夜空を見上げると、星が散りばめられた「天の川」が見えることがありますよね。
実はあれ、私たちが住んでいる銀河を内側から見た姿なんです。
宇宙には、そんな銀河が2000億〜2兆個もあると推定されています。
想像もつかない数ですが、それぞれに個性があって、渦を巻くもの、卵型のもの、形が崩れたものなど、バリエーションは実にさまざま。
この記事では、銀河の種類と分類方法、そして有名な銀河たちを一覧で紹介します。
宇宙のスケールの大きさを感じながら、読み進めてみてください。
銀河とは?
銀河とは、数億〜数兆個の恒星、ガス、塵(ちり)、そしてダークマター(暗黒物質)が重力で結びついた巨大な天体システムのことです。
私たちの太陽系は「天の川銀河(銀河系)」に属していて、太陽はその中の約2000億〜4000億個ある星のひとつにすぎません。
銀河の直径は、小さいものでも数千光年、大きいものだと数十万光年にも及びます。
ちなみに「光年」とは、光が1年間に進む距離のこと。
約9兆4600億kmです。
つまり銀河というのは、私たちの想像をはるかに超えるスケールの構造物なんですね。
銀河の分類方法(ハッブル分類)
銀河の分類で最も有名なのが、天文学者エドウィン・ハッブルが1926年に提唱した「ハッブル分類」です。
その形が音叉(おんさ)に似ていることから、「ハッブルの音叉図」とも呼ばれています。
ハッブル分類では、銀河を大きく以下の4種類に分けます。
渦巻銀河(Spiral Galaxy)
宇宙で最も一般的なタイプで、全体の60〜70%を占めると言われています。
円盤状の構造を持ち、中心のバルジ(膨らみ)から渦状の腕が伸びているのが特徴。
渦巻の腕には若い青白い星やガス雲が集中していて、活発に新しい星が生まれています。
私たちの天の川銀河やアンドロメダ銀河がこのタイプ。
さらに、中心に棒状の構造を持つものは「棒渦巻銀河(Barred Spiral Galaxy)」と呼ばれ、天の川銀河もこれに分類されます。
楕円銀河(Elliptical Galaxy)
丸みを帯びた卵型やラグビーボールのような形をした銀河です。
全体の約10〜15%を占めています。
渦巻銀河と違って、明確な構造がなく、古い赤っぽい星が多いのが特徴。
ガスや塵が少ないため、新しい星はほとんど生まれていません。
宇宙最大級の銀河は、この楕円銀河に属することが多いです。
複数の銀河が衝突・合体してできたと考えられています。
レンズ状銀河(Lenticular Galaxy)
渦巻銀河と楕円銀河の中間的な存在です。
円盤状の構造を持っていますが、渦巻の腕がありません。
ソンブレロ銀河がこのタイプの代表例。
渦巻銀河が進化した姿ではないかとも言われています。
不規則銀河(Irregular Galaxy)
上記のどれにも当てはまらない、不定形の銀河です。
他の銀河との重力相互作用や衝突によって形が乱れたケースが多いとされています。
天の川銀河の伴銀河である大マゼラン雲・小マゼラン雲がこのタイプ。
ガスが豊富で、活発に星が生まれている銀河も多いです。
有名な銀河の紹介
宇宙には数え切れないほどの銀河がありますが、その中でも特に有名なものを紹介します。
天の川銀河(Milky Way)
私たちの太陽系がある銀河です。
直径は約10万光年、恒星の数は2000億〜4000億個と推定されています。
棒渦巻銀河に分類され、4本の主要な渦巻腕を持っています。
中心には「いて座A*(エースター)」と呼ばれる超大質量ブラックホールがあり、その質量は太陽の約400万倍。
夜空に見える淡い光の帯が、銀河円盤を内側から見た姿です。
「天の川」という名前の由来ですね。
アンドロメダ銀河(M31)
地球から約250万光年離れた、局所銀河群で最大の銀河です。
直径は約22万光年で、天の川銀河の約2倍。
肉眼でも見える銀河のひとつで、秋の夜空でアンドロメダ座の方向にぼんやりとした光として観測できます。
約1兆個の恒星を含むと推定されています。
興味深いことに、アンドロメダ銀河は秒速約120kmで天の川銀河に接近中。
約45億年後には衝突・合体すると予測されています。
さんかく座銀河(M33)
局所銀河群で3番目に大きな銀河で、地球から約290万光年の距離にあります。
直径は約6万光年で、天の川銀河の約半分ほど。
アンドロメダ銀河の衛星銀河の可能性があり、過去に重力的な相互作用があったと考えられています。
条件が良ければ肉眼でも観測できる、最も遠い天体のひとつです。
子持ち銀河(M51 / Whirlpool Galaxy)
りょうけん座にある渦巻銀河で、地球から約2300万光年離れています。
「渦巻銀河」として初めて認識された銀河として歴史的にも重要。
特徴的なのは、小さな伴銀河NGC 5195と相互作用している姿。
2つの銀河が絡み合うように見える美しい構造は、天体写真の人気被写体です。
ソンブレロ銀河(M104)
おとめ座にある銀河で、地球から約3100万光年の距離にあります。
メキシコの帽子「ソンブレロ」に似た独特の形状が名前の由来。
中央の大きなバルジと、それを取り囲むダストレーンが特徴的です。
分類上は議論があり、レンズ状銀河とも渦巻銀河とも言われています。
黒眼銀河(M64 / Black Eye Galaxy)
かみのけ座にある渦巻銀河で、地球から約1700万〜2400万光年離れています。
核の前面にある暗い塵の帯が、まるで「黒い目」のように見えることからこの名前がつきました。
