Bluetoothイヤホンやスピーカーで音楽を聴いていると、突然音が途切れてブツブツとなる。
せっかくワイヤレスで快適に音楽を楽しもうと思ったのに、頻繁に音が飛んだり途切れたりすると、本当にストレスですよね。
実は、Bluetoothで音が途切れる原因は意外と多く、環境や設定によってさまざまなケースがあります。でも、ほとんどは簡単な対処で改善できるんです。
この記事では、Bluetooth接続時に音が途切れる主な原因と、誰でも試せる具体的な解決方法を分かりやすく解説していきます。
Bluetoothで音が途切れる主な原因

まず、なぜ音が途切れるのか、主な原因を理解しましょう。
1. 電波干渉
最も多い原因が、他の電波との干渉です。
Bluetoothは2.4GHz帯の電波を使って通信しています。実は、この周波数帯は多くの機器が使用しているため、混雑しやすいんです。
干渉を起こしやすい機器:
- Wi-Fiルーター(特に2.4GHz帯)
- 電子レンジ
- コードレス電話
- 無線マウスやキーボード
- ベビーモニター
- 他のBluetoothデバイス
これらの機器が近くにあると、Bluetoothの通信が妨害されて音が途切れることがあります。
2. 距離と障害物
Bluetooth機器には通信可能な距離があります。
一般的な範囲は約10メートル(Class 2の場合)ですが、これは見通しの良い場所での話。実際には障害物があるともっと短くなります。
電波を遮りやすいもの:
- コンクリートの壁
- 金属製の扉や家具
- 水槽(水は電波を遮断します)
- 人の体(人体の70%は水分)
- 厚いガラス
スマホをポケットに入れたまま使うと、体が障害物になって音が途切れやすくなることがあります。
3. バッテリー残量の低下
Bluetoothイヤホンやスピーカーのバッテリーが少なくなると、音が途切れやすくなります。
完全に充電切れになる前に、接続が不安定になってくるのです。
4. 古いBluetoothバージョン
Bluetoothにはバージョンがあり、古いバージョンだと音が途切れやすくなります。
- Bluetooth 4.2以前:音飛びしやすい
- Bluetooth 5.0以降:安定性が大幅に向上
スマホが最新でも、イヤホンが古いと低いバージョンに合わせて接続されるため、音飛びしやすくなります。
5. デバイスの処理負荷
スマホやパソコンで複数のアプリを同時に起動していると、処理が追いつかず、Bluetoothでの音声伝送に支障が出ることがあります。
特にゲームや動画編集など、重い処理をしながらBluetooth接続すると起こりやすいです。
6. 接続の不安定さ
ペアリング自体が不安定だったり、正しく接続できていない場合も音が途切れます。
7. 音質優先設定
一部のBluetooth機器には「音質優先」と「接続優先」の設定があります。
音質優先にしていると、環境によっては音が途切れやすくなることがあります。
基本的な解決方法
まずは誰でもすぐに試せる基本的な対処法から見ていきましょう。
解決方法1:デバイスを近づける
最もシンプルで効果的な方法です。
スマホやパソコンとBluetoothイヤホン・スピーカーの距離を近づけてみてください。
理想的な距離:
- 見通しの良い場所で3〜5メートル以内
- 障害物がある場合は1〜2メートル以内
特にスマホをポケットやカバンに入れている場合は、取り出して近くに置くだけで改善することがあります。
解決方法2:障害物を減らす
デバイス間に障害物がないか確認しましょう。
- 壁や扉を挟まないようにする
- 金属製の家具の裏側に置かない
- 水槽の近くを避ける
- スマホをポケットから出す
体も障害物になるので、スマホを体の反対側に置くより、イヤホンに近い側に置く方が安定します。
解決方法3:ペアリングをやり直す
接続を一度リセットすることで改善することがあります。
iPhone/iPadの場合:
- 「設定」→「Bluetooth」をタップ
- 接続されているデバイスの横の(i)マークをタップ
- 「このデバイスの登録を解除」をタップ
- Bluetoothイヤホンを再度ペアリングモードにする
- デバイス一覧から選択して再接続
Androidの場合:
- 「設定」→「接続済みのデバイス」→「Bluetooth」をタップ
- 接続されているデバイスの横の設定アイコンをタップ
- 「削除」または「ペア設定を解除」をタップ
- Bluetoothイヤホンを再度ペアリングモードにする
- デバイス一覧から選択して再接続
解決方法4:デバイスを再起動する
スマホ、パソコン、Bluetoothイヤホンすべてを再起動してみましょう。
一時的な不具合が解消されることが多いです。
手順:
- Bluetooth接続を切る
- スマホ/パソコンを再起動
- Bluetoothイヤホンの電源を切って再度オン
