Microsoft Teamsには、チャットのメッセージや会議の発言をリアルタイムで翻訳する自動翻訳機能が搭載されています。
英語が苦手でも海外メンバーと円滑にやり取りできるこの機能、実は翻訳の種類ごとに使い方や必要なライセンスが異なります。
この記事では、チャット翻訳・ライブキャプション翻訳・AI音声同時通訳の3種類について、それぞれの設定手順と注意点をわかりやすくまとめました。
Teams自動翻訳の種類と概要

Teams の翻訳機能は大きく3種類に分かれています。
それぞれ対象が「チャットのメッセージ」か「会議の音声」かで異なり、必要なライセンスも変わります。
| 機能 | 対象 | 必要ライセンス |
|---|---|---|
| チャットメッセージ翻訳 | チャットのテキスト | Microsoft 365有料プラン |
| ライブキャプション翻訳 | 会議の音声(字幕形式) | Teams PremiumまたはMicrosoft 365 Copilot |
| AI音声同時通訳 | 会議の音声(音声出力) | Microsoft 365 Copilot |
まずは自分がどの翻訳機能を使いたいのかを確認してから、以降の手順に進んでください。
チャットメッセージの翻訳
チャット画面に届いた外国語のメッセージを日本語に翻訳する機能です。
手動で1件ずつ翻訳する方法と、自動でまとめて翻訳する方法の2種類があります。
手動翻訳の手順(デスクトップ版)
- 翻訳したいメッセージの上にマウスカーソルを合わせる
- 「…(その他のオプション)」をクリックする
- 「翻訳」を選択する
翻訳済みのメッセージには「aあ」アイコンが表示されます。
元の言語に戻したい場合は、同じアイコンをクリックして「元のメッセージを表示」を選択します。
手動翻訳の手順(モバイル版)
- 翻訳したいメッセージを長押しする
- メニューから「翻訳」を選択する
自動翻訳の設定手順
外国語のメッセージが複数届く場合、毎回手動で翻訳するのは手間がかかります。
自動翻訳を有効にすると、設定した言語以外のメッセージがすべて自動で翻訳されるようになります。
自動翻訳を有効にする方法(デスクトップ版)
- 外国語のメッセージの上にカーソルを合わせる
- 「…(その他のオプション)」→「翻訳」の候補が表示されたらクリック
- 「自動翻訳を有効にする」を選択する
または設定画面からも変更できます。
- 右上のプロフィール画像をクリック
- 「設定」→「言語」を開く
- 「翻訳先の言語」を選択する
- 「他の言語でメッセージを処理する方法」で「すべてのメッセージを自動翻訳する」を選択する
チャット翻訳の注意点
- 翻訳はチャット内のメッセージのみ対象です(チャネルメッセージは対象外)
- 非常に短いメッセージは自動翻訳の対象外となる場合があります
- 特定の言語を翻訳対象から外したい場合は「翻訳しない言語」リストに追加できます
- 翻訳機能を利用するにはMicrosoft 365の有料プランが必要で、Microsoft 365 Business Basic(月額899円〜)などのライセンスが対象となります
会議のライブキャプション翻訳
会議中の発言をリアルタイムで文字起こしし、指定した言語の字幕として画面下部に表示する機能です。
英語で話された内容を日本語字幕で確認したり、逆に日本語を英語字幕で表示したりできます。
必要なライセンス
会議のライブキャプション翻訳を利用するには、Teams PremiumまたはMicrosoft 365 Copilotのライセンスが必要です。
ただし、会議の開催者がこれらのライセンスを持っている場合、参加者全員がライセンスなしで翻訳されたキャプションを利用できます。
参加者個人がライセンスを持つ場合は、その参加者のみが翻訳機能を利用できます。
設定手順
- Teams会議に参加する
- 会議コントロールバーの「…(その他)」をクリックする
- 「言語と音声」→「ライブキャプションを表示する」を選択する
- キャプション表示エリア右側の「…」→「言語設定」をクリックする
- 「会議で話されている言語」(発表者の言語)を設定する
- 「翻訳先の言語」(字幕で表示したい言語)を設定する
「原文と翻訳の両方を表示する」をオンにすると、元の言語と翻訳後の言語を同時に確認できます。
対応言語
ライブキャプションの翻訳対応言語は30言語以上で、日本語・英語・中国語・韓国語・フランス語・ドイツ語・スペイン語など主要言語が含まれます。
対応言語の最新リストはMicrosoftの公式サポートページで確認できます。
注意点
- 現時点では1会議につき翻訳できる言語は1言語のみです(複数言語の同時翻訳には非対応)