この銀河には不思議な特徴があります。
内側と外側のガスが逆方向に回転しているんです。
過去に別の銀河を吸収した証拠と考えられています。
大マゼラン雲(LMC)
天の川銀河の衛星銀河で、地球から約16万光年の距離にあります。
南半球から肉眼で観測できる、最も明るい銀河のひとつ。
不規則銀河に分類されますが、棒状構造と1本の渦巻腕の痕跡があり、かつては渦巻銀河だったと考えられています。
1987年にはこの銀河内で超新星SN 1987Aが観測され、近代天文学に大きな貢献をしました。
小マゼラン雲(SMC)
大マゼラン雲の近くにある、もうひとつの衛星銀河です。
地球から約20万光年離れており、こちらも南半球から肉眼で観測できます。
天文学者ヘンリエッタ・リービットがこの銀河のセファイド変光星を研究し、宇宙の距離測定に革命をもたらしました。
銀河の種類と特徴一覧表
| 種類 | 特徴 | 全体に占める割合 | 代表例 |
|---|---|---|---|
| 渦巻銀河 | 円盤状で渦巻腕を持つ。若い星が多く、活発に星が生まれている | 約60〜70% | 天の川銀河、アンドロメダ銀河 |
| 棒渦巻銀河 | 渦巻銀河の一種で、中心に棒状構造がある | 渦巻銀河の約2/3 | 天の川銀河、NGC 1300 |
| 楕円銀河 | 卵型やラグビーボール型。古い星が多く、新しい星は少ない | 約10〜15% | M87、NGC 4889 |
| レンズ状銀河 | 渦巻と楕円の中間。円盤はあるが腕がない | 約20% | ソンブレロ銀河(M104) |
| 不規則銀河 | 不定形。他銀河との相互作用で形が乱れたもの | 約5〜10% | 大マゼラン雲、小マゼラン雲 |
有名な銀河一覧表
| 名前 | カタログ番号 | 種類 | 地球からの距離 | 直径 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| 天の川銀河 | — | 棒渦巻銀河 | 0(私たちの銀河) | 約10万光年 | 太陽系がある銀河。中心に超大質量ブラックホール |
| アンドロメダ銀河 | M31 | 渦巻銀河 | 約250万光年 | 約22万光年 | 局所銀河群最大。肉眼で見える |
| さんかく座銀河 | M33 | 渦巻銀河 | 約290万光年 | 約6万光年 | 局所銀河群で3番目に大きい |
| 子持ち銀河 | M51 | 渦巻銀河 | 約2300万光年 | 約7万7000光年 | 伴銀河との相互作用が有名 |
| ソンブレロ銀河 | M104 | レンズ状銀河 | 約3100万光年 | 約5万〜10万光年 | 帽子のような独特の形状 |
| 黒眼銀河 | M64 | 渦巻銀河 | 約1700万〜2400万光年 | 約7万光年 | 内外でガスが逆回転 |
| 回転花火銀河 | M101 | 渦巻銀河 | 約2100万光年 | 約17万光年 | 天の川銀河の約2倍の直径 |
| 大マゼラン雲 | LMC | 不規則銀河 | 約16万光年 | 約3万2000光年 | 天の川の衛星銀河。南半球で肉眼可 |
| 小マゼラン雲 | SMC | 不規則銀河 | 約20万光年 | 約7000光年 | セファイド変光星の研究で有名 |
| ひまわり銀河 | M63 | 渦巻銀河 | 約2900万光年 | 約9万8000光年 | ひまわりのような多数の腕 |
| おおぐま座の車輪銀河 | M81 | 渦巻銀河 | 約1200万光年 | 約9万光年 | グランドデザイン渦巻銀河 |
| 葉巻銀河 | M82 | 不規則銀河 | 約1200万光年 | 約3万7000光年 | 活発なスターバースト銀河 |
| ケンタウルス座A | NGC 5128 | 楕円銀河 | 約1200万光年 | 約6万光年 | 電波銀河として有名 |
| おとめ座A | M87 | 楕円銀河 | 約5300万光年 | 約13万光年 | 初めてブラックホール画像が撮影された銀河 |
| 車輪銀河 | — | 環状銀河 | 約5億光年 | 約15万光年 | 衝突でできたリング構造 |
宇宙にある銀河の数
2016年の研究によると、観測可能な宇宙には少なくとも約2兆個の銀河があると推定されています。
これは、それ以前の推定値(約2000億個)の10倍にあたります。
ただし、最近の夜空の暗さを測定した研究では、2兆個は多すぎるという指摘も。
現在の推定では、1000億〜2兆個の間とされており、正確な数はまだ確定していません。
いずれにしても、私たちの太陽は数千億の星のうちの1つで、その銀河も宇宙に無数にある銀河のひとつにすぎないということ。
宇宙の広大さを考えると、気が遠くなりますね。
まとめ
- 銀河は、恒星・ガス・塵・ダークマターが重力で結びついた巨大な天体システム
- ハッブル分類では、渦巻銀河・楕円銀河・レンズ状銀河・不規則銀河の4種類に分けられる
- 私たちの天の川銀河は棒渦巻銀河に分類され、約2000億〜4000億個の恒星を含む
- アンドロメダ銀河は局所銀河群最大で、約45億年後に天の川銀河と衝突する見込み
- 宇宙には1000億〜2兆個の銀河があると推定されている
宇宙にはまだまだ未解明の銀河がたくさんあります。
今後の観測技術の進歩で、さらに多くの銀河の姿が明らかになるかもしれませんね。


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