Thunderbirdを使っていたら、いつの間にか上部のメニューバーやツールバーが消えてしまった経験はありませんか?
「さっきまであったはずのメニューバーがない!」「どうやって設定画面を開けばいいの?」と困ってしまうことってありますよね。実は、Thunderbirdのツールバーは非表示設定になっていることが多く、簡単な操作で表示できるんです。
この記事では、消えてしまったツールバーの表示方法から、自分好みにカスタマイズする方法まで、分かりやすく解説していきます。
Thunderbirdのツールバーの種類を知ろう

まず、Thunderbirdにはいくつかの種類のツールバーがあります。それぞれの役割を理解しておくと便利です。
メニューバー
画面上部に表示される「ファイル」「編集」「表示」「ツール」などの文字メニューです。
従来のソフトウェアと同じように、テキストでメニューが並んでいるので、機能を探しやすいのが特徴です。デフォルト(初期設定)では非表示になっています。
メールツールバー(メニューツールバー)
「受信」「作成」「アドレス帳」などのアイコンボタンが並んでいるツールバーです。
よく使う機能にワンクリックでアクセスできるので、日常的なメール操作がスムーズになります。こちらはデフォルトで表示されています。
タブバー
複数のメールやフォルダをタブで切り替えられる領域です。
ブラウザのタブと同じように、複数の画面を開いたまま切り替えられるので便利です。
クイックフィルタバー
メールを素早く絞り込むための検索バーです。
「未読のみ」「スター付き」などの条件でメールを簡単にフィルタリングできます。
ステータスバー
画面の最下部に表示される、メールの処理状況などを示すバーです。
メニューバーを表示する方法
メニューバーが消えてしまった場合、以下の方法で表示できます。
方法1:ショートカットキーで一時表示
これが最も簡単な方法です。
Altキー または F10キー を押すだけで、メニューバーが一時的に表示されます。
ただし、この方法は一時的な表示なので、メニューを使い終わると自動的に非表示に戻ってしまいます。常に表示したい場合は、次の方法を使いましょう。
方法2:右クリックから常時表示にする
手順:
- Thunderbirdの画面上部、ツールバーの何もない空白部分を右クリックします
- 表示されたメニューの中から「メニューバー」をクリックしてチェックを入れます
これで、メニューバーが常時表示されるようになります。
方法3:ハンバーガーメニューから表示
手順:
- 画面右上の「≡」(三本線)のアイコンをクリックします
※これは「ハンバーガーメニュー」や「アプリメニュー」と呼ばれています - 「カスタマイズ」を選択します
- 表示された画面で「メニューバー」にチェックを入れます
- 「完了」をクリックします
方法4:表示メニューから設定(メニューバーが表示されている場合)
すでにメニューバーが表示されている場合は、以下の方法でも設定できます:
手順:
- メニューバーの「表示」をクリック
- 「ツールバー」にマウスポインタを合わせる
- 「メニューバー」をクリックしてチェックを入れる
その他のツールバーを表示・非表示にする方法
メニューバー以外のツールバーも、同じ方法で表示・非表示を切り替えられます。
表示できるツールバーの一覧
右クリックメニューまたは「表示」→「ツールバー」から、以下のツールバーの表示を切り替えられます:
- メニューバー:ファイル、編集、表示などのメニュー
- メールツールバー:受信、作成などのボタン
- クイックフィルタバー:メール検索・絞り込み機能
- ステータスバー:画面下部の状態表示バー
- スペースツールバー:メール、アドレス帳、カレンダーなどへの切り替えボタン(新しいバージョンのみ)
それぞれの項目にチェックを入れると表示、チェックを外すと非表示になります。
ツールバーをカスタマイズして使いやすくしよう
Thunderbirdの便利な点は、ツールバーに表示するボタンを自由に配置できることです。自分がよく使う機能だけを並べることで、作業効率がグッと上がります。
カスタマイズモードの開き方
方法1:右クリックから開く
ツールバーの空白部分を右クリックして「カスタマイズ」を選択します。
方法2:メニューバーから開く
「表示」→「ツールバー」→「カスタマイズ」を選択します。
方法3:ハンバーガーメニューから開く
画面右上の「≡」をクリックして「カスタマイズ」を選択します。
ボタンの配置を変更する方法
カスタマイズモードを開くと、画面に利用可能なボタンの一覧が表示されます。
追加したいボタンの配置方法:
- カスタマイズ画面に表示されているボタンをドラッグ(クリックしたまま移動)します
- ツールバーの好きな位置でドロップ(マウスボタンを離す)します
- ボタンがツールバーに追加されます
