PDFの文字が表示されない原因と対処法【症状別に解説】

プログラミング・IT

PDFを開いたら一部の文字が真っ白・文字化け・丸ごと消えている——そんなトラブルは、フォントの取り扱いやビューアの設定が原因であることがほとんどです。
データそのものが壊れているわけではないケースが多く、適切な対処をすれば解決できます。
この記事では症状ごとに原因を整理し、今すぐ試せる対処法を解説します。

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症状別:まず確認すること

症状最初に疑う原因
Acrobatでは文字が消えるがブラウザでは見えるフォント未埋め込み・Acrobatのバグ
別のPCでは見えるのに自分のPCだけ消える閲覧環境のフォント不足・フォントキャッシュ破損
特定の文字だけ消える(□で表示される)文字コード水準の不一致・フォントの字形欠落
Microsoft Edgeで見ると消えるEdgeのPDFビューア仕様
印刷すると文字が消えるが画面は正常プリンタードライバーの問題
Acrobatのダイアログ自体の文字が消えるシステムフォント(Segoe UI)の破損

原因①:フォントがPDFに埋め込まれていない(最多原因)

PDFで文字が表示されない最大の原因はフォントの未埋め込みです。

PDFにはフォントを「埋め込む」機能があります。
フォントが埋め込まれていると、開く側のPCにそのフォントがなくても正しく表示されます。
一方、埋め込まれていない場合は、開く側のPCにある代替フォントで表示しようとします。
代替フォントが見つからないと、文字が空白・豆腐(□)・文字化けとして表示されます(Adobe コミュニティ「Cannot find or create the font」)。

フォントの埋め込み状況を確認する手順

  1. Acrobat(またはAcrobat Reader)でPDFを開く
  2. 「ファイル」→「プロパティ」→「フォント」タブを開く
  3. 各フォント名の右側に「埋め込みサブセット」または「埋め込み」と表示されているかを確認する
  4. 何も表示されていないフォントは埋め込まれていない

対処法(自分で修正できる場合)

Adobe Acrobat Pro(有償版)を使って、未埋め込みのフォントを埋め込み直すことができます。
手順は「ファイル」→「その他の形式で保存」→「最適化されたPDF」を選び、フォント設定を確認して保存し直します(Adobe サポート「Missing or garbled text when converting or combining PDF documents」)。

PDFの作成者に権限がある場合は、最初からフォント埋め込みを有効にして再作成してもらうのが最も確実な解決策です。

補足:フォントのライセンス制限
フォントによっては、ライセンスの制限により埋め込みができないものがあります。
Adobe Acrobat ProやFlatPackなどのツールは、埋め込み不可のフォントを使用しようとすると警告を表示します(Bearwood Labs「How to solve common font issues in editable PDFs」)。


原因②:閲覧するPCにフォントがインストールされていない

フォントが未埋め込みのPDFを開くとき、Acrobatは閲覧側のPCにインストールされているフォントを使って代替表示を試みます。
この代替フォントが見つからない・または同名フォントでもエンコーディングが異なる場合、文字が化けたり消えたりします(Adobe コミュニティ「Garbage Characters in Acrobat Reader DC」)。

対処法

  • 不足しているフォントを入手してPCにインストールする
  • Acrobatの設定で「ローカルフォントを使用」を有効にする(「編集」→「環境設定」→「ページ表示」→「レンダリング」→「ローカルフォントを使用」にチェック)

原因③:Acrobat/Adobe ReaderのバグやバージョンのAの問題

特定バージョンのAcrobatで文字が消えるバグが報告されています。
たとえば2024年8月のアップデート(バージョン2024.002.21005)では、フォント表示に問題が発生し、テキストが読めなくなるケースが多数報告されました。
このバグはその後のバージョン(24.003.20054)で修正されています(Adobe コミュニティ「With the August update 2024.002.21005, I’m experiencing display issues」)。

対処法

  • Acrobat/Adobe Readerを最新バージョンにアップデートする(「ヘルプ」→「アップデートの有無をチェック」)
  • 最新バージョンで逆に問題が発生している場合は、ひとつ前のバージョンに戻すか、他のビューアで開く

