「Adobe Creative Cloudの法人向けプランって、どれを選べばいいの?」
そんな疑問を持ったことはありませんか?
実はAdobe Creative Cloudの法人向けプランには「グループ版」と「エンタープライズ版」の2種類があるんです。
この記事では、大規模組織向けに設計された「エンタープライズ版」について、グループ版との違いや主な機能をわかりやすく解説していきます。
Adobe エンタープライズ版とは

Adobe エンタープライズ版は、Adobe Creative Cloudの法人向けプランの中でも大規模組織向けに設計された最上位プランです。
50名以上の企業や組織での利用を想定して作られており、グループ版の全機能に加えて、より高度なセキュリティ機能、柔軟なライセンス管理、充実したサポート体制が用意されています。
PhotoshopやIllustrator、Premiere Proなど、20種類以上のクリエイティブアプリケーションを組織全体で効率的に運用できるのが特徴です。
簡単に言えば「会社の規模が大きくなって、ライセンス管理やセキュリティをもっとしっかりしたい」という企業向けのプランなんですね。
グループ版との主な違い
エンタープライズ版とグループ版、何が違うのでしょうか?
実は機能面ではほぼ同じなのですが、管理・セキュリティ・サポートの部分で大きな差があります。
対象となる組織規模
グループ版は2〜50名程度の中小規模組織向けです。
一方、エンタープライズ版は50名以上の大規模組織を想定しています。
もちろん50名以下でもエンタープライズ版を選ぶことはできますが、料金が個別見積もりになるため、コスト面ではグループ版の方がお得なことが多いんです。
サポート体制の違い
グループ版は、Adobeの製品エキスパートとの1対1セッション(エキスパートセッション)を年2回まで利用できます。
エンタープライズ版では、このエキスパートセッションが回数無制限になります。
何か困ったことがあればいつでも専門家に相談できるので、大人数で利用する組織には安心ですよね。
24時間365日のテクニカルサポートも、エンタープライズ版では優先的に対応してもらえます。
セキュリティ機能
グループ版でも通信データの暗号化は行われていますが、エンタープライズ版では保管データの暗号化にも対応しています。
さらに、シングルサインオン(SSO)やFederated IDといった、企業単位でのID管理機能も利用可能です。
「社員が退職したときに、その人のアカウントをすぐに無効化したい」といったケースでも、管理者が一元的にコントロールできます。
ライセンス管理の柔軟性
エンタープライズ版では、管理者を階層的に設定できます。
例えば「システム管理者」「部署ごとのグループ管理者」「サポート管理者」といった形で、役割に応じた権限を細かく設定可能です。
大規模組織では部署ごとに管理を分担したいことも多いので、この機能は重宝します。
エンタープライズ版の主な機能
エンタープライズ版で使える主な機能をまとめてみました。
クリエイティブアプリ
20種類以上のAdobe Creative Cloudアプリが利用できます。
- Photoshop(画像編集)
- Illustrator(ベクターグラフィック)
- Premiere Pro(動画編集)
- After Effects(モーショングラフィックス)
- InDesign(ページレイアウト)
- Acrobat Pro(PDF編集)
など、業界標準のツールが揃っています。
クラウドストレージ
1ユーザーあたり1TBのクラウドストレージが提供されます。
組織レベルでプール(共有)されるので、必要に応じて柔軟に配分できます。
クラウドドキュメントは180日間のバージョン履歴が保存されるので、「間違えて上書きしちゃった!」というときも安心です。
Admin Console
webベースの管理画面「Admin Console」で、すべてのライセンスを一元管理できます。
新しい社員が入社したらライセンスを割り当て、退職したら回収する——こうした作業がすべてオンラインで完結します。
請求も一つの契約にまとめられるので、経理処理もシンプルになりますね。
Adobe Stock(プランによる)
一部のエンタープライズ版プラン(Edition 4など)では、Adobe Stockの通常アセットが無制限でダウンロードできます。
ロイヤリティフリーの画像、動画、テンプレート、3Dアセットなど、3億7,500万点以上の素材がCreative Cloudアプリ内から直接利用可能です。
制作スピードが格段に上がるので、コンテンツを大量に作る必要がある企業には嬉しい機能です。
Firefly生成AIクレジット
Adobe Fireflyは、Adobeが開発した生成AIです。
エンタープライズ版では、ユーザー1人あたり毎月700〜1,500クレジットの生成AIクレジットが付与されます(プランによって異なります)。
画像生成や背景削除、テキストエフェクトなど、AI機能をフル活用できます。
さらに、特定のワークフローで生成されたコンテンツにはIP補償(知的財産保証)が付いています。
「AIで作った画像が著作権侵害になったらどうしよう…」という心配がなく、安心してビジネスに使えるんです。
無償メンバーシップ
エンタープライズ版を契約すると、ライセンスを持っていない社員も一部機能を無償で利用できます。
具体的には:
- Creative Cloudライブラリの閲覧
- Adobe Fontsの利用
- Acrobatオンラインサービス
- InDesignやXDファイルの閲覧・コメント
制作部門以外の人も、ファイルの確認やフィードバックができるようになるわけですね。
チーム全体のコラボレーションが円滑になります。
どんな企業に向いている?

