電源を入れても、Windowsが起動途中で再起動… ログイン画面が出た瞬間にまた再起動… ブルースクリーンが一瞬表示されて再起動…
この「再起動ループ」は、Windowsユーザーが最も恐れるトラブルの一つです。
仕事の締切が迫っているのに、大切なデータが取り出せない… そんな絶望的な状況に陥っている方も多いのではないでしょうか。
でも諦めないでください!再起動ループには必ず原因があり、ほとんどの場合は解決できます。 データを失うことなく、Windowsを復活させる方法があるんです。
この記事では、再起動ループの原因から、段階的な解決方法まで、すべてを分かりやすく解説します。 冷静に、一つずつ試していけば、必ず解決への道が見つかりますよ!
再起動ループの症状パターン

典型的な症状の分類
パターン1:起動直後に再起動
- BIOSロゴ後すぐ再起動
- Windowsロゴが出る前に再起動
- ハードウェアの問題の可能性大
パターン2:Windowsロゴで再起動
- くるくる回るロード中に再起動
- 「Windowsを起動しています」で止まる
- システムファイルの破損が原因
パターン3:ログイン画面で再起動
- パスワード入力画面が出て再起動
- ユーザー選択後に再起動
- ドライバーやサービスの問題
パターン4:デスクトップ表示後に再起動
- 数秒~数分後に再起動
- 特定の操作で再起動
- ソフトウェアの競合
パターン5:ブルースクリーン後に再起動
- エラーコードが表示される
- 一瞬で消えて読めない
- 深刻なシステムエラー
主な原因と発生メカニズム
Windows Update失敗
最も多い原因:
- 更新中の電源断
- 不完全なインストール
- 互換性のない更新
- 破損したアップデートファイル
特に大型アップデート後に発生しやすいです。
ハードウェアの問題
物理的な故障:
- メモリ(RAM)の不良
- ハードディスクの故障
- 電源ユニットの劣化
- マザーボードの異常
- 過熱による保護機能
ドライバーの競合
問題のあるドライバー:
- グラフィックドライバー
- チップセットドライバー
- セキュリティソフトのドライバー
- 古い周辺機器のドライバー
システムファイルの破損
破損の原因:
- 強制終了の繰り返し
- ウイルス感染
- ディスクエラー
- レジストリの破損
【緊急】まず試すべき基本対処法
1. 強制終了と完全シャットダウン
手順:
- 電源ボタン長押し(10秒)で強制終了
- 電源ケーブルを抜く
- ノートPCならバッテリーも外す
- 電源ボタンを30秒押す(放電)
- 5分待つ
- 電源を接続して起動
これで一時的な問題は解決することがあります。
2. 周辺機器をすべて外す
取り外すもの:
- USBデバイスすべて
- 外付けHDD/SSD
- プリンター
- SDカード
- 追加のモニター
最小構成(キーボード、マウス、モニターのみ)で起動を試みます。
3. セーフモードでの起動
セーフモード起動方法:
方法1:起動失敗を利用
- 起動中に強制終了を3回繰り返す
- 「自動修復」画面が表示される
- 「詳細オプション」→「トラブルシューティング」
- 「詳細オプション」→「スタートアップ設定」
- 「再起動」→ F4キーでセーフモード
方法2:インストールメディアから
- Windows インストールUSB/DVDで起動
- 「コンピューターを修復する」
- トラブルシューティング経由でセーフモード
Windows回復環境(WinRE)での修復

スタートアップ修復
自動修復の実行:
- 回復環境に入る
- 「トラブルシューティング」
- 「詳細オプション」
- 「スタートアップ修復」
- アカウント選択とパスワード入力
Windowsが自動的に問題を検出・修復します。
システムの復元
復元ポイントからの回復:
- 詳細オプション → 「システムの復元」
- 復元ポイントを選択(日付確認)
- 影響を受けるプログラムを確認
- 復元実行(30分~1時間)
成功率が高いタイミング:
- Windows Update前
- ドライバー更新前
- ソフトインストール前
コマンドプロンプトでの修復
必須コマンド3連発:
# 1. システムファイルチェッカー
sfc /scannow
# 2. DISMで修復
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
# 3. ブートレコード修復
bootrec /fixmbr
bootrec /fixboot
bootrec /rebuildbcd
チェックディスク:
# Cドライブの修復
chkdsk C: /f /r
セーフモードでの詳細な対処
最近のWindows Update削除
手順:
- セーフモードで起動
- 設定 → 更新とセキュリティ
- 「更新の履歴を表示する」
- 「更新プログラムをアンインストールする」
- 最新の更新を削除
コマンドでの削除:
# 更新一覧表示
wmic qfe list brief /format:table
# 特定の更新削除
wusa /uninstall /kb:番号
問題のあるドライバー削除
デバイスマネージャーで確認:
- 黄色い!マークを探す
- 最近更新したドライバーを特定
- 「ドライバーを元に戻す」または削除
ドライバーの一括削除:
# ドライバーストアのクリーンアップ
pnputil /enum-drivers
pnputil /delete-driver oem##.inf /uninstall
クリーンブート設定
最小構成での起動:
- msconfig を実行
- 「サービス」タブ
- 「Microsoftのサービスをすべて隠す」
- 「すべて無効」
- 「スタートアップ」タブ → タスクマネージャー
- すべて無効化
これで原因のソフトウェアを特定できます。
高度な修復方法
BCD(ブート構成データ)の再構築
完全な再構築手順:
# 既存BCDをバックアップ
bcdedit /export C:\BCD_Backup
# BCDを削除
attrib C:\boot\bcd -h -r -s
del C:\boot\bcd
# 新規作成
bootrec /rebuildbcd
# ブートマネージャー修復
bcdboot C:\Windows /s C: /f UEFI
レジストリの修復
バックアップからの復元:
# レジストリバックアップ場所
C:\Windows\System32\config\RegