Thunderbird「証明書が正しくありません」エラーの原因と解決方法

Thunderbird(サンダーバード)でメールを開こうとしたら、「証明書が正しくありません」「セキュリティ例外の追加」といったメッセージが表示されることがあります。

このエラーは、メールサーバーの証明書に問題があるときに表示される警告です。証明書とは、インターネット上で安全に通信するための「身分証明書」のようなもの。これに問題があると、Thunderbirdが「このサーバー、本当に信頼できる?」と不安になって警告を出すんです。

「難しそう…」と思うかもしれませんが、解決方法は意外とシンプルです。この記事では、エラーの原因と具体的な対処法をわかりやすく解説します。


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  1. 証明書エラーが出る原因
    1. 原因1:証明書の有効期限切れ
    2. 原因2:ドメイン名の不一致
    3. 原因3:信頼できない認証局の証明書
    4. 原因4:パソコンの日付・時刻のズレ
    5. 原因5:メールサーバーの設定変更
    6. 原因6:中間証明書の不足
  2. エラーメッセージの種類
    1. 「証明書が正しくありません」
    2. 「セキュリティ例外の追加」
    3. 「証明書の検証に失敗しました」
    4. 「証明書が期限切れです」
  3. 基本的な解決方法
    1. 方法1:日付と時刻を確認
    2. 方法2:サーバー設定を確認
    3. 方法3:セキュリティ例外を追加(慎重に)
    4. 方法4:Thunderbirdを最新版にアップデート
    5. 方法5:プロバイダに問い合わせ
  4. エラー別の詳しい対処法
    1. 「ドメイン名が一致しません」
    2. 「証明書の発行者が不明です」
    3. 「証明書の検証エラー」
  5. Windows・Mac別の追加対処法
    1. Windows固有の対処法
    2. Mac固有の対処法
  6. よくある質問
  7. 複数アカウントでエラーが出る場合
    1. すべてのアカウントで同じエラー
    2. 特定のアカウントだけエラー
  8. 予防策と日常的なメンテナンス
    1. Thunderbirdを定期的にアップデート
    2. プロバイダからのお知らせを確認
    3. パソコンの日時を自動設定に
    4. セキュリティソフトを最新に保つ
  9. 企業・学校のメールアカウントの場合
    1. IT管理者に相談
    2. VPN接続の影響
    3. 組織のポリシー
  10. トラブルシューティングの順番
  11. まとめ:焦らず一つずつ確認しよう

証明書エラーが出る原因

原因1:証明書の有効期限切れ

証明書には有効期限があります。メールサービス提供者が更新を忘れていたり、手続き中だったりすると、期限切れの証明書が原因でエラーが出ます。

原因2:ドメイン名の不一致

証明書に記載されているドメイン名(サーバーのアドレス)と、実際に接続しているサーバーの名前が一致しない場合です。

例えば、証明書には「mail.example.com」と書いてあるのに、設定では「smtp.example.com」に接続しようとしている、といったケースですね。

原因3:信頼できない認証局の証明書

証明書は、信頼できる機関(認証局)が発行する必要があります。

自己署名証明書(自分で作った証明書)や、マイナーな認証局の証明書だと、Thunderbirdが「この証明書、信頼していいのかな?」と警告を出します。

原因4:パソコンの日付・時刻のズレ

パソコンの日付や時刻が大きくズレていると、正常な証明書でも「有効期限外」と判断されてエラーになります。

原因5:メールサーバーの設定変更

メールサービス提供者がサーバーを移転したり、設定を変更したりした場合、古い設定のままだとエラーが出ることがあります。

原因6:中間証明書の不足

証明書の信頼性を証明するための「中間証明書」が正しくインストールされていない場合もエラーになります。これはサーバー側の問題です。


エラーメッセージの種類

Thunderbirdでは、いくつかのパターンのエラーメッセージが表示されます。

「証明書が正しくありません」

一般的なエラーメッセージです。証明書に何らかの問題があることを示しています。

「セキュリティ例外の追加」

Thunderbirdが「このサーバーの証明書に問題があるけど、それでも接続しますか?」と確認してきます。

「証明書の検証に失敗しました」

証明書の内容を確認できなかった、または信頼できないと判断されたときのメッセージです。

「証明書が期限切れです」

文字通り、証明書の有効期限が過ぎている場合です。


基本的な解決方法

方法1:日付と時刻を確認

まず、パソコンの日付と時刻が正しいか確認しましょう。

Windowsの場合

  1. タスクバーの時計を右クリック
  2. 「日付と時刻の調整」を選択
  3. 「時刻を自動的に設定する」をオン
  4. 正しい日時が表示されているか確認

Macの場合

  1. システム設定(またはシステム環境設定)を開く
  2. 「日付と時刻」をクリック
  3. 「日付と時刻を自動的に設定」にチェック
  4. 正しい日時が表示されているか確認

