Ubuntuでハードウェア情報を確認する完全ガイド!GUI・コマンド両対応

Linux

Ubuntuをインストールしたパソコンのスペックを知りたい。CPUは何が入っているのか。メモリは何GB積んでいるのか。グラフィックカードはどれを使っているのか。

トラブルシューティングや、ソフトウェアの動作要件を確認する時、ハードウェア情報は必須です。でも、Windowsと違って、どこを見れば良いのか分からない。

実は、Ubuntuには、ハードウェア情報を確認する方法がたくさんあります。マウスで操作できるGUIツールから、コマンドで詳細情報を取得する方法まで、用途に応じて選べます。

この記事では、Ubuntuでハードウェア情報を確認するあらゆる方法を、初心者の方にも分かりやすく解説します。簡単な方法から順番に紹介していくので、あなたに合った方法が必ず見つかります。

さあ、自分のパソコンのスペックを確認してみましょう!

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  1. まず知っておきたい:確認できるハードウェア情報
    1. 確認できる主な情報
  2. 【最も簡単】GUIツールで確認する方法
    1. 方法1:システム設定から確認
    2. 方法2:HardInfoをインストール
    3. 方法3:システムモニター
  3. 【コマンド編】ターミナルで確認する基本コマンド
    1. CPU情報を確認:lscpu
    2. メモリ情報を確認:free
    3. ディスク情報を確認:lsblk、df
    4. グラフィックカード情報:lspci
    5. USBデバイス情報:lsusb
    6. ネットワークアダプター情報
  4. 【総合コマンド】lshwで全情報を取得
    1. lshwの基本的な使い方
    2. カテゴリーごとに情報を取得
    3. 短い要約形式で表示
    4. HTMLファイルとして出力
  5. 【詳細情報】dmidecodeで深い情報を取得
    1. dmidecodeの基本
    2. よく使うタイプ
    3. メモリの詳細を確認
  6. リアルタイム監視ツール
    1. CPU使用率をリアルタイム表示:top
    2. より見やすいhtop
    3. センサー情報:sensors
    4. ディスクの健康状態:smartctl
  7. 特定の情報を素早く確認する方法
    1. Ubuntuのバージョンとアーキテクチャ
    2. カーネルバージョン
    3. ホスト名
    4. IPアドレス
    5. バッテリー情報(ノートパソコン)
    6. 画面解像度
  8. 情報をファイルに保存する方法
    1. すべてのハードウェア情報をまとめて保存
    2. システムログも含めて保存
  9. トラブルシューティングに使える情報収集
    1. ドライバーが正しく読み込まれているか
    2. デバイスが認識されているか
    3. カーネルメッセージ
    4. ディスクエラーのチェック
  10. よくある質問と回答
    1. Q1:どのコマンドを使えばいいか分からない
    2. Q2:情報が表示されない
    3. Q3:32ビット版か64ビット版か確認したい
    4. Q4:グラフィックドライバーは何が入っているか
    5. Q5:メモリスロットは何個あるか
  11. まとめ:目的に応じて最適な方法を選ぼう

まず知っておきたい:確認できるハードウェア情報

どんな情報が確認できるのか、整理しておきましょう。

確認できる主な情報

CPU(プロセッサー):

  • メーカー(Intel、AMDなど)
  • モデル名
  • コア数
  • 動作周波数(クロック速度)

メモリ(RAM):

  • 容量(4GB、8GB、16GBなど)
  • タイプ(DDR3、DDR4など)
  • 速度
  • 使用状況

ストレージ(ディスク):

  • 種類(HDD、SSDなど)
  • 容量
  • モデル名
  • パーティション情報

グラフィックカード(GPU):

  • メーカー(NVIDIA、AMD、Intelなど)
  • モデル名
  • ビデオメモリ
  • ドライバー情報

マザーボード:

  • メーカー
  • モデル名
  • BIOSバージョン
  • チップセット

ネットワーク:

  • 有線LANアダプター
  • 無線LANアダプター
  • Bluetoothアダプター

その他:

  • USBデバイス
  • オーディオデバイス
  • バッテリー(ノートパソコンの場合)
  • センサー類

【最も簡単】GUIツールで確認する方法

マウス操作だけで確認できる方法から紹介します。

方法1:システム設定から確認

Ubuntu標準の設定画面で基本情報を確認できます。

手順:

  1. 画面右上の電源アイコンをクリック
  2. 「設定」を選択
  3. 左側のメニューから「このシステムについて」を選択

確認できる情報:

  • デバイス名
  • メモリ(RAM)の容量
  • プロセッサー(CPU)の種類
  • グラフィック(GPU)
  • ディスクの容量
  • OSのバージョン
  • OSの種類(64ビット/32ビット)

メリット:

