自宅でインターネットを使いたいとき、「固定回線とモバイル回線、どっちにすればいいの?」と迷っていませんか?
どちらもインターネットに接続できますが、それぞれ特徴が全く異なります。選び方を間違えると、速度が遅くて困ったり、無駄に高い料金を払い続けることになるかもしれません。
この記事では、固定回線とモバイル回線の違いを分かりやすく解説します。あなたのライフスタイルに合った選び方も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
固定回線とモバイル回線って何?基本の違い

まず、それぞれの回線がどういうものか確認しましょう。
固定回線とは
固定回線は、自宅に物理的なケーブルを引き込んでインターネットに接続する方法です。
代表的な固定回線:
- 光回線(フレッツ光、NURO光、auひかりなど)
- ケーブルテレビ回線(J:COM、イッツコムなど)
電柱から建物内にケーブルを引き込むため、専門の工事が必要になります。一度設置すれば、その場所で高速かつ安定したインターネット環境が手に入ります。
モバイル回線とは
モバイル回線は、携帯電話の電波(4Gや5G)を使ってインターネットに接続する方法です。
モバイル回線を使う機器:
- スマートフォン
- モバイルWi-Fi(ポケットWi-Fi)
- ホームルーター(据え置き型)
基地局から飛んでくる電波を受信するため、ケーブルは不要です。機器が届いたその日から、すぐにインターネットが使えるのが特徴です。
一番の違いは「ケーブルの有無」
簡単にまとめると:
| 項目 | 固定回線 | モバイル回線 |
|---|---|---|
| 接続方法 | ケーブル(物理的) | 電波(無線) |
| 工事 | 必要 | 不要 |
| 使える場所 | 自宅のみ | 場所を選ばない※ |
| 開始までの期間 | 1〜2ヶ月 | 即日〜数日 |
※モバイルWi-Fiの場合。ホームルーターは基本的に自宅で使用
固定回線のメリット・デメリット
それでは、固定回線の長所と短所を詳しく見ていきましょう。
固定回線の5つのメリット
1. 通信速度が速い
固定回線、特に光回線は非常に高速です。
- 一般的な光回線:最大1Gbps(1000Mbps)
- 高速プラン:最大2Gbps〜10Gbps
動画のダウンロードや大容量ファイルの送信も、あっという間に完了します。
2. 通信が安定している
ケーブルで直接接続しているため:
- 電波の影響を受けない
- 天気や周囲の環境に左右されない
- 速度が急に遅くなることが少ない
オンライン会議や動画配信など、安定性が重要な作業に向いています。
3. データ通信が無制限
多くの固定回線プランは、データ容量の制限がありません。
- 動画を何時間見ても大丈夫
- オンラインゲームをやり込める
- 複数のデバイスで同時に使える
「今月は使いすぎたかも…」と心配する必要がないのは大きな安心材料です。
4. 複数人で使っても快適
家族みんなが同時にインターネットを使っても:
- 速度が落ちにくい
- 動画が途切れない
- ゲームがカクつかない
3人以上の家族や、リモートワークをする人には特におすすめです。
5. スマホ代が節約できる
自宅で固定回線のWi-Fiを使えば:
- スマホのデータ通信量を節約できる
- スマホのプランを小容量プランに変更できる
- 月々のスマホ代が安くなる
セット割引を提供している会社も多く、トータルで見るとお得になることがあります。
固定回線の3つのデメリット
1. 開通工事が必要
固定回線を使い始めるには:
- 建物に工事が必要
- 工事費用がかかる(実質無料キャンペーンも多い)
- 開通まで1〜2ヶ月かかることも
賃貸の場合、大家さんの許可が必要なケースもあります。
2. 外では使えない
固定回線は文字通り「固定」なので:
- 設置した場所でしか使えない
- 外出先では別の手段が必要
- カフェや移動中は使えない
外でもインターネットを使いたい人には不便です。
3. 月額料金がやや高め
一般的な料金相場:
- マンション:4,000円〜5,000円
- 戸建て:5,000円〜6,000円
モバイル回線と比べると、少し高めの設定になっています。
モバイル回線のメリット・デメリット

続いて、モバイル回線の長所と短所を見ていきます。
モバイル回線の5つのメリット
1. 工事不要ですぐ使える
モバイル回線の最大の魅力は手軽さです。
