「Teams PWA」という言葉を見かけたけれど、普通のアプリと何が違うのか分からない——そんな疑問を持つ人は少なくありません。
PWAはWebとアプリの「いいとこどり」をした新しいアプリの形式で、Teamsでは2022年ごろから本格的に活用されるようになりました。
この記事では、PWAの基本的な仕組みからTeams PWAの特徴・インストール方法・デスクトップアプリとの違いまで、まるごと解説します。
PWA(プログレッシブWebアプリ)とは

PWA(Progressive Web App) とは、WebサイトをまるでアプリのようにPCやスマートフォンにインストールして使える技術の総称です。
「プログレッシブ」という言葉には、「デバイスや環境に応じて段階的に機能が拡張される」という意味があります。
通常のWebサイトはブラウザのタブの中でしか動きませんが、PWAはインストールすることで次のような「アプリらしい」動作が可能になります。
- タスクバーやスタートメニューにアイコンを表示できる
- ブラウザのツールバーなしで独立したウィンドウとして起動できる
- PC起動時に自動で立ち上がる設定ができる
- プッシュ通知を受け取れる
- オフライン時でも一部機能を使える(アプリによる)
重要なポイントは、PWAはあくまでWebサイトであるという点です。
EdgeやChromeのブラウザエンジンがバックグラウンドで動いており、ブラウザのセキュリティ環境(サンドボックス)の中で動作します。
外見はアプリそっくりでも、実態はWebアプリです。
Microsoft Teams PWAとは
Microsoft Teams PWA は、Web版のTeams(teams.microsoft.com)をPWAとしてインストールしたものです。
PWAはEdgeまたはChromeブラウザーによってホストされますが、ネイティブアプリのように見えます。
アドレスバーやブラウザのタブが表示されない独立したウィンドウで起動するため、パッと見ではデスクトップアプリと区別がつきません。
Teams PWAは、タスクバーへのピン留め、スタートへのピン留め、デスクトップショートカットの作成、デバイスログイン時の自動起動といった機能を追加で提供します。
MicrosoftはもともとLinux向けのネイティブクライアントを提供していましたが、2022年12月をもって廃止し、PWAへ移行しました。
その後、Windows・macOSでも2024年7月にPWA版が正式に提供開始されています。
Teams PWAとデスクトップアプリの違い
混乱しやすいのが、デスクトップアプリ・Web版・PWAの3つの関係です。
それぞれの特徴を整理します。
| 項目 | デスクトップアプリ | Web版(ブラウザ) | PWA |
|---|---|---|---|
| インストール | .exeまたは.msiが必要 | 不要 | ブラウザから簡単インストール |
| 起動方法 | アイコンをダブルクリック | URLにアクセス | アイコンをダブルクリック |
| ブラウザUI | なし | あり(アドレスバー等) | なし |
| 自動起動 | 設定可能 | 不可 | 設定可能 |
| タスクバーへのピン留め | 可能 | 不可 | 可能 |
| OSのネイティブAPI利用 | 可能 | 制限あり | 制限あり |
| 更新方法 | 自動または手動 | ページ再読み込みで最新化 | ページ再読み込みで最新化 |
| セキュリティ環境 | OS直接 | ブラウザサンドボックス | ブラウザサンドボックス |
PWAとデスクトップアプリの主な機能差
PWAはWebアプリをベースにしているため、デスクトップアプリと比べると一部機能に差があります。
現時点でPWA(Web版)で使えない、または制限される代表的な機能は次のとおりです。
- 複数アカウントの同時通知(2025年時点では制限あり)
- チャットやチャネルのポップアウトウィンドウ
- 一部の背景効果(背景ぼかしは利用可能)
- ブレイクアウトルームの主催
日常的なチャット・会議・ファイル共有などは問題なく使えますが、大規模な会議を主催するケースではデスクトップアプリが有利な場面もあります。
Teams PWAを使うメリット
1. IT管理者の権限がなくてもインストールできる
通常のデスクトップアプリはPC管理者権限が必要な場合がありますが、PWAはブラウザから数クリックでインストールできます。
社用PCでアプリのインストールが制限されている環境でも、PWA版であれば利用できるケースがあります。
2. ブラウザのセキュリティが適用される
PWAはブラウザのサンドボックス内で動作するため、組織のセキュリティポリシーをそのまま適用できます。
IT管理者がグループポリシーでTeamsのPWAを強制インストールしたり、逆にアンインストールを禁止したりすることも可能です。
3. アプリのように快適に使える
ブラウザのタブやアドレスバーが表示されない独立したウィンドウで起動するため、デスクトップアプリと同様のUIで使えます。
タスクバーにピン留めしておけば、毎回ブラウザを開く手間もありません。
4. Linuxでも利用できる
LinuxではネイティブのTeamsクライアントが廃止されたため、PWAが公式推奨の利用方法になっています。
EdgeまたはChromeさえあれば、LinuxでもWindows・macOSと同等に近い体験でTeamsを使えます。
5. 複数アカウントの並行利用に使える
デスクトップアプリと異なるアカウントでPWA版にサインインすることで、2つのTeamsアカウントを同時に開いておく使い方ができます。
仕事用と別組織のプロジェクト用など、複数テナントを使い分けている人に便利な活用法です。
Teams PWAのインストール方法

