音楽の歴史|4万年の歩みを時代別にわかりやすく解説

「音楽っていつからあるの?」
「クラシックとポップスってどう繋がってるの?」
そんな疑問を持ったことはありませんか?

実は音楽の歴史は、人類の歴史そのものと言っても過言ではありません。
4万年以上前から、人は「音」を奏で、「歌」を歌ってきました。

この記事では、先史時代から現代まで、音楽がどのように発展してきたのかをわかりやすく解説します。
難しい専門用語は使わず、音楽の面白いエピソードも交えながら紹介していくので、ぜひ最後まで読んでみてください。


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音楽の起源|人類最古の芸術

音楽はいつ、どこで生まれたのでしょうか?
実は、その答えは今も完全には分かっていません。

最古の楽器は4万年以上前のもの

2008年、ドイツ南部のホーレ・フェルス洞窟で、驚くべき発見がありました。
ハゲワシの骨で作られた笛が出土したのです。

この笛は約4万〜4万3千年前のもので、現在確認されている中では世界最古の楽器とされています。
5つの指穴とV字型の吹き口があり、実際に演奏可能な完成度だったそうです。

さらに古い可能性があるのが、スロベニアのディヴィエ・バベ洞窟で見つかった「ネアンデルタール人の笛」です。
約5万〜6万年前のものとされていますが、動物に噛まれてできた穴という説もあり、学者の間で議論が続いています。

音楽の起源に関する4つの説

音楽がなぜ生まれたのかについては、いくつかの説があります。

言語起源説
抑揚をつけて言葉を唱えるうちに、メロディが生まれたという考え方です。

労働起源説
石を砕いたり、種をすり潰したりする作業のリズムから音楽が生まれたという説です。

模倣起源説
鳥のさえずりや風の音など、自然の音を真似するところから始まったとする説です。

呪術起源説
神に祈るため、あるいは悪霊を追い払うための儀式から音楽が生まれたという説です。

どれが正解というわけではなく、おそらく複数の要素が絡み合って音楽は誕生したのでしょう。


古代の音楽|文明とともに発展した響き

文字が発明され、文明が興ると、音楽も大きく発展していきます。

メソポタミア・エジプト

人類最古の文明の一つであるメソポタミア文明の遺跡からは、ハープや太鼓を演奏する人々の姿が刻まれたレリーフが見つかっています。

紀元前3000年頃のエジプトでは、宗教的な儀式や祭りの際に音楽が演奏されていました。
ピラミッドの遺跡からは、ハープや縦笛などの楽器が出土しています。
壁画には、楽器を演奏する人々の姿も描かれており、当時の音楽文化の豊かさがうかがえます。

興味深いのは、エジプトでは楽譜のようなものも残っていることです。
象形文字で書かれたそれは、世界最古の音楽記譜法の一つかもしれません。

古代ギリシャ

古代ギリシャでは、音楽は教育の重要な一部でした。
哲学や文学と並んで、すべての市民が学ぶべき教養とされていたのです。

「ピタゴラスの定理」で有名なピタゴラスは、実は音楽理論の研究者でもありました。
弦の長さと音の高さの関係を数学的に解明し、音階の基礎を築いたとされています。

ギリシャ神話の音楽の神アポロンは、いつも竪琴を手にしています。
劇場では、合唱隊が悲劇や喜劇を彩っていました。
この合唱形式が、後のオペラの原型になったとも言われています。

ちなみに「music(音楽)」という言葉は、ギリシャ語の「ムーシケー(mousike)」に由来します。
これは「ミューズの技」という意味で、ミューズは芸術を司る女神たちのことです。

中国・インド

中国では紀元前6000年頃の遺跡から、丹頂鶴の骨で作った笛が出土しています。
驚くべきことに、この笛は今でも演奏可能で、現代の音階に近い音が出せるそうです。

インドでは、ヴェーダ聖典の時代から音楽が宗教と深く結びついていました。
インド古典音楽の理論は、紀元前2世紀頃の『ナーティヤ・シャーストラ』にまとめられています。


中世の音楽|教会から響く祈りの歌

5世紀から15世紀頃までの中世ヨーロッパでは、キリスト教が音楽に大きな影響を与えました。

グレゴリオ聖歌

中世ヨーロッパの音楽といえば、まずグレゴリオ聖歌が挙げられます。
伴奏なしで歌われる単旋律の宗教歌で、教会の礼拝で用いられました。

この聖歌の楽譜を記録するために、現在の五線譜の原型となる記譜法が発明されます。
最初は歌詞の上に点や線を書くだけでしたが、次第に横線が引かれるようになり、音の高さを正確に表せるようになっていきました。

吟遊詩人の登場

一方、教会の外では吟遊詩人たちが活躍していました。
彼らは各地を旅しながら、恋愛や騎士道、伝説などを歌にして人々に伝えました。

十字軍の活躍も、吟遊詩人の歌によってヨーロッパ中に広まったと言われています。
宮廷を渡り歩き、王や貴族の前で歌う腕利きの詩人もいました。

日本の中世音楽

同じ頃の日本では、雅楽が宮廷で演奏されていました。
飛鳥時代から奈良時代にかけて、中国や朝鮮半島から渡来した音楽が日本独自の形に発展したものです。

鎌倉時代になると、琵琶を弾きながら『平家物語』を語る平曲が生まれます。
また、室町時代には能楽や狂言が発展し、音楽と演劇が融合した芸術が花開きました。


ルネサンス〜バロック|音楽革命の時代

15世紀から18世紀にかけて、音楽は大きな変革を遂げます。

ルネサンス音楽(1400年〜1600年頃)

ルネサンス(「再生」の意味)の時代、音楽にも人間性を重視する風潮が広がりました。

この時代の特徴は「ポリフォニー」、つまり複数の独立したメロディが同時に奏でられる技法です。
それまでの単旋律から、豊かなハーモニーへと音楽が進化しました。

オペラの誕生

1597年、イタリアのフィレンツェで歴史的な出来事がありました。
ヤコポ・ペーリの『ダフネ』が上演されたのです。
これが現在確認されている中では最初のオペラとされています。

オペラは古代ギリシャ劇を音楽で再現しようという試みから生まれました。
歌、演技、舞台装置が一体となった総合芸術として、瞬く間にヨーロッパ中に広まります。

バロック音楽(1600年〜1750年頃)

「バロック」という言葉は「いびつな真珠」を意味するポルトガル語に由来します。
整然としたルネサンス様式に対して、自由で装飾的な表現を指す言葉として使われました。

この時代の代表的な作曲家といえば、何といってもヨハン・セバスティアン・バッハでしょう。
「音楽の父」と呼ばれる彼は、対位法(複数の旋律を組み合わせる技法)を極限まで高めました。

同時代のゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルは、オペラやオラトリオで名を馳せました。
彼の『メサイア』は、今でもクリスマスシーズンに世界中で演奏されています。


古典派〜ロマン派|音楽の黄金時代

18世紀後半から19世紀にかけては、クラシック音楽の黄金時代と呼ばれています。

古典派(1750年〜1820年頃)

バロックの装飾的な音楽から一転、古典派は均整のとれた明快な音楽を目指しました。

ウィーンを中心に活躍したハイドンは「交響曲の父」と呼ばれ、100曲以上の交響曲を作曲しました。
モーツァルトは35年という短い生涯の中で、オペラ、交響曲、協奏曲など600曲以上を残しています。

そして、古典派とロマン派の橋渡し役となったのがベートーヴェンです。
難聴という困難を抱えながらも、「運命」や「第九」など、今でも愛される名曲を生み出しました。

ロマン派(1820年〜1900年頃)

ロマン派の作曲家たちは、形式よりも感情表現を重視しました。
「音楽で物語を語る」「自然や文学を音で描く」という発想が広がります。

シューベルトは「歌曲の王」と呼ばれ、詩と音楽を融合させた芸術歌曲(リート)を600曲以上作りました。
ショパンはピアノに特化した作曲家で、「ピアノの詩人」として知られています。

ワーグナーはオペラを「総合芸術作品」として位置づけ、壮大な楽劇を作り上げました。
チャイコフスキーの『白鳥の湖』や『くるみ割り人形』は、今でもバレエの定番演目です。

