「SharePointのリストって、結局何なの?」
「Excelと何が違うの?」
「どんな時に使えばいいの?」
SharePointを使い始めた方から、こんな質問をよく聞きます。
SharePointのリストは、データを管理するための強力な機能です。
しかし、Excelに慣れている方には「わざわざリストを使う必要があるのか?」と疑問に感じることもあるでしょう。
この記事では、SharePointのリストとは何か、その特徴や利点、Excelとの違いまで、初心者の方にもわかりやすく解説します。
明日から「リストを使ってみよう」と思えるような知識が身につきます。
SharePointのリストとは

リストの基本的な定義
SharePointのリストとは、データを行と列の表形式で管理する機能です。
簡易的なデータベースとして機能します。
イメージ
ネットワーク上で共有できるExcelの表、と考えるとわかりやすいでしょう。
具体例
- 顧客リスト: 会社名、担当者、連絡先など
- タスクリスト: タスク名、担当者、期限、ステータスなど
- 在庫リスト: 商品名、在庫数、単価、保管場所など
リストは、チームメンバーと共有し、複数人で同時に編集できます。
リストとExcelの表の違い
「Excelで十分では?」と思う方も多いでしょう。
両者には明確な違いがあります。
見た目の類似点
- どちらも行と列で構成される
- データを表形式で管理する
- 並べ替えやフィルターができる
機能の違い
| 項目 | SharePointリスト | Excel |
|---|---|---|
| 主な用途 | データの蓄積・管理 | 計算・分析 |
| 保存場所 | クラウド(SharePoint) | ローカルまたはOneDrive |
| 同時編集 | 複数人が問題なく可能 | 制限あり |
| データ入力 | フォーム形式で入力 | セル単位で入力 |
| データ保護 | 入力規則で保護しやすい | セルを誤って変更しやすい |
| 権限設定 | 行・列・項目単位で設定可能 | ファイル全体にのみ設定可能 |
| バージョン管理 | 自動的に履歴を保存 | 手動で管理 |
| ワークフロー | Power Automateと連携可能 | 限定的 |
| 計算機能 | 基本的な計算のみ | 高度な関数・グラフ |
使い分けの基本
- データの入力・蓄積・共有: SharePointリスト
- 複雑な計算・分析・グラフ作成: Excel
両者は競合するものではなく、補完関係にあります。
SharePointでデータを蓄積し、必要に応じてExcelにエクスポートして分析するのが理想的です。
リストの構成要素
SharePointのリストは、主に4つの要素で構成されています。
1. 行(アイテム)
横方向のデータで、1つの記録を表します。
例: 顧客リストの場合
田中太郎 | ABC株式会社 | 03-1234-5678 | tanaka@abc.co.jp
この1行全体が、1つの「アイテム」です。
特徴
- Excelの「行」や「レコード」に相当
- 1行に1件のデータを記録
- 各アイテムには固有のIDが自動的に付与される
2. 列(カラム・フィールド)
縦方向のデータで、データの項目を定義します。
例: 顧客リストの場合
- 担当者名
- 会社名
- 電話番号
- メールアドレス
これらが「列」です。
特徴
- Excelの「列」や「フィールド」に相当
- 列ごとにデータ型を設定できる
- 後から列を追加・削除・変更できる
設定できるデータ型
- 1行テキスト
- 複数行テキスト
- 数値
- 通貨
- 日付と時刻
- 選択肢(ドロップダウン)
- Yes/No(チェックボックス)
- ユーザーまたはグループ
- ハイパーリンク
- 画像
- 計算値
データ型を設定することで、入力ミスを防げます。
3. ビュー
リストの表示方法を定義する機能です。
同じデータを、用途に応じて異なる形で表示できます。
ビューの種類
リストビュー(標準)
通常の表形式で表示します。
カレンダービュー
日付データをカレンダー形式で表示します。
イベント管理や予定管理に便利です。
ギャラリービュー
データをカード形式で表示します。
画像を含むデータの表示に適しています。
ボードビュー
カンバン方式で表示します。
タスク管理や進捗管理に最適です。
ビューのカスタマイズ
- 表示する列を選択
- 並び替え順序を指定
- フィルター条件を設定
- グループ化
カスタマイズしたビューは、名前を付けて保存できます。
活用例
同じタスクリストでも:
- 「自分のタスク」ビュー: 自分が担当者のタスクのみ表示
- 「期限切れ」ビュー: 期限を過ぎたタスクのみ表示
- 「優先度別」ビュー: 優先度でグループ化
ワンクリックでビューを切り替えられます。
4. フォーム
各アイテムの詳細を表示・編集する画面です。
フォームの種類
新規フォーム
新しいアイテムを追加する際に使用します。
