ゲームをプレイしていて、「このBGMをもう一度聴きたい」「このCGをじっくり見たい」と思ったことはありませんか?
ビジュアルノベルや美少女ゲームのデータは独自のアーカイブ形式で保存されており、普通のファイルマネージャーでは中身を確認できません。
そこで活躍するのがGARbro(ガーブロ)です。
この記事では、GARbroの概要・特徴・動作環境・対応フォーマットを詳しく解説します。
GARbroとは
GARbroは、ビジュアルノベルをはじめとするPCゲームのアーカイブファイルを閲覧・抽出・変換できるオープンソースのゲームリソースブラウザです。
開発者は「morkt」氏で、GitHub上でMITライセンスとして公開されています。
無料で利用でき、ソースコードも公開されているため、誰でも自由に使用できます。
GARbroの正式な説明は公式リポジトリで「Visual Novels resource browser」と記されており、ビジュアルノベルのリソース閲覧に特化したツールとして開発されました。
なぜGARbroが必要なのか
ビジュアルノベルや美少女ゲームのデータは、ゲーム会社が独自に設計したアーカイブ形式に格納されています。.xp3・.arc・.datなどの拡張子を持つこれらのファイルは、ZIPや7-Zipといった一般的な解凍ソフトでは開けません。
さらに、多くのゲームではデータに暗号化がかかっており、専用ツールなしには中身にアクセスできない仕組みになっています。
GARbroはこうした独自フォーマットに対応しており、ゲームエンジンごとの暗号化スキームを解析してファイルを展開してくれます。
GARbroの主な特徴
1. 対応フォーマットの多さ
GARbroはビジュアルノベル業界で広く使われている50以上のゲームエンジンに対応しています。
対応エンジンの代表例を挙げると以下の通りです。
- KiriKiri(吉里吉里):多くの商業・同人ビジュアルノベルで採用されている国産エンジン。
.xp3形式に対応 - Unity:近年のゲームで広く使われているゲームエンジン
- NScripter:日本の老舗ノベルゲームエンジン
- YU-RIS:同人ゲームでよく使われるエンジン
対応フォーマットの完全な一覧はGARbro公式の対応フォーマットページで確認できます。
2. ファイルシステムのように操作できる
GARbroの操作感は、Windowsのエクスプローラーに近い設計になっています。
アーカイブファイルをダブルクリックするか、ファイルを選択してEnterキーを押すと、アーカイブ内のファイルが通常のフォルダのように表示されます。
内部のフォルダ構造をそのまま確認できるため、「どこに画像ファイルが入っているか」が一目でわかります。
たとえばKiriKiri系のゲームでは次のようなフォルダ構成が多く見られます。
bg:背景画像cg:イベントCGev:イベントシーン画像st:キャラクターの立ち絵sys:ゲームシステム用の画像
3. 画像・音声を一般的な形式に自動変換
GARbroは、ゲーム独自の画像形式(.tlg・.g00など)や音声形式を、一般的なPNG・BMP・WAVなどの形式に変換しながら抽出します。
ファイルを選択してF4キーを押すと、変換先の形式を選ぶダイアログが表示され、抽出場所を指定するだけで完了します。
透過情報を持つ立ち絵データも正しく抽出されるため、画像編集ソフトで活用することも可能です。
4. 日本語UIに対応
GARbroはインターフェースが多言語対応しており、日本語でも使用できます。
英語・ロシア語・韓国語・中国語・日本語のUI言語が用意されており(公式GitHubリポジトリの言語リソースファイルより確認)、日本語ユーザーにとっても操作しやすい環境が整っています。
5. キーボードショートカットで効率的に操作
GARbroはほぼすべての操作をキーボードショートカットで実行できます。
よく使うショートカットは以下の通りです(公式README GUI Hotkeysより)。
| キー | 操作 |
|---|---|
| Enter | アーカイブを開く/音声ファイルを再生 |
| F4 | 選択ファイルをアーカイブから抽出 |
| Backspace | 前の表示に戻る(履歴バック) |
| Ctrl+PgUp | 親ディレクトリへ移動 |
| Alt+Shift+T | ツールバーの表示/非表示 |
| Alt+Shift+M | メニューバーの表示/非表示 |
| Alt+Shift+S | ステータスバーの表示/非表示 |
動作環境
GARbroを使用するには、以下の環境が必要です。
| 項目 | 要件 |
|---|---|
| OS | Windows |
| .NET Framework | v4.6以上 |
| 対応アーキテクチャ | 32bit/64bit |
| 価格 | 無料 |
| ライセンス | MIT License |
.NET Frameworkはマイクロソフトが提供するソフトウェアフレームワークで、Windows 10以降であれば標準で搭載されているケースがほとんどです。
もし起動しない場合は、Microsoft公式サイトの.NETダウンロードページから取得できます。
ダウンロードと最新バージョン
GARbroはGitHubのリリースページから入手できます。
2026年2月時点の最新バージョンはv1.5.44(2019年3月31日リリース、GitHubリリースページより)です。
ダウンロードしたZIPファイルを解凍するだけで使えます。インストール作業は不要です。
暗号化されたアーカイブへの対応
ゲームによっては、アーカイブに暗号化がかかっているケースがあります。
GARbroでそのようなファイルを開こうとすると、「どのゲームのアーカイブか」を聞くダイアログが表示されます。
一覧から該当のゲームタイトルを選択して確認すると、暗号化を解除した状態でファイルが表示されます。
ただし、リストに存在しないタイトルや最新のゲームは、その時点のGARbroバージョンでは対応していない場合があります。
GARbroを使う際の注意事項
個人利用の範囲で使用する
GARbroで抽出したデータは、あくまでも個人利用の範囲内での使用が前提です。
抽出した画像・音声・スクリプトを二次配布したり、商業利用したりすることは、ゲームの著作権を侵害する可能性があります。
私的複製は原則として認められていますが、コピーガード等の技術的保護手段を回避する複製は、私的使用目的であっても違法となる場合があります(著作権法第30条1項2号)。
詳しくは専門家にご確認ください。
フォーク版(改造版)の存在
GARbroにはいくつかのコミュニティフォーク(改造版)が存在します。crskycode/GARbroなど、オリジナルでは対応していないタイトルに対応した派生版が有志によって公開されています。
オリジナル版で開けないアーカイブに遭遇した場合は、フォーク版を試してみるのも手です。
GARbroと翻訳・ローカライズ作業
GARbroは、ゲームの翻訳・ローカライズに取り組む人にとっても重要なツールです。
スクリプトファイルを抽出してテキストを翻訳する際や、差し替え用の画像を作成してアーカイブに戻す際に活用されています。
テキストを翻訳しながらゲームをプレイするアプローチに興味がある方は、OCR翻訳ツールPCOTの使い方記事もあわせて参考にしてください。
また、Steamゲームの日本語化全般についてはSteamゲームをPC日本語化する方法の完全ガイドでも詳しく解説しています。
まとめ
GARbroは、ビジュアルノベルをはじめとするPCゲームのアーカイブを閲覧・抽出・変換できる無料のオープンソースツールです。
- 50以上のゲームエンジンに対応し、KiriKiri・Unity・NScripterなど主要エンジンをカバー
- フォルダのように直感的に操作でき、日本語UIにも対応
- F4キーで画像・音声を一般的な形式に自動変換して抽出可能
ゲームのCGを個人で楽しみたい方や、翻訳・ローカライズ作業の一環としてリソースにアクセスしたい方にとって、GARbroは欠かせないツールといえます。
使用の際は著作権に十分注意した上で、個人利用の範囲内で活用してください。
参考情報源:

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