夜空を見上げたとき、ひときわ明るく輝いている星がありますよね。
「あの星、なんて名前だろう?」と思ったこと、ありませんか?
実は、肉眼で見える星の中でも特に明るい星は「1等星」と呼ばれていて、全天で21個しかありません。
この記事では、21個すべての1等星を明るさ順に紹介します。
- 1等星ってなに?
- 明るさランキング|全21個の1等星
- 1位:シリウス(おおいぬ座)
- 2位:カノープス(りゅうこつ座)
- 3位:リギル・ケンタウルス(ケンタウルス座)
- 4位:アルクトゥルス(うしかい座)
- 5位:ベガ(こと座)
- 6位:カペラ(ぎょしゃ座)
- 7位:リゲル(オリオン座)
- 8位:プロキオン(こいぬ座)
- 9位:ベテルギウス(オリオン座)
- 10位:アケルナル(エリダヌス座)
- 11位:ハダル(ケンタウルス座)
- 12位:アルタイル(わし座)
- 13位:アクルックス(みなみじゅうじ座)
- 14位:アルデバラン(おうし座)
- 15位:スピカ(おとめ座)
- 16位:アンタレス(さそり座)
- 17位:ポルックス(ふたご座)
- 18位:フォーマルハウト(みなみのうお座)
- 19位:デネブ(はくちょう座)
- 20位:ミモザ(みなみじゅうじ座)
- 21位:レグルス(しし座)
- 季節ごとの1等星
- 星の名前の由来
- まとめ
- 1等星一覧表
- 参考情報
1等星ってなに?
星の明るさは「等級」という単位で表されます。
この仕組みを作ったのは、紀元前2世紀のギリシャの天文学者ヒッパルコス。
彼は、肉眼で見える最も明るい星を「1等星」、ギリギリ見える暗い星を「6等星」と分類しました。
ポイントは、数字が小さいほど明るいということ。
1等星より明るい星は「0等星」、さらに明るいと「マイナス1等星」となります。
現代の天文学では、視等級(見かけの等級)が1.5等級より明るい星を「1等星」と呼んでいます。
この基準に当てはまる星は、全天で21個。
都会の夜空でも見つけられるほど明るいので、星空観察の入門にぴったりです。
明るさランキング|全21個の1等星
では、21個の1等星を明るい順に見ていきましょう。
日本から見えない星もいくつかありますが、まずは全体像を把握してみてください。
1位:シリウス(おおいぬ座)
全天で最も明るい恒星がシリウスです。
視等級はマイナス1.46等で、2位のカノープスの約2倍も明るく輝いています。
冬の夜空で青白く輝くこの星は、古代エジプトでは「ナイル川の氾濫」を知らせる重要な星でした。
名前の由来はギリシャ語の「セイリオス(焼き焦がすもの)」。
その強烈な輝きを表現した名前なんですね。
和名では「青星」「大星」などと呼ばれています。
オリオン座のベテルギウス、こいぬ座のプロキオンと結ぶと「冬の大三角」が完成します。
2位:カノープス(りゅうこつ座)
シリウスに次いで明るいカノープスは、視等級マイナス0.74等。
ただし、日本では南の地平線ギリギリにしか見えないため、なかなかお目にかかれません。
面白いのは、日本では「長寿の星」として知られていること。
見つけにくい星だからこそ「見ると長生きできる」という言い伝えが生まれたようです。
中国では「南極老人星」、日本では「寿星」とも呼ばれています。
3位:リギル・ケンタウルス(ケンタウルス座)
こちらは日本からほとんど見えない南天の星。
視等級はマイナス0.27等で、実は太陽系から最も近い恒星系「アルファ・ケンタウリ」の主星です。
距離はわずか4.37光年。
「わずか」と言っても光の速さで4年以上かかる距離ですが、宇宙のスケールで考えるとご近所さんなんです。
4位:アルクトゥルス(うしかい座)
春から初夏にかけて見られる、オレンジ色に輝く星。
視等級はマイナス0.05等で、北半球では最も明るい1等星です。
見つけ方は簡単。
北斗七星の柄の部分を延長すると、このアルクトゥルスにたどり着きます。
さらに延ばすとおとめ座のスピカに到達するので、この曲線は「春の大曲線」と呼ばれています。
和名は「麦星」。
麦の収穫期に見ごろを迎えることから、この名前がついたとされています。
5位:ベガ(こと座)