  • 最も簡単
  • 追加ソフト不要
  • 基本的な情報は十分確認できる

デメリット:

  • 詳細な情報は見られない
  • 温度やリアルタイムの使用状況は分からない

方法2:HardInfoをインストール

より詳細な情報を見やすく表示してくれるツールです。

インストール方法:

  1. ターミナルを開く(Ctrl + Alt + T)
  2. 以下のコマンドを入力
sudo apt update
sudo apt install hardinfo
  1. パスワードを入力してEnter
  2. インストール完了

起動方法:

  1. アプリケーションメニューから「HardInfo」を検索
  2. アイコンをクリック

または:

ターミナルで hardinfo と入力してEnter

見られる情報:

  • Computer:コンピューターの概要
  • Devices:接続されているデバイス一覧
  • Network:ネットワーク情報
  • Benchmark:ベンチマークテスト機能

便利な機能:

  • 左側のツリーメニューで情報を選択
  • 右クリックでレポート生成
  • HTMLやテキストファイルとして保存可能

メリット:

  • 見やすいGUI
  • 詳細な情報
  • レポート出力機能

方法3:システムモニター

リアルタイムの使用状況を確認できます。

起動方法:

  1. アプリケーションメニューから「システムモニター」を検索
  2. またはターミナルで gnome-system-monitor と入力

確認できる情報:

プロセスタブ:

実行中のプログラム一覧と、それぞれのCPU・メモリ使用率

リソースタブ:

  • CPU使用率(リアルタイムグラフ)
  • メモリとスワップの使用状況
  • ネットワークの送受信速度

ファイルシステムタブ:

各パーティションの使用状況

メリット:

  • リアルタイムの監視
  • CPUやメモリの負荷が一目で分かる
  • パフォーマンスのボトルネックを特定できる

【コマンド編】ターミナルで確認する基本コマンド

より詳しい情報を取得できるコマンドを紹介します。

CPU情報を確認:lscpu

コマンド:

lscpu

表示される情報:

  • Architecture:アーキテクチャ(x86_64など)
  • CPU(s):論理CPUの数
  • Model name:CPUのモデル名
  • CPU MHz:動作周波数
  • Cache:キャッシュサイズ

実例:

Architecture:        x86_64
CPU(s):              4
Model name:          Intel(R) Core(TM) i5-8250U CPU @ 1.60GHz
CPU MHz:             1800.000
L3 cache:            6144K

詳細情報を見たい場合:

cat /proc/cpuinfo

より詳しいCPU情報が表示されます。

メモリ情報を確認:free

コマンド:

free -h

説明:

-h オプションで、人間が読みやすい形式(GB、MBなど)で表示されます。

表示される情報:

  • total:総メモリ容量
  • used:使用中のメモリ
  • free:空きメモリ
  • available:利用可能なメモリ

実例:

              total        used        free      shared  buff/cache   available
Mem:           7.7G        2.3G        3.1G        234M        2.3G        5.0G
Swap:          2.0G          0B        2.0G

詳細なメモリ情報:

sudo dmidecode --type memory

メモリのスロット数、タイプ(DDR4など)、速度などが表示されます。

ディスク情報を確認:lsblk、df

パーティション構成を見る:

lsblk

表示例:

NAME   MAJ:MIN RM   SIZE RO TYPE MOUNTPOINT
sda      8:0    0 238.5G  0 disk 
├─sda1   8:1    0   512M  0 part /boot/efi
└─sda2   8:2    0   238G  0 part /

ディスク使用状況を見る:

df -h

各パーティションの容量と使用率が表示されます。

ディスクの詳細情報:

sudo fdisk -l

または

sudo lshw -class disk

ディスクのモデル名、容量、パーティションテーブルなどが表示されます。

グラフィックカード情報:lspci

コマンド:

lspci | grep -i vga

または

lspci | grep -i 3d

表示例:

00:02.0 VGA compatible controller: Intel Corporation UHD Graphics 620

より詳しい情報:

lspci -v -s 00:02.0

00:02.0 の部分は、上記で表示されたデバイスIDに置き換える)

NVIDIA GPUの場合:

nvidia-smi

NVIDIAドライバーがインストールされていれば、詳細なGPU情報が表示されます。

USBデバイス情報:lsusb

コマンド:

lsusb

表示例:

Bus 002 Device 001: ID 1d6b:0003 Linux Foundation 3.0 root hub
Bus 001 Device 003: ID 8087:0025 Intel Corp. Wireless-AC 9260
Bus 001 Device 002: ID 046d:c52b Logitech, Inc. Unifying Receiver

接続されているUSBデバイスの一覧が表示されます。

ネットワークアダプター情報

コマンド:

lspci | grep -i network

または

ip link show

無線LANの詳細:

iwconfig

接続状況や信号強度などが表示されます。

【総合コマンド】lshwで全情報を取得

最も包括的な情報を取得できるコマンドです。

lshwの基本的な使い方

すべてのハードウェア情報を表示:

sudo lshw

注意:

情報量が非常に多いので、スクロールして見づらいです。

見やすく表示する方法:

sudo lshw | less

上下キーでスクロールできます。終了は q キー。

カテゴリーごとに情報を取得

CPUの情報のみ:

sudo lshw -class processor

メモリの情報のみ:

sudo lshw -class memory

ディスクの情報のみ:

sudo lshw -class disk

ネットワークの情報のみ:

sudo lshw -class network

グラフィックの情報のみ:

sudo lshw -class display

短い要約形式で表示

コマンド:

sudo lshw -short

表示例:

H/W path           Device     Class          Description
========================================================
                              system         Computer
/0                            bus            Motherboard
/0/0                          memory         16GiB System Memory
/0/1                          processor      Intel(R) Core(TM) i5-8250U

コンパクトで見やすい形式です。

HTMLファイルとして出力

コマンド:

sudo lshw -html > hardware-info.html

ブラウザで開ける形式で保存されます。

確認方法:

firefox hardware-info.html

または

xdg-open hardware-info.html

【詳細情報】dmidecodeで深い情報を取得

BIOSレベルの情報まで取得できるコマンドです。

dmidecodeの基本

すべての情報を表示:

sudo dmidecode

タイプ別に情報を取得:

sudo dmidecode --type <タイプ番号>

よく使うタイプ

BIOSの情報(タイプ0):

sudo dmidecode --type 0

システム情報(タイプ1):

sudo dmidecode --type 1

メーカー、製品名、シリアル番号などが表示されます。

マザーボード情報(タイプ2):

sudo dmidecode --type 2

プロセッサー情報(タイプ4):

sudo dmidecode --type 4

メモリデバイス情報(タイプ17):

sudo dmidecode --type 17

各メモリスロットの詳細情報が表示されます。

メモリの詳細を確認

コマンド:

sudo dmidecode --type 17

確認できる情報:

  • サイズ(8GB、16GBなど)
  • タイプ(DDR4など)
  • 速度(2400MHz、3200MHzなど)
  • メーカー
  • シリアル番号
  • スロット番号

実例:

Handle 0x0010, DMI type 17, 40 bytes
Memory Device
        Array Handle: 0x000F
        Size: 8192 MB
        Type: DDR4
        Speed: 2400 MT/s
        Manufacturer: Samsung

リアルタイム監視ツール

動的な情報をリアルタイムで確認するツールです。

CPU使用率をリアルタイム表示:top

コマンド:

top

表示される情報:

  • 各プロセスのCPU使用率
  • メモリ使用率
  • 実行時間
  • ユーザー名

操作方法:

  • q で終了
  • k でプロセスを終了(PID入力)
  • M でメモリ使用率順にソート
  • P でCPU使用率順にソート

より見やすいhtop

インストール:

sudo apt install htop

起動:

htop

メリット:

  • カラフルで見やすい
  • マウス操作可能
  • 各CPUコアの使用率が個別に表示される
  • プロセスツリー表示

操作方法:

  • F10 または q で終了
  • F9 でプロセスを終了
  • F5 でツリー表示切り替え

センサー情報:sensors

温度や電圧、ファン速度などを確認できます。

インストール:

sudo apt install lm-sensors

センサーを検出:

sudo sensors-detect

質問に対して基本的に「YES」と答えていきます。

情報を表示:

sensors

表示例:

coretemp-isa-0000
Core 0:       +45.0°C  (high = +100.0°C, crit = +100.0°C)
Core 1:       +47.0°C  (high = +100.0°C, crit = +100.0°C)

CPU温度、マザーボード温度、ファン回転数などが表示されます。

ディスクの健康状態:smartctl

インストール:

sudo apt install smartmontools

情報を表示:

sudo smartctl -a /dev/sda

確認できる情報:

  • ディスクのモデル名
  • 総動作時間
  • 電源投入回数
  • セクターエラー
  • 温度
  • 健康状態

注意:

/dev/sda の部分は、確認したいディスクに応じて変更してください。

特定の情報を素早く確認する方法

よく使う情報を手早く取得するコマンド集です。

Ubuntuのバージョンとアーキテクチャ

uname -a

または

lsb_release -a

カーネルバージョン

uname -r

ホスト名

hostname

IPアドレス

ip addr show

または

hostname -I

バッテリー情報(ノートパソコン)

upower -i /org/freedesktop/UPower/devices/battery_BAT0

または

acpi -b

acpiのインストール:

sudo apt install acpi

画面解像度

xrandr

接続されているディスプレイと対応解像度が表示されます。

情報をファイルに保存する方法

後で参照したり、サポートに送ったりする時に便利です。

すべてのハードウェア情報をまとめて保存

方法1:lshwでテキストファイルに保存

sudo lshw > hardware-info.txt

方法2:inxiを使う(推奨)

