「ドコモメールが突然使えなくなった」
「IMAPパスワードってどこで確認するの?」
「dアカウントのパスワードじゃダメなの?」
ドコモメールをiPhoneやパソコンのメールアプリで利用する際、IMAP専用パスワードが必要です。このパスワードは、セキュリティ強化のために2019年から段階的に必須化されました。
この記事では、ドコモメールのIMAPパスワードについて、確認方法から設定手順、トラブル対処まで詳しく解説します。
IMAP専用パスワードとは?

IMAP専用パスワードの基本
IMAP専用パスワードは、ドコモメールをIMAPプロトコルで利用する際に必要な認証用パスワードです。
重要なポイント:
- dアカウントのパスワードとは別物
- ランダムな英数字記号10文字で自動生成される
- ユーザー自身で任意の文字列を設定することはできない
- 大文字と小文字が区別される
なぜIMAP専用パスワードが必要なのか?
セキュリティ強化のため
2018年にドコモから個人情報が流出し、不正なiPhone購入や身に覚えのない請求が多発する事件がありました。その対策として、より安全性の高いIMAP専用パスワードの利用が必須化されました。
従来の認証方法の問題点:
- dアカウントのパスワードは複数のサービスで使い回されることが多い
- 漏洩した場合の被害範囲が広い
- パスワードの複雑性が不十分な場合がある
IMAP専用パスワードのメリット:
- メール認証専用なので被害を限定できる
- ランダム生成により高いセキュリティ強度
- 定期的な再発行が可能
必須化のスケジュール
- 2019年7月23日以降: 海外からのアクセスにIMAP専用パスワードが必須
- 2019年11月26日以降: 国内からのアクセスにも段階的に必須化
- 現在: すべてのユーザーでIMAP専用パスワードが必須
IMAP専用パスワードが必要な場面
以下のような場合にIMAP専用パスワードが必要です。
1. iPhoneの標準メールアプリで利用
- iOS標準の「メール」アプリ
- iPhone利用設定プロファイルをインストールする際に自動設定される
2. サードパーティ製メールアプリ
- Gmail、Outlook、Sparkなど
- 公式ドコモメールアプリ以外はすべて該当
3. パソコンのメールソフト
- Outlook、Thunderbird、Windows メールなど
- すべてのデスクトップメールクライアント
4. メール転送サービス
- 他のメールアドレスへの自動転送設定
不要な場面:
- Android版ドコモメール公式アプリ(HTTPS接続)
- ドコモメールブラウザ版
IMAP専用パスワードの確認方法
方法1:My docomoから確認(標準手順)
前提条件:
- ドコモ回線(spモード)またはWi-Fi接続
- dアカウントでログイン済み
- spモードパスワードまたはネットワーク暗証番号を把握
手順:
- My docomoにアクセス
ブラウザで「My docomo」と検索、または以下のURLにアクセス
https://www.nttdocomo.co.jp/mydocomo/
- メール設定を開く
「設定」→「メール設定」→「設定を確認・変更する」をタップ
- 認証する
以下のいずれかで認証:
- ネットワーク暗証番号(4桁)
- spモードパスワード
- 生体認証(設定済みの場合)
- IMAP用ID・パスワードの確認を開く
メール設定画面で「IMAP用ID・パスワードの確認」をタップ
- パスワードを確認
画面に表示される「IMAP専用パスワード」欄を確認
表示内容:
- IMAP用ID(ユーザー名): dアカウントのID(通常はメールアドレスの@より前の部分)
- IMAP専用パスワード: 10文字のランダムな英数字記号
方法2:直接確認ページにアクセス
通常My docomoのトップページから順番に開く必要がありますが、直接確認ページを開くURLがあります。
直接アクセスURL:
https://service.smt.docomo.ne.jp/site/mail/src/domail_imappass.html
このURLをブックマークしておくと便利です。
注意点:Wi-Fi接続時のエラー
「dアカウント認証時はご利用いただけません(UW10E6)」エラー
Wi-Fi接続時やVPN接続時に、このエラーが表示される場合があります。
対処方法:
- Wi-FiをOFFにしてspモード(ドコモ回線)で接続
- または、iPhoneのテザリング機能を使う(後述)
IMAP専用パスワードの発行・再発行方法
新規発行手順
まだIMAP専用パスワードを発行していない場合の手順です。
手順:
- My docomoにアクセス
- 「設定」→「メール設定」→「設定を確認・変更する」をタップ
- ネットワーク暗証番号またはspモードパスワードで認証
- 「IMAP用ID・パスワードの確認」をタップ
- 「IMAP専用パスワード新規発行」をタップ
- 「設定を確定する」をタップ
この時点でIMAP専用パスワードの発行が完了します。
再発行(リセット)手順
