Microsoft 365(旧Office 365)のアプリケーションを起動しようとした時、以下のような症状が発生することがあります。
よくある症状
- Word、Excel、PowerPointなどのアイコンをクリックしても何も起こらない
- アプリが一瞬だけ表示されてすぐに消える
- 「問題が発生しました」というエラーメッセージが表示される
- 「Microsoft 365と Officeを起動できません」と表示される
- 「更新しています、しばらくお待ちください」から進まない
- 読み込み画面(ローディング)で固まる
- 起動直後にアプリがクラッシュ(強制終了)する
- 「アプリケーションを正しく起動できませんでした(0xc0000142)」エラー
これらの症状は、アプリの破損、システムの不具合、アドインの競合など、複数の原因が考えられます。
Microsoft 365が開かない主な原因

1. アプリケーションファイルの破損
Microsoft 365のインストールファイルや設定ファイルが破損していると、正常に起動できなくなります。
2. Windows Updateとの競合
特定のWindows Update適用後に、Microsoft 365が起動しなくなるケースが報告されています。
3. アドインの不具合
サードパーティ製のアドインが原因で、アプリケーション全体が起動できなくなることがあります。
4. ライセンス認証の問題
ライセンスが正しく認証されていない、またはサブスクリプションの期限が切れている場合があります。
5. 複数バージョンのOfficeの競合
異なるバージョンのOfficeが同時にインストールされていると、起動時に競合が発生します。
6. メモリ不足
パソコンのメモリ(RAM)やストレージ容量が不足していると、アプリが起動できません。
7. アンチウイルスソフトの干渉
セキュリティソフトがMicrosoft 365の実行ファイルをブロックしている可能性があります。
8. レジストリの破損
Windowsのレジストリに不整合が生じると、Officeが正常に起動しなくなります。
9. ユーザープロファイルの問題
Windowsのユーザープロファイルが破損していると、Office起動時にエラーが発生します。
10. ビデオドライバーの問題
特にグラフィックを多用するドキュメントを開く際、ビデオドライバーの不具合が影響することがあります。
Microsoft 365が開かない時の対処法
以下の対処法を順番に試してみてください。
対処法1:パソコンを再起動
最も基本的ですが、多くの場合これだけで解決します。
手順
- 開いているすべてのアプリを終了
- スタートメニュー→電源→再起動を選択
- 再起動後、Microsoft 365アプリを起動
一時的なシステムリソースの不足や競合が原因の場合、再起動で解消されます。
対処法2:クイック修復を実行(Windows)
Microsoft 365には、破損したファイルを自動的に修復する機能があります。
Windows 11の場合
- スタートボタンを右クリック
- 「アプリと機能」を選択
- 一覧から「Microsoft 365」または「Microsoft Office」を探す
- 右側の「…」(三点メニュー)をクリック
- 「変更」を選択
- 「クイック修復」を選択して「修復」ボタンをクリック
- 修復が完了したらパソコンを再起動
Windows 10の場合
- スタートボタンを右クリック
- 「アプリと機能」を選択
- 一覧から「Microsoft 365」または「Microsoft Office」を探す
- クリックして「変更」を選択
- 「クイック修復」を選択して「修復」ボタンをクリック
- 修復が完了したらパソコンを再起動
クイック修復とオンライン修復の違い
- クイック修復:破損したファイルのみを検出して置き換える(所要時間:数分)
- オンライン修復:すべてのファイルを再ダウンロードして完全に修復(所要時間:15〜30分)
クイック修復で解決しない場合は、オンライン修復を試してください。
対処法3:セーフモードで起動
セーフモードで起動することで、アドインや設定が原因かどうかを確認できます。
Excelの場合
- Windowsキー+Rを押して「ファイル名を指定して実行」を開く
- 「excel.exe /safe」と入力してEnterキーを押す
Wordの場合
- Windowsキー+Rを押して「ファイル名を指定して実行」を開く
- 「winword.exe /safe」と入力してEnterキーを押す
PowerPointの場合
- Windowsキー+Rを押して「ファイル名を指定して実行」を開く
- 「powerpnt.exe /safe」と入力してEnterキーを押す
別の方法(すべてのアプリ共通)
- Ctrlキーを押しながらアプリのアイコンをクリック
- 「セーフモードで起動しますか?」と表示されたら「はい」を選択
セーフモードで起動できた場合は、アドインが原因です。
アドインを無効化する手順
- セーフモードでアプリを起動
- 「ファイル」→「オプション」を選択
- 「アドイン」をクリック
- 画面下部の「管理」で「COMアドイン」を選択
- 「設定」ボタンをクリック
- すべてのアドインのチェックを外す
- 「OK」をクリックしてアプリを再起動
通常モードで起動できるようになったら、必要なアドインだけを1つずつ有効化してください。
対処法4:オンライン修復を実行(Windows)
クイック修復で解決しない場合は、より徹底的なオンライン修復を実行します。
手順
- スタートボタンを右クリック→「アプリと機能」
- 「Microsoft 365」または「Microsoft Office」を選択
- 「変更」をクリック
- 「オンライン修復」を選択
- 「修復」ボタンをクリック
- インターネット接続が必要であることを確認
- 修復プロセスが完了するまで待つ(15〜30分程度)
- 完了後、パソコンを再起動
オンライン修復は、すべてのファイルを再ダウンロードするため、インターネット接続が必須です。
対処法5:タスクマネージャーでプロセスを終了
バックグラウンドでアプリが起動したままになっている可能性があります。
手順
- Ctrl+Shift+Escキーを同時に押してタスクマネージャーを起動
- 「プロセス」タブを選択
- 「Excel」「Word」「PowerPoint」などのプロセスを探す
- 該当するプロセスを右クリック
- 「タスクの終了」を選択
- すべてのOffice関連プロセスを終了
- アプリを再起動
対処法6:Microsoft 365のアップデート
アプリのバージョンが古いと、さまざまな不具合が発生します。
手順
- いずれかのOfficeアプリを起動できる場合:
- 「ファイル」→「アカウント」を選択
- 「更新オプション」をクリック
- 「今すぐ更新」を選択
- アプリが起動できない場合:
- コントロールパネル→「プログラムと機能」
- Microsoft 365を右クリック→「変更」
- 「オンライン修復」を実行(これにより最新版に更新されます)
定期的にアップデートを確認することで、トラブルを予防できます。
対処法7:アンチウイルスソフトの一時無効化
セキュリティソフトがOfficeの実行をブロックしている可能性があります。
手順
- アンチウイルスソフトを一時的に無効化
- Microsoft 365アプリの起動を試す
- 起動できた場合、セキュリティソフトの除外設定にOfficeを追加
Officeの実行ファイル場所
- 64ビット版:
C:\Program Files\Microsoft Office\root\Office16\ - 32ビット版:
C:\Program Files (x86)\Microsoft Office\root\Office16\
これらのフォルダを除外設定に追加してください。
重要な注意
テスト後は必ずアンチウイルスソフトを有効に戻してください。
対処法8:完全アンインストールと再インストール
上記の方法で解決しない場合、完全にアンインストールして再インストールします。
Windowsでの完全アンインストール
- Microsoft公式アンインストールツールをダウンロード
- ツールを実行
- 画面の指示に従ってアンインストール
- 完了後、パソコンを再起動
通常のアンインストールでは、一部のファイルやレジストリが残ることがあります。
公式ツールを使用することで、完全に削除できます。
再インストール手順
- Microsoft 365公式サイトにアクセス
- Microsoftアカウントでサインイン
- 「Officeのインストール」をクリック
- ダウンロードしたインストーラーを実行
- インストール完了後、サインイン
Macでのアンインストールと再インストール
- Finderを開く
- 「アプリケーション」フォルダを開く
- Microsoft Officeアプリをゴミ箱にドラッグ
- 以下のフォルダからOffice関連ファイルを削除:
~/Library/Containers/com.microsoft.*~/Library/Group Containers/UBF8T346G9.*
- ゴミ箱を空にする
- パソコンを再起動
- Microsoft 365公式サイトから再インストール
対処法9:Windows Updateのアンインストール
特定のWindows Update後に問題が発生した場合の対処法です。
手順
- 「設定」→「Windows Update」を開く
- 「更新の履歴」をクリック
- 「更新プログラムのアンインストール」を選択
- 最近インストールされた更新プログラムを確認
- 問題が発生し始めた時期の更新プログラムを右クリック
- 「アンインストール」を選択
- パソコンを再起動
注意事項
セキュリティ更新プログラムをアンインストールすると、システムが脆弱になる可能性があります。
他の対処法を先に試すことをおすすめします。
対処法10:ビデオドライバーの更新
グラフィック関連の問題が原因の場合があります。
手順
- Windowsキー+Xを押す
- 「デバイスマネージャー」を選択
- 「ディスプレイアダプター」を展開
- グラフィックカードを右クリック
- 「ドライバーの更新」を選択
- 「ドライバーソフトウェアの最新版を自動検索」を実行
- 更新があれば適用
- パソコンを再起動
大量の画像を含むドキュメントやグラフィック系アドインを使用する場合、この対処法が有効です。
ライセンス認証の確認と対処

Microsoft 365が「ライセンスのない製品」と表示される場合の対処法です。
ライセンス状態の確認方法
- いずれかのOfficeアプリを起動(可能な場合)
- 「ファイル」→「アカウント」を選択
- 「製品情報」でライセンス状態を確認
「ライセンスのない製品」と表示される場合
- 「アカウントにサインイン」をクリック
- サブスクリプションに紐付いたMicrosoftアカウントでサインイン
- ライセンス認証が自動的に実行される
サブスクリプションの確認
- Microsoft アカウントページにアクセス
- サインイン
- 「サービスとサブスクリプション」で有効期限を確認
期限が切れている場合は、更新手続きが必要です。
エラーコード別の対処法
「0xc0000142」エラー
原因
アプリケーションの初期化エラー
対処法
- オンライン修復を実行
- Visual C++再頒布可能パッケージを再インストール
- Windows Updateを最新にする
「147-0」エラー
原因
ライセンス認証の問題
対処法
- Microsoftアカウントから一度サインアウト
- 再度サインイン
- オンライン修復を実行
「問題が発生しました」エラー
原因
一般的なアプリケーションエラー
対処法
- クイック修復を実行
- 解決しない場合はオンライン修復
- それでもダメなら再インストール
Microsoft公式サポートへの問い合わせ
すべての対処法を試しても解決しない場合は、公式サポートに問い合わせましょう。
問い合わせ方法
- Microsoft サポートページにアクセス
- 「Microsoft 365」を選択
- 問題の詳細を説明
問い合わせ時に用意する情報
- Windowsのバージョン(Windows 11、10など)
- Microsoft 365のバージョン
- 発生しているエラーメッセージ(スクリーンショット)
- 試した対処法
- サブスクリプション情報
詳細な情報を提供することで、スムーズに解決につながります。
よくある質問
Q1. Windows 11にアップグレードしたらOfficeが開かなくなりました
A. Windows 11へのアップグレード後、Officeが起動しなくなるケースがあります。
以下の手順を試してください:
- オンライン修復を実行
- Windows Updateを最新にする
- ビデオドライバーを更新
- それでもダメなら再インストール
Q2. 「更新しています」のメッセージから進みません
A. この症状は以下の原因が考えられます:
- バックグラウンドで更新プロセスが実行中
- 10〜15分待ってから再起動
- 更新プロセスが停止している
- タスクマネージャーでOffice関連プロセスを強制終了
- クイック修復を実行
Q3. 管理者として実行すると開けますが、通常起動では開きません
A. これはアクセス権限の問題です。
- Officeのインストールフォルダを確認
- フォルダを右クリック→「プロパティ」
- 「セキュリティ」タブで自分のユーザーアカウントに完全な制御権限を付与
- オンライン修復を実行
Q4. ファイルをダブルクリックしても開きません
A. ファイルの関連付けが解除されている可能性があります。
- 「設定」→「アプリ」→「既定のアプリ」
- ファイルの種類ごとに既定のアプリを設定
- .docx→Word、.xlsx→Excel、.pptx→PowerPointを設定
Q5. Mac版のOfficeが開きません
A. Mac版の場合、以下を試してください:
- アプリを完全終了(Command+Qまたはアクティビティモニタから)
- キーチェーンアクセスからOffice関連の証明書を削除
- Officeをアンインストールして再インストール
予防策とメンテナンス
定期的なアップデート
Microsoft 365を常に最新版に保つことで、多くの問題を予防できます。
自動更新の設定
- いずれかのOfficeアプリで「ファイル」→「アカウント」
- 「更新オプション」→「自動的に更新を有効にする」
ストレージ容量の確保
最低限必要な空き容量
- インストール時:4GB以上
- 通常動作時:2GB以上
定期的に不要なファイルを削除し、十分な空き容量を確保してください。
不要なアドインの削除
定期的にアドインを見直し、使っていないものは無効化または削除しましょう。
バックアップの習慣
重要なドキュメントは、OneDriveなどのクラウドストレージに保存することで、万が一の際も安心です。
まとめ
Microsoft 365が開かない・起動しない時は、以下の対処法を順番に試してみましょう。
対処法まとめ(優先順位順)
- パソコンを再起動
- クイック修復を実行
- セーフモードで起動してアドインを無効化
- オンライン修復を実行
- タスクマネージャーでプロセスを終了
- Microsoft 365のアップデート
- アンチウイルスソフトの一時無効化
- 完全アンインストールと再インストール
- Windows Updateのアンインストール(該当する場合)
- ビデオドライバーの更新
ほとんどの場合、クイック修復またはオンライン修復で解決します。
それでも改善しない場合は、完全アンインストールと再インストールを試してください。
重要なポイント
- 修復作業の前にファイルをバックアップ
- インターネット接続を確保(オンライン修復時)
- Microsoftアカウントのサインイン情報を確認
- サブスクリプションの有効期限を確認
特定のWindows Update後に問題が発生した場合は、該当する更新プログラムのアンインストールも検討してください。
すべての対処法を試しても解決しない場合は、Microsoft公式サポートに問い合わせることをおすすめします。


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