- 機器が届いたらすぐ使える
- 電源を入れるだけで接続完了
- 早ければ即日〜数日で利用開始
「今すぐインターネットが必要!」という人には最適です。
2. 外でも使える(モバイルWi-Fiの場合)
モバイルWi-Fiなら:
- カフェでも使える
- 電車の中でも使える
- 出張先や旅行先でも使える
常に持ち歩けば、どこでもインターネット環境を作れます。
3. 引越しが楽
モバイル回線なら:
- 引越し先でもそのまま使える
- 住所変更の手続きだけでOK
- 工事の予約や立ち会いが不要
引越しが多い人や、転勤族の方に便利です。
4. 初期費用が安い
固定回線と比べて:
- 工事費がかからない
- 事務手数料のみ(3,000円程度)
- 機器代も安いか無料のことが多い
初期投資を抑えたい人におすすめです。
5. 一人暮らしなら十分な速度
普段使いなら問題ない速度:
- Web閲覧:快適
- 動画視聴:HD画質も大丈夫
- SNS:スムーズ
一人暮らしで軽めの使い方なら、モバイル回線で十分です。
モバイル回線の5つのデメリット
1. 通信速度が遅め
固定回線と比べると:
- 最大速度が低い
- 実際の速度も遅いことが多い
- 時間帯によって変動する
大容量ファイルのやり取りには時間がかかります。
2. 通信が不安定になりやすい
電波を使うため:
- 建物の構造の影響を受ける
- 悪天候で速度が落ちることも
- 基地局から遠いと繋がりにくい
鉄筋コンクリートの建物では特に注意が必要です。
3. データ通信に制限がある場合も
プランによっては:
- 月間のデータ容量に上限がある
- 一定期間に大量使用すると速度制限
- 無制限プランでも混雑時は遅くなる
使い放題と思っていたら制限があった、というケースもあります。
4. 複数人での利用には不向き
同時接続すると:
- 速度が遅くなる
- 動画が止まりやすい
- ゲームが重くなる
家族みんなで使うには、パワー不足です。
5. オンラインゲームには厳しい
応答速度(Ping値)が:
- 固定回線より遅い
- 対戦ゲームでは不利になることも
- ラグが発生しやすい
本格的なオンラインゲームをする人には向いていません。
通信速度と安定性を比較

実際の速度はどれくらい違うのでしょうか?
最大速度の比較
| 回線タイプ | 最大速度(下り) |
|---|---|
| 光回線 | 1Gbps〜10Gbps |
| ケーブルテレビ | 320Mbps〜1Gbps |
| 5G(モバイル) | 最大4.2Gbps※ |
| 4G LTE(モバイル) | 最大1Gbps※ |
※理論値。実際の速度は環境により大きく変動
実際の平均速度
実測値の目安(2025年のデータ):
| 回線タイプ | 平均速度(下り) |
|---|---|
| 光回線 | 300〜500Mbps |
| ホームルーター(5G) | 100〜200Mbps |
| モバイルWi-Fi | 20〜50Mbps |
固定回線の方が、圧倒的に速く安定しています。
用途別に必要な速度
| 用途 | 必要な速度 | おすすめ回線 |
|---|---|---|
| Web閲覧、SNS | 5〜10Mbps | どちらでもOK |
| 動画視聴(HD) | 5〜10Mbps | どちらでもOK |
| 動画視聴(4K) | 25Mbps以上 | 固定回線推奨 |
| オンライン会議 | 10〜30Mbps | どちらでもOK |
| オンラインゲーム | 30Mbps以上 | 固定回線推奨 |
| 大容量ファイル送信 | 100Mbps以上 | 固定回線必須 |
自分がよく使う用途に合わせて選びましょう。
料金を比較してみよう
それぞれの料金相場を見てみましょう。
固定回線の月額料金
光回線の場合:
- マンション:4,000円〜5,000円
- 戸建て:5,000円〜6,500円
初期費用:
- 工事費:15,000円〜40,000円(キャンペーンで実質無料も多い)
- 事務手数料:3,000円程度
年間コスト(マンション):
- 48,000円〜60,000円
モバイル回線の月額料金
ホームルーターの場合:
- 月額:3,500円〜5,000円
モバイルWi-Fiの場合:
- 月額:3,000円〜4,500円
初期費用:
- 事務手数料:3,000円程度
- 機器代:0円〜20,000円(実質無料も多い)
年間コスト:
- 36,000円〜60,000円