パスワードを忘れた場合や、セキュリティ上の理由で変更したい場合は再発行できます。
手順:
- My docomoでIMAP用ID・パスワードの確認画面を開く
- 「IMAP専用パスワード再発行」をタップ
- 「設定を確定する」をタップ
- 新しいパスワードが自動生成される
注意事項:
- 再発行すると、古いパスワードは使えなくなる
- すべてのデバイスで新しいパスワードに更新する必要がある
- メール送受信ができなくなるのを避けるため、再設定は速やかに行う
iPhoneでの設定方法
iPhone利用設定プロファイルのインストール
iPhoneでドコモメールを使う場合、「iPhone利用設定」プロファイルをインストールするのが最も簡単です。
手順:
- Safariでドコモのプロファイルページにアクセス
https://www.nttdocomo.co.jp/iphone/support/guide/
- 「ドコモメール利用設定」を選択
- 「プロファイルをインストール」をタップ
- Wi-FiをOFFにする(spモード接続にする)
- プロファイルのダウンロードを許可
- 「設定」アプリが開くので「インストール」をタップ
- パスコードを入力(iPhoneのロック解除パスワード)
- 警告画面で「インストール」をタップ
- インストール完了後「完了」をタップ
このプロファイルに含まれる設定:
- ドコモメールアカウント(IMAP専用パスワードが自動設定される)
- メッセージR/S(SMS)の設定
- ショートカットアイコン
手動でアカウント設定する方法
プロファイルを使わずに手動で設定することもできます。
手順:
- 「設定」アプリを開く
- 「メール」→「アカウント」→「アカウントを追加」をタップ
- 「その他」→「メールアカウントを追加」をタップ
- 以下の情報を入力
新規アカウント画面:
- 名前: 送信者として表示される名前(任意)
- メール: ドコモメールアドレス(例:
xxxxx@docomo.ne.jp) - パスワード: IMAP専用パスワード
- 説明: アカウントの名前(例:「ドコモメール」)
- 「次へ」をタップ
- 「IMAP」を選択
- 受信メールサーバの設定
受信メールサーバ(IMAP):
- ホスト名:
imap.spmode.ne.jp - ユーザ名: IMAP用ID(dアカウントのID)
- パスワード: IMAP専用パスワード
- 送信メールサーバの設定
送信メールサーバ(SMTP):
- ホスト名:
smtp.spmode.ne.jp - ユーザ名: IMAP用ID
- パスワード: IMAP専用パスワード
- 「次へ」をタップ
- 検証が完了したら「保存」をタップ
詳細設定(推奨)
アカウント追加後、以下の詳細設定を確認・変更します。
受信サーバの詳細設定:
- 「設定」→「メール」→「アカウント」→「ドコモメール」をタップ
- 「アカウント」→「詳細」をタップ
- 以下を設定
- SSLを使用: ON
- 認証: パスワード
- サーバポート: 993
送信サーバの詳細設定:
- 「アカウント」画面で「SMTP」→「smtp.spmode.ne.jp」をタップ
- 「プライマリサーバ」をタップ
- 以下を設定
- SSLを使用: ON
- 認証: パスワード
- サーバポート: 465
Androidでの設定方法
Gmailアプリでの設定
AndroidでドコモメールをGmailアプリで利用する手順です。
手順:
- Gmailアプリを開く
- 右上のアイコン→「別のアカウントを追加」をタップ
- 「その他」を選択
- ドコモメールアドレスを入力して「次へ」
- 「個人用(IMAP)」を選択
- IMAP専用パスワードを入力して「次へ」
- 受信サーバの設定
受信サーバ(IMAP):
- サーバー:
imap.spmode.ne.jp - ポート: 993
- セキュリティの種類: SSL/TLS
- 送信サーバの設定
送信サーバ(SMTP):
- SMTPサーバー:
smtp.spmode.ne.jp - ポート: 465
- セキュリティの種類: SSL/TLS
- アカウントのオプションを設定
- 同期頻度などを設定
- アカウント名を入力して「次へ」
設定完了です。
パソコンでの設定方法

Windows メールでの設定
Windows 10/11標準の「メール」アプリでの設定方法です。
手順:
- 「メール」アプリを開く
- 「設定」(歯車アイコン)→「アカウントの管理」をクリック
- 「アカウントの追加」をクリック
- 「詳細設定」を選択
- 「インターネット メール」を選択
- 以下の情報を入力
アカウント情報:
- メール アドレス: ドコモメールアドレス
- ユーザー名: IMAP用ID
- パスワード: IMAP専用パスワード
- アカウント名: 任意の名前(例:「ドコモメール」)
受信メール サーバー:
- サーバー:
imap.spmode.ne.jp:993 - アカウントの種類: IMAP4
- 受信メールにSSLが必要: チェックを入れる
送信メール サーバー:
- サーバー:
smtp.spmode.ne.jp:465 - 送信メールにSSLが必要: チェックを入れる
- 送信サーバーで認証が必要: チェックを入れる
- 送信メールに受信メール サーバーと同じユーザー名とパスワードを使う: チェックを入れる
- 「サインイン」をクリック
設定完了です。
Outlook(Microsoft 365)での設定
手順:
- Outlookを開く
- 「ファイル」→「アカウントの追加」をクリック
- 「詳細オプション」→「自分で自分のアカウントを手動で設定」にチェック
- 「接続」をクリック
- 「IMAP」を選択
- 以下の情報を入力
IMAPアカウントの設定:
- 受信メール サーバー:
imap.spmode.ne.jp - 受信メール ポート: 993
- 暗号化方法: SSL/TLS
SMTPアカウントの設定:
- 送信メール サーバー:
smtp.spmode.ne.jp - 送信メール ポート: 465
- 暗号化方法: SSL/TLS
- 「次へ」をクリックしてパスワードを入力
- テスト送信を行い、設定完了
spモードなしでIMAPパスワードを確認する方法
ドコモを解約した場合や、パケット通信プランを契約していない場合の対処法です。
前提条件
- ドコモメール持ち運びサービスを契約している
- iPhoneなど、テザリング可能なスマートフォンを所持
- ドコモSIMが挿入されたスマートフォン(パケット通信は契約なしでもOK)
手順
1. テザリング端末の準備(ドコモSIM挿入端末)
- 「設定」→「インターネット共有」を開く
- 「インターネット共有」をON(緑色)にする
- 表示される「Wi-Fiのパスワード」(8桁)をメモする
2. 確認用端末の接続
- 別の端末(iPhone、iPad、Androidなど)で「設定」→「Wi-Fi」を開く
- テザリング端末の名前(例:「iPhone」)を選択
- メモしたWi-Fiパスワードを入力して接続
3. IMAPパスワードの確認
接続した端末で通常の手順(My docomo)でIMAPパスワードを確認します。
注意点:
- パケット通信料金が発生する可能性がある
- パソコンの場合、余計な通信でパケットを大量消費する恐れがあるため注意
- 確認が終わったらすぐにテザリングをOFFにする
よくあるトラブルと解決方法
トラブル1:「IMAPアカウント パスワードが正しくありません」エラー
症状:
iPhoneのメールアプリで「IMAPアカウント”ドコモメール”のパスワードを入力してください」と頻繁に表示される。
原因:
- IMAP専用パスワードが間違っている
- プロファイルの設定が古い
- ドコモ側の一時的な障害
解決方法1:プロファイルの再インストール
- 「設定」→「一般」→「VPNとデバイス管理」を開く
- 構成プロファイル欄の「iPhone利用設定」を選択
- 「プロファイルを削除」をタップ
- パスコードを入力して削除
- Safariで再度プロファイルをインストール
解決方法2:手動でパスワードを再入力
- My docomoでIMAP専用パスワードを再確認
- 「設定」→「メール」→「アカウント」→「ドコモメール」を開く
- 「アカウント」をタップ
- パスワード欄に正しいIMAP専用パスワードを入力
- 「完了」をタップ
トラブル2:「メールを取得できません」エラー
症状:
メールの送受信ができず、「メールを取得できません ドコモメールに接続できません」と表示される。
原因:
- インターネット接続の問題
- サーバー設定の誤り
- ドコモ側の障害
解決方法:
1. インターネット接続を確認
- Wi-Fiまたはモバイルデータ通信がONになっているか
- 他のアプリやWebサイトは正常に動作するか
2. サーバー設定を確認
- 受信サーバー:
imap.spmode.ne.jp、ポート993 - 送信サーバー:
smtp.spmode.ne.jp、ポート465 - SSLがONになっているか
3. アカウントを削除して再設定
設定が壊れている場合、アカウントを削除して再度設定します。
トラブル3:IMAP専用パスワードが確認できない
症状:
My docomoでIMAP専用パスワードの確認画面が表示されない、またはエラーになる。
原因:
- Wi-Fi接続時の制限
- dアカウント認証の問題
- ブラウザのキャッシュ
解決方法:
1. spモード(ドコモ回線)で接続
- Wi-FiをOFFにする
- ドコモのモバイルデータ通信で接続
2. ブラウザのキャッシュをクリア
Safariの場合:
- 「設定」→「Safari」→「履歴とWebサイトデータを消去」
3. 別のブラウザを試す
- Safari、Chrome、Edgeなど別のブラウザで試す
トラブル4:送信はできるが受信ができない
症状:
メールの送信はできるが、受信ができない。
原因:
受信サーバー(IMAP)の設定が間違っている。
解決方法:
受信サーバーの設定を再確認します。
- サーバー:
imap.spmode.ne.jp - ポート: 993
- SSL: ON