インストール:

sudo apt install inxi

すべての情報を保存:

inxi -Fxz > system-info.txt

説明:

  • -F:フル情報
  • -x:詳細情報を追加
  • -z:個人情報(IPアドレス、MACアドレスなど)を隠す

ブラウザで見やすく:

sudo lshw -html > hardware-info.html

システムログも含めて保存

sudo journalctl -b > system-log.txt

起動時からのシステムログが保存されます。

トラブルシューティングに使える情報収集

問題が起きた時に確認すべき情報です。

ドライバーが正しく読み込まれているか

コマンド:

lsmod

読み込まれているカーネルモジュール(ドライバー)の一覧が表示されます。

特定のドライバーを検索:

lsmod | grep -i nvidia

デバイスが認識されているか

すべてのPCIデバイス:

lspci

すべてのUSBデバイス:

lsusb

カーネルメッセージ

最近のメッセージ:

dmesg | tail -50

エラーを検索:

dmesg | grep -i error

ディスクエラーのチェック

sudo smartctl -H /dev/sda

ディスクの健康状態が「PASSED」なら正常です。

よくある質問と回答

Q1:どのコマンドを使えばいいか分からない

A:

まずはGUIツールの「HardInfo」がおすすめです。インストールも簡単で、視覚的に分かりやすいです。

コマンドなら、以下を試してみてください:

  • 基本情報:sudo lshw -short
  • CPU:lscpu
  • メモリ:free -h
  • ディスク:lsblkdf -h

Q2:情報が表示されない

A:

多くのコマンドは sudo が必要です。権限エラーが出たら、コマンドの前に sudo を付けてみてください。

Q3:32ビット版か64ビット版か確認したい

A:

uname -m
  • x86_64 → 64ビット
  • i686 または i386 → 32ビット

Q4:グラフィックドライバーは何が入っているか

NVIDIA GPUの場合:

nvidia-smi

一般的な確認方法:

lspci -k | grep -EA3 'VGA|3D'

「Kernel driver in use:」の行を確認してください。

Q5:メモリスロットは何個あるか

コマンド:

sudo dmidecode --type 17 | grep -i "Size"

各行が一つのメモリスロットを表します。

まとめ:目的に応じて最適な方法を選ぼう

Ubuntuでハードウェア情報を確認する方法をまとめます。

最も簡単な方法:

GUI(マウス操作):

  1. 設定 → このシステムについて
  2. HardInfo(要インストール)
  3. システムモニター

コマンド(基本):

  1. lscpu → CPU情報
  2. free -h → メモリ情報
  3. lsblkdf -h → ディスク情報
  4. lspci | grep -i vga → グラフィック情報

詳細情報を取得:

  • sudo lshw → 総合的な情報
  • sudo lshw -short → 見やすい要約
  • sudo dmidecode → BIOSレベルの情報
  • inxi -Fxz → まとめて表示

リアルタイム監視:

  • top または htop → CPU・メモリ使用率
  • sensors → 温度・ファン速度
  • nvidia-smi → NVIDIAのGPU情報

よく使うコマンド早見表:

目的コマンド
CPU情報lscpu
メモリ容量free -h
ディスク一覧lsblk
ディスク使用率df -h
GPU情報lspci | grep VGA
USB機器lsusb
ネットワークip link show
総合情報sudo lshw -short
BIOSレベルsudo dmidecode
システム要約inxi -Fxz

情報の保存:

sudo lshw > hardware-info.txt
sudo lshw -html > hardware-info.html
inxi -Fxz > system-info.txt

トラブルシューティング時:

  • lsmod → ドライバー確認
  • dmesg → カーネルメッセージ
  • sudo smartctl -a /dev/sda → ディスク健康状態

初心者へのアドバイス:

最初は、GUIツールの「HardInfo」から始めるのがおすすめです。見やすく、直感的に操作できます。

慣れてきたら、コマンドを使ってみましょう。コピー&ペーストで実行できるので、難しくありません。

こんな時に役立ちます:

  • パソコンのスペックを確認したい
  • ソフトウェアの動作要件をチェックしたい
  • ドライバーの問題をトラブルシューティング
  • メモリやディスクの増設を検討している
  • サポートに問い合わせる時の情報収集

Ubuntuでハードウェア情報を確認する方法は、GUIからコマンドラインまで様々です。この記事で紹介した方法を使って、あなたのシステムの詳細を把握しましょう。

トラブルが起きた時も、ハードウェア情報を正確に把握していれば、解決への道筋が見えてきます。

それでは、快適なUbuntuライフを!

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