パソコンを起動したら「ログオンに失敗しました」というエラーメッセージが表示されて、いつものようにログインできない…そんな経験はありませんか?
実は、このエラーは決して珍しいものではありません。WindowsやOutlookなどで頻繁に発生するトラブルの一つです。
この記事では、「ログオンに失敗しました」エラーが表示される主な原因と、誰でもできる解決方法を分かりやすく解説します。専門的な知識がなくても、この記事を読めば自分で対処できるようになりますよ。
「ログオンに失敗しました」エラーとは?

ログオンとは、パソコンやアプリケーションに「自分が本人であること」を証明して、使える状態にすることです。サインインとも呼ばれます。
このエラーが表示されるということは、何らかの理由でパソコンやアプリが「あなたが正しいユーザーである」と認識できなかったということなんですね。
よく表示されるエラーメッセージの例
実際には、以下のようなメッセージが表示されることが多いです。
- 「ログオンに失敗しました。ユーザー名またはパスワードが正しくありません」
- 「User Profile Service サービスによるログオンの処理に失敗しました」
- 「ネットワークログオンサービスが開始されていません」
- 「Outlookはログオンできません。ネットワークに接続されていることを確認してください」
- 「Microsoft Exchangeへのログオンに失敗しました」
それぞれのメッセージによって原因が異なりますが、基本的な対処法は共通している部分も多いです。
「ログオンに失敗しました」エラーの主な原因7つ
エラーが発生する原因は様々ですが、よくあるパターンを知っておくと対処しやすくなります。
1. パスワードやユーザー名の入力ミス
最も多い原因がこれです。
- 大文字と小文字の間違い: パスワードは「A」と「a」を区別します
- Caps Lock(キャプスロック)がオン: 大文字固定になっています
- NumLock(ナムロック)がオフ: テンキーで数字が入力できません
- 全角と半角の間違い: 日本語入力モードになっていませんか?
- スペース(空白)が入っている: 見えないので気づきにくいミスです
「絶対に合っているはず!」と思っても、一度落ち着いて再確認してみましょう。
2. アカウントのロックや停止
セキュリティを守るため、アカウントが一時的にロックされることがあります。
- パスワードを何度も間違えた: 通常3~5回の失敗でロックされます
- 長期間ログインしていない: 1年以上使っていないと停止される場合があります
- 不審なアクセスを検知: 普段と違う場所からのログインなど
アカウントロックは時間が経つと自動解除されることもありますが、管理者に連絡して解除してもらう必要がある場合もあります。
3. ネットワーク接続の問題
インターネットやネットワークに接続できていないと、ログオンできないことがあります。
- Wi-Fiが切れている: 接続状態を確認してください
- LANケーブルが抜けている: 有線接続の場合は要チェック
- VPN接続が必要: 会社のシステムにアクセスする場合など
- オフラインモードになっている: Outlookなどのアプリで発生します
特にOutlookなどのメールソフトでは、ネットワーク接続が必須です。
4. プロファイル(設定情報)の破損
プロファイルとは、ユーザーの設定や情報を保存しているデータのことです。
このプロファイルが何らかの理由で壊れてしまうと、ログオンできなくなります。
- パソコンの強制シャットダウン
- システムの不具合
- ディスクエラー
特にOutlookでは、プロファイルの破損が「ログオンに失敗しました」エラーの原因になりやすいです。
5. セキュリティグループが多すぎる(企業ユーザー向け)
これは企業環境で起こりやすい問題です。
Windowsでは、ユーザーが1,010個以上のセキュリティグループに所属していると、ログオンに失敗することがあります。
個人ユーザーではあまり関係ありませんが、会社のパソコンで頻繁にエラーが出る場合は、IT管理者に相談してみましょう。
6. システムファイルの破損
Windowsのシステムファイルが壊れていると、ログオン処理が正常に動作しません。
- ウイルス感染
- ハードディスクの故障
- Windowsアップデートの失敗
この場合は、システムの修復ツールを使う必要があります。
7. サービスやアプリの不具合
- Outlookのバグ: アプリ自体に問題がある