夏の夜空で最も明るい星がベガです。
視等級は0.03等で、七夕の「織姫星」として日本人に親しまれています。
名前の由来はアラビア語の「アン=ナスル・アル=ワーキァ(降りる鷲)」。
アラビアでは、ベガと周囲の星を「翼を閉じた鷲」に見立てていたんですね。
わし座のアルタイル(彦星)、はくちょう座のデネブと結ぶと「夏の大三角」が完成します。
6位:カペラ(ぎょしゃ座)
冬の夜空で高い位置に輝く黄色い星。
視等級は0.08等で、北半球では一年を通じて見られる時期が長い星です。
名前はラテン語で「小さな雌ヤギ」を意味します。
ぎょしゃ座の神話では、御者が抱えているヤギの位置に輝いているんですね。
カペラは「冬のダイヤモンド」を構成する星の一つ。
シリウス、リゲル、アルデバラン、ポルックス、プロキオンとともに、冬の夜空を華やかに彩っています。
7位:リゲル(オリオン座)
オリオン座の左足に輝く青白い星。
視等級は0.13等ですが、距離は約860光年もあります。
つまり、リゲルは近くにあるから明るく見えるのではなく、星そのものがとてつもなく明るいということ。
太陽と比べると、なんと約12万倍もの明るさを持つ超巨星なんです。
名前はアラビア語で「巨人の足」を意味します。
8位:プロキオン(こいぬ座)
こいぬ座で唯一の明るい星。
視等級は0.34等で、シリウスとベテルギウスと結ぶ「冬の大三角」の一角を担っています。
名前はギリシャ語で「犬の前」を意味します。
これは、おおいぬ座のシリウスより先に昇ってくることに由来しています。
和名では「色白」とも呼ばれ、シリウスの「青星」と対比されることも。
9位:ベテルギウス(オリオン座)
オリオン座の右肩に輝く赤い星。
視等級は約0.4等ですが、「変光星」なので明るさが変化します。
2019年から2020年にかけて急激に暗くなったことがニュースになりましたね。
「超新星爆発が近いのでは?」と話題になりましたが、現在は元の明るさに戻っています。
名前はアラビア語で「巨人の脇の下」を意味します。
赤色超巨星で、太陽の位置に置くと火星の軌道を超えるほどの大きさがあります。
10位:アケルナル(エリダヌス座)
南天の星で、日本では九州南部でギリギリ見える程度。
視等級は0.46等で、エリダヌス座の「川の果て」に位置しています。
名前もアラビア語で「川の終わり」を意味します。
エリダヌス座は天の川に見立てられた長い星座で、その最南端にこの星があるんですね。
11位:ハダル(ケンタウルス座)
ケンタウルス座の2つ目の1等星。
視等級は0.61等で、リギル・ケンタウルスのすぐ近くに輝いています。
日本からはほぼ見えませんが、南半球では南十字星を見つける際の目印として重要な星です。
12位:アルタイル(わし座)
夏の大三角の一つで、七夕の「彦星」として知られる星。
視等級は0.76等で、ベガ(織姫星)と天の川を挟んで対峙しています。
名前はアラビア語で「飛翔する鷲」を意味します。
ベガが「降りる鷲」、アルタイルが「飛ぶ鷲」で、どちらも鷲に由来しているのは興味深いですね。
和名では「彦星」のほか、平安時代には「犬飼星(いぬかいぼし)」とも呼ばれていました。
13位:アクルックス(みなみじゅうじ座)
南十字星として有名なみなみじゅうじ座の1等星。
視等級は0.76等で、十字の一番下に輝いています。
日本では沖縄や小笠原諸島で、地平線ギリギリに見えることがあります。
オーストラリアやニュージーランドなど南半球では、国旗にも描かれるほど親しまれている星です。
14位:アルデバラン(おうし座)
おうし座の目にあたる位置で、オレンジ色に輝く星。
視等級は0.86等で、「おうしの目が充血しているように見える」と表現されることも。
名前はアラビア語で「後に続くもの」を意味します。
プレアデス星団(すばる)の後を追うように昇ってくることに由来しています。
和名では「後星(あとぼし)」「すばるの後星」と呼ばれていました。
15位:スピカ(おとめ座)
春の夜空で青白く輝く、おとめ座の1等星。
視等級は0.98等で、「真珠星」という美しい和名を持っています。
