ウェブサイトを開こうとしたら、「応答時間が長すぎます」「サーバーからの応答時間が長すぎます」といったメッセージが表示されたことはありませんか?
このエラーは、サーバー(情報を提供するコンピュータ)からの返事が遅すぎて、タイムアウト(時間切れ)になったときに表示されます。
英語では「Server Response Time Too Long」「Request Timeout」などと表示されることもあります。難しく聞こえますが、実は原因と対処法はシンプルなんです。
「応答時間が長すぎます」が起きる仕組み

タイムアウトって何?
インターネットでウェブサイトを見るとき、あなたのパソコンやスマホは「このページを見せてください」とサーバーにリクエスト(要求)を送ります。
サーバーは通常、数秒以内に返事を返してくれます。しかし、何かの理由で返事が遅れると、ブラウザは「待ちすぎた、もう無理」と判断してエラーを表示するんです。
これがタイムアウトという現象で、待機時間の上限は通常30秒〜2分程度に設定されています。
どんなときに発生する?
- ウェブサイトを開こうとしたとき
- ログインボタンを押したとき
- ファイルをアップロードしているとき
- オンラインショッピングで購入ボタンを押したとき
- 動画を再生しようとしたとき
特に、アクセスが集中している時間帯や、大きなファイルを扱うときに起きやすいです。
主な原因を知ろう
原因1:インターネット接続の問題
あなたのネット環境が不安定だと、サーバーとの通信がうまくいきません。
- Wi-Fiの電波が弱い
- モバイルデータの通信速度が遅い
- 回線が混雑している
- ルーター(ネットに繋ぐ機器)の調子が悪い
原因2:サーバー側の問題
サーバーそのものに問題がある場合もあります。
- サーバーの処理能力が足りない
- アクセスが集中しすぎている
- サーバーのメンテナンス中
- サーバーのプログラムにエラーがある
有名なサイトでも、セール開始直後などはアクセスが集中してエラーが出ることがあります。
原因3:ブラウザやアプリの問題
使っているブラウザやアプリ側に原因があることも。
- キャッシュ(一時保存データ)が溜まりすぎている
- 古いバージョンを使っている
- 拡張機能(プラグイン)が邪魔をしている
- セキュリティソフトがブロックしている
原因4:ファイルサイズが大きすぎる
大きな動画や画像をアップロードしようとすると、時間がかかりすぎてタイムアウトになることがあります。
すぐに試せる解決方法
方法1:ページを再読み込みする
一番簡単な方法は、ブラウザの更新ボタンを押すことです。
- Windowsの場合:F5キーまたはCtrl + R
- Macの場合:Command + R
- スマホの場合:画面を下に引っ張る(プルダウン)
一時的な通信エラーなら、これだけで解決することが多いです。
方法2:インターネット接続を確認
ネット環境をチェックしてみましょう。
Wi-Fiの場合
- ルーターに近づいてみる
- 他のデバイスでも同じ症状が出るか確認
- ルーターを再起動する(電源を切って10秒待ってから入れ直す)
モバイルデータの場合
- 電波が届いているか確認
- 機内モードをオン→オフにしてみる
- Wi-Fiに切り替えてみる
方法3:ブラウザのキャッシュをクリア
溜まったキャッシュが原因の場合、削除すると改善します。
Chromeの場合
- 右上の「︙」(3点メニュー)をクリック
- 「設定」→「プライバシーとセキュリティ」
- 「閲覧履歴データの削除」を選択
- 「キャッシュされた画像とファイル」にチェックを入れる
- 「データを削除」をクリック
Safariの場合
- 「Safari」メニュー→「環境設定」
- 「詳細」タブ→「メニューバーに”開発”メニューを表示」にチェック
- メニューバーの「開発」→「キャッシュを空にする」
方法4:別のブラウザで試す
今使っているブラウザに問題がある可能性もあります。
- Chromeを使っているなら、EdgeやFirefoxで試す
- スマホなら、Safariの代わりにChromeで開いてみる
これで正常に表示されれば、元のブラウザに問題があったとわかります。
方法5:しばらく待ってから再度アクセス
サーバー側の問題なら、こちらでは解決できません。
特にアクセス集中が原因の場合、時間をおいてから再度アクセスすると普通に繋がることが多いです。5〜10分程度待ってみましょう。
方法6:デバイスを再起動
スマホやパソコンを再起動すると、意外と直ることがあります。
一時的なメモリ不足やプロセスの停滞が解消されるためです。
スマホアプリでのエラー対処法
アプリを完全に終了して再起動
バックグラウンドで動いているだけでは不十分です。
iPhoneの場合
- ホームボタンまたは画面下から上にスワイプ
- アプリを上にスワイプして終了
- もう一度アプリを開く
Androidの場合
- 設定→「アプリ」を開く
- 該当アプリを選択
- 「強制停止」をタップ
- もう一度アプリを開く
アプリのキャッシュを削除
Androidの場合
- 設定→「アプリ」
- 該当アプリを選択
- 「ストレージ」→「キャッシュを削除」
iPhoneの場合