不要なボタンを削除する方法:
- ツールバー上のボタンをドラッグします
- カスタマイズ画面内にドロップします
- ボタンがツールバーから削除されます
カスタマイズできる主なボタン
以下のようなボタンを追加・削除できます:
- 受信:新着メールをチェック
- 作成:新規メール作成
- 返信:選択中のメールに返信
- 転送:メールを転送
- 削除:メールを削除
- 迷惑メール:迷惑メール判定
- アドレス帳:連絡先を開く
- タグ:メールにラベルを付ける
- 印刷:メールを印刷
- 検索:メール検索
- 空白:ボタン間にスペースを入れる
- 区切り線:視覚的な区切りを入れる
アイコンの表示スタイルを変更する
カスタマイズ画面の下部にある「表示」のドロップダウンメニューから、以下のスタイルを選べます:
- アイコンとテキスト:アイコンの下に文字が表示される
- アイコンの横にテキスト:アイコンの右側に文字が表示される
- アイコンのみ:アイコンだけが表示される(省スペース)
- テキストのみ:文字だけが表示される
画面が狭い場合は「アイコンのみ」、初心者の方は「アイコンとテキスト」がお勧めです。
カスタマイズを保存する
ボタンの配置が完了したら、カスタマイズ画面の「完了」ボタンをクリックすれば設定が保存されます。
初期状態に戻す方法(デフォルトに復元)
カスタマイズしてみたけれど、やっぱり元の状態に戻したい場合もありますよね。
手順:
- ツールバーを右クリックして「カスタマイズ」を選択
- カスタマイズ画面の下部にある「デフォルトに復元」ボタンをクリック
- 「完了」をクリック
これで、Thunderbirdインストール時の初期状態に戻ります。
メール作成画面のツールバー
メール作成画面にも専用のツールバーがあり、こちらもカスタマイズできます。
メール作成ツールバーの表示方法
メール作成画面を開いたときに、上部のツールバーが表示されていない場合:
手順:
- メール作成画面でF10キーまたはAltキーを押す
- 「表示」→「ツールバー」→「作成ツールバー」をクリック
メール作成ツールバーのカスタマイズ
通常のツールバーと同じように、右クリック→「カスタマイズ」でボタンの配置を変更できます。
よく使う機能(添付ファイル、重要度設定、暗号化など)をすぐ使える位置に配置すると便利です。
バージョン115以降(Supernova)での変更点
Thunderbird 115(通称Supernova)以降では、ユーザーインターフェースが大きく変わりました。
メニューバーの位置が変わった
以前のバージョンでは、メニューバーはタブバーの上(最上部)に表示されていました。
しかし、バージョン115以降では、メニューバーがタブバーの下に表示されるようになりました。これに違和感を感じる方も多いようです。
元の位置に戻す方法(上級者向け)
技術的にはCSS(スタイルシート)を編集することで、メニューバーを最上部に戻すことができます。ただし、この方法は少し難易度が高いため、どうしても元の位置に戻したい方のみ試してみてください。
概要:
- Thunderbirdのプロファイルフォルダを開く
- 「chrome」フォルダを作成(なければ)
- 「userChrome.css」ファイルを作成
- 特定のCSSコードを記述
詳しい手順は専門的な内容になるため、ここでは省略します。一般的な利用であれば、デフォルトの配置のまま使うことをお勧めします。
ツールバーが正しく動作しない場合の対処法

時々、ツールバーの設定が正常に保存されなかったり、ボタンが正しく表示されなかったりすることがあります。
設定ファイルをリセットする方法
手順:
- Thunderbirdを終了します
- Thunderbirdのプロファイルフォルダを開きます
- メニューバーから「ヘルプ」→「トラブルシューティング情報」を選択
- 「プロファイルフォルダー」の横にある「フォルダーを開く」ボタンをクリック
- プロファイルフォルダ内の「xulstore.json」というファイルを削除します
※このファイルにツールバーの配置情報が保存されています - Thunderbirdを再起動します
Thunderbirdが起動すると、xulstore.jsonファイルが自動的に新しく作成され、ツールバーがデフォルトの状態に戻ります。
セーフモードで起動する
アドオン(拡張機能)が原因でツールバーがおかしくなっている可能性もあります。
セーフモードの起動方法:
- Thunderbirdを終了します
- Shiftキーを押しながらThunderbirdを起動します
- セーフモードの確認画面が表示されたら「セーフモードで起動」を選択します
セーフモードではアドオンが無効化されるので、問題が解決するかどうか確認できます。
よくある質問(FAQ)
Q1. ツールバーを非表示にしたいのですが?
