「メニューの小さい文字が読めない」「薬の説明書きが見えにくい」――そんな経験はありませんか?
実は、iPhoneには虫眼鏡のように使える「拡大鏡」アプリが標準で搭載されています。この機能を使えば、小さな文字も大きくはっきり見られるんです。この記事では、拡大鏡の使い方から便利な機能、活用シーンまで、分かりやすく解説していきます。
iPhoneの拡大鏡とは?

拡大鏡は、iPhoneのカメラを使って近くのものを拡大表示できる機能です。
実際の虫眼鏡のように、小さな文字や物を大きく映し出せます。iOS 15以降では独立したアプリとして使えるようになり、さらに便利になりました。
拡大鏡でできること:
- 小さな文字を拡大して読む
- 明るさやコントラストを調整する
- カラーフィルターをかけて見やすくする
- フラッシュライトで照らす
- 画面を一時的に固定して保存する
- テキストを読み上げる(iOS 15以降)
拡大鏡の起動方法
拡大鏡を開く方法はいくつかあります。自分に合った方法を選びましょう。
方法1:アプリから起動する
手順:
- ホーム画面を下にスワイプして検索バーを表示
- 「拡大鏡」と入力
- 表示されたアプリアイコンをタップ
または、Appライブラリから起動することもできます。
- ホーム画面を右にスワイプして最も右端まで進む
- 「Appライブラリ」が表示される
- 「ユーティリティ」フォルダ内にある「拡大鏡」をタップ
拡大鏡アプリをホーム画面に追加しておくと、すぐにアクセスできて便利です。
方法2:ショートカットで起動する(おすすめ)
サイドボタンを3回押すだけで拡大鏡を起動できるショートカットを設定できます。
設定方法:
- 「設定」アプリを開く
- 「アクセシビリティ」をタップ
- 「ショートカット」をタップ
- 「拡大鏡」を選択
これで、サイドボタン(Face ID搭載モデル)またはホームボタン(ホームボタン搭載モデル)を3回押すだけで、拡大鏡が起動します。
方法3:Siriに頼む
「Hey Siri、拡大鏡を開いて」と話しかけるだけでも起動できます。
方法4:アクションボタンで起動する(iPhone 15 Pro以降)
iPhone 15 ProまたはiPhone 15 Pro Maxをお使いの場合、アクションボタンをカスタマイズして拡大鏡を割り当てられます。
拡大鏡の基本的な使い方
拡大鏡の基本操作はとてもシンプルです。
拡大・縮小する
拡大鏡を起動すると、カメラの映像が表示されます。
画面下部にあるスライダーを左右にドラッグすることで、拡大・縮小できます。
- 右にドラッグ(+側):拡大
- 左にドラッグ(−側):縮小
見たいものにカメラを向けて、スライダーで好みの大きさに調整しましょう。
フリーズフレーム(画面を固定)
手が震えて見づらい時や、じっくり見たい時に便利な機能です。
使い方:
画面中央にある大きな丸いボタン(シャッターボタン)をタップすると、画面が固定されます。
固定した画面でも、スライダーで拡大・縮小できます。もう一度ボタンをタップすると、ライブ表示に戻ります。
注意点:
フリーズフレームで撮った画像は、写真アプリには自動保存されません。保存したい場合は、画面を長押しして「イメージを保存」を選択してください。
見やすくする便利な機能
拡大鏡には、見やすさを向上させる機能がたくさんあります。
フラッシュライトで照らす
暗い場所で使う時に便利です。
スライダーの下にあるフラッシュライトボタンをタップすると、iPhoneのライトが点灯します。
明るさを調整する
明るさボタン(太陽のマーク)をタップすると、スライダーが表示されます。
左右にドラッグして、画面の明るさを調整できます。
コントラストを調整する
コントラストボタン(半分に分かれた円のマーク)をタップすると、スライダーが表示されます。
コントラストを上げると、文字と背景の差がはっきりして読みやすくなります。
カラーフィルターを使う
視覚特性に合わせて色を変更できます。
フィルターボタン(3つの重なった円)をタップすると、さまざまなフィルターが表示されます。
利用可能なフィルター:
- グレイスケール(白黒)
- 赤/黒
- 黄/黒
- 黄/青
- 青/黄
- 白/青
- 反転
- 反転グレイスケール
- その他
左右にスワイプしてフィルターを切り替え、自分に合ったものを選びましょう。
テキストの読み上げ機能(iOS 15以降)
拡大鏡には、画面に映っているテキストを読み上げてくれる機能もあります。
使い方:
- 拡大鏡でテキストを映す
- フリーズフレームで画面を固定
- テキストが検出されると、リーダーボタンが表示される
- リーダーボタンをタップすると、読みやすく整形されたテキストが表示される
- 読み上げボタンをタップすると、テキストが音声で読み上げられる
読み上げ中は、速度の調整や前後へのスキップも可能です。
検出モード(iPhone 12 Pro以降のProモデル)
iPhone 12 Pro、iPhone 12 Pro Max以降のProモデルには、LiDARスキャナを使った「検出モード」が搭載されています。
検出モードでできること:
1. 人の検出
他の人との距離を測定できます。ソーシャルディスタンスを保つのに役立ちます。
近くに人がいることを検出すると、音や振動で知らせてくれます。人が近いほど、通知の頻度が高くなります。
2. ドアの検出
ドアまでの距離を把握したり、ドアの開け方を理解したり、ドアの周りに掲示されているサインやプレートを読み上げたりできます。
3. シーンの説明
カメラに映っている状況を自動的に認識して、説明してくれます。
4. 指差し読み上げ
ドアのキーパッドや家電製品のボタンなど、物に書いてあるテキストを指で指すと、そのテキストを認識して読み上げてくれます。
コントロールのカスタマイズ