- ユーザー名: IMAP用ID(dアカウントのID)
- パスワード: IMAP専用パスワード
トラブル5:受信はできるが送信ができない
症状:
メールの受信はできるが、送信ができない。
原因:
送信サーバー(SMTP)の設定が間違っている。
解決方法:
送信サーバーの設定を再確認します。
- サーバー:
smtp.spmode.ne.jp - ポート: 465
- SSL: ON
- 認証: ON
- ユーザー名: IMAP用ID
- パスワード: IMAP専用パスワード
セキュリティのベストプラクティス
定期的なパスワード変更
セキュリティを高めるため、定期的にIMAP専用パスワードを再発行することをおすすめします。
推奨頻度:
- 3〜6ヶ月に1回
- 不正アクセスが疑われる場合は即座に変更
パスワードの安全な管理
IMAP専用パスワードは10文字のランダムな文字列なので、覚えるのは困難です。
安全な管理方法:
- パスワード管理アプリを使用
- 1Password、Bitwarden、LastPassなど
- 安全に暗号化されて保存される
- 手書きメモで保管
- デジタルデバイスに保存しない
- 金庫など安全な場所に保管
- 避けるべき方法
- メールで自分宛に送信
- クラウドストレージに平文で保存
- スクリーンショットを撮ってそのまま保存
不正アクセスの兆候
以下のような兆候があれば、不正アクセスの可能性があります。
- 身に覚えのない送信済みメール
- 迷惑メールの急増
- ログイン通知(知らないデバイスから)
- メール設定の勝手な変更
対処方法:
- すぐにIMAP専用パスワードを再発行
- dアカウントのパスワードも変更
- 二段階認証を有効化
- ドコモインフォメーションセンターに連絡
よくある質問
Q1. dアカウントのパスワードとIMAP専用パスワードの違いは?
A: 完全に別物です。
- dアカウントのパスワード: dアカウントへのログインに使用、複数のドコモサービスで共通
- IMAP専用パスワード: ドコモメールのIMAP/SMTP認証専用、メール利用のみ
セキュリティ上、dアカウントのパスワードをメール認証に使わないための仕組みです。
Q2. IMAP専用パスワードは自分で決められますか?
A: いいえ、できません。
IMAP専用パスワードはシステムによってランダムな英数字記号10文字が自動生成されます。ユーザーが任意の文字列を設定することはできません。
Q3. ドコモを解約してもドコモメールは使えますか?
A: 「ドコモメール持ち運び」サービス(月額330円)を契約すれば使えます。
契約すれば、ahamo移行後や他社への乗り換え後も、引き続きドコモメールアドレスを利用できます。IMAP専用パスワードも継続して使用できます。
Q4. spモードパスワードを忘れた場合は?
A: ネットワーク暗証番号で再設定できます。
- My docomoにアクセス
- 「サービス一覧」→「spモードパスワード」
- ネットワーク暗証番号で認証
- 新しいspモードパスワードを設定
Q5. 複数のデバイスで同じIMAP専用パスワードを使えますか?
A: はい、使えます。
同じIMAP専用パスワードを、iPhone、Android、パソコンなど複数のデバイスで使用できます。ただし、パスワードを変更した場合は、すべてのデバイスで更新する必要があります。
まとめ
ドコモメールのIMAPパスワードについて解説しました。
重要なポイントをおさらいします:
IMAP専用パスワードの基本:
- dアカウントのパスワードとは別物
- セキュリティ強化のため2019年から必須化
- ランダムな英数字記号10文字で自動生成
- 2019年11月26日以降、すべてのユーザーで必須
確認方法:
- My docomo →「設定」→「メール設定」→「IMAP用ID・パスワードの確認」
- 直接確認ページURL:
https://service.smt.docomo.ne.jp/site/mail/src/domail_imappass.html - spモード接続またはWi-Fi接続が必要
設定に必要な情報:
- 受信サーバー:
imap.spmode.ne.jp、ポート993、SSL ON - 送信サーバー:
smtp.spmode.ne.jp、ポート465、SSL ON - ユーザー名: IMAP用ID(dアカウントのID)
- パスワード: IMAP専用パスワード
トラブル対処:
- パスワードエラー:プロファイル再インストールまたはパスワード再確認
- 接続エラー:サーバー設定とSSL設定を確認
- 確認できない:spモード接続に切り替え、またはテザリング利用
セキュリティ:
- 定期的な再発行を推奨(3〜6ヶ月に1回)
- パスワード管理アプリで安全に保管
- 不正アクセスの兆候があれば即座に再発行
IMAP専用パスワードは、ドコモメールを安全に利用するための重要な仕組みです。
この記事を参考に、正しく設定・管理してください!


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