業
  • 最大50万人まで対応可能

  • グローバル企業の本社と各国拠点
  • 複数の事業部を持つ大企業
  • M&Aで増えた複数の子会社

比較表

項目ワークスペースオーガナイゼーション
プラン無料〜ビジネスプラスEnterprise Gridのみ
管理単位一つの場所複数のワークスペース
ユーザー数〜数百名最大50万人
ワークスペース数1つ無制限
一元管理×
ワークスペース間検索×
組織全体のポリシー設定×

オーガナイゼーションの主な機能とメリット

Enterprise Gridプランのオーガナイゼーションには、大企業向けの強力な機能が揃っています。

機能1:無制限のワークスペース作成

何ができる?

組織のニーズに応じて、いくつでもワークスペースを作成できます。

活用例

  • 部門ごと:マーケティング、営業、開発、人事
  • 拠点ごと:東京オフィス、大阪オフィス、海外支社
  • プロジェクトごと:新製品開発、M&A案件、イベント運営

機能2:ワークスペース間でのチャンネル共有

何ができる?

異なるワークスペースに所属するメンバーが、同じチャンネルで会話できます。

活用例

マーケティング部門のワークスペースと営業部門のワークスペースの両方にまたがる「新製品ローンチ」チャンネルを作成できます。

機能3:組織全体での検索

何ができる?

自分が参加しているすべてのワークスペースを横断して、メッセージやファイルを検索できます。

メリット

必要な情報がどのワークスペースにあるか分からなくても、一度の検索で見つけられます。

機能4:組織レベルのポリシー設定

何ができる?

セキュリティやコンプライアンスのルールを、全ワークスペースに一括で適用できます。

具体例

  • データ保存期間の設定
  • アプリのインストール制限
  • ゲストアクセスのルール
  • メッセージの保持ポリシー

機能5:統一された管理画面

何ができる?

OrGオーナーやOrG管理者は、一つのダッシュボードから全ワークスペースを管理できます。

できること

  • メンバーの追加・削除
  • ワークスペースの作成
  • 課金の一元管理
  • セキュリティ監査ログの確認

機能6:組織全体のダイレクトメッセージ

何ができる?

異なるワークスペースに所属するメンバーとも、直接DMを送信できます。

メリット

「この人とは別のワークスペースにいるから連絡できない」という問題がなくなります。


どんな企業にオーガナイゼーションが必要?

オーガナイゼーション(Enterprise Grid)は、すべての企業に必要なわけではありません。

オーガナイゼーションが向いている企業

大規模企業

  • 従業員数が数千人〜数万人
  • 複数の部門や事業部がある
  • グローバルに展開している

複雑な組織構造

  • 複数の子会社を持っている
  • M&Aで企業を買収した
  • 異なるブランドを運営している

厳格なコンプライアンス要件

  • 金融業界(FINRA対応)
  • 医療業界(HIPAA対応)
  • 政府機関(FedRAMP対応)

具体的な企業例

  • IBM:50万人規模の従業員
  • Oracle:複数の製品部門とグローバル拠点
  • Condé Nast:複数のメディアブランド

通常のワークスペースで十分な企業

小〜中規模企業

  • 従業員数が数十人〜数百人
  • 単一の事業を展開
  • シンプルな組織構造

スタートアップ

  • まだ部門が明確に分かれていない
  • 全員が同じ場所で働いている
  • コストを抑えたい

このような企業は、無料プランやプロプラン、ビジネスプラスプランで十分対応できます。


オーガナイゼーションの管理者と権限

オーガナイゼーションでは、管理者の役割も細かく分かれています。

OrGオーナー(Organization Owner)

役割

オーガナイゼーション全体の最高責任者です。すべての権限を持ちます。

できること

  • オーガナイゼーション全体の設定変更
  • OrG管理者の任命
  • ワークスペースの作成・削除
  • 請求情報の管理
  • すべてのポリシーの設定

OrG管理者(Organization Admin)

役割

OrGオーナーに次ぐ権限を持つ管理者です。日常的な運用を担当します。

できること

  • メンバーの追加・削除
  • ワークスペースの管理
  • セキュリティポリシーの設定
  • アプリの承認・拒否

ワークスペースオーナー/管理者

役割

個別のワークスペース内での管理者です。

できること

  • 自分のワークスペース内の設定管理
  • チャンネルの作成・管理
  • メンバーの招待(OrGポリシーの範囲内)

OrGレベルのポリシーには従う必要がありますが、ワークスペース独自の設定もある程度可能です。

一般メンバー

役割

通常のSlackユーザーです。

できること

  • チャンネルへの参加
  • メッセージの送信
  • ファイルの共有
  • 参加しているワークスペース間の移動

Slackコネクトとオーガナイゼーションの関係

似たような用語で「Slackコネクト」というものがありますが、これは別の機能です。

Slackコネクトとは

定義

異なる会社の組織(オーガナイゼーション)同士が安全にコミュニケーションできる機能です。

使い方

自社のSlackと、取引先や協力会社のSlackをつないで、共通のチャンネルやDMでやり取りできます。

オーガナイゼーションとの違い

オーガナイゼーション

  • 同一企業内の複数ワークスペースを統合管理
  • 内部向けの機能

Slackコネクト

  • 異なる企業間でのコミュニケーション
  • 外部連携の機能

組み合わせて使う

Enterprise Gridプランなら、両方の機能を使えます。

  • 社内では複数のワークスペースを持つオーガナイゼーションで管理
  • 取引先とはSlackコネクトで安全に連携

これにより、社内外のコミュニケーションを一つのSlackで完結できます。


オーガナイゼーションの料金体系

Enterprise Gridプランの料金は、企業ごとにカスタマイズされます。

料金の決まり方

固定料金ではなく、以下の要素で決まります。

ユーザー数

  • アクティブユーザー数に応じた従量課金
  • 大規模になるほど単価が下がることも

必要な機能

  • 基本機能
  • 追加のセキュリティ機能
  • カスタマイズ要件

サポートレベル

  • 標準サポート
  • プレミアムサポート
  • 専任のカスタマーサクセスマネージャー

参考プラン(一般的なSlackプラン)

