PDFに目次のような「しおり」があると、とっても便利ですよね。
クリック一つで目的のページにジャンプできるので、長い文書も快適に閲覧できます。
この記事では、Adobeでしおりを作成する方法から表示・編集・活用テクニックまで、初心者にもわかりやすく解説していきます。
PDFの「しおり」とは

PDFの「しおり」(ブックマーク)は、書籍の目次のような機能です。
しおりパネルに表示される項目をクリックすると、該当するページに瞬時にジャンプできます。
取扱説明書、技術文書、論文、報告書など、ページ数が多い文書で特に威力を発揮するんです。
しおりの主な役割
ナビゲーション機能
長い文書内を素早く移動できます。
何ページもめくらずに、読みたい章や節にダイレクトアクセス可能です。
文書構造の可視化
章、節、小節といった階層構造を一目で把握できます。
文書全体の構成を常に確認しながら読み進められるんです。
閲覧効率の向上
必要な情報を探す時間が大幅に短縮されます。
特に画面で読むときには必須の機能といえます。
しおりと目次の違い
目次は紙の本用で、ページ番号が書かれています。
しおりは画面閲覧用で、クリックで直接移動できるリンクです。
役割は似ていますが、使用する場面が違うんです。
しおりを表示する方法
まずは、PDFに既に設定されているしおりを表示する方法です。
Adobe Acrobat/Readerでの表示方法
方法1:アイコンをクリック
- PDFを開く
- 左側のツールバーにある「しおり」アイコン(リボンマーク)をクリック
しおりパネルが開いて、登録されているしおりが一覧表示されます。
方法2:メニューから開く
- 「表示」メニューをクリック
- 「表示切り替え」→「ナビゲーションパネル」→「しおり」を選択
ショートカット(バージョンによる)
一部のバージョンではF4キーでしおりパネルを開閉できます。
しおりパネルの見方
階層構造
しおりは親子関係で階層化されています。
大見出しの下に中見出し、その下に小見出しが入れ子になっています。
展開と折りたたみ
左側の「▶」または「v」をクリックすると、下位階層を表示/非表示できます。
クリックで移動
しおりの項目をクリックすると、該当ページにジャンプします。
しおりを作成する方法
Adobe Acrobat Pro/DCでは、自分でしおりを追加できます。
重要な注意点
無料版のAdobe Acrobat Readerでは、しおりの作成・編集はできません。
Acrobat Pro、Acrobat DC、Acrobat Standardなど有料版が必要です。
方法1:手動で一つずつ作成
最も基本的な方法です。
手順(テキストを選択しない場合)
- しおりのリンク先にしたいページを開く
- 表示位置や倍率を調整(このとき閲覧者に見せたい状態にする)
- 左側の「しおり」パネルを開く
- パネル上部の「新規しおり」アイコン(+マーク)をクリック
- 「無題」と表示されるので、しおりの名前を入力
- Enterキーを押して確定
これで新しいしおりが作成されます。
手順(テキストを選択する場合)
- しおりに設定したいページを開く
- 「選択ツール」を使って、見出しなどのテキストをドラッグして選択
- 右クリック→「しおりを追加」を選択
- 選択したテキストが自動的にしおりの名前になります
この方法なら、いちいち名前を入力する手間が省けて便利です。
ショートカットキー
Ctrl + B(Mac: Cmd + B)で、現在のページに新規しおりを作成できます。
テキスト選択中にこのショートカットを使うと、選択テキストが名前になります。
方法2:WordやPowerPointから自動生成
Office文書からPDFを作成するときに、しおりを自動生成できます。
Wordの場合
前提条件
文書内で「見出しスタイル」(見出し1、見出し2、見出し3など)を使っていること。
手順
- Wordで文書を開く
- 「ファイル」→「名前を付けて保存」
- ファイル形式で「PDF」を選択
- 「オプション」ボタンをクリック
- 「次を使用してブックマークを作成」にチェック
- 「見出し」が選択されていることを確認
- 「OK」→「保存」
見出しスタイルが自動的にしおりに変換されます。
PowerPointの場合
手順
- PowerPointでプレゼンテーションを開く
- 「ファイル」→「名前を付けて保存」
- ファイル形式で「PDF」を選択
- 「オプション」ボタンをクリック
- 「ブックマークを作成する」にチェック
- 「OK」→「保存」