- 再度ペアリング
解決方法5:バッテリーを充電する
Bluetoothイヤホンやスピーカーのバッテリー残量を確認してください。
残量が少ない場合は、充電してから使用しましょう。
バッテリーが劣化している場合は、常に満充電で使うようにすると改善することがあります。
電波干渉を減らす方法
電波干渉が原因の場合の具体的な対処法です。
干渉源から離れる
電波を発する機器から離れましょう。
対策:
- 電子レンジ使用中は音楽を聴かない
- Wi-Fiルーターから2〜3メートル以上離れる
- コードレス電話の近くを避ける
- 他のBluetoothデバイス(マウス、キーボードなど)をオフにする
Wi-Fiを5GHz帯に変更
Wi-Fiルーターが2.4GHz帯と5GHz帯の両方に対応している場合、5GHz帯に接続しましょう。
理由:
- Bluetoothは2.4GHz帯を使用
- Wi-Fiも2.4GHz帯を使用すると干渉する
- 5GHz帯に変更すれば干渉を回避できる
確認方法:
- スマホやパソコンのWi-Fi設定を開く
- ネットワーク名(SSID)を確認
- 「5G」や「5GHz」と書かれたネットワークがあれば、それに接続
ただし、5GHz帯は壁を通りにくいので、ルーターから遠い場所では使えないこともあります。
一時的にWi-Fiをオフにする
テストとして、一度Wi-Fiをオフにしてみてください。
音が途切れなくなれば、Wi-Fiとの干渉が原因です。その場合は、上記の5GHz帯への変更を検討しましょう。
デバイス別の詳細な対処法
使用しているデバイスによって、追加でできる対策があります。
Windowsパソコンでの対処法
Windowsには特有の設定があります。
音声フォーマットを変更:
- Win+Rキーを押して「ファイル名を指定して実行」を開く
- 「mmsys.cpl」と入力してEnter
- 再生デバイスで、Bluetoothデバイスを右クリック
- 「プロパティ」→「詳細設定」タブをクリック
- 「既定の形式」を「16ビット、48000 Hz(DVD品質)」に変更
- 「適用」→「OK」をクリック
ハンズフリーテレフォニーを無効化:
- コントロールパネルを開く
- 「デバイスとプリンター」をクリック
- Bluetoothデバイスを右クリック→「プロパティ」
- 「サービス」タブをクリック
- 「ハンズフリーテレフォニー」のチェックを外す
- 「OK」をクリック
Bluetoothドライバーを更新:
- 「デバイスマネージャー」を開く
- 「Bluetooth」を展開
- Bluetoothアダプターを右クリック
- 「ドライバーの更新」をクリック
- 「ドライバーソフトウェアの最新版を自動検索」を選択
Macでの対処法
Macでも特有の対策があります。
Bluetooth接続数を減らす:
Appleは公式に、Macの内蔵Bluetoothモジュールには同時に3〜4台以上のデバイスを接続しないことを推奨しています。
- 使っていないBluetoothデバイスをオフにする
- 複数のデバイスで同時にペアリングしているAirPodsは、1つのデバイスだけに接続
他のデバイスとのペアリングを解除:
AirPodsなどが複数のデバイスとペアリングされている場合、使っていないデバイスから「登録を解除」しましょう。
NVRAMとPRAMをリセット:
- Macの電源を切る
- 電源ボタンを押したらすぐに以下のキーを同時に押す
- Command + Option + P + R
- 約20秒間押し続ける(起動音が2回鳴るまで)
iPhone/iPadでの対処法
iOSデバイス特有の対策もあります。
プライベートアドレスをオフ:
iOS 14以降の機能が干渉していることがあります。
- 「設定」→「Wi-Fi」をタップ
- 接続中のネットワークの(i)マークをタップ
- 「プライベートアドレス」をオフにする
アプリを終了:
バックグラウンドで動作しているアプリを終了します。
- ホームボタンのないiPad:画面下部から上にスワイプして中央で止める
- ホームボタンありのiPad:ホームボタンを2回押す
- アプリを上にスワイプして終了
Androidスマホでの対処法
キャッシュをクリア:
- 「設定」→「アプリ」を開く
- 「Bluetooth」アプリを探す
- 「ストレージ」→「キャッシュを削除」をタップ
開発者向けオプションで調整:
(上級者向け)
- 「設定」→「端末情報」→「ビルド番号」を7回タップ
- 「開発者向けオプション」が表示される
- 「Bluetoothオーディオコーデック」を確認
- 接続優先のコーデックに変更してみる
接続優先設定に変更
一部のBluetoothイヤホンやスピーカーには、音質と接続の優先度を変更できる設定があります。
Sony製品の場合:
専用アプリ(Headphones Connect)から「接続優先」に変更できます。