拡大鏡の画面に表示されるコントロールは、自分好みにカスタマイズできます。
設定方法:
- 拡大鏡アプリを開く
- 設定ボタン(歯車のマーク)をタップ
- 「設定」をタップ
- 追加したいコントロールの横にある「+」ボタンをタップ
- 削除したいコントロールの横にある「−」ボタンをタップ
- 「完了」をタップ
よく使う機能を主コントロールに設定しておくと、すぐにアクセスできて便利です。
アクティビティを保存する
特定の状況で繰り返し使う設定がある場合、「アクティビティ」として保存できます。
例えば、「レストランのメニューを読む用」として、特定のフィルターと明るさの設定を保存しておくといった使い方ができます。
保存方法:
- 拡大鏡で設定を調整する(フィルター、明るさ、コントラストなど)
- 設定ボタンをタップ
- 「新規アクティビティを保存」をタップ
- 名前を付けて保存
保存したアクティビティは、設定ボタンからいつでも呼び出せます。
拡大鏡の活用シーン
拡大鏡が役立つ場面はたくさんあります。
日常生活で:
- レストランのメニューを読む
- 食品のパッケージの原材料表示や賞味期限を確認する
- 薬の説明書きを読む
- 商品のタグや値札を見る
- 小さな部品や物を探す
外出先で:
- 駅の時刻表や案内板を読む
- 地図の細かい部分を確認する
- 美術館や博物館の説明プレートを読む
- 看板や標識を確認する
趣味や作業で:
- 手芸や工作の細かい作業をする
- プラモデルの小さな部品を組み立てる
- 宝石や切手などのコレクションを鑑賞する
- 植物や昆虫を観察する
拡大鏡が見つからない・起動しない場合
拡大鏡アプリが見つからない場合は、以下を確認してください。
1. iOSのバージョンを確認
拡大鏡が独立したアプリとして使えるのはiOS 15以降です。
「設定」→「一般」→「ソフトウェア・アップデート」で確認し、必要に応じてアップデートしてください。
2. Spotlight検索で探す
ホーム画面を下にスワイプして検索バーを表示し、「拡大鏡」と入力してみてください。
3. Appライブラリで探す
ホーム画面を右端までスワイプして、Appライブラリの「ユーティリティ」フォルダを確認してください。
ズーム機能との違い
iPhoneには「ズーム」という別の機能もあります。混同しやすいので、違いを理解しておきましょう。
拡大鏡:
カメラを使って実際の物を拡大表示する機能。レストランのメニューや薬の説明書きなど、iPhone以外のものを見るときに使います。
ズーム:
iPhone画面自体を拡大表示する機能。アプリの文字やアイコンなど、iPhone上のコンテンツを大きくするときに使います。
設定は「設定」→「アクセシビリティ」→「ズーム」から行えます。
まとめ
iPhoneの拡大鏡機能について、重要なポイントをおさらいしましょう。
拡大鏡の起動方法:
- アプリを直接起動
- サイドボタン(またはホームボタン)を3回押す
- Siriに頼む
- アクションボタンに設定(iPhone 15 Pro以降)
基本機能:
- スライダーで拡大・縮小
- フリーズフレームで画面を固定
- 明るさとコントラストの調整
- カラーフィルターの適用
- フラッシュライトで照明
便利な機能:
- テキストの読み上げ
- 検出モード(Proモデルのみ)
- アクティビティの保存
- コントロールのカスタマイズ
活用シーン:
- メニューや食品表示の確認
- 薬の説明書き
- 案内板や時刻表
- 細かい作業のサポート
拡大鏡は、視力に不安がある人だけでなく、誰にとっても便利な機能です。
小さな文字が読みにくいと感じた時、老眼鏡を忘れてしまった時、細かい作業をする時など、さまざまな場面で活躍します。
ぜひ今日から使ってみてください。一度使えば、その便利さに驚くはずです!

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