編集フォーム
既存のアイテムを編集する際に使用します。
表示フォーム
アイテムの詳細を表示する際に使用します。
フォームの利点
- 入力規則を視覚的に示せる
- 説明文を表示できる
- 必須項目を明確にできる
- ドロップダウンリストで選択肢を提示
フォーム形式での入力により、データの品質が向上します。
SharePointリストの特徴
1. クラウドベースで共同編集が可能
SharePointリストはクラウド上に保存されます。
メリット
- インターネット接続があれば、どこからでもアクセス可能
- パソコン、スマートフォン、タブレットで利用可能
- 複数人が同時に編集できる
- 変更がリアルタイムで反映される
- 常に最新の1つのデータを共有
Excelのように「最新版がどれか」で悩む心配はありません。
2. データ型を設定できる
列ごとにデータの種類を指定できます。
データ型の例
日付と時刻
カレンダーから選択できます。
手入力による形式の違いを防げます。
選択肢
あらかじめ選択肢を用意できます。
表記ゆれを防げます。
数値
数字以外は入力できません。
計算エラーを防げます。
データ型設定のメリット
- 入力ミスを防ぐ
- データの一貫性を保つ
- 後の集計や分析が容易になる
Excelでは、どんなセルにもどんなデータでも入力できてしまいます。
SharePointリストでは、データ型で制限することで、品質を保てます。
3. 細かい権限設定が可能
SharePointリストは、柔軟な権限設定ができます。
権限設定のレベル
リスト全体
誰がリストにアクセスできるか設定します。
列単位
特定の列を特定のユーザーのみに表示できます。
アイテム単位
特定の行を特定のユーザーのみに表示できます。
活用例
- 給与情報の列は管理者のみ表示
- 自分が作成したアイテムのみ編集可能
- 部門ごとに表示するデータを変える
Excelでは、ファイル全体にしか権限を設定できません。
SharePointリストなら、より細かく制御できます。
4. バージョン履歴が自動保存される
アイテムの変更履歴が自動的に記録されます。
記録される情報
- 誰が変更したか
- いつ変更したか
- 何を変更したか
メリット
- 誤って変更した場合でも元に戻せる
- 変更の経緯を追跡できる
- 責任の所在が明確
バージョン管理は自動なので、特別な操作は不要です。
5. Microsoft 365アプリと連携できる
SharePointリストは、他のMicrosoft 365アプリと深く統合されています。
連携できるアプリ
Microsoft Teams
Teams内でリストを表示・編集できます。
チャットしながらデータを更新できます。
Power Automate
リストの変更をトリガーにワークフローを自動化できます。
例: 新規アイテム追加時にメール通知
Power Apps
リストをデータソースにカスタムアプリを作成できます。
コーディング不要でアプリ開発が可能です。
Power BI
リストのデータを可視化してレポート作成できます。
Excel
リストのデータをExcelにエクスポートできます。
逆に、Excelからリストにインポートもできます。
Microsoft Forms
Formsで収集したデータをリストに自動反映できます。
この連携により、業務プロセス全体を効率化できます。
リストとライブラリの違い
SharePointには、リストと似た機能として「ライブラリ」があります。
違いを理解しておきましょう。
リストの特徴
用途: データそのものを管理
保存するもの: テキスト、数値、日付などの情報
編集方法: SharePoint上で直接編集
チェックイン・チェックアウト: なし
バージョン管理: メジャーバージョンのみ
添付ファイル: 可能(オプション機能)
活用例
- 顧客リスト
- タスクリスト
- 在庫リスト
- 申請リスト
ライブラリの特徴
用途: ファイルを管理
保存するもの: Word、Excel、PDF、画像などのファイル
編集方法: ファイルを開いて編集
チェックイン・チェックアウト: あり
バージョン管理: メジャー・マイナーバージョン両方可能
添付ファイル: 不要(ファイル自体を保存)
活用例
- 契約書の保管
- 提案書の管理
- 画像ファイルの整理
- 標準文書の保管
使い分けの基準
リストを使うべき場合
- データを直接入力して管理したい
- 複数人で頻繁にデータを更新する
- データの一覧を表示したい
- フィルターや並び替えを多用する
ライブラリを使うべき場合
- ファイルそのものを保管したい
- ファイルのバージョン管理が必要
- ドキュメントの承認フローが必要
- ファイルの検索機能を活用したい
どちらを使うかは、管理したいものが「データ」か「ファイル」かで判断します。
Microsoft Listsとの関係
「Microsoft Lists」と「SharePointリスト」の関係について、混乱する方も多いでしょう。