日時を修正したら、Thunderbirdを再起動して再度試してみましょう。

方法2:サーバー設定を確認

メール設定が正しいか確認します。

手順

  1. Thunderbirdを開く
  2. メニューバーの「ツール」→「アカウント設定」(または右上の「≡」→「アカウント設定」)
  3. 左側でエラーが出ているアカウントを選択
  4. 「サーバー設定」をクリック

確認ポイント

  • サーバー名:メールサービス提供者が指定したものと一致しているか
  • ポート番号:正しい番号か(受信:993または995、送信:465または587が一般的)
  • 接続の保護:「SSL/TLS」または「STARTTLS」になっているか

メールサービス提供者の公式サイトで、正しい設定を確認しましょう。

方法3:セキュリティ例外を追加(慎重に)

証明書に問題があっても、信頼できるメールサーバーだとわかっている場合は、例外として許可できます。

重要な注意:これは本当に信頼できるサーバーの場合のみ行ってください。

手順

  1. エラーメッセージで「セキュリティ例外を承認」または「例外を追加」をクリック
  2. 「セキュリティ例外を追加」ウィンドウが開く
  3. 「証明書を取得」をクリック
  4. 証明書の情報を確認
  5. 信頼できると判断したら「セキュリティ例外を承認」をクリック

警告:不明なサーバーや怪しいと感じた場合は、例外を追加しないでください。個人情報が盗まれるリスクがあります。

方法4:Thunderbirdを最新版にアップデート

古いバージョンのThunderbirdでは、新しい証明書形式に対応していないことがあります。

アップデート手順

  1. Thunderbirdを開く
  2. メニューバーの「ヘルプ」→「Thunderbirdについて」
  3. 自動的に更新チェックが始まる
  4. 更新があればインストール
  5. Thunderbirdを再起動

方法5:プロバイダに問い合わせ

証明書エラーが突然出始めた場合、メールサーバー側に問題がある可能性が高いです。

メールサービス提供者のサポートに連絡して、以下を確認しましょう。

  • サーバーの証明書は正常か
  • サーバー設定に変更があったか
  • 推奨されるサーバー設定は何か

エラー別の詳しい対処法

「ドメイン名が一致しません」

このエラーは、設定しているサーバー名と証明書のドメイン名が違う場合に出ます。

対処法

  1. メールプロバイダの公式サイトで正しいサーバー名を確認
  2. Thunderbirdのアカウント設定でサーバー名を修正
  3. 受信サーバーと送信サーバーの両方を確認

例:

  • 誤:mail.example.jp
  • 正:imap.example.jp

「証明書の発行者が不明です」

証明書を発行した機関が信頼できない、または認識できない場合です。

対処法

  1. メールプロバイダが正規の証明書を使用しているか確認
  2. 無料メールサービスなど、独自の証明書を使っている場合は例外として追加
  3. 企業や学校のメールサーバーの場合は、IT管理者に相談

「証明書の検証エラー」

証明書の信頼チェーンに問題がある場合です。

対処法

  1. Thunderbirdを最新版にアップデート
  2. パソコンのルート証明書を更新(Windowsの場合はWindows Updateを実行)
  3. プロバイダに中間証明書が正しく設定されているか確認を依頼

Windows・Mac別の追加対処法

Windows固有の対処法

証明書ストアの更新

  1. スタートメニューで「Windows Update」を検索
  2. 「更新プログラムのチェック」を実行
  3. すべての更新をインストール
  4. 再起動後、Thunderbirdを起動

ウイルス対策ソフトの干渉

セキュリティソフトがメール通信をスキャンしている場合、証明書エラーが出ることがあります。

  1. セキュリティソフトの設定を開く
  2. 「メールスキャン」または「SSL/TLSスキャン」を一時的にオフ
  3. Thunderbirdで接続できるか確認

接続できれば、セキュリティソフトが原因です。メール保護機能を無効化するか、Thunderbirdを除外リストに追加しましょう。

Mac固有の対処法

キーチェーンアクセスの確認

  1. アプリケーション→ユーティリティ→「キーチェーンアクセス」を開く
  2. 左側で「システム」を選択
  3. 上部で「証明書」タブをクリック
  4. 期限切れや信頼されていない証明書がないか確認

問題がある証明書を見つけたら、右クリックして「削除」または「情報を見る」で信頼設定を変更できます。

ファイアウォールの確認

  1. システム設定→「ネットワーク」
  2. 「ファイアウォール」タブ
  3. 「ファイアウォールオプション」をクリック
  4. Thunderbirdが許可されているか確認

