三天ってどんな神様?
「三天」と聞いて、すぐにピンとくる人は少ないかもしれません。
でも実は、日本で古くから信仰されてきた、福徳と財運をもたらす三柱の神様なんです。
三天とは摩利支天・大黒天・弁財天の三神を指します。
江戸時代、商工業者の間で「この三神をセットで信仰すれば、商売繁盛間違いなし!」と大人気でした。
今でも、お守りや縁起物として親しまれていますよ。
この記事では、三天それぞれの特徴や信仰の歴史をわかりやすく紹介していきます。
三天を構成する三柱の神
摩利支天(まりしてん)
光と戦いの守護神
摩利支天は、陽炎を神格化した存在です。
陽炎には実体がないため「捕らえられない」「傷つけられない」という特徴があります。
この特徴から、戦国時代には武士の守護神として絶大な人気を誇りました。
楠木正成や前田利家は、兜の中に摩利支天の小像を入れて出陣したと伝えられています。
猪に乗った姿で描かれることが多く、三面六臂または三面八臂の憤怒の姿をしています。
武器を手に持ち、勇猛果敢な姿が特徴的です。
江戸時代以降は、護身や隠形の力だけでなく蓄財の神としても信仰されるようになりました。
大黒天(だいこくてん)
財宝と五穀豊穣の神
大黒天は、もともとインドの戦闘神マハーカーラでした。
日本に伝わる際、音が「だいこく」と通じることから、五穀豊穣の神である大国主命と結びついたんです。
その結果、穏やかな笑顔で福々しい姿に変化しました。
打ち出の小槌を持ち、大きな袋を背負った姿は誰もが知るところですよね。
財運・商売繁盛・開運のご利益があるとされ、七福神の一柱としても有名です。
商売をする人にとっては、なくてはならない守護神なんですね。
弁財天(べんざいてん)
技芸と財宝の女神
弁財天は、インドの川の女神サラスヴァティーが起源です。
水が流れるせせらぎの音から、音楽の神となり、技芸・文芸の才能をもたらす神へと発展しました。
琵琶を持った美しい女性の姿で描かれることが多いですね。
音楽や芸術だけでなく、学問の神としても信仰されています。
当初は「才」の神でしたが、時代とともに「財」の神としても崇められるようになりました。
福徳財宝を授ける福の神として、商工業者の信仰を集めたんです。
江戸時代に花開いた三天信仰
三天信仰が特に盛んになったのは江戸時代です。
商工業が発展し、町人文化が花開いたこの時代、商売繁盛を願う人々の間で三天への信仰が広まりました。
摩利支天は護身と蓄財、大黒天は財運、弁財天は技芸と財宝。
この三柱をセットで信仰すれば、あらゆる福徳が手に入ると考えられたんですね。
東京の上野にある徳大寺や、雑司ヶ谷の玄浄院は摩利支天を祀ることで有名になり、多くの町人が参詣に訪れたといいます。
摩利支天は猪に乗る姿から、亥の日を縁日としています。
三面大黒天という特別な形
三天には、もう一つ特別な形があります。
それが三面大黒天です。
三面大黒天は、大黒天・毘沙門天・弁財天が一体となった珍しい尊像です。
豊臣秀吉が肌身離さず持っていた念持仏として有名ですね。
京都の圓徳院に祀られている秀吉の三面大黒天は、秀吉が常に触れて撫でていたため、金箔が剥がれて黒色になっているといわれています。
出世運・財運・学問・戦勝などのご利益があるとされ、今も多くの人が参拝に訪れています。
まとめ
三天は、江戸時代に商工業者の間で信仰された三柱の神々の総称です。
主な構成は以下の通り:
- 摩利支天:光と戦いの守護神、護身・蓄財の神
- 大黒天:財宝と五穀豊穣の神、商売繁盛の神
- 弁財天:技芸と財宝の女神、学問・芸術の神
この三神をセットで信仰することで、あらゆる福徳が得られると考えられました。
現代でも、縁起物やお守りとして親しまれている身近な存在なんです。
商売繁盛や金運アップを願うなら、三天にお参りしてみるのもいいかもしれませんね。


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