Thunderbirdでメールのテンプレート機能を使おうとしたら、「あれ?テンプレートフォルダがない!」と困ってしまった経験はありませんか?
よく使うあいさつ文や定型メールをテンプレートとして保存しておけば、毎回同じ文章を入力する手間が省けて作業効率がグッと上がります。でも、肝心のテンプレートフォルダが見当たらないと、せっかくの便利機能が使えませんよね。
この記事では、Thunderbirdでテンプレートフォルダが表示されない原因と解決方法、さらにテンプレートの作り方と活用方法まで、分かりやすく解説していきます。
テンプレートフォルダがない理由
まず最初に知っておいてほしいことがあります。実は、Thunderbirdではテンプレートを初めて保存するまで、テンプレートフォルダは作成されません。
つまり、インストール直後や新しいアカウントを追加した直後には、テンプレートフォルダは存在しないのが正常な状態なんです。
テンプレートフォルダが作成されるタイミング
以下のいずれかの操作を行ったときに、自動的にテンプレートフォルダが作成されます:
- 初めてメールをテンプレートとして保存したとき
- アカウント設定でテンプレートの保存先を指定したとき
POPアカウントとIMAPアカウントの違い
アカウントの種類によって、テンプレートフォルダの作成方法が少し異なります。
POPアカウントの場合
POPアカウントでは、テンプレートを保存すると、そのアカウントの受信トレイの下に「テンプレート」フォルダが自動的に作成されます。
IMAPアカウントの場合
IMAPアカウントでは、サーバー側の設定によってテンプレートフォルダの作成タイミングが異なることがあります。場合によっては、手動でフォルダを作成したり、アカウント設定で保存先を指定する必要があります。
テンプレートフォルダを作成する方法
それでは、実際にテンプレートフォルダを作成する方法を見ていきましょう。
方法1:テンプレートを保存して自動作成(最も簡単)
これが一番簡単で確実な方法です。
手順:
- Thunderbirdで「作成」ボタンをクリックして新規メールを開きます
- テンプレートとして保存したい内容を入力します
- 件名:テンプレート名や用途を入力(例:「○○様への挨拶メール」)
- 本文:定型文を入力
- 宛先:必要に応じて入力(空欄でもOK)
- メニューバーの「ファイル」をクリックします
※メニューバーが表示されていない場合は、Altキーを押してください - 「選択して保存」にマウスを合わせて、「テンプレート」をクリックします
- これで、テンプレートフォルダが自動的に作成され、その中にテンプレートが保存されます
方法2:保存ボタンから保存
メール作成画面の保存ボタンからも、テンプレートとして保存できます。
手順:
- メール作成画面で内容を入力します
- 画面上部の「保存」ボタンの右側にある▼(下向き矢印)をクリックします
- ドロップダウンメニューから「テンプレート」を選択します
- テンプレートフォルダが作成され、テンプレートが保存されます
方法3:Thunderbirdを再起動する
テンプレートを保存したはずなのにフォルダが表示されない場合は、Thunderbirdを一度再起動してみてください。
再起動することで、フォルダが正しく表示されることがあります。
テンプレートフォルダが表示されない場合の対処法
テンプレートを保存したのにフォルダが見つからない場合は、以下の方法を試してみてください。
対処法1:フォルダ表示設定を確認する
フォルダが隠れている可能性があります。
手順:
- メニューバーの「表示」をクリック(メニューバーが非表示の場合はAltキーを押す)
- 「フォルダー」にマウスを合わせます
- 「すべてのフォルダー」にチェックが入っているか確認します
チェックが入っていない場合は、クリックしてチェックを入れましょう。これで隠れていたフォルダが表示されるようになります。
対処法2:アカウント設定でテンプレートの保存先を指定する
テンプレートの保存先が正しく設定されていない可能性があります。
手順:
- 画面右上の「≡」(ハンバーガーメニュー)または「ツール」をクリック
- 「アカウント設定」を選択します
- 左側のアカウント一覧から、該当するメールアカウントを選択します
- 「送信控えと特別なフォルダ」をクリックします
- 「メッセージの下書きとテンプレート」セクションを確認します
- 「テンプレート保存フォルダー」で以下のいずれかを選択します:
- 「○○○@example.com のテンプレートフォルダー」(推奨)
- 「ローカルフォルダのテンプレートフォルダー」
- 「OK」をクリックして設定を保存します
ポイント:
IMAPアカウントの場合、サーバー側でテンプレートフォルダが作成されていないと保存できないことがあります。その場合は「ローカルフォルダのテンプレートフォルダー」を選択すると確実です。
対処法3:テンプレートファイルを削除して再作成
テンプレートフォルダが破損している可能性があります。
注意:この方法を実行すると、保存済みのテンプレートがすべて削除されます。重要なテンプレートがある場合は、事前にバックアップを取ってください。
手順:
- Thunderbirdを終了します
- Thunderbirdのプロファイルフォルダを開きます
- メニューバーから「ヘルプ」→「トラブルシューティング情報」を選択
- 「プロファイルフォルダー」の横にある「フォルダーを開く」ボタンをクリック
- プロファイルフォルダ内の「Mail」フォルダを開きます
- 該当するアカウント名のフォルダを開きます(POPアカウントの場合)
- 例:「pop.example.com」や「Local Folders」など
