インターネットで検索するたび、自分の情報が追跡されているかもしれない。
そんな不安を感じたことはありませんか?
DuckDuckGo(ダックダックゴー)は、「あなたを追跡しない検索エンジン」として知られています。
プライバシー保護を重視する人たちから高い評価を受けていますが、本当に安全なのでしょうか?
この記事では、DuckDuckGoの安全性について、良い点も注意すべき点も含めて詳しく解説します。
DuckDuckGoとは
DuckDuckGoは、2008年にGabriel Weinbergによって設立されたプライバシー重視の検索エンジンです。
GoogleやYahooといった主流の検索エンジンとは異なり、ユーザーの個人情報を収集しないことを最大の特徴としています。
2021年には1日あたり1億件の検索を突破し、世界中で数千万人が利用しています。
検索エンジンだけでなく、専用のウェブブラウザやモバイルアプリ、ブラウザ拡張機能も提供しています。
DuckDuckGoが注目を集めるようになった背景には、2013年のエドワード・スノーデン氏による内部告発があります。
アメリカ国家安全保障局(NSA)が、GoogleやYahooなどを巻き込んで個人情報を収集していたことが明らかになり、プライバシーへの関心が高まりました。
DuckDuckGoの安全性を支える5つの仕組み
1. 検索履歴を保存・追跡しない
DuckDuckGoは、あなたの検索履歴を一切保存しません。
Googleなどの検索エンジンは、検索したキーワードやクリックした結果を記録して、詳細なユーザープロファイルを作成します。
しかしDuckDuckGoは、検索が完了した瞬間に検索内容を削除します。
そのため、あなたの検索行動を追跡することができません。
2. 個人情報を収集しない
DuckDuckGoは、IPアドレスやブラウザ情報などの個人を特定できる情報を収集しません。
検索エンジンとして機能するために最低限必要な技術情報だけを一時的に使用し、すぐに削除します。
GoogleやBingは、ユーザーの行動データを収集して広告ビジネスに活用していますが、DuckDuckGoはそのようなビジネスモデルを採用していません。
3. ユーザープロファイルを作成しない
多くの検索エンジンは、あなたの興味関心や属性を分析して「プロファイル」を作成します。
このプロファイルは、ターゲット広告の配信や検索結果のパーソナライズに使われます。
DuckDuckGoは、ユーザープロファイルを一切作成しません。
そのため、どのユーザーが検索しても同じ検索結果が表示されます。
4. HTTPS暗号化通信を標準採用
DuckDuckGoの検索ページは常に暗号化されています。
ブラウザのアドレスバーを見ると、「https」で始まっていることが確認できます。
この暗号化により、検索内容がインターネットサービスプロバイダ(ISP)やネットワーク上の第三者に傍受されるリスクが大幅に減少します。
DuckDuckGoブラウザを使えば、訪問先のウェブサイトも可能な限りHTTPS接続に自動的にアップグレードされます。
5. サードパーティトラッカーをブロック
DuckDuckGoブラウザや拡張機能を使用すると、Google、Facebook、その他の企業による追跡スクリプトが自動的にブロックされます。
これらのトラッカーは、あなたがどのウェブサイトを訪問したかを記録し、広告ネットワークに送信します。
DuckDuckGoは、これらのトラッカーがページに読み込まれる前にブロックすることで、より高度なプライバシー保護を実現しています。
知っておくべき重要な注意点
2022年のMicrosoftトラッカー問題
DuckDuckGoは2022年5月、プライバシー重視の企業としての評判に傷がつく出来事に直面しました。
セキュリティ研究者のZach Edwardsが、DuckDuckGoのモバイルブラウザとブラウザ拡張機能がMicrosoft所有のトラッキングスクリプト(BingとLinkedIn)をブロックしていないことを発見しました。
GoogleやFacebookのトラッカーはブロックしているのに、Microsoftのトラッカーだけは例外扱いされていたのです。
DuckDuckGoCEOのGabriel Weinbergは、Microsoftとの検索提携契約に含まれる契約上の制約が原因だったと説明しました。
DuckDuckGoは検索結果の提供にMicrosoftのBingを利用しており、その契約条件によってMicrosoft製トラッカーのブロックが制限されていました。