トータルで考えると
1年目:
- 固定回線:やや高め(工事費がある場合)
- モバイル回線:安め
2年目以降:
- 固定回線:月額料金のみ
- モバイル回線:月額料金のみ
長期的に見ると、料金差はそれほど大きくありません。むしろ、スマホとのセット割引などを活用すれば、固定回線の方が安くなることもあります。
あなたに合うのはどっち?状況別おすすめ
ライフスタイル別に、どちらがおすすめか見ていきましょう。
固定回線がおすすめの人
こんな人は固定回線を選ぼう:
- 家族3人以上で暮らしている
- 動画をたくさん見る
- オンラインゲームをする
- リモートワークで毎日Web会議
- 大容量ファイルを頻繁にやり取り
- 安定した通信環境が必要
- 引越しの予定がない
- 鉄筋コンクリートの建物に住んでいる
特に固定回線が必須な人:
- 配信者(YouTuber、ストリーマーなど)
- クリエイター(動画編集、3D制作など)
- eスポーツプレイヤー
- 在宅ワーカー(毎日長時間の会議)
モバイル回線がおすすめの人
こんな人はモバイル回線で十分:
- 一人暮らし
- 学生
- 外でもインターネットを使いたい
- すぐにネット環境が必要
- 引越しが多い、転勤族
- 工事ができない物件に住んでいる
- 初期費用を抑えたい
- Web閲覧や動画視聴が中心
モバイルWi-Fiが特におすすめな人:
- 営業職で外出が多い
- ノマドワーカー
- カフェで仕事をする
- 旅行や出張が多い
2人暮らし(夫婦・カップル)の場合
判断のポイント:
- 同時に使うことが多い → 固定回線
- 別々の時間に使う → モバイル回線でもOK
- オンライン会議が多い → 固定回線
- 軽い使い方が中心 → モバイル回線でもOK
2人とも在宅ワークなら、固定回線がおすすめです。
第3の選択肢:ホームルーター
最近注目されているのが「ホームルーター」です。
ホームルーターとは
特徴:
- モバイル回線を使う据え置き型のルーター
- コンセントに挿すだけで使える
- 工事不要
- 持ち運びはできない(契約上)
固定回線とモバイルWi-Fiの中間のような存在です。
ホームルーターのメリット
良いところ:
- 工事不要で届いたらすぐ使える
- 引越し時も住所変更だけでOK
- モバイルWi-Fiより速度が速い
- 複数台接続しても比較的安定
- 初期費用が安い
こんな人におすすめ:
- 工事ができない物件
- すぐにネット環境が欲しい
- 引越しが多い
- 固定回線ほどヘビーに使わない
ホームルーターの注意点
デメリット:
- 固定回線ほど速くない
- 電波状況に左右される
- オンラインゲームには不向き
- データ使用量が多いと速度制限の可能性
完全に固定回線の代わりにはなりませんが、一人暮らしや二人暮らしなら十分なケースが多いです。
固定回線とモバイル回線、併用という選択肢
実は、両方使うという方法もあります。
併用のメリット
組み合わせるとこんな良いことが:
- 自宅では固定回線で快適
- 外ではモバイルWi-Fiで作業
- どちらかが不調でもバックアップになる
- スマホのデータ容量を大幅節約
おすすめの組み合わせ:
- 固定回線(自宅用)+ 格安SIMスマホ + モバイルWi-Fi(外出用)
コストを抑える工夫
併用すると高くなりそうですが:
節約のコツ:
- 固定回線:スマホとのセット割を活用
- スマホ:小容量プランに変更
- モバイルWi-Fi:格安のものを選ぶ
うまく組み合わせれば、トータルコストを抑えられます。
乗り換えるときの注意点

すでに契約している回線から乗り換える場合の注意点です。
解約金・違約金に注意
確認すべきこと:
- 契約期間の縛りがあるか
- 違約金はいくらか
- 更新月はいつか
更新月以外の解約だと、1万円以上かかることもあります。
工事費の残債
固定回線の場合:
- 工事費を分割払いしている
- 解約時に残額を一括請求される
- 実質無料キャンペーンでも途中解約は注意
残債がいくらあるか、事前に確認しましょう。
電話番号の引き継ぎ
固定電話を使っている場合:
- 光電話の番号は引き継げないことも
- NTTで取得した番号なら引き継ぎ可能
- 乗り換え前に確認が必要
おすすめの乗り換えタイミング
ベストなタイミング:
- 契約更新月
- 引越しのとき
- 工事費の支払いが終わったとき
- 新生活のタイミング(春など)
よくある質問
Q1:結局、どっちがおすすめ?