各スライドのタイトルが、自動的にしおりとして登録されます。
注意点
通常の「名前を付けて保存」やブラウザの「印刷→PDF」では、しおりは作成されません。
必ず「オプション」から設定する必要があります。
方法3:Acrobatリボンから作成(Word)
Acrobat ProをインストールすとWordにリボンが追加されます。
手順
- Wordの「Acrobat」タブをクリック
- 「環境設定」をクリック
- 「しおり」タブを選択
- 「Wordスタイルをブックマークに変換」にチェック
- しおりにしたいスタイル(見出し1、見出し2など)を選択
- 「OK」をクリック
- Acrobatリボンの「PDFを作成」ボタンをクリック
この方法なら、どのスタイルをしおりに変換するか細かく設定できます。
方法4:構造から自動生成(タグ付きPDF)
構造化されたPDF(タグ付きPDF)の場合、構造情報からしおりを自動生成できます。
手順
- しおりパネルを開く
- パネル右上のオプションメニュー(三本線)をクリック
- 「構造から新規しおりを作成」を選択
この機能は、InDesignやFrameMakerなどで作成されたタグ付きPDFで使えます。
注意
この項目がグレーアウトしている場合、そのPDFは構造化されていません。
しおりの階層構造を作る
階層的に整理されたしおりを作ると、より使いやすくなります。
親子関係の設定方法
ドラッグ&ドロップで階層化
- 子しおりにしたい項目をドラッグ
- 親にしたいしおりの上に移動
- 水平線が表示され、その長さで階層レベルがわかります
- 適切な位置でドロップ
水平線が長いほど上位階層、短いほど下位階層になります。
作成時に階層化
- 親しおりを選択した状態で
- 「新規しおり」をクリック
- 親の下に子しおりが作成されます
階層の例
第1章 はじめに (親)
1.1 背景 (子)
1.2 目的 (子)
第2章 方法 (親)
2.1 実験方法 (子)
2.1.1 準備 (孫)
2.1.2 実施 (孫)
2.2 分析方法 (子)
第3章 結果 (親)
このように、章→節→項と階層化すると文書構造が一目瞭然です。
しおりを編集する方法
作成したしおりは後から編集できます。
しおりの名前を変更
方法1:ゆっくりダブルクリック
- しおりをゆっくり2回クリック(クリック→少し待つ→クリック)
- 編集可能になるので、新しい名前を入力
- Enterキーで確定
方法2:右クリックメニュー
- しおりを右クリック
- 「名前を変更」を選択
- 新しい名前を入力
しおりの移動先を変更
手順
- しおりを選択
- PDFで新しいリンク先のページに移動
- 表示位置や倍率を調整
- しおりを右クリック
- 「移動先を設定」を選択
これで、そのしおりは新しいページにリンクされます。
しおりの順番を入れ替え
ドラッグ&ドロップで自由に並べ替えできます。
しおりの外観を変更
しおりの見た目をカスタマイズできます。
手順
- しおりを右クリック
- 「プロパティ」を選択
- 「表示方法」タブで以下を設定:
- フォントスタイル(標準/太字/斜体/太字斜体)
- 文字の色
背景色が黒い場合に白い文字にするなど、視認性を高められます。
しおりを削除
単一のしおり削除
- 削除したいしおりを選択
- Deleteキーを押す
または右クリック→「削除」
階層全体を削除
- 親しおりを右クリック
- 「しおりとその子を削除」を選択
子しおりも含めてまとめて削除されます。
PDFを開いたときにしおりを表示する設定
しおりがあることを閲覧者に知らせる設定です。
手順
- 「ファイル」→「プロパティ」(またはCtrl + D / Cmd + D)
- 「開き方」タブを選択
- 「レイアウトと倍率」セクションで:
- 「表示」を「しおりパネルとページ」に変更
- 「ページレイアウト」を「単一ページ」に設定(推奨)
- 「倍率」を「全体表示」または「ページ幅に合わせる」に設定(推奨)
- 「OK」をクリック
- PDFを保存
次回からこのPDFを開くと、しおりパネルが自動的に表示されます。
しおりの高度な活用テクニック
しおりには、ページ移動以外の機能も設定できます。
Webページを開くリンク
手順
- しおりを右クリック→「プロパティ」
- 「アクション」タブを選択
- 「アクションを選択」で「Webリンクを開く」を選択
- 「追加」をクリック
- URLを入力
- 「OK」
このしおりをクリックすると、ブラウザでWebページが開きます。
別のPDFファイルを開く