名前はラテン語で「麦の穂」を意味し、おとめ座の女神が持つ麦の穂先に輝いています。
うしかい座のアルクトゥルスとは「春の夫婦星」と呼ばれることも。
北斗七星から延びる「春の大曲線」の終点にあたります。
16位:アンタレス(さそり座)
夏の夜空で赤く輝く、さそり座の心臓にあたる星。
視等級は1.06等で、変光星のため明るさが変化します。
名前は「アンチ・アレス(火星に対抗するもの)」に由来。
赤く輝く姿が火星と似ているため、古代ギリシャ人は「火星のライバル」と呼んだんですね。
ベテルギウスと並ぶ代表的な赤色超巨星で、太陽の約700倍もの大きさがあります。
17位:ポルックス(ふたご座)
ふたご座の「弟」にあたる星。
視等級は1.14等で、すぐ近くには「兄」のカストル(2等星)が輝いています。
名前はギリシャ神話の双子の片割れに由来。
ポルックスは不死身でしたが、兄カストルを失った悲しみから、神々に願って二人とも星座になったという伝説があります。
面白いことに、2006年には太陽系外惑星が発見されています。
18位:フォーマルハウト(みなみのうお座)
秋の夜空で唯一の1等星。
視等級は1.16等で、「秋のひとつ星」「南の一つ星」とも呼ばれています。
名前はアラビア語で「魚の口」を意味し、みなみのうお座の口元に輝いています。
周囲に明るい星が少ないため、秋の夜空ではひときわ目立つ存在です。
19位:デネブ(はくちょう座)
夏の大三角の一つで、はくちょう座の尾に輝く星。
視等級は1.25等と、1等星の中では控えめな明るさです。
しかし、その実態は驚くべきもの。
地球からの距離は約1400光年もあるのに、これだけ明るく見えるということは、星そのものの明るさがとてつもないということ。
太陽の約20万倍もの明るさを持つ超巨星なんです。
名前はアラビア語で「尾」を意味します。
20位:ミモザ(みなみじゅうじ座)
南十字星の2つ目の1等星。
視等級は1.25等で、十字の左端に輝いています。
正式名称は「ベクルックス」ですが、「ミモザ」という愛称で親しまれています。
日本からはほぼ見えませんが、南半球の夜空では重要な目印となる星です。
21位:レグルス(しし座)
1等星の中で最も暗いのがレグルスです。
視等級は1.40等で、しし座の心臓にあたる位置に輝いています。
名前はラテン語で「小さな王」を意味します。
古代バビロニアでは「王の星」と呼ばれ、王権を象徴する星とされていました。
ちなみに、視等級1.50等のおおいぬ座のアダーラは「1等星に入るかどうかギリギリ」の星。
基準によっては22個目の1等星とされることもあります。
季節ごとの1等星
21個の1等星は、季節によって見えるものが変わります。
日本から見える季節ごとの1等星をまとめてみましょう。
冬(12月〜2月)
冬は1等星の宝庫です。
シリウス、リゲル、ベテルギウス、プロキオン、カペラ、アルデバラン、ポルックスと、なんと7〜8個もの1等星が同時に見られます。
「冬のダイヤモンド」や「冬の大三角」を探してみてください。
春(3月〜5月)
アルクトゥルスとスピカが主役。
北斗七星から「春の大曲線」をたどると、この2つの星を見つけられます。
レグルスも春の宵に見やすい星です。
夏(6月〜8月)
ベガ、アルタイル、デネブの「夏の大三角」が見どころ。
七夕の季節には、織姫(ベガ)と彦星(アルタイル)を探してみましょう。
南の低い空ではアンタレスが赤く輝いています。
秋(9月〜11月)
1等星が少ない季節です。
フォーマルハウトが「秋のひとつ星」として孤独に輝いています。
夏の大三角はまだ見えますが、西の空に傾いていきます。
星の名前の由来
1等星の名前には、主に3つの言語が関係しています。
アラビア語由来
アルタイル、アルデバラン、ベガ、フォーマルハウトなど、「アル」で始まる名前はアラビア語に由来するものが多いです。
中世ヨーロッパで、アラビアの天文学書が翻訳されたときに広まりました。
ギリシャ語・ラテン語由来
シリウス、プロキオン、スピカ、レグルスなどはギリシャ語やラテン語に由来します。
古代ギリシャ・ローマの天文学の影響です。
和名
日本にも独自の星の名前があります。