iOSはアプリ単位でのキャッシュ削除ができません。アプリを削除して再インストールする必要があります。
アプリを最新版にアップデート
古いバージョンのアプリはエラーが出やすいです。
- App StoreやGoogle Playストアで更新がないか確認
- 自動更新をオンにしておくのもおすすめ
高度なトラブルシューティング
DNSサーバーを変更する
DNSサーバーとは、ウェブサイトの住所を変換してくれるサービスです。これを変更すると改善することがあります。
Windowsの場合
- コントロールパネル→「ネットワークと共有センター」
- 「アダプターの設定の変更」
- 使用中の接続を右クリック→「プロパティ」
- 「インターネット プロトコル バージョン 4(TCP/IPv4)」を選択→「プロパティ」
- 「次のDNSサーバーのアドレスを使う」にチェック
- 優先DNSサーバー:8.8.8.8、代替DNSサーバー:8.8.4.4(GoogleのDNS)
Macの場合
- システム環境設定→「ネットワーク」
- 使用中の接続を選択→「詳細」
- 「DNS」タブ→「+」ボタンで8.8.8.8と8.8.4.4を追加
ファイアウォールやセキュリティソフトを一時的に無効化
セキュリティソフトが通信をブロックしている可能性があります。
一時的に無効にして試してみましょう。ただし、無効にしたままネットサーフィンするのは危険なので、確認後は必ず有効に戻してください。
プロキシ設定を確認
企業や学校のネットワークでは、プロキシ(中継サーバー)を使っていることがあります。
設定が正しいか、ネットワーク管理者に確認してみましょう。
サーバー管理者向けの対策
自分がウェブサイトを運営している場合、サーバー側で対策できることもあります。
サーバーのスペックを上げる
アクセス数に対してサーバーの処理能力が足りない場合、プランをアップグレードしましょう。
CDNを導入する
CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)は、世界中に分散されたサーバーからコンテンツを配信するサービスです。
ユーザーに近いサーバーから配信することで、応答時間を短縮できます。
データベースを最適化
WordPress などのCMS(コンテンツ管理システム)を使っている場合、データベースが肥大化していることがあります。
不要なデータを削除したり、インデックスを最適化したりすると改善します。
画像や動画を圧縮
大きなファイルは読み込みに時間がかかります。
適切に圧縮して、ファイルサイズを小さくしましょう。
よくある質問
Q. 特定のサイトだけエラーが出るのはなぜ?
A. そのサイトのサーバーに問題がある可能性が高いです。他のサイトが正常に開けるなら、あなたのネット環境は問題ありません。サイト運営者に報告するか、時間をおいて再度アクセスしましょう。
Q. スマホだけエラーが出て、パソコンは大丈夫なのはなぜ?
A. モバイルデータ通信の速度が遅い、またはスマホアプリ特有の問題が考えられます。Wi-Fiに切り替えて試してみてください。
Q. 夜になるとエラーが出やすいのはなぜ?
A. 夜間はインターネット利用者が増えて、回線が混雑するためです。特に集合住宅では、同じ回線を多くの人が共有しているので影響を受けやすいです。
Q. エラーが出たときに何度もリロードしても大丈夫?
A. 短時間に何度もリロードすると、サーバーに負荷がかかってさらに遅くなることがあります。数回試してダメなら、少し時間をおきましょう。
Q. オンラインショッピングで購入ボタンを押したらエラーが出た。決済は完了している?
A. 必ず確認メールや注文履歴をチェックしてください。エラー画面が出ても、裏で決済が完了していることがあります。二重注文を避けるため、すぐに再度購入ボタンを押さないようにしましょう。
予防策|エラーを起こさないために
安定したネット環境を整える
- 光回線など、高速で安定した回線を使う
- Wi-Fiルーターを定期的に再起動する
- ルーターのファームウェア(内部ソフト)を最新に保つ
ブラウザやアプリを最新版に保つ
古いバージョンはバグが多く、エラーが起きやすいです。自動更新をオンにしておくと安心です。
定期的にキャッシュをクリア
月に1回程度、キャッシュを削除する習慣をつけると良いでしょう。
アクセス集中時を避ける
新商品の発売開始直後や、チケット販売開始直後は、どうしてもエラーが起きやすいです。可能なら、少し時間をずらしてアクセスしましょう。
まとめ:落ち着いて対処しよう
「応答時間が長すぎます」エラーは、ネット接続やサーバーの問題で起きます。
ほとんどの場合、以下の方法で解決できます:
- ページを再読み込みする
- ネット接続を確認する
- ブラウザのキャッシュをクリアする
- 時間をおいて再度アクセスする
それでも解決しない場合は、サーバー側の問題の可能性が高いので、時間をおいて試すか、サイト運営者に問い合わせましょう。
エラーメッセージが出ても慌てず、順番に対処法を試してみてくださいね。

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