参考資料や関連文書へのリンクを設定できます。
手順
- しおりを右クリック→「プロパティ」
- 「アクション」タブ
- 「アクションを選択」で「ファイルを開く」を選択
- 「追加」→対象ファイルを選択
その他の設定可能なアクション
- サウンドや動画の再生
- JavaScriptの実行
- フォームデータのクリアや読み込み
高度な使い方では、インタラクティブなPDFを作成できます。
よくあるトラブルと解決法
しおりが作成できない
原因1:無料版を使っている
Adobe Acrobat Readerでは作成できません。
Acrobat Pro/DC(有料版)が必要です。
原因2:PDFが保護されている
編集制限がかかっているPDFでは、しおりを追加できません。
パスワードを持っている人に解除してもらう必要があります。
解決法
「ファイル」→「プロパティ」→「セキュリティ」タブで確認できます。
Officeからの自動生成がうまくいかない
原因:見出しスタイルを使っていない
Wordで手動でフォントサイズを大きくしただけでは、しおりは生成されません。
必ず「見出し1」「見出し2」などの見出しスタイルを使ってください。
確認方法
Wordで見出しをクリック→「ホーム」タブのスタイルギャラリーで「見出し1」などが選択されているか確認
しおりが表示されない
PDFを開いても、しおりパネルが見えない場合:
解決法1:手動で表示
左側の「しおり」アイコンをクリック
解決法2:そもそもしおりが存在しない
しおりパネルを開いて空白なら、PDFにしおりが設定されていません。
解決法3:初期表示設定
「ファイル」→「プロパティ」→「開き方」で設定(上記参照)
しおりの名前が文字化けする
原因:特殊文字やフォントの問題
使用しているフォントが埋め込まれていない可能性があります。
解決法
しおりの名前を編集して、標準的な文字のみに変更
階層構造がうまく作れない
原因:ドラッグ位置がずれている
ドラッグ中に表示される水平線の長さに注目してください。
コツ
- マウスを少しずつ動かして、目的の階層レベルの線を表示
- 線が表示されたら、すぐにドロップせず位置を確認
- 適切な位置でゆっくりドロップ
しおりを効果的に使うコツ
適切な粒度で作る
多すぎる例(NG)
全ページにしおりを作ると、かえって見づらくなります。
適切な例(OK)
- 長い文書:章と節レベル
- 中程度の文書:主要な章のみ
- 短い文書:主要なセクションのみ
わかりやすい名前をつける
わかりにくい例(NG)
- 「その1」「その2」
- 「aa」「bb」
- ページ番号だけ
わかりやすい例(OK)
- 「第1章 研究の背景」
- 「2. 実験方法」
- 「Q&A:よくある質問」
複数ファイルをまとめるときの活用
Acrobatの「ファイルを結合」機能を使うとき、自動的にしおりも作成できます。
手順
- 「ファイル」→「作成」→「ファイルを単一のPDFに結合」
- ファイルを追加
- オプションで「Adobe PDFに常にしおりを追加」にチェック
- 「結合」をクリック
各ファイルの先頭ページに、ファイル名のしおりが自動作成されます。
まとめ
Adobe PDFの「しおり」について、重要なポイントをまとめます。
- しおりはPDFの目次機能で、クリックでページ移動できる
- 長い文書では必須の機能で、閲覧効率が大幅に向上
- 表示するには左側の「しおり」アイコンをクリック
- 作成にはAdobe Acrobat Pro/DC(有料版)が必要
- 手動作成は「新規しおり」から、テキスト選択で名前を自動入力
- WordやPowerPointから自動生成が便利(見出しスタイル使用時)
- ドラッグ&ドロップで階層構造を作成・並べ替え可能
- 名前変更、移動先変更、外観変更、削除など編集も自由
- 「開き方」で初期表示をしおりパネル付きに設定できる
- Webページへのリンクなど高度な機能も設定可能
しおり機能は、PDFを「ただの文書」から「快適に閲覧できる文書」に変える強力なツールです。
特に、取扱説明書、技術仕様書、学術論文、報告書など、ページ数が多く繰り返し参照する文書では、しおりの有無で使い勝手が大きく変わります。
作成者側の手間は少しかかりますが、閲覧者の利便性が飛躍的に向上するので、ぜひ活用してください。
最初は手動作成から始めて、慣れてきたらOfficeからの自動生成や階層構造の活用にチャレンジしてみましょう!


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