音質優先だと途切れやすい場合は、接続優先に変えてみましょう。
その他のメーカー:
取扱説明書や専用アプリを確認してください。同様の設定がある可能性があります。
ストリーミング音楽での音飛び対策
Spotify、Apple Music、YouTubeなどで音が途切れる場合の対策です。
ダウンロード再生を使う
ストリーミング再生ではなく、事前にダウンロードして再生すると安定します。
Wi-Fi経由のデータ取得とBluetooth通信が同時に行われると、負荷が大きくなるためです。
音質設定を下げる
ストリーミングの音質設定を「高音質」から「標準」や「低音質」に下げてみましょう。
データ量が減るため、処理の負荷が軽くなります。
モバイルデータ通信に切り替える
Wi-Fiとの干渉が原因の場合、一時的にモバイルデータ通信に切り替えると改善することがあります。
どうしても解決しない場合
ここまでの方法を試しても改善しない場合の選択肢です。
新しいBluetooth機器を検討
以下の場合は、機器の買い替えを検討しましょう:
買い替えを検討すべきケース:
- Bluetoothバージョンが4.2以前
- バッテリーが劣化している
- 他のデバイスでも同じ問題が起こる
- 数年以上使用している
選ぶ時のポイント:
- Bluetooth 5.0以上
- aptXやAACなど高品質コーデックに対応
- レビューで「音飛びしにくい」と評価が高いもの
メーカーのサポートに相談
特定の組み合わせで問題が起こる場合(例:特定のスマホと特定のイヤホン)、メーカーのサポートに相談すると、ファームウェアアップデートなどの解決策がある可能性があります。
有線接続を検討
どうしてもBluetoothが安定しない場合は、有線接続も検討しましょう。
- 3.5mmオーディオケーブル
- USB-C to 3.5mmアダプタ
- Lightning to 3.5mmアダプタ
ケーブルは不便ですが、音が途切れるストレスはなくなります。
よくある質問と回答
Q1:片耳だけ音が途切れるのはなぜ?
完全ワイヤレスイヤホンの場合、片方のバッテリーが先に減っている可能性があります。
また、片方だけ接続が不安定になっていることも。充電ケースに両方戻して、再度ペアリングし直してみてください。
Q2:車のBluetoothで音が途切れる
車のBluetooth機器は古いことが多く、バージョンが低い可能性があります。
- スマホのキャッシュをクリア
- 車のBluetoothシステムをリセット
- スマホと車の両方を再起動
Q3:特定の場所でだけ途切れる
その場所に電波干渉を起こす機器があると考えられます。
- 電子レンジが近くにないか確認
- Wi-Fiルーターの位置を確認
- 他の部屋で試してみる
Q4:音楽は問題ないが、通話時に途切れる
通話モード(ハンズフリー)に切り替わると、音質が下がります。
これは仕様で、Bluetoothの通話プロファイル(HFP)は音質より接続安定性を優先するためです。
Q5:新しいイヤホンなのに音が途切れる
スマホやパソコン側のBluetoothが古い可能性があります。
- デバイスのOSを最新にアップデート
- Bluetoothドライバーを更新
- それでもダメなら初期不良の可能性もあるので、交換を検討
まとめ|原因を特定して快適な音楽体験を
Bluetoothで音が途切れる問題は、原因を特定すれば多くの場合改善できます。
最初に試すべきこと:
✓ デバイスを近づける
✓ 障害物を減らす
✓ ペアリングをやり直す
✓ デバイスを再起動
✓ バッテリーを充電
電波干渉が原因の場合:
✓ 電子レンジやWi-Fiルーターから離れる
✓ Wi-Fiを5GHz帯に変更
✓ 他のBluetoothデバイスをオフにする
デバイス固有の対策:
✓ Windows:音声フォーマット変更、ハンズフリー無効化
✓ Mac:接続デバイス数を減らす
✓ iPhone/iPad:プライベートアドレスをオフ
✓ Android:キャッシュクリア
覚えておきたいポイント:
- Bluetoothは2.4GHz帯を使うため干渉しやすい
- 距離や障害物の影響を受けやすい
- バッテリー残量も接続安定性に影響する
- 古いBluetoothバージョンは音飛びしやすい
- 複数のアプリ起動は処理負荷を高める
多くの場合、環境を見直したり、ペアリングをやり直すことで改善します。
それでも解決しない場合は、デバイスのアップデートや設定変更を試してみてください。
どうしても改善しない時は、Bluetooth機器自体が古かったり、相性の問題があるかもしれません。その場合は新しい機器への買い替えを検討しましょう。
快適なワイヤレス音楽ライフが送れますように!


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