Microsoft Listsとは
Microsoft Listsは、2020年にリリースされたアプリです。
特徴
- SharePointリストの機能を単体アプリ化
- SharePointサイトなしでリストを作成できる
- モバイルアプリも提供
- より洗練されたユーザーインターフェース
SharePointリストとの関係
結論: 実質的に同じものです。
共通点
- 作成できるリストの内容は同じ
- 機能もほぼ同じ
- データは相互に連携
- SharePointで作ったリストはMicrosoft Listsに表示される
- その逆も同様
違い
| 項目 | SharePointリスト | Microsoft Lists |
|---|---|---|
| アクセス方法 | SharePointサイト経由 | 単体アプリ |
| 保存場所 | SharePointサイト内 | 個人サイトまたはSharePointサイト |
| サイトの必要性 | 必要 | 不要 |
どちらを使うべきか
SharePointリストを使う場合
- SharePointサイト内でデータを管理したい
- サイトの他のコンテンツと一緒に管理したい
- チームサイトの一部として使いたい
Microsoft Listsを使う場合
- 手軽にリストだけを作りたい
- SharePointサイトを作成する手間を省きたい
- 個人用のリストを作成したい
どちらを使っても、機能面で大きな差はありません。
リストのメリット
SharePointリストを使うことには、多くのメリットがあります。
1. データの一元管理
課題: 情報が散らばる
従来の方法では:
- Aさんのパソコンに最新版がある
- Bさんがメールで別のバージョンを持っている
- サーバーに古いバージョンが残っている
解決: SharePointリストで一元管理
- 常に1つの最新データ
- 誰もが同じ情報を見る
- 情報の分散を防ぐ
2. 共同作業の効率化
課題: Excelでの共同作業の限界
- 同時編集に制限がある
- ファイルがロックされる
- バージョンが複数できる
解決: リアルタイム共同編集
- 複数人が同時に編集できる
- 変更が即座に反映される
- ファイルのロックを気にしなくていい
3. データの品質向上
課題: 入力ミスや表記ゆれ
- 手入力によるミス
- データ形式のバラつき
- 必須項目の入力漏れ
解決: 入力規則とフォーム
- データ型で入力を制限
- 選択肢で表記を統一
- 必須項目を強制
- フォームで入力をガイド
4. セキュリティの強化
課題: ファイル全体に同じ権限
- 機密情報も含めて全員が見られる
- 編集権限の細かい制御ができない
解決: 細かい権限設定
- 列単位で表示を制御
- アイテム単位で編集を制御
- 部門や役職に応じた権限設定
5. ワークフローの自動化
課題: 手作業による非効率
- 手動でのメール通知
- 手動でのステータス更新
- 承認プロセスの煩雑さ
解決: Power Automateとの連携
- 新規登録時に自動通知
- ステータス変更時にアクション実行
- 承認フローの自動化
6. モバイル対応
課題: 外出先からの更新が困難
- パソコンがないと作業できない
- VPN接続が必要
解決: どこからでもアクセス
- スマートフォンから更新
- タブレットから閲覧
- インターネット接続だけで利用可能
リストの活用場面
SharePointリストは、さまざまな業務で活用できます。
1. タスク・プロジェクト管理
活用方法
チームのタスクを一元管理します。
設定する列
- タスク名
- 担当者
- 開始日・期限
- ステータス(未着手/進行中/完了)
- 優先度
- 進捗率
ビューの活用
- 自分のタスクビュー
- 期限切れビュー
- ボードビューでカンバン表示
自動化
- 期限3日前にリマインダー送信
- タスク完了時に次のタスクを自動作成
2. 顧客・取引先管理
活用方法
顧客情報を整理して管理します。
設定する列
- 会社名
- 担当者名
- 連絡先
- 最終接触日
- 案件ステータス
- 予想売上
- 担当営業
ビューの活用
- 商談中の顧客ビュー
- 長期フォローなしビュー
- 営業担当者別ビュー
自動化
- 30日間接触なしの場合にアラート
- ステータス変更時に上司に通知
3. 在庫・資産管理
活用方法
備品や商品の在庫を管理します。
設定する列
- 品名
- カテゴリー
- 現在庫数
- 最小在庫数
- 単価
- 保管場所
- 最終更新日
ビューの活用
- 在庫不足ビュー
- カテゴリー別ビュー
- ギャラリービューで画像表示
自動化
- 在庫が最小値を下回ったら発注依頼メール送信
- 月次で在庫レポートを自動作成
4. 申請・承認管理
活用方法
休暇申請や経費申請を管理します。
設定する列
- 申請者
- 申請日
- 申請種別
- 内容