メニューバーやその他のツールバーを非表示にするには、ツールバーの空白部分を右クリックして、該当するツールバーのチェックを外してください。
画面を広く使いたい場合は、使用頻度の低いツールバーを非表示にすると良いでしょう。
Q2. ボタンが小さくて押しにくいです
カスタマイズ画面で「アイコンとテキスト」表示にすると、ボタンが大きく表示されて押しやすくなります。
また、Thunderbirdの設定から文字サイズやズームレベルを調整することもできます。
Q3. メニューバーが勝手に消えてしまいます
何らかの誤操作でメニューバーが非表示に設定されてしまった可能性があります。
この記事で紹介した方法で再度表示設定を行い、設定が保存されるか確認してください。頻繁に設定が消える場合は、xulstore.jsonファイルを削除してリセットすることをお勧めします。
Q4. アドオンでツールバーをカスタマイズできますか?
はい、できます。「Message Header Toolbar Customize」や「Menu On Top」などのアドオンを使うと、より高度なカスタマイズが可能です。
ただし、アドオンはThunderbirdのバージョンによって対応状況が異なるため、インストール前に互換性を確認してください。
Q5. カスタマイズした内容をバックアップできますか?
ツールバーの配置情報は、プロファイルフォルダ内の「xulstore.json」ファイルに保存されています。
このファイルをコピーして保存しておけば、再インストール時などに復元できます。ただし、バージョンが異なる場合は正しく動作しない可能性があります。
Q6. 作成したメールのツールバーだけカスタマイズできますか?
はい、できます。メール作成画面を開いてから、そこでツールバーをカスタマイズすれば、メール作成時のみのツールバー設定として保存されます。
受信トレイのツールバーとは別々に設定できるので、それぞれ最適な配置にカスタマイズしましょう。
Q7. 複数のメールアカウントで異なるツールバー設定はできますか?
残念ながら、ツールバーの設定はThunderbird全体で共通です。アカウントごとに異なるツールバー配置を設定することはできません。
すべてのアカウントで共通して使いやすい配置を探してみてください。
まとめ
Thunderbirdのツールバー表示とカスタマイズについて解説してきました。重要なポイントをおさらいしましょう:
ツールバーの表示方法
- AltキーまたはF10キーで一時的に表示
- 右クリック→「メニューバー」で常時表示
- ハンバーガーメニュー→「カスタマイズ」から設定
カスタマイズの基本
- 右クリックまたはメニューから「カスタマイズ」を開く
- ボタンをドラッグ&ドロップで配置
- 表示スタイルを選択(アイコンとテキスト、アイコンのみなど)
- 「完了」で保存
困ったときは
- 「デフォルトに復元」で初期状態に戻す
- xulstore.jsonファイルを削除してリセット
- セーフモードで起動してアドオンを無効化
Thunderbirdは高いカスタマイズ性が魅力のメールソフトです。ツールバーを自分好みに設定することで、毎日のメール作業がグッと効率的になります。
最初は少しずつボタンを追加・削除してみて、自分にとって最適な配置を見つけてみてください。慣れてきたら、アイコンの表示スタイルを変えたり、使用頻度の低いツールバーを非表示にしたりして、さらに使いやすくカスタマイズしていきましょう。
この記事が、Thunderbirdのツールバー設定でお困りの方のお役に立てれば幸いです。快適なメール環境を作って、効率よくメールを管理していきましょう!

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