- 以下の2つのファイルを削除します:
- Templates(拡張子なし)
- Templates.msf
- Thunderbirdを再起動します
- 再度テンプレートを保存すると、新しいテンプレートフォルダが作成されます
対処法4:ローカルフォルダのテンプレートを使用する
どうしてもアカウント内にテンプレートフォルダが作成できない場合は、ローカルフォルダのテンプレートを使用する方法があります。
手順:
- 左側のフォルダ一覧で「ローカルフォルダ」を探します
- ローカルフォルダ内にテンプレートフォルダがあるか確認します
- なければ、対処法2の手順でアカウント設定を開き、テンプレートの保存先を「ローカルフォルダのテンプレートフォルダー」に変更します
- テンプレートを保存すると、ローカルフォルダ内にテンプレートフォルダが作成されます
メリット:
- どのアカウントからでも同じテンプレートが使える
- サーバー側の設定に左右されない
デメリット:
- 複数のパソコンで使う場合、テンプレートが同期されない
テンプレートの作り方と使い方
テンプレートフォルダが作成できたら、実際にテンプレートを活用してみましょう。
効果的なテンプレートの作り方
1. 件名を工夫する
テンプレートを識別しやすくするため、件名には以下のような情報を入れましょう:
- 用途:「お客様への返信テンプレート」
- 宛先:「○○部長宛_会議報告」
- 種類:「見積もり送付メール」
件名を空欄にすることもできますが、複数のテンプレートを管理する場合は分かりやすい件名を付けておくことをお勧めします。
2. 宛先を入れるかどうか
特定の相手に頻繁にメールを送る場合は、宛先もテンプレートに含めると便利です。
一方、複数の相手に使い回すテンプレートの場合は、宛先は空欄にしておきましょう。
3. 本文の作成ポイント
本文には、毎回共通する部分を入力します:
- 定型の挨拶文
- よく使う説明文
- 締めの文章
- 署名
変更が必要な部分は、【 】や___などで目立たせておくと、送信前の編集忘れを防げます。
例:
いつもお世話になっております。
株式会社○○の△△です。
【案件名】の件でご連絡いたします。
【本文内容】
ご確認のほど、よろしくお願いいたします。
---
△△(名前)
株式会社○○
テンプレートの使い方
保存したテンプレートを使ってメールを作成する方法です。
手順:
- 左側のフォルダ一覧から「テンプレート」フォルダをクリックします
- 使いたいテンプレートをダブルクリックします
- 新規メール作成画面が開き、テンプレートの内容が入力された状態で表示されます
- 必要な部分を編集します:
- 宛先を入力(テンプレートに入っていない場合)
- 件名を修正(必要に応じて)
- 本文の変更箇所を編集
- 「送信」ボタンをクリックしてメールを送信します
重要:
テンプレートを使ってメールを送信しても、テンプレートフォルダ内の元のテンプレートは削除されません。何度でも繰り返し使えます。
テンプレートの編集と削除
テンプレートを編集する方法:
残念ながら、保存済みのテンプレートを直接編集することはできません。
テンプレートの内容を変更したい場合は、以下の手順で対応してください:
- テンプレートをダブルクリックして開く
- 内容を修正する
- 「ファイル」→「選択して保存」→「テンプレート」で新しく保存する
- 古いテンプレートを削除する
テンプレートを削除する方法:
- テンプレートフォルダを開く
- 削除したいテンプレートを右クリック
- 「メッセージを削除」を選択
削除されたテンプレートは、ごみ箱フォルダに移動します。完全に削除したい場合は、ごみ箱を空にしてください。
テンプレート機能の活用例
実際の業務でテンプレートをどう活用できるか、具体例をご紹介します。
活用例1:お客様への返信メール
お客様からの問い合わせに対する返信は、基本的な流れが決まっていることが多いですよね。
テンプレート例:
件名:お問い合わせありがとうございます
お世話になっております。
株式会社○○の△△でございます。
この度はお問い合わせいただき、誠にありがとうございます。
【お問い合わせ内容の確認】
【回答内容】
その他ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
活用例2:会議の議事録送付
定期的な会議の議事録を送る場合、フォーマットが決まっていると便利です。
テンプレート例:
件名:【議事録】○月○日 週次ミーティング
お疲れ様です。
本日の会議の議事録をお送りいたします。
■日時:【日時】
■参加者:【参加者名】
■議題
1. 【議題1】
2. 【議題2】
■決定事項
・【決定事項1】
・【決定事項2】
■次回アクション
・【アクション1】(担当:【担当者】、期限:【期限】)
ご確認のほど、よろしくお願いいたします。
活用例3:休暇申請メール
学校や会社への休暇連絡など、定期的に送る必要があるメールにも便利です。
テンプレート例:
件名:【休暇届】○月○日
お世話になっております。
下記の通り休暇を申請いたします。
氏名:【名前】
日時:【日付】
理由:【理由】
ご承認のほど、よろしくお願いいたします。
活用例4:見積書送付メール
見積書を送付する際の定型メールです。
テンプレート例:
件名:お見積書送付の件
いつもお世話になっております。
株式会社○○の△△です。
先日ご依頼いただきました【案件名】のお見積書を
添付ファイルにてお送りいたします。
■見積有効期限:【期限】
■納期:【納期】
ご不明な点やご質問がございましたら、
お気軽にお問い合わせください。
何卒よろしくお願い申し上げます。
よくある質問(FAQ)
Q1. テンプレートは何個まで作れますか?
特に個数制限はありません。必要なだけテンプレートを作成できます。
ただし、数が多くなると管理が大変になるので、よく使うものだけに絞るか、後述するフォルダ分けを活用しましょう。
Q2. テンプレートフォルダの中にサブフォルダを作れますか?
はい、作れます。テンプレートが増えてきたら、サブフォルダで分類すると便利です。
手順:
- テンプレートフォルダを右クリック
- 「新しいサブフォルダ」を選択
- フォルダ名を入力(例:「お客様向け」「社内向け」など)
- 作成したサブフォルダにテンプレートをドラッグ&ドロップで移動
Q3. テンプレートの内容を直接編集できませんか?
残念ながら、保存済みのテンプレートを直接編集する機能はありません。
変更したい場合は、一度テンプレートを開いて内容を修正し、新しくテンプレートとして保存し直す必要があります。
Q4. テンプレートに添付ファイルも含められますか?
いいえ、Thunderbirdの標準機能では、テンプレートに添付ファイルを含めることはできません。
添付ファイルが必要な場合は、テンプレートを使用した後に毎回手動で添付する必要があります。
Q5. 下書きとテンプレートの違いは何ですか?
大きな違いは以下の通りです:
下書き:
- 一度だけ送信することを前提とした保存
- 送信すると下書きフォルダから消える
- 途中まで書いたメールを一時保存する用途
テンプレート:
- 何度も繰り返し使うことを前提とした保存
- 送信してもテンプレートフォルダに残る
- 定型メールの雛形として使う用途
Q6. 複数のアカウントでテンプレートを共有できますか?
はい、ローカルフォルダのテンプレートを使用すれば、複数のアカウントで共通のテンプレートを使えます。
アカウント設定で、すべてのアカウントのテンプレート保存先を「ローカルフォルダのテンプレートフォルダー」に設定してください。
Q7. テンプレートをバックアップする方法は?
テンプレートは、プロファイルフォルダ内の「Templates」ファイルに保存されています。
バックアップ手順:
- Thunderbirdを終了
- プロファイルフォルダを開く(「ヘルプ」→「トラブルシューティング情報」→「フォルダーを開く」)
- 「Mail」フォルダ内の該当アカウントフォルダを開く
- 「Templates」ファイル(拡張子なし)をコピーして別の場所に保存
復元する場合は、このファイルを元の場所に戻してThunderbirdを再起動してください。
テンプレート機能をさらに便利にするアドオン
Thunderbirdの標準テンプレート機能でも十分便利ですが、アドオンを使うとさらに高度な機能が使えます。
Quicktext(定型文挿入アドオン)
テンプレート機能とは少し異なりますが、メール本文の途中に定型文を挿入できるアドオンです。
特徴:
- ショートカットキーで定型文を素早く挿入
- 変数を使って日付や時刻を自動入力
- より柔軟な定型文管理
注意点:
Thunderbirdのバージョンによっては動作しないことがあります。最新の対応状況を確認してからインストールしてください。
まとめ
Thunderbirdのテンプレートフォルダについて解説してきました。重要なポイントをおさらいしましょう:
テンプレートフォルダがない理由
- 初めてテンプレートを保存するまで作成されない仕様
- アカウントの種類(POP/IMAP)によって動作が異なる
テンプレートフォルダの作成方法
- 新規メールを作成
- 「ファイル」→「選択して保存」→「テンプレート」で保存
- 自動的にテンプレートフォルダが作成される
表示されない場合の対処法
- フォルダ表示設定を「すべてのフォルダー」に変更
- アカウント設定でテンプレートの保存先を指定
- TemplatesファイルとTemplates.msfを削除して再作成
- ローカルフォルダのテンプレートを使用
テンプレートの活用ポイント
- 件名に分かりやすい名前を付ける
- 変更箇所を【 】などで目立たせる
- よく使うメールをテンプレート化して効率アップ
- サブフォルダで分類して整理する
テンプレート機能を上手に活用すれば、メール作成の時間を大幅に短縮できます。特に、同じような内容のメールを頻繁に送る方には非常に便利な機能です。
最初は1〜2個のテンプレートから始めて、徐々に増やしていくのがお勧めです。毎日のメール業務を効率化して、もっと重要な仕事に時間を使えるようにしていきましょう!
この記事が、Thunderbirdのテンプレート機能でお困りの方のお役に立てれば幸いです。


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