A: 使い方次第です:
- 家族で使う、ヘビーユーザー → 固定回線
- 一人暮らし、ライトユーザー → モバイル回線
迷ったら、今の使い方を振り返ってみてください。
Q2:固定回線とモバイル回線、速度差はどれくらい?
A: 実測値で考えると:
- 固定回線(光回線):300〜500Mbps
- ホームルーター:100〜200Mbps
- モバイルWi-Fi:20〜50Mbps
固定回線は5〜10倍速いこともあります。
Q3:モバイル回線で固定回線の代わりになる?
A: 使い方によります:
- 軽い使い方なら十分代わりになる
- 動画視聴やWeb会議程度ならOK
- オンラインゲームや配信は厳しい
家族で使う場合は固定回線の方が安心です。
Q4:どちらが安い?
A: 月額料金は大きく変わりません:
- 固定回線:4,000円〜6,000円
- モバイル回線:3,500円〜5,000円
スマホとのセット割を考えると、トータルでは固定回線が安くなることもあります。
Q5:工事できない賃貸だけど、どうすればいい?
A: モバイル回線がおすすめです:
- ホームルーター:工事不要で速度もそこそこ
- モバイルWi-Fi:さらに手軽
大家さんの許可なく使えるのが大きなメリットです。
Q6:5Gならモバイル回線でも速い?
A: 確かに速いですが:
- 5Gエリアはまだ限定的
- 建物の中では繋がりにくい
- 固定回線ほど安定しない
将来的にはもっと良くなると期待されています。
Q7:オンラインゲームするならどっち?
A: 固定回線一択です:
- 応答速度(Ping値)が重要
- モバイル回線では不利になる
- 特に対戦ゲームは厳しい
本格的にゲームをするなら、固定回線を選びましょう。
まとめ:自分に合った回線を選ぼう
最後に、この記事のポイントをまとめます。
固定回線とモバイル回線の違い
- 固定回線:ケーブル接続、高速・安定、工事必要
- モバイル回線:電波接続、手軽、工事不要
固定回線がおすすめの人
- 家族で使う
- ヘビーユーザー
- 安定した通信が必要
- オンラインゲーム、配信をする
モバイル回線がおすすめの人
- 一人暮らし
- 外でも使いたい
- すぐにネット環境が欲しい
- 引越しが多い
ホームルーターという選択肢
- 工事不要で固定回線に近い使い心地
- 一人暮らし〜二人暮らしに最適
- 引越しが多い人にも便利
選ぶときのポイント
- 何人で使うか
- どんな用途がメインか
- 工事できるか
- 予算はどれくらいか
- 引越しの予定はあるか
インターネット回線は、一度契約すると2〜3年は使い続けることが多いです。だからこそ、最初の選択が重要になります。
「とにかく安定した環境が欲しい」なら固定回線、「手軽さ重視」ならモバイル回線。
迷ったら、今の生活スタイルを基準に考えてみてください。必要に応じて、将来的に乗り換えることもできますよ。
あなたにぴったりのインターネット回線が見つかりますように!

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