- 翻訳されたキャプションとトランスクリプトは会議中のみ利用可能で、会議終了後はアクセスできません
- 多義語・比喩表現・専門用語・固有名詞は誤訳が発生する場合があります
- タウンホールやライブイベントでは仕様が一部異なります
AI音声同時通訳(Microsoft 365 Copilot新機能)
2024年11月のMicrosoft Ignite 2024で発表された最新機能です。
会議の発言を字幕ではなく「音声」でリアルタイム翻訳するもので、まるで話者が翻訳先の言語で話しているかのように聞こえます。
概要と対応言語
Microsoft 365 Copilotに組み込まれたAI音声同時通訳は、発言内容をニューラル音声合成で翻訳し、元の話者の声のトーンや話す速さを可能な限り再現します。
2025年初頭にプレビュー提供が開始されており、対応言語は以下の9言語です。
- 中国語
- 英語
- フランス語
- ドイツ語
- イタリア語
- 日本語
- 韓国語
- ポルトガル語
- スペイン語
利用方法
- Teamsの右上にある設定ボタンを開く
- 「Language and Speech(言語と音声)」メニューを選択する
- 翻訳先の言語を選択する
会議参加者の画面左上に「Interpreting(通訳中)」と表示され、発言が選択した言語の音声で聞こえてきます。
注意点
- 利用にはMicrosoft 365 Copilotライセンスが必要です
- 2025年初頭に試験提供が開始されていますが、機能の提供状況はライセンスや地域によって異なる場合があります
- 最新情報はMicrosoft Ignite 2024の発表記事や公式ドキュメントをご確認ください
人間の通訳者を使った言語通訳機能
AIではなく、プロの通訳者をTeams会議に招待して同時通訳を行う機能もあります。
AIの精度では対応が難しい専門的な内容や繊細なニュアンスが求められる場面に向いています。
主な特徴
- 最大16の言語ペアに対応できます
- 会議の開催者が通訳者を事前に設定し招待します
- 会議参加者は聞きたい言語チャンネルを自分で選択できます
- Microsoftは通訳者を提供しないため、自組織で用意する必要があります
- Teams for Webから参加する通訳者・参加者には非対応です
設定手順
- カレンダーから「新しい会議の作成」を開く
- 「オプション」→「その他のオプション」をクリックする
- 「言語の通訳を有効にする」をオンにする
- 言語ペアと通訳者を設定して保存する
文字起こし後にCopilotで翻訳する方法
Teams Premiumや有料プランでは、会議の文字起こし(トランスクリプト)をCopilotで翻訳する方法も使えます。
- 会議中に「…(その他)」→「レコーディングと文字起こし」→「文字起こしの開始」を選択する
- 会議終了後、保存されたトランスクリプトをCopilotで翻訳・要約する
この方法は会議後の振り返りや議事録作成に特に役立ちます。
機能比較まとめ
| 機能 | 翻訳形式 | リアルタイム | 必要ライセンス | 用途 |
|---|---|---|---|---|
| チャットメッセージ翻訳 | テキスト | 〇 | Microsoft 365有料プラン | チャットでの多言語やり取り |
| ライブキャプション翻訳 | 字幕 | 〇 | Teams Premium / M365 Copilot | 会議の内容をリアルタイムで把握 |
| AI音声同時通訳 | 音声 | 〇 | Microsoft 365 Copilot | 会議を自分の言語で「聞く」 |
| 言語通訳(人間) | 音声 | 〇 | 通訳者の費用が別途必要 | 高精度な同時通訳が必要な場面 |
| トランスクリプト+Copilot翻訳 | テキスト | △(会議後) | Teams Premium / M365 Copilot | 会議後の議事録作成・振り返り |
まとめ
Teams の自動翻訳機能は、チャットのテキスト翻訳から会議のリアルタイム音声翻訳まで幅広く対応しています。
無料プランや基本的な有料プランでもチャット翻訳は利用できますが、会議のライブキャプション翻訳にはTeams PremiumまたはMicrosoft 365 Copilotが必要です。
また、2025年から利用できるAI音声同時通訳は話者の声を再現しながら翻訳するという画期的な機能で、グローバルな会議体験を大きく変えてくれそうです。
どの機能が自分の用途に合っているかを確認して、ライセンスを選ぶと無駄なコストを抑えられます。
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