「iPhoneが動かなくなった!どうしよう…」
そんなピンチのとき、最後の切り札として使えるのが「リカバリーモード」です。でも、「聞いたことはあるけど、実際どうやって使うの?」という方も多いはず。
この記事では、iPhoneのリカバリーモードについて、基本の「き」から実践的な使い方まで、誰でも分かるように丁寧に解説していきます。いざという時に慌てないよう、ぜひ最後まで読んでみてください!
iPhoneリカバリーモードとは?

まずは基本的なところから説明していきますね。
リカバリーモード とは、iPhoneに深刻な問題が起きたときに、パソコンを使ってiPhoneを修復・復元するための特殊な起動方法のことです。
普段iPhoneを使っている画面ではなく、パソコンとケーブルのイラストが表示された特殊な画面になります。この状態で、iTunesやFinder(Macの場合)を使ってiPhoneを復活させることができるんですよ。
通常起動との違い
普段のiPhoneは、電源を入れるとiOSという基本システムが起動して、ホーム画面が表示されますよね。
ところがリカバリーモードでは、iOSの起動を途中で止めて、パソコンからの指示を待つ状態になります。これにより、壊れたiOSを上書きしたり、工場出荷時の状態に戻したりできるんです。
リカバリーモードはいつ使う?
「どんな場面でリカバリーモードが必要になるの?」という疑問にお答えします。
1. iOSアップデートに失敗したとき
iOSのアップデート中に電源が切れたり、途中でエラーが出たりすると、iPhoneが正常に起動しなくなることがあります。
画面がAppleロゴで固まったまま動かない、繰り返し再起動を繰り返す(リンゴループ)といった症状が出たら、リカバリーモードの出番です。
2. パスコードを忘れて使えなくなったとき
「パスコードを忘れてしまって、何度試してもロック解除できない…」
こうなると、iPhoneは「iPhoneは使用できません」という表示を出して完全にロックされてしまいます。この場合、リカバリーモードで初期化するしか解決方法がありません。
3. 画面が真っ暗で何も表示されないとき
電源を入れても画面に何も映らない、充電しても反応がない。でも完全に壊れたわけじゃなさそう…。
そんなときも、リカバリーモードを試す価値があります。ソフトウェアの問題なら復旧できる可能性がありますよ。
4. iTunesがiPhoneを認識しないとき
パソコンに繋いでもiTunesがiPhoneを認識してくれない場合も、リカバリーモードを使えば接続できることがあります。
5. 復元中にトラブルが起きたとき
バックアップから復元している最中にエラーが出て、中途半端な状態になってしまった。こんなケースでも、リカバリーモードが役立ちます。
リカバリーモードの入り方【機種別完全ガイド】
それでは、実際にリカバリーモードに入る方法を見ていきましょう。機種によって操作方法が違うので、自分のiPhoneに合った手順を確認してくださいね。
【準備】必要なもの
リカバリーモードを使う前に、以下のものを用意してください。
- パソコン(MacまたはWindows PC)
- USBケーブル(Lightning または USB-C)
- 最新のiTunes(Windows、またはmacOS Mojave以前の場合)
Macの場合、macOS Catalina以降ならiTunesの代わりにFinderを使います。
iPhone 8以降のモデル(iPhone SE 第2世代・第3世代を含む)
iPhone 8、iPhone X、iPhone 11、iPhone 12、iPhone 13、iPhone 14、iPhone 15、iPhone 16が該当します。
手順
- iPhoneをパソコンにUSBケーブルで接続する
- 音量を上げるボタンを押してすぐ離す
- 音量を下げるボタンを押してすぐ離す
- サイドボタン(電源ボタン)を長押しする
- Appleロゴが表示されても、そのまま押し続ける
- 「コンピュータに接続」の画面が表示されたら、ボタンを離す
この操作、最初は少し難しく感じるかもしれません。音量ボタンは素早く「ポン、ポン」と押して離し、その後サイドボタンだけを長押しするのがコツです。
iPhone 7 / iPhone 7 Plus
手順
- iPhoneをパソコンにUSBケーブルで接続する
- サイドボタン(電源ボタン)と音量を下げるボタンを同時に長押しする
- Appleロゴが表示されても、そのまま両方のボタンを押し続ける
- 「コンピュータに接続」の画面が表示されたら、ボタンを離す
iPhone 7シリーズは、2つのボタンを同時に押し続けるだけなので、比較的シンプルですね。
iPhone 6s以前(iPhone SE 第1世代を含む)
iPhone 6s、iPhone 6、iPhone SE(第1世代)などが該当します。
手順
- iPhoneをパソコンにUSBケーブルで接続する
- ホームボタンとトップボタン(電源ボタン)を同時に長押しする
- Appleロゴが表示されても、そのまま両方のボタンを押し続ける
- 「コンピュータに接続」の画面が表示されたら、ボタンを離す
ホームボタンがある古いモデルは、このホームボタンを使った方法になります。
リカバリーモードでの復元方法
リカバリーモードに入ることができたら、次は実際にiPhoneを復元する手順です。
パソコンでの操作(Mac Catalina以降の場合)
- Finderを開く
- サイドバーに表示されるiPhoneをクリック
- 「iPhoneに問題があります」というメッセージが表示される
- 「アップデート」または「復元」を選択
パソコンでの操作(Windows / Mac Mojave以前の場合)
- iTunesを開く
- iPhoneのアイコンをクリック
- 「リカバリモードのiPhoneが見つかりました」というメッセージが表示される
- 「アップデート」または「復元」を選択
「アップデート」と「復元」の違い
ここが重要なポイントです!
アップデート
- iOSを再インストールする
- データは消えない(可能な限り保護される)
- 所要時間:約15分程度
復元
- iPhoneを工場出荷時の状態に戻す
- すべてのデータが消える
- 所要時間:約30分〜1時間
まずは「アップデート」を試してみて、それでも解決しない場合に「復元」を選ぶのが賢い順序ですよ。アップデートならデータが残る可能性が高いですからね。
ダウンロード時間について
パソコンがiOSのソフトウェアをダウンロードします。この作業には15分以上かかることがあります。
もしダウンロードに15分以上かかって、iPhoneが「コンピュータに接続」画面から抜けてしまった場合は、ダウンロードが終わるまで待ってから、もう一度リカバリーモードの手順を繰り返してください。
リカバリーモードから抜け出す方法
「リカバリーモードに入ったけど、やっぱり抜け出したい」という場合もありますよね。
強制再起動で解除する
リカバリーモードを解除するには、強制再起動が有効です。
iPhone 8以降の場合
- 音量を上げるボタンを押してすぐ離す
- 音量を下げるボタンを押してすぐ離す
- サイドボタンを10秒ほど長押しする
- Appleロゴが表示されたらボタンを離す
iPhone 7の場合
- サイドボタンと音量を下げるボタンを同時に長押し
- Appleロゴが表示されたらボタンを離す
iPhone 6s以前の場合
- ホームボタンとトップボタン(電源ボタン)を同時に長押し
- Appleロゴが表示されたらボタンを離す
これで通常の起動画面に戻るはずです。もし戻らない場合は、iPhoneに深刻な問題がある可能性があるので、復元を検討してください。
リカバリーモードがうまくいかないときは?
「手順通りにやったのに、リカバリーモードに入らない…」というトラブルもあります。
よくある原因と対策
1. ケーブルの接触不良
使っているUSBケーブルが古かったり、端子が汚れていたりすると、うまく認識されません。
対策:別のケーブルを試す、端子を掃除する
2. iTunesやFinderが最新版じゃない
古いバージョンでは正しく動作しないことがあります。
対策:パソコンのOSとiTunes/Finderを最新版に更新する
3. ボタン操作のタイミングが合っていない
特にiPhone 8以降は、ボタン操作の順序とタイミングがシビアです。
対策:何度か練習して、リズムをつかむ。焦らずゆっくり確実に
4. パソコンのUSBポートに問題がある
使っているUSBポートが故障していることも。
対策:別のUSBポートを試す、USB延長ケーブルを外して直接接続する
DFUモードとの違いって何?
リカバリーモードについて調べていると、「DFUモード」という言葉も出てきます。この2つ、何が違うんでしょうか?
リカバリーモード
- iOSが一部起動した状態
- 画面に「コンピュータに接続」のアイコンが表示される
- 一般的なトラブルに対応
DFUモード(Device Firmware Update Mode)
- iOSがまったく起動しない状態
- 画面は真っ暗なまま(何も表示されない)
- より深刻な問題に対応
- ファームウェアレベルでの修復が可能
簡単に言うと、DFUモードは「リカバリーモードでも直らなかった超重症」のときに使う最終手段です。
通常のトラブルなら、まずリカバリーモードを試せば大丈夫。DFUモードは本当に最後の最後の手段だと考えてください。
リカバリーモードを使う前の注意点
リカバリーモードは便利ですが、使う前に必ず知っておくべき重要なことがあります。
データが消える可能性がある
「アップデート」を選べばデータが残る可能性は高いですが、100%保証されるわけではありません。
「復元」を選んだ場合は、確実にすべてのデータが消えます。写真、連絡先、アプリ、設定…すべて工場出荷時の状態に戻ってしまうんです。
バックアップが超重要!
だからこそ、普段からバックアップを取っておくことがめちゃくちゃ大事なんですね。
バックアップの方法
- iCloudバックアップ:設定 > [ユーザー名] > iCloud > iCloudバックアップ
- iTunesバックアップ:パソコンに接続してiTunes/Finderでバックアップ
「まだバックアップ取ってなかった…」という方は、今すぐ設定してください。明日トラブルが起きるかもしれませんからね!
充電残量を確認
リカバリーモードでの作業中に電源が切れたら、さらに状況が悪化する可能性があります。
始める前に、最低でも50%以上充電されていることを確認してください。できれば充電しながら作業するのがベストです。
安定したインターネット環境
iOSをダウンロードするのに、安定したWi-Fi環境が必要です。モバイル通信では時間がかかりすぎたり、途中で失敗したりする恐れがあります。
リカバリーモードでよくある質問
実際にリカバリーモードを使うとき、多くの人が疑問に思うことをまとめました。
Q1. リカバリーモードに勝手に入ってしまった!
