Slackでワークスペースを管理していると、「プライマリーオーナーって何?」「管理者とどう違うの?」と疑問に思ったことはありませんか?
実は、Slackには「プライマリーオーナー」「オーナー」「管理者」「メンバー」という4つの権限レベルがあるんです。その中でもプライマリーオーナーは最高権限を持つ特別な役割で、ワークスペースを作成した人が自動的にこの権限を持ちます。
この記事では、Slackのプライマリーオーナーを別のメンバーに変更する方法を、初心者の方でも分かりやすく解説していきます。
プライマリーオーナーとは?他の権限との違い

まず最初に、Slackの権限の違いを整理しておきましょう。
Slackの4つの権限レベル
Slackのメンバーには、以下のような権限の階層があります。
1. プライマリーオーナー(最高権限)
ワークスペースを作成した人が自動的に持つ権限です。
ワークスペースに1人しか存在できません。
主な特権は以下の通りです:
- ワークスペースの削除ができる
- プライマリーオーナー権限を他の人に譲渡できる
- すべての管理機能にアクセスできる
- 支払い情報の管理ができる
2. オーナー
プライマリーオーナーが任命できる管理者です。
複数人を任命することが可能です。
オーナーができることは:
- プライマリーオーナーとほぼ同じ権限を持つ
- ただし、ワークスペースの削除と権限譲渡はできない
- 他のメンバーをオーナーに任命できる(ただし解除はプライマリーオーナーのみ)
3. 管理者
オーナーが任命できる管理補助役です。
管理者ができることは:
- メンバーの招待や管理
- チャンネルの管理
- 一部の設定変更
- ただし、支払い情報へのアクセスはできない
4. メンバー(一般ユーザー)
通常の利用者です。
Slackの基本的な機能は使えますが、管理権限は持っていません。
なぜプライマリーオーナーの変更が重要なのか
プライマリーオーナーが退職や異動で不在になると、以下のような問題が発生します。
- ワークスペースの削除ができなくなる
- オーナー権限の解除ができなくなる
- 最終的な意思決定ができなくなる
そのため、Slack公式も「プライマリーオーナーが退職する前に必ず権限を譲渡すること」を推奨しています。
プライマリーオーナーを変更する手順
それでは、実際にプライマリーオーナー権限を譲渡する方法を見ていきましょう。
事前準備:譲渡先メンバーの確認
権限を譲渡する前に、以下を確認してください。
- 譲渡先のメンバーがすでにワークスペースに参加している
- 譲渡先のメンバーが信頼できる人物である
- 一度譲渡すると取り消せないことを理解している
具体的な変更手順
ステップ1:権限譲渡ページにアクセスする
プライマリーオーナーの権限譲渡ページは、Slackの通常画面からは直接アクセスできません。
以下の2つの方法でアクセスできます。
方法A:URLから直接アクセス
- まず、ワークスペース名をクリック
- 「設定と管理」→「メンバーを管理する」を選択
- ブラウザのURLを確認する(例:
yourworkspace.slack.com/admin/members) - URLの末尾に
/transferを追加する(例:yourworkspace.slack.com/admin/members/transfer)
方法B:Slack公式ヘルプページから
Slack公式ヘルプページの「ワークスペースやオーガナイゼーションのオーナーの権限を譲渡する」ページから、権限譲渡ページへのリンクにアクセスできます。
ステップ2:新しいプライマリーオーナーを選択
- 権限譲渡ページが開いたら、ワークスペースのメンバー一覧が表示されます
- 新しくプライマリーオーナーにしたいメンバーを選択します
ステップ3:パスワードを入力して確定
- 自分のSlackアカウントのパスワードを入力します
- 「ワークスペースのオーナーの権限の譲渡」ボタンをクリックします
- 確認画面が表示されるので、内容を確認して確定します
ステップ4:権限譲渡の完了確認
権限が譲渡されると、以下の変化が起こります。
- あなたのメンバー種別が「プライマリーオーナー」から「オーナー」に変更される
- 選択したメンバーが新しい「プライマリーオーナー」になる
- 変更は即座に反映される
プライマリーオーナー変更時の重要な注意点
権限を譲渡する前に、必ず以下の点を確認してください。
取り消しができない
一度権限を譲渡すると、元に戻すことはできません。
もし再度プライマリーオーナーになりたい場合は、新しいプライマリーオーナーに権限を譲り返してもらう必要があります。
そのため、譲渡先は慎重に選ぶようにしましょう。
譲渡後の権限変化
権限を譲渡した後、あなたは以下のことができなくなります。
- ワークスペースの削除
- プライマリーオーナー権限の譲渡
- オーナー権限の解除
ただし、「オーナー」としての権限は維持されるため、ほとんどの管理業務は引き続き行えます。
アカウント解除には譲渡が必須
ワークスペースから完全に退出したい場合は、先にプライマリーオーナー権限を誰かに譲渡する必要があります。
プライマリーオーナーのままではアカウントを解除できないので、退職前には必ず権限譲渡を済ませておきましょう。
支払い情報の引き継ぎ
プライマリーオーナーが変わると、支払い情報の管理者も変わります。
新しいプライマリーオーナーと協力して、以下を確認してください。
- クレジットカード情報が正しく設定されているか
- 請求先メールアドレスが適切か
- 請求担当者が追加されているか
プライマリーオーナーが不在の場合の対処法
「プライマリーオーナーが退職してしまった」「連絡が取れなくなった」という場合、どうすればいいのでしょうか。
Slackサポートへの依頼条件
プライマリーオーナーが対応できない状況では、Slackのサポートチームが権限譲渡を手伝ってくれる場合があります。
ただし、以下の条件を両方とも満たす必要があります。
条件1:法人が所有するワークスペースであること
- 企業、組織、教育機関などを代表して作成されたワークスペース
- 個人のプロジェクトやコミュニティグループのワークスペースは対象外
条件2:権限のある担当者からの依頼であること
- 取締役レベルの社員
- それに相当する役職の担当者
- その法人を代表できる立場の人
サポートへ問い合わせる際の準備情報
Slackサポートに連絡する前に、以下の情報を準備してください。
必要な情報:
- ワークスペースのURL(例:
yourworkspace.slack.com) - 現在のプライマリーオーナーの詳細
- 名前
- メールアドレス
- その人と組織との関係
- 新しいプライマリーオーナー候補者の情報
- 名前
- メールアドレス(会社のドメインであること)
- すでにワークスペースのメンバーであること
対応不可のケース
以下の場合は、Slackサポートでも対応できません。
- 個人が趣味で作成したワークスペース
- 非営利の同好会やコミュニティグループ
- 権限のある担当者からの依頼でない場合
よくある質問(FAQ)