エンタープライズ版は、こんな企業に特におすすめです。
50名以上の大規模組織
社員数が多いと、ライセンス管理が煩雑になりがちです。
エンタープライズ版なら階層的な管理機能とAdmin Consoleで、スムーズに運用できます。
セキュリティを重視する企業
金融、医療、官公庁など、情報セキュリティが特に重要な業種では、SSOや保管データの暗号化が必須要件になることも。
エンタープライズ版ならこれらの機能が標準で使えます。
コンテンツを大量に制作する企業
広告代理店、メディア企業、ECサイト運営など、日々大量のビジュアルコンテンツを作る必要がある企業では、Adobe Stock無制限プランが威力を発揮します。
専門的なサポートが必要な企業
「Adobeツールを使いこなしたいけど、社内にノウハウがない」という場合、無制限のエキスパートセッションは心強い味方になります。
プラン比較一覧表
| 項目 | 個人版 | グループ版 | エンタープライズ版 |
|---|---|---|---|
| 対象規模 | 個人 | 2〜50名程度 | 50名以上 |
| ライセンス所有 | 個人 | 企業 | 企業 |
| クラウドストレージ | 100GB | 1TB/ユーザー | 1TB/ユーザー |
| Admin Console | なし | あり | あり |
| エキスパートセッション | なし | 年2回/ユーザー | 無制限 |
| 24/7サポート | なし | あり | あり(優先対応) |
| SSO | なし | なし | あり |
| 保管データ暗号化 | なし | なし | あり |
| 階層的管理者設定 | なし | 限定的 | あり |
| 無償メンバーシップ | なし | なし | あり |
| 料金 | 月額固定 | 月額固定 | 個別見積もり |
まとめ
Adobe エンタープライズ版について、重要なポイントをおさらいしましょう。
- 大規模組織向けの最上位プランで、50名以上の企業に最適
- グループ版の全機能に加え、高度なセキュリティ・管理機能・充実したサポートを提供
- 無制限のエキスパートセッションでいつでも専門家に相談可能
- SSO、保管データ暗号化などエンタープライズグレードのセキュリティ
- Adobe Stock無制限やFirefly AI機能でコンテンツ制作を加速(プランによる)
- 料金は個別見積もりで、組織の規模や要件に応じて変動
「会社の規模が大きくなってきた」「セキュリティをもっと強化したい」「専門的なサポートが欲しい」——そんな企業には、エンタープライズ版が心強い選択肢になります。
ただし、中小規模の組織であればグループ版でも十分な機能が揃っているので、自社の規模や要件に合わせて選ぶのが賢明です。
迷ったときは、Adobeの営業担当者に相談して見積もりを取ってみるといいでしょう。

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