原因④:Microsoft EdgeのPDFビューアの問題

Microsoft EdgeでPDFを開くと、入力済みのテキストや日本語が表示されないことがあります。
EdgeはAdobeのPDFエンジンを搭載していますが、バージョンによって動作が不安定なことがあります。

対処法

  1. Edgeのアドレスバーに edge://flags/#edge-new-pdf-viewer を入力してEnterキーを押す
  2. 「New PDF Viewer」のプルダウンを「Enabled」に変更する
  3. Edgeを再起動する

上記で解決しない場合は、PDFをダウンロードしてAdobe Acrobat Readerで開くか、Google Chromeで開くと正常に表示されることがあります。


原因⑤:フォントキャッシュの破損

Acrobatが内部で持つフォントキャッシュが破損していると、実際にはフォントが存在するにもかかわらず正しく表示されなくなることがあります。
他のPCでは正常に表示されるのに、自分のPCだけ文字化けするケースで疑われます(Adobe コミュニティ「PDFファイルの文字が一部真っ白で表示されない」)。

対処法(Windows)

Windowsのフォントキャッシュファイルを削除する方法が有効なことがあります。

  1. Acrobatを終了する
  2. エクスプローラーで C:\Windows\system32\FNTCACHE.DAT を削除する(管理者権限が必要)
  3. PCを再起動するとキャッシュが自動再構築される

または、Acrobatのユーザーデータフォルダ(C:\Users\ユーザー名\AppData\Roaming\Adobe\Acrobat)を削除してからAcrobatを再起動する方法も試せます。


原因⑥:日本語特有の問題(JIS文字コード水準の不一致)

JIS第3・第4水準の文字(一部の難読漢字など)を使用したPDFで、フォントにその文字の字形が含まれていない場合、その文字だけが空白や□で表示されることがあります。
特定の行政システムや古いシステムがJIS X0208(第1・第2水準のみ)に準拠している場合、それ以外の文字は表示できません。

対処法

  • 使用している文字を、JIS第1・第2水準内の文字に置き換える
  • 該当文字のフォントデータを外字として埋め込む
  • 印刷してスキャンした画像PDFとして再作成する(確実だが編集不可になる)

原因⑦:Acrobatのダイアログ自体の文字が消える(システムフォントの問題)

Acrobatの環境設定画面・印刷ダイアログなど、PDFの中身ではなくAcrobat自体のUIで文字が消える場合は、WindowsのシステムフォントであるSegoe UIファミリーが破損・未インストールである可能性があります(Adobe サポート「Blank dialog boxes and missing text from Acrobat interface」)。

対処法

  1. Windowsの「設定」→「個人用設定」→「フォント」でSegoe UIが存在するか確認する
  2. 正常なPCからSegoe UIフォントをコピーして上記フォルダに貼り付けてインストールする
  3. Acrobatを再起動する

ハードウェアアクセラレーションを無効にする(共通対処法)

GPUやグラフィックドライバーの問題で文字が正しく描画されないことがあります。
ハードウェアアクセラレーションを無効にすることで、描画処理がCPUに切り替わり改善する場合があります。

Acrobat/Adobe Readerの場合

「編集」→「環境設定」→「ページ表示」→「レンダリング」→「2Dグラフィックス処理にGPUを使用」のチェックを外す→「OK」→Acrobatを再起動


まとめ:まず「別のビューアで開く」から試そう

PDFの文字が表示されないときの切り分けは、「ブラウザ(ChromeまたはEdge)で同じPDFを開いてみる」から始めるのが最も効率的です。

ブラウザで正常に表示される場合は、Acrobatの問題(バグ・フォントキャッシュ・設定)が原因です。
ブラウザでも表示されない場合は、PDFファイル自体にフォント未埋め込みや文字コードの問題があります。


参考情報

この記事で参照した情報源

一次資料・公式ドキュメント

信頼できる二次資料

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