- 金額
- ステータス
- 承認者
- 承認日
ビューの活用
- 承認待ちビュー
- 自分の申請ビュー
- 月次申請ビュー
自動化
- 申請時に承認者にメール通知
- 承認時に申請者に結果通知
- 却下時に理由を自動記録
5. イベント・スケジュール管理
活用方法
社内イベントや会議を管理します。
設定する列
- イベント名
- 開始日時
- 終了日時
- 場所
- 主催者
- 参加者
- 説明
ビューの活用
- カレンダービューで月単位表示
- 今後のイベントビュー
- 部門別イベントビュー
自動化
- イベント前日にリマインダー送信
- 参加者に自動で招待メール送信
6. FAQナレッジ管理
活用方法
よくある質問と回答を蓄積します。
設定する列
- カテゴリー
- 質問
- 回答
- 閲覧数
- 最終更新日
- 担当部門
ビューの活用
- カテゴリー別ビュー
- 人気のFAQビュー(閲覧数順)
- 最近更新されたFAQビュー
自動化
- 新規FAQ追加時に関係者に通知
- 古いFAQを定期的にレビュー依頼
リストが向いているケース・向いていないケース
SharePointリストは万能ではありません。
適切な場面で使うことが重要です。
リストが向いているケース
1. 複数人でデータを共有・更新する
- チーム全体でタスクを管理
- 部署全体で顧客情報を共有
- 全社で在庫情報を確認
2. データの入力規則を徹底したい
- 選択肢で表記を統一
- 必須項目を強制
- データ型で入力ミスを防ぐ
3. ワークフローや承認が必要
- 申請→承認→完了の流れ
- ステータス変更時のアクション
- 自動通知や自動処理
4. モバイルからもアクセスしたい
- 外出先から更新
- スマートフォンで確認
- 場所を選ばず作業
5. 細かい権限設定が必要
- 部門ごとに表示を変える
- 役職に応じた編集権限
- 個人情報の保護
6. Microsoft 365と連携したい
- Teamsで表示
- Power Automateで自動化
- Power Appsでアプリ化
リストが向いていないケース
1. 複雑な計算や分析が必要
- 高度な関数が必要
- グラフや集計が中心
- ピボットテーブルを多用
→ Excelを使いましょう
2. ファイルそのものを管理したい
- PDFや画像を保管
- Wordドキュメントを管理
- バージョン管理が必要
→ SharePointライブラリを使いましょう
3. 個人的なメモやデータ
- 自分だけが使う
- 共有の必要がない
- 頻繁に構造が変わる
→ ExcelやOneNoteを使いましょう
4. 大量のデータを扱う
- 数万行以上のデータ
- 複雑なクエリが必要
- 高速な処理が必要
→ Power BIやDatabaseを検討しましょう
5. オフライン環境での利用
- インターネット接続がない
- セキュリティ上クラウドが使えない
→ ローカルのExcelやAccessを使いましょう
まとめ
SharePointのリストは、チームでデータを管理するための強力なツールです。
この記事のポイント
- SharePointリストは、表形式でデータを管理する簡易データベース
- Excelと似ているが、共同作業とデータ管理に特化している
- 行(アイテム)、列(カラム)、ビュー、フォームで構成される
- クラウドベースで、複数人が同時に編集できる
- データ型を設定して、入力ミスを防げる
- 細かい権限設定で、セキュリティを強化できる
- Microsoft 365アプリと連携して、ワークフローを自動化できる
- ライブラリはファイル管理、リストはデータ管理
- Microsoft Listsは、SharePointリストの単体アプリ版
使い分けの基本
| 目的 | 推奨ツール |
|---|---|
| データの蓄積・管理・共有 | SharePointリスト |
| ファイルの保管・管理 | SharePointライブラリ |
| 複雑な計算・分析 | Excel |
| 個人的なメモ | OneNote |
リストを使うべき場面
- 複数人でデータを共有する
- 入力規則を徹底したい
- ワークフローが必要
- モバイルからもアクセスしたい
- Microsoft 365と連携したい
次のステップ
SharePointリストの概念を理解したら、実際に使ってみましょう。
- 簡単なリストを作成してみる
- データを入力してみる
- ビューをカスタマイズしてみる
- チームメンバーと共有してみる
使い始めれば、その便利さがすぐにわかります。
Excelでは実現できなかった、スムーズなチーム作業が可能になります。
SharePointリストを活用して、チームの生産性を向上させましょう。
参考情報
本記事は以下の公式ドキュメントおよび信頼できる情報源を参考に作成しました。

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