オーガナイゼーションではありませんが、参考までに他のプランの料金を紹介します。

無料プラン

  • 0円
  • メッセージ履歴90日間
  • 1対1の通話のみ

プロプラン

  • 月額960円/ユーザー(年払い)
  • メッセージ履歴無制限
  • グループ通話

ビジネスプラスプラン

  • 月額1,800円/ユーザー(年払い)
  • SAML認証
  • 99.99%の稼働時間保証

Enterprise Gridプラン

  • カスタム料金
  • 問い合わせが必要

見積もりの取り方

Enterprise Gridに興味がある場合は、Slack社の営業チームに直接問い合わせる必要があります。

公式サイトから「営業担当に相談」を選択して、以下の情報を準備しておくとスムーズです。

  • 従業員数
  • 想定されるワークスペース数
  • 必要なセキュリティ要件
  • 導入予定時期

オーガナイゼーションの設定と運用

実際にオーガナイゼーションを導入する場合の流れを見ていきましょう。

導入の流れ

ステップ1:契約とセットアップ

  1. Slack社と契約
  2. オーガナイゼーションのURLを決定(例:yourcompany.enterprise.slack.com)
  3. OrGオーナーを設定

ステップ2:既存ワークスペースの移行

すでにSlackを使っている場合、既存のワークスペースをオーガナイゼーションに移行できます。

移行後も、メンバーのアカウント、メッセージ、ファイルはすべてそのまま残ります。

ステップ3:ポリシーの設定

組織全体で適用するルールを設定します。

  • セキュリティポリシー
  • データ保存ポリシー
  • アプリの承認ルール

ステップ4:ワークスペースの作成

必要に応じて、新しいワークスペースを作成します。

ステップ5:メンバーの追加

各ワークスペースにメンバーを招待します。

運用のベストプラクティス

明確なワークスペース設計

ワークスペースをどう分けるか、事前に設計しましょう。

よくあるパターン:

  • 部門別
  • 拠点別
  • プロジェクト別
  • 機能別(本番環境、テスト環境など)

共有チャンネルの活用

部門を超えたプロジェクトには、ワークスペース横断のチャンネルを作りましょう。

定期的な見直し

使われていないワークスペースやチャンネルは定期的に整理します。


よくある質問と回答

Q1. 無料プランでも複数のワークスペースを作れる?

はい、技術的には作れます。ただし、それぞれが独立したワークスペースとして存在し、統合管理はできません。

オーガナイゼーションのような一元管理機能を使うには、Enterprise Gridプランが必要です。

Q2. 小規模企業でもオーガナイゼーションを使える?

使えますが、コストパフォーマンスを考えると現実的ではありません。

従業員が数十人〜数百人程度なら、ビジネスプラスプランで十分です。

Q3. オーガナイゼーションとワークスペースを切り替えられる?

できます。Enterprise Gridでは、左サイドバーから簡単にワークスペースを切り替えられます。

また、組織全体を検索する機能もあるので、どのワークスペースにいても必要な情報を見つけられます。

Q4. 他社とのコミュニケーションもオーガナイゼーションでできる?

いいえ、オーガナイゼーションは同一企業内の機能です。

他社とコミュニケーションする場合は、「Slackコネクト」という別の機能を使います。

Q5. 途中からEnterprise Gridにアップグレードできる?

できます。既存のワークスペースをそのまま移行できるので、データを失うことはありません。

Slack社のサポートが移行をサポートしてくれます。


まとめ:自社に合ったSlackの使い方を選ぼう

Slackオーガナイゼーションについて、重要なポイントをおさらいしましょう。

オーガナイゼーションとは

  • 複数のワークスペースを統合管理する仕組み
  • Enterprise Gridプラン専用の機能
  • 大企業や複雑な組織向け

ワークスペースとの違い

  • ワークスペース:チームが働く場所(各フロア)
  • オーガナイゼーション:複数のワークスペースをまとめる(ビル全体)

主なメリット

  • 無制限のワークスペース作成
  • ワークスペース間でのチャンネル共有と検索
  • 組織全体のポリシー一元管理
  • 最大50万人まで対応可能

向いている企業

  • 大規模企業(数千人以上)
  • 複雑な組織構造
  • 厳格なコンプライアンス要件

向いていない企業

  • 小〜中規模企業(数百人以下)
  • シンプルな組織構造
  • コストを抑えたい

自社の規模や組織構造に応じて、適切なSlackプランを選びましょう。多くの企業は、まず無料プランやプロプランから始めて、成長に応じてアップグレードするのが一般的です。

Enterprise Gridに興味がある場合は、Slack社の営業チームに相談して、自社に最適な構成を提案してもらうのがおすすめです。


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