ユーザーからの強い批判を受けて、DuckDuckGoは2022年8月にこの制限を撤廃しました。
現在は、Microsoft製トラッカーも他社のトラッカーと同様にブロックされています。
完全な匿名性は保証できない
DuckDuckGoを使っても、完全に匿名でインターネットを利用できるわけではありません。
訪問先のウェブサイトはあなたのIPアドレスを確認できます。
また、インターネットサービスプロバイダ(ISP)は、あなたがどのサイトにアクセスしたかを記録している可能性があります。
DuckDuckGoが提供するのは、検索エンジンレベルでのプライバシー保護です。
より高度な匿名性を求める場合は、VPN(仮想プライベートネットワーク)の併用が推奨されます。
マルウェアからの完全な保護は提供しない
DuckDuckGoは、検索結果から悪意のあるサイトをフィルタリングしようとしていますが、完全な保護は保証できません。
検索結果に表示されたリンクをクリックした後は、訪問先のウェブサイトのセキュリティポリシーが適用されます。
DuckDuckGoは、ウイルスやマルウェア、フィッシング攻撃からあなたを守るウイルス対策ソフトではありません。
安全にインターネットを利用するには、DuckDuckGoに加えて、信頼できるウイルス対策ソフトの使用が重要です。
検索エンジンだけでは保護が限定的
DuckDuckGoの検索エンジンを使うだけでは、他のウェブサイトでの追跡を防ぐことはできません。
検索結果のリンクをクリックして別のサイトに移動すると、そのサイトの追跡スクリプトや広告が動作します。
DuckDuckGoブラウザや拡張機能を使わない限り、これらの追跡から保護されません。
より包括的なプライバシー保護を得るには、DuckDuckGoブラウザまたはブラウザ拡張機能の使用が推奨されます。
GoogleとDuckDuckGoの違い
プライバシー保護
Google:
- 検索履歴を保存し、ユーザープロファイルを作成
- 広告配信のために個人データを活用
- サービス間でデータを共有(YouTube、Gmail、Mapsなど)
DuckDuckGo:
- 検索履歴を保存しない
- ユーザープロファイルを作成しない
- 個人データを収集しない
検索結果
Google:
- ユーザーごとに検索結果をパーソナライズ
- 豊富な検索インデックスと高い精度
- ローカル検索に強い
DuckDuckGo:
- すべてのユーザーに同じ検索結果を表示
- Bingなどの検索結果を利用
- ローカル検索の精度はGoogleに劣る
広告
Google:
- ユーザーの興味関心に基づくターゲット広告
- 広告がインターネット上であなたを追跡
DuckDuckGo:
- 検索キーワードに基づく文脈広告のみ
- 追跡型広告なし
- 広告の表示頻度が少ない
より安全にDuckDuckGoを使う7つの方法
1. DuckDuckGoブラウザまたは拡張機能を使う
検索エンジンだけでなく、専用ブラウザや拡張機能を使うことで、より包括的な保護が得られます。
これらのツールは、ウェブサイト上のトラッカーをブロックし、HTTPS接続を強制します。
2. VPNを併用する
DuckDuckGoとVPNを組み合わせることで、さらに高いレベルのプライバシー保護が実現できます。
VPNは、あなたのIPアドレスを隠し、インターネット通信を暗号化します。
NordVPNやSurfsharkなど、信頼できるノーログポリシーを持つVPNサービスの使用が推奨されます。
3. セーフサーチ機能を有効にする
DuckDuckGoには、不適切なコンテンツをフィルタリングする「セーフサーチ」機能があります。
設定画面から有効にすることで、より安全な検索体験が得られます。
4. ウイルス対策ソフトを使用する
DuckDuckGoはマルウェアからの保護を提供しないため、信頼できるウイルス対策ソフトの使用が不可欠です。
Norton AntiVirus PlusやBitdefenderなどのソフトウェアが推奨されます。
5. フィッシング詐欺に注意する
検索結果に表示されるすべてのサイトが安全とは限りません。
URLを確認し、怪しいサイトには個人情報を入力しないように注意しましょう。
6. 強力なパスワードを使用する
DuckDuckGoを使っていても、弱いパスワードを使っていては意味がありません。
各オンラインアカウントには、異なる強力なパスワードを設定しましょう。
7. プライバシー重視のブラウザと組み合わせる
Firefox、Brave、Safariなど、プライバシー保護機能が充実したブラウザとDuckDuckGoを組み合わせると、より効果的です。
DuckDuckGoの収益モデル
「無料なのにどうやって運営しているの?」と疑問に思う方もいるでしょう。
DuckDuckGoは、主に以下の方法で収益を得ています:
- 文脈広告: 検索キーワードに基づく広告を表示(個人データは使用しない)
- アフィリエイト: AmazonやeBayなどとの提携による収益
- サブスクリプションサービス: Privacy Pro(VPN、個人情報削除サービスなど)
重要なのは、DuckDuckGoが個人データを販売して収益を得ているわけではないという点です。
DuckDuckGoのメリットとデメリット
メリット
- 検索履歴や個人情報が追跡されない
- ターゲット広告に悩まされない
- シンプルで使いやすいインターフェース
- 無料で利用できる
- 広告の表示が少ない
- クッキーやトラッカーをブロック
デメリット
- 検索結果の精度がGoogleに劣る場合がある
- ローカル検索(近くのお店探しなど)に弱い
- パーソナライズされた検索結果が得られない
- 一部の高度な機能が利用できない
- 日本語での検索精度が英語に比べてやや低い
どんな人にDuckDuckGoがおすすめ?
DuckDuckGoは、以下のような人に特におすすめです:
- プライバシーを重視する人
- ターゲット広告を避けたい人
- 検索履歴を残したくない人
- 機密性の高い情報を扱う仕事をしている人(弁護士、ジャーナリスト、研究者など)
- 広告に邪魔されずに検索したい人
- VPNと併用してさらに高いセキュリティを求める人
一方、以下のような場合は、GoogleとDuckDuckGoを使い分けるのが賢明です:
- 正確なローカル検索が必要な場合はGoogle
- プライバシーが重要な検索にはDuckDuckGo
- 仕事での一般的な情報収集にはGoogle
- 個人的な健康や金融関連の検索にはDuckDuckGo
まとめ:DuckDuckGoは安全だが完璧ではない
DuckDuckGoは、主流の検索エンジンと比べて確かに高い安全性とプライバシー保護を提供しています。
検索履歴を追跡せず、個人情報を収集せず、ターゲット広告を表示しないという点は、大きなメリットです。
2022年のMicrosoftトラッカー問題は解決済みで、現在はすべての主要なトラッカーをブロックしています。
ただし、DuckDuckGoだけで完全な匿名性やセキュリティが保証されるわけではありません。
より包括的な保護を得るには、以下を実践しましょう:
- DuckDuckGoブラウザまたは拡張機能を使用する
- 信頼できるVPNを併用する
- ウイルス対策ソフトをインストールする
- フィッシング詐欺に注意する
- 強力なパスワードを使用する
GoogleとDuckDuckGoを使い分けることで、利便性とプライバシーのバランスを取ることができます。
プライバシーが重要な場面ではDuckDuckGoを、高精度な検索が必要な場面ではGoogleを使うという柔軟な使い方がおすすめです。
インターネット上のプライバシーとセキュリティは、1つのツールだけで守れるものではありません。
DuckDuckGoを含む複数のプライバシー保護ツールを組み合わせることで、より安全なインターネット体験が実現できます。
参考情報
本記事は、以下の信頼できる情報源を参考に作成しました:
- DuckDuckGo Privacy Policy
- DuckDuckGo Help Pages – How does DuckDuckGo protect my privacy?
- NordVPN – DuckDuckGo(ダックダックゴー)とは?危険性について解説
- ExpressVPN – DuckDuckGoは安全ですか?信頼性ガイド
- TechCrunch – DuckDuckGo removes carve-out for Microsoft tracking scripts
- Bleeping Computer – DuckDuckGo browser allows Microsoft trackers due to search agreement

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