よくある質問

Q. セキュリティ例外を追加しても大丈夫?

A. 自分が契約しているメールサービスで、プロバイダの公式サイトでもそのサーバー名が案内されているなら、基本的に問題ありません。ただし、身に覚えのないサーバーや怪しいと感じた場合は追加しないでください。

Q. 突然エラーが出始めたのはなぜ?

A. 多くの場合、メールサーバー側で証明書を更新した際に、設定変更が必要になったためです。プロバイダからのお知らせメールを確認しましょう。

Q. 証明書を更新するにはどうすればいい?

A. 証明書の更新はメールサーバーの管理者(メールサービス提供者)が行います。ユーザー側では更新できません。エラーが続く場合はプロバイダに連絡してください。

Q. 古いメールは読める?

A. 証明書エラーが出ても、すでにダウンロード済みのメールは読めます。新しいメールの受信や送信だけができなくなります。

Q. スマホでは問題ないのにパソコンだけエラーが出る

A. パソコンの日付・時刻設定、Thunderbirdのバージョン、セキュリティソフトの設定などが原因の可能性があります。上記の対処法を順番に試してみましょう。

Q. エラーを無視して使い続けるとどうなる?

A. セキュリティリスクがあります。通信内容が第三者に盗み見られる可能性があるため、エラーは放置せず必ず解決してください。


複数アカウントでエラーが出る場合

すべてのアカウントで同じエラー

パソコン側に問題がある可能性が高いです。

  • 日付・時刻の確認
  • Thunderbirdのアップデート
  • セキュリティソフトの設定確認
  • パソコンの再起動

特定のアカウントだけエラー

そのメールサーバーに問題がある可能性が高いです。

  • サーバー設定の確認
  • プロバイダへの問い合わせ
  • サーバーステータスの確認(障害情報など)

予防策と日常的なメンテナンス

Thunderbirdを定期的にアップデート

新しいバージョンでは、セキュリティ機能が改善され、最新の証明書形式にも対応しています。

月に1回程度、更新チェックを行いましょう。

プロバイダからのお知らせを確認

メールサーバーの設定変更や証明書更新のお知らせが来ていないか、定期的に確認します。

変更があれば、早めに設定を更新しましょう。

パソコンの日時を自動設定に

手動で日時を設定していると、ズレが生じやすくなります。自動設定にしておけば安心です。

セキュリティソフトを最新に保つ

古いセキュリティソフトが、正常な証明書をブロックすることがあります。常に最新版を使いましょう。


企業・学校のメールアカウントの場合

IT管理者に相談

会社や学校のメールアカウントでエラーが出る場合、まずIT管理者に相談するのが確実です。

組織独自の証明書を使っていたり、特別な設定が必要だったりすることがあります。

VPN接続の影響

社内VPNを使っている場合、VPN接続が証明書の検証に影響することがあります。

VPNを切断した状態で試してみて、問題が解決するか確認しましょう。

組織のポリシー

組織のセキュリティポリシーで、特定の証明書しか許可されていない場合があります。

勝手にセキュリティ例外を追加せず、必ず管理者の指示に従ってください。


トラブルシューティングの順番

エラーが出たときは、以下の順番で試してみましょう。

ステップ1:基本確認

  1. パソコンの日付・時刻を確認
  2. インターネット接続を確認
  3. Thunderbirdを再起動

ステップ2:設定確認

  1. サーバー設定が正しいか確認
  2. プロバイダの公式サイトで推奨設定を確認
  3. 必要に応じて設定を修正

ステップ3:ソフトウェア更新

  1. Thunderbirdを最新版にアップデート
  2. パソコンのOSを更新

ステップ4:セキュリティ関連

  1. セキュリティソフトのメールスキャンを一時的に無効化
  2. ファイアウォールの設定を確認

ステップ5:例外追加(慎重に)

  1. 信頼できるサーバーと確認できたら、セキュリティ例外を追加

ステップ6:サポートに連絡

  1. すべて試してもダメなら、プロバイダに問い合わせ

まとめ:焦らず一つずつ確認しよう

Thunderbirdの「証明書が正しくありません」エラーは、ほとんどの場合解決できます。

主な原因と対処法

  • 日付・時刻のズレ → 自動設定にして修正
  • サーバー設定の誤り → プロバイダの公式情報で確認
  • 古いThunderbird → 最新版にアップデート
  • サーバー側の問題 → プロバイダに問い合わせ

エラーメッセージをよく読んで、何が原因なのか特定することが大切です。

焦らず、この記事の対処法を順番に試していけば、必ず解決できますよ。

セキュリティは妥協できない部分なので、不安な場合は無理せずメールサービス提供者のサポートに相談しましょう。安全で快適なメール環境を保ってくださいね。

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