- サーバーのメンテナンス: Microsoft側の問題
- ソフトウェアの競合: セキュリティソフトなどが干渉している
この場合は、アプリの再起動やアップデート、または復旧を待つ必要があります。
Windowsログオンエラーの対処法
Windowsへのログオン時にエラーが出る場合の対処法を、簡単なものから順番に紹介します。
対処法1: パソコンを再起動する
一番簡単で効果的な方法です。
一時的な不具合であれば、再起動するだけで解決することが多いんですよ。
電源ボタンを長押しして強制終了し、もう一度起動してみてください。
対処法2: パスワードを慎重に入力し直す
次のポイントに注意して、もう一度入力してみましょう。
- Caps Lockを確認: キーボードのランプを見てください
- NumLockを確認: テンキーを使う場合は特に注意
- 日本語入力をオフ: 半角英数モードにしてください
- ゆっくり丁寧に: 一文字ずつ確認しながら入力します
パスワードを忘れた場合は、「パスワードのリセット」や「パスワードを忘れた場合」というリンクをクリックして、再設定してください。
対処法3: セーフモードで起動する
セーフモードとは、Windowsを最小限の機能だけで起動する特別なモードです。
通常モードで起動できない時でも、セーフモードなら起動できることがあります。
セーフモードの起動方法
- パソコンの電源を入れて、メーカーロゴが表示されたらすぐに電源を切る
- これを2~3回繰り返す
- 「自動修復」画面が表示される
- 「詳細オプション」→「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「スタートアップ設定」を選択
- 「再起動」をクリック
- 4キーを押して「セーフモードを有効にする」を選択
セーフモードで起動できたら、問題のあるプログラムをアンインストールしたり、システムの復元を実行したりできます。
対処法4: システムファイルの修復
システムファイルが壊れている可能性がある場合は、修復ツールを使います。
SFCコマンドの実行方法
- セーフモードで起動
- Windowsキー + Xを押す
- 「コマンドプロンプト(管理者)」または「Windows PowerShell(管理者)」を選択
- 以下のコマンドを入力してEnterキーを押す
sfc /scannow
- スキャンが完了するまで待つ(15~30分程度)
- パソコンを再起動
このコマンドは、壊れたシステムファイルを自動的に修復してくれます。
対処法5: 新しいユーザーアカウントを作成
プロファイルが壊れている場合は、新しいアカウントを作ることで解決できます。
ただし、この方法を試すには、別のアカウントでログインできる必要があります。
- Windowsキー + Iで「設定」を開く
- 「アカウント」→「家族とその他のユーザー」を選択
- 「その他のユーザーをこのPCに追加」をクリック
- 新しいアカウントを作成
新しいアカウントで問題なくログインできたら、古いアカウントからデータを移動しましょう。
対処法6: システムの復元
システムの復元とは、パソコンを以前の正常な状態に戻す機能です。
- セーフモードまたは回復環境で起動
- 「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「システムの復元」を選択
- エラーが出る前の日付の復元ポイントを選択
- 画面の指示に従って実行
注意点として、復元ポイント以降にインストールしたソフトは削除されます。
Outlookログオンエラーの対処法
Outlookで「ログオンに失敗しました」と表示される場合の対処法です。
対処法1: オフライン作業モードを確認
Outlookがオフラインモードになっていると、ログオンできません。
確認方法
- Outlookを起動(エラーが出ても画面が開くなら)
- 画面下部に「オフライン作業」と表示されていないか確認
- 表示されている場合は、「送受信」タブ→「オフライン作業」をクリックして解除
これだけで解決することも多いですよ。
対処法2: アカウント設定を確認・修復
メールアカウントの設定に問題がある可能性があります。
- Outlookを起動
- 「ファイル」→「アカウント設定」→「アカウント設定」をクリック
- 問題のあるアカウントを選択
- 「修復」ボタンをクリック
- 画面の指示に従って修復を実行
パスワードの入力を求められたら、正しいパスワードを入力してください。
対処法3: Outlookプロファイルを再作成
プロファイルが壊れている場合は、新しく作り直します。
手順
- Outlookを完全に終了する
- Windowsキー + Rを押す
- 「control」と入力してEnterキーを押す
- 表示方法を「大きいアイコン」に変更
- 「Mail(Microsoft Outlook)」をクリック
- 「プロファイルの表示」をクリック
- 「追加」をクリックして新しいプロファイル名を入力
- メールアカウントの設定を行う
- 新しいプロファイルを「常に使用するプロファイル」に設定
古いプロファイルは後から削除できます。
対処法4: キャッシュとクッキーの削除
ブラウザ版のOutlook(Outlook.com)でログインできない場合は、キャッシュとクッキーを削除してみましょう。
Google Chromeの場合
- 右上の「︙」→「設定」をクリック
- 「プライバシーとセキュリティ」→「閲覧履歴データの削除」を選択
- 「Cookieと他のサイトデータ」「キャッシュされた画像とファイル」にチェック
- 「データを削除」をクリック
他のブラウザでも同様の手順で削除できます。
対処法5: Outlookアプリを再インストール
アプリ自体に問題がある場合は、一度アンインストールしてから再インストールします。
- Windowsキー + Iで「設定」を開く
- 「アプリ」→「アプリと機能」を選択
- 「Microsoft Office」または「Outlook」を探す
- 「アンインストール」をクリック
- 公式サイトから最新版をダウンロードしてインストール
再インストール前に、重要なメールはバックアップしておくことをおすすめします。
よくある質問と回答
Q1: パスワードを何度も間違えたらどうなりますか?
通常、3~5回間違えるとアカウントが一時的にロックされます。
10~30分程度待ってから再度試すか、パスワードリセットの手続きを行ってください。企業アカウントの場合は、IT管理者に連絡しましょう。
Q2: 「User Profile Service サービスによるログオンの処理に失敗しました」と表示されます
このエラーは、Windowsのユーザープロファイルが破損している場合に表示されます。
セーフモードで起動してから、新しいユーザーアカウントを作成するか、システムの復元を実行してください。
Q3: 会社のパソコンでエラーが出ます
企業のパソコンの場合、以下の可能性があります。
- ドメイン接続の問題
- VPN接続が必要
- セキュリティグループの設定
- 会社のサーバーのメンテナンス
まずはIT部門に連絡して、サーバー側に問題がないか確認してもらいましょう。
Q4: Outlookだけログオンできません
Outlookのみでエラーが出る場合は、以下を確認してください。
- インターネット接続は正常か
- Outlook.comのサービスに障害が起きていないか(Microsoftの公式ステータスページで確認)
- ウイルス対策ソフトがOutlookをブロックしていないか
ブラウザ版のOutlook(https://outlook.live.com/)でログインできるか試してみると、問題の切り分けができます。
Q5: 自動ログインが突然できなくなりました
自動ログイン設定が解除された可能性があります。
Windowsアップデートやセキュリティ設定の変更によって、自動ログインが無効化されることがあります。手動でパスワードを入力して、再度自動ログイン設定を行ってください。
まとめ: 落ち着いて一つずつ確認しよう
「ログオンに失敗しました」エラーは、誰にでも起こりうるトラブルです。
まず試すべき3つのこと
- パソコンを再起動する
- パスワードを慎重に入力し直す(Caps Lock、NumLockに注意)
- ネットワーク接続を確認する
これらを試しても解決しない場合は、この記事で紹介した対処法を順番に試してみてください。
重要なポイント
- エラーメッセージの内容をしっかり確認する
- 慌てずに一つずつ対処する
- どうしても解決しない場合は、専門家に相談する
Outlookの場合は、ブラウザ版でログインできるかを確認すると、問題がアプリ側にあるのかアカウント側にあるのかを判断できます。
会社のパソコンで頻繁にエラーが出る場合は、自分で対処せずにIT部門に相談した方が安全ですよ。
この記事が、あなたのログオントラブル解決の助けになれば幸いです!


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