Microsoft Edgeの場合
- EdgeでTeamsのWebサイト(https://teams.microsoft.com)にアクセスします
- Microsoftアカウントでサインインします
- アドレスバーの右端に表示されるアプリのインストールアイコン(パソコンに矢印が刺さったようなアイコン)をクリックします
- 「インストール」をクリックします
- Teams専用のウィンドウが開いたら、インストール完了です
- 必要に応じて、タスクバーのアイコンを右クリックし「タスクバーにピン留め」を選択します
インストールアイコンが表示されない場合は、Edgeの右上の「…(設定と詳細)」→「アプリ」→「このサイトをアプリとしてインストール」を選択します。
Google Chromeの場合
- ChromeでTeamsのWebサイト(https://teams.microsoft.com)にアクセスします
- サインイン後、アドレスバーの右端にパソコンのアイコンが表示されるので、それをクリックします
- 「インストール」をクリックします
- アイコンが表示されない場合は、右上の「⋮(メニュー)」→「Teamsをインストール」を選択します
Linuxの場合
EdgeまたはChromeで同じ手順でインストールできます。
インストール後、ショートカットはアプリケーションメニューに追加されます。
推奨ブラウザ:Microsoft EdgeまたはGoogle Chrome
Firefox・SafariではPWA機能がサポートされていないため、インストールできません。
管理者向け:グループポリシーによるデプロイ
IT管理者は、グループポリシーを使ってTeams PWAを組織全体のPCに強制インストールすることができます。
主に使われるポリシーは次の2つです。
WebAppInstallForceList
特定のWebアプリを強制インストールするポリシーです。
このポリシーで展開されたPWAはユーザーが自分でアンインストールできず、ポリシーを削除すると自動的にアンインストールされます。
WebAppSettings
Webアプリの管理設定を細かく指定できるポリシーです。
また、Teamsをスムーズに使えるよう、以下の追加ポリシーの設定も公式で推奨されています。
- SleepingTabsBlockedForUrls:TeamsのタブがスリープになってTeamsが止まるのを防ぎます
- NotificationsAllowedForURLs:Teams通知を自動的に許可します
- ScreenCaptureAllowedByOrigins:Teams会議での画面共有を許可します
- AudioCaptureAllowedUrls:マイクの使用を許可します
- VideoCaptureAllowedUrls:カメラの使用を許可します
よくあるトラブルと対処法
インストールアイコンが表示されない
デスクトップ版Teamsがすでにインストールされている環境では、PWAとの競合によりインストールアイコンが表示されないことがあります。
対処法として、一度デスクトップ版Teamsをアンインストールしてからブラウザでアクセスし直すか、クラシックTeamsのURL(https://teams.microsoft.com/_?clientType=pwa#)からアクセスしてみてください。
通知が届かない
グループポリシーで NotificationsAllowedForURLs が設定されていない環境では、ブラウザの通知許可を手動でオンにする必要があります。
Edgeの場合、「設定」→「Cookie とサイトのアクセス許可」→「通知」から teams.microsoft.com を許可リストに追加します。
会議中にカメラ・マイクが使えない
ブラウザの権限設定でカメラ・マイクのアクセスがブロックされている場合があります。
アドレスバー左の錠前アイコンから権限設定を確認し、カメラとマイクを「許可」に変更してください。
Teams PWAが起動しなくなった
ブラウザのキャッシュやCookieが原因のことがあります。
EdgeまたはChromeで Ctrl + Shift + Delete を押してキャッシュをクリアし、再度PWAを起動してください。
まとめ
Microsoft Teams PWAは、Web版のTeamsをアプリのようにインストールして使える仕組みです。
ブラウザエンジンがバックグラウンドで動いているという意味では本質的にWebアプリですが、タスクバーへのピン留め・自動起動・独立ウィンドウなど、デスクトップアプリに近い使い勝手を実現しています。
デスクトップアプリがインストールできない環境や、Linuxを使っている場合、複数アカウントを並行して使いたい場面では、Teams PWAが実用的な選択肢になります。
インストールもブラウザから数クリックで完結するため、すぐに試すことができます。

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