Q1. オーナーと管理者の違いは何ですか?
オーナーはプライマリーオーナーに次ぐ権限を持ち、他のメンバーをオーナーに任命できます。
一方、管理者はメンバーの管理やチャンネル管理はできますが、支払い情報へのアクセスや、オーナーの任命はできません。
Q2. プライマリーオーナーは複数人設定できますか?
いいえ、できません。
プライマリーオーナーはワークスペースに1人だけです。
ただし、「オーナー」は複数人任命できるので、管理業務を分散させたい場合はオーナーを増やすことをおすすめします。
Q3. プライマリーオーナーの変更に費用はかかりますか?
いいえ、権限譲渡自体に費用はかかりません。
無料プランでも有料プランでも、同じ手順で変更できます。
Q4. 誤って権限を譲渡してしまいました。取り消せますか?
残念ながら、自動的に取り消すことはできません。
新しいプライマリーオーナーに連絡して、権限を譲り返してもらう必要があります。
そのため、譲渡前に慎重に確認することが大切です。
Q5. Enterprise Gridの場合も同じ手順ですか?
Enterprise Grid(エンタープライズプラン)の場合は、「Org プライマリーオーナー」という別の権限体系があります。
Org プライマリーオーナーの権限譲渡は、Slackサポートへの連絡が必要になるため、通常のワークスペースとは手順が異なります。
Q6. プライマリーオーナーが退職する前にやるべきことは?
以下を確実に実施してください。
- 新しいプライマリーオーナーを決定する
- 権限譲渡を実行する
- 支払い情報を新しいオーナーと共有する
- 請求担当者を追加設定する
退職手続きに「Slackプライマリーオーナーの権限譲渡」を組み込むことをSlack公式も推奨しています。
まとめ:プライマリーオーナー変更は慎重に、確実に
Slackのプライマリーオーナー変更は、それほど難しい作業ではありません。
しかし、一度変更すると取り消せないという特性上、慎重に進める必要があります。
この記事のポイントをおさらい:
- プライマリーオーナーはワークスペースの最高権限者
- 権限譲渡は専用ページから行う(URLに
/transferを追加) - 一度譲渡すると取り消せないので慎重に
- 退職前には必ず権限を譲渡する
- プライマリーオーナーが不在の場合、条件を満たせばSlackサポートが対応してくれる
組織の変化に合わせて、適切なタイミングでプライマリーオーナーを変更することで、Slackワークスペースを安定して運用していけます。
もし困ったことがあれば、Slackの公式ヘルプページやサポートチーム(feedback@slack.com)に問い合わせてみてください。

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