A. OSのアップデート中にエラーが起きたり、システムに深刻な問題が発生したりすると、自動的にリカバリーモードに入ることがあります。
まずは強制再起動を試してみてください。それでも解決しない場合は、「アップデート」を選んで復元を試しましょう。
Q2. パソコンがないとリカバリーモードは使えない?
A. 残念ながら、リカバリーモードを使った復元にはパソコンが必須です。iPhone単体では完結できません。
周りにパソコンがない場合は、友人や家族に頼むか、Apple StoreやApple正規サービスプロバイダに相談してください。
Q3. リカバリーモードとセーフモードは同じ?
A. いいえ、まったく別物です。
セーフモードは、問題のあるアプリや設定を一時的に無効にして起動する機能。Androidスマホでよく使われる言葉で、iPhoneには正式なセーフモードはありません。
リカバリーモードは、iOSを再インストールするための特殊な起動方法です。
Q4. 何度試してもリカバリーモードに入らない
A. いくつか原因が考えられます。
- ボタンが物理的に壊れている
- ケーブルや端子に問題がある
- パソコン側の設定に問題がある
これらを確認しても解決しない場合は、ハードウェア(本体)の故障の可能性があります。Apple Storeでの診断をおすすめします。
Q5. リカバリーモードで復元したら初期化される?
A. 「アップデート」を選べば初期化されません(データが残る可能性が高い)。「復元」を選ぶと初期化されます。
まずは「アップデート」を試して、ダメなら「復元」という順番で進めましょう。
リカバリーモード後のiPhone設定

無事にリカバリーモードでの復元が完了したら、iPhoneの再設定が必要です。
初期化された場合の手順
「復元」を選んで初期化された場合、iPhoneは工場出荷時の状態に戻っています。
- 言語と地域を選択
- Wi-Fiネットワークに接続
- Face ID / Touch IDを設定
- パスコードを設定
- バックアップから復元するか選択
- iCloudバックアップから復元
- iTunesバックアップから復元
- 新しいiPhoneとして設定
- Apple IDでサインイン
- 各種設定を完了
バックアップがあれば、ここでデータを取り戻せますよ!
アップデートだけの場合
「アップデート」を選んだ場合は、データがそのまま残っている可能性が高いです。
起動後、正常に動作するか確認してください。アプリやデータが問題なく使えるか、一通りチェックしておくと安心ですね。
トラブルを未然に防ぐための日頃の習慣
リカバリーモードを使わなくて済むのが一番です。普段から以下のことを心がけましょう。
定期的なバックアップ
これは何度言っても言い足りません。週に1回、最低でも月に1回はバックアップを取ってください。
iCloudの自動バックアップをオンにしておけば、Wi-Fi環境で充電中に自動でバックアップされますよ。
iOSのアップデートは慎重に
新しいiOSがリリースされても、すぐに飛びつかないのが賢明です。
バグや不具合の報告がないか、数日〜1週間ほど様子を見てからアップデートすると、トラブルを避けやすくなります。
怪しいアプリや設定はしない
非公式のアプリストアからアプリをダウンロードしたり、脱獄(ジェイルブレイク)をしたりすると、システムが不安定になりやすいです。
安全性を優先するなら、公式のApp Storeだけを使いましょう。
バッテリーの健康状態をチェック
バッテリーが劣化すると、予期しない電源オフが起きやすくなります。
設定 > バッテリー > バッテリーの状態で、最大容量を確認しておきましょう。80%を下回ったら、バッテリー交換を検討する時期です。
それでもダメなら専門家に相談を
ここまでの方法を試しても解決しない場合は、ハードウェアの故障かもしれません。
Apple公式のサポート
Apple Store
- 事前予約制(Genius Barで検索)
- 正規品での修理・交換
- 保証期間内なら無料の場合も
Appleサポートに電話
- 0120-277-535
- 専門スタッフが電話でサポート
Apple正規サービスプロバイダ
Appleから認定を受けた修理業者です。正規店より予約が取りやすいことが多いですよ。
非正規の修理店
費用を抑えたい場合の選択肢ですが、非正規店で修理すると、以後Apple公式のサポートが受けられなくなる可能性があるので注意してください。
まとめ:リカバリーモードは「最後の切り札」
長くなりましたが、iPhoneリカバリーモードについての重要なポイントをおさらいしましょう。
この記事のポイント
✓ リカバリーモードはiOSの問題を解決する緊急手段
✓ 機種によって入り方が違うので、自分のモデルを確認
✓ まず「アップデート」を試して、ダメなら「復元」
✓ 復元すると全データが消えるので、日頃のバックアップが超重要
✓ 強制再起動で解除できる
✓ どうしてもダメなら専門家に相談
リカバリーモードは確かに便利な機能ですが、使わないで済むのが一番です。
普段から大切なデータをバックアップして、慎重にiPhoneを扱っていれば、リカバリーモードのお世話になる機会はグッと減るはずですよ。
でも、もしもの時にはこの記事を思い出してください。きっとあなたのiPhoneを救う手助けになるはずです!

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