ベガは「織姫星」、アルタイルは「彦星」、スピカは「真珠星」、アルクトゥルスは「麦星」など、季節や伝説に結びついた美しい名前が残っています。
まとめ
この記事では、全天21個の1等星を明るさ順に紹介しました。
ポイントをおさらい
- 1等星とは視等級1.5等級より明るい星のこと
- 全天で21個しかなく、都会でも見つけやすい
- 最も明るいのはシリウス(マイナス1.46等)
- 最も暗いのはレグルス(1.40等)
- 日本から見えるのは15〜16個
- 冬は1等星が多く、秋は少ない
夜空を見上げたとき、ひときわ明るく輝く星があったら、それはきっと1等星。
この記事を参考に、ぜひ星の名前を当ててみてください。
1等星一覧表
| 順位 | 星名 | 読み方 | 星座 | 視等級 | 色 | 日本から | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | シリウス | しりうす | おおいぬ座 | -1.46 | 青白 | ○ | 全天で最も明るい恒星。冬の大三角 |
| 2 | カノープス | かのーぷす | りゅうこつ座 | -0.74 | 白黄 | △ | 長寿の星。南の地平線近く |
| 3 | リギル・ケンタウルス | りぎる・けんたうるす | ケンタウルス座 | -0.27 | 黄 | × | 太陽系に最も近い恒星系 |
| 4 | アルクトゥルス | あるくとぅるす | うしかい座 | -0.05 | 橙 | ○ | 春の大曲線。和名「麦星」 |
| 5 | ベガ | べが | こと座 | 0.03 | 青白 | ○ | 織姫星。夏の大三角 |
| 6 | カペラ | かぺら | ぎょしゃ座 | 0.08 | 黄 | ○ | 冬のダイヤモンド |
| 7 | リゲル | りげる | オリオン座 | 0.13 | 青白 | ○ | 超巨星。オリオンの左足 |
| 8 | プロキオン | ぷろきおん | こいぬ座 | 0.34 | 白黄 | ○ | 冬の大三角 |
| 9 | ベテルギウス | べてるぎうす | オリオン座 | 0.4前後 | 赤 | ○ | 変光星。赤色超巨星 |
| 10 | アケルナル | あけるなる | エリダヌス座 | 0.46 | 青白 | △ | 川の果ての星 |
| 11 | ハダル | はだる | ケンタウルス座 | 0.61 | 青白 | × | 南十字星の目印 |
| 12 | アルタイル | あるたいる | わし座 | 0.76 | 白 | ○ | 彦星。夏の大三角 |
| 13 | アクルックス | あくるっくす | みなみじゅうじ座 | 0.76 | 青白 | △ | 南十字星 |
| 14 | アルデバラン | あるでばらん | おうし座 | 0.86 | 橙 | ○ | おうしの目。冬のダイヤモンド |
| 15 | スピカ | すぴか | おとめ座 | 0.98 | 青白 | ○ | 真珠星。春の大曲線 |
| 16 | アンタレス | あんたれす | さそり座 | 1.06 | 赤 | ○ | 火星のライバル。変光星 |
| 17 | ポルックス | ぽるっくす | ふたご座 | 1.14 | 橙 | ○ | 双子の弟。冬のダイヤモンド |
| 18 | フォーマルハウト | ふぉーまるはうと | みなみのうお座 | 1.16 | 白 | ○ | 秋のひとつ星 |
| 19 | デネブ | でねぶ | はくちょう座 | 1.25 | 白 | ○ | 夏の大三角。超遠方の超巨星 |
| 20 | ミモザ | みもざ | みなみじゅうじ座 | 1.25 | 青白 | △ | 南十字星 |
| 21 | レグルス | れぐるす | しし座 | 1.40 | 青白 | ○ | 小さな王。1等星で最も暗い |
凡例
○:日本全国で見える
△:南日本で条件が良ければ見える
×:日本からはほぼ見えない
参考情報
視等級のデータはSIMBAD天文データベースおよびヒッパルコス星表に基づいています。
なお、変光星(ベテルギウス、アンタレスなど)の等級は変動するため、おおよその値を記載しています。


コメント