この時代には、各国の民族音楽を取り入れた「国民楽派」も台頭しました。
ドヴォルザーク、シベリウス、グリーグなど、自国の音楽的伝統を作品に活かした作曲家たちです。


20世紀|クラシックからポピュラー音楽へ

20世紀に入ると、音楽はかつてない多様化を遂げます。

近代クラシック

ドビュッシーやラヴェルは「印象派」と呼ばれる新しい作曲スタイルを確立しました。
明確なメロディよりも、色彩豊かな響きや雰囲気を重視する音楽です。

シェーンベルクは調性(長調・短調の体系)を否定し、12音技法という革新的な作曲法を生み出しました。
ストラヴィンスキーの『春の祭典』は、初演時に暴動が起きるほど衝撃的でした。

ジャズの誕生

19世紀末から20世紀初頭、アメリカのニューオーリンズで新しい音楽が生まれていました。
アフリカ系アメリカ人の音楽的伝統(ブルースやゴスペル)とヨーロッパ音楽が融合して生まれたジャズです。

ジャズの最大の特徴は即興演奏です。
演奏者がその場の感覚でメロディやリズムを創り上げていきます。

ルイ・アームストロング、デューク・エリントン、マイルス・デイヴィスなど、数多くの名手が登場し、ジャズは世界中に広まりました。

ロックンロールの衝撃

1950年代、アメリカでロックンロールが誕生します。
黒人音楽のリズム・アンド・ブルースと白人のカントリー音楽が融合した、若者のための音楽でした。

エルヴィス・プレスリーの登場は、社会に大きな衝撃を与えました。
激しく腰を振りながら歌うそのスタイルは、当時の大人たちからは「不道徳」と批判されましたが、若者たちは熱狂的に受け入れました。

1960年代になると、イギリスからビートルズが登場します。
彼らは単なるアイドルを超え、音楽に芸術性や社会的メッセージを込める存在へと成長していきました。

ヒップホップの台頭

1970年代、ニューヨークのブロンクス地区で、また新しい音楽が生まれます。
DJがレコードを操り、MCがリズムに乗せてラップを披露する——ヒップホップの誕生です。

クール・ハーク、グランドマスター・フラッシュ、アフリカ・バンバータらが先駆者として知られています。
1980年代以降、ヒップホップは世界的な音楽ジャンルに成長し、現在ではポピュラー音楽の主流の一つとなっています。


音楽の時代区分一覧

時代年代特徴代表的な作曲家・アーティスト
先史時代約4万年前〜骨や石の笛、打楽器
古代紀元前3000年〜500年頃宗教儀式、音楽理論の発展ピタゴラス
中世500年〜1400年頃グレゴリオ聖歌、単旋律
ルネサンス1400年〜1600年頃ポリフォニー、世俗音楽の発展パレストリーナ、ジョスカン・デ・プレ
バロック1600年〜1750年頃オペラ誕生、対位法の発展バッハ、ヘンデル、ヴィヴァルディ
古典派1750年〜1820年頃ソナタ形式、交響曲の確立ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン
ロマン派1820年〜1900年頃感情表現、国民楽派ショパン、ワーグナー、チャイコフスキー
近現代1900年〜印象派、12音技法、実験音楽ドビュッシー、ストラヴィンスキー
ジャズ1900年代〜即興演奏、スウィングルイ・アームストロング、マイルス・デイヴィス
ロック1950年代〜エレキギター中心、若者文化エルヴィス、ビートルズ、レッド・ツェッペリン
ヒップホップ1970年代〜ラップ、DJ、サンプリンググランドマスター・フラッシュ、カニエ・ウェスト

まとめ

音楽の歴史について、先史時代から現代まで見てきました。

  • 最古の楽器は約4万年前の骨製の笛
  • 古代ギリシャで音楽理論の基礎が築かれた
  • 中世はキリスト教音楽が中心で、楽譜の原型が誕生
  • ルネサンス以降、クラシック音楽が発展し、バッハ、モーツァルト、ベートーヴェンらが活躍
  • 20世紀にはジャズ、ロック、ヒップホップなどポピュラー音楽が世界を席巻

4万年以上にわたる音楽の歴史を振り返ると、人間にとって音楽がいかに大切な存在であるかがよく分かります。
時代や地域が変わっても、人は常に歌い、奏で、踊ってきました。

音楽は言語や国境を超えて人々をつなぐ力を持っています。
これからも音楽は進化を続け、私たちの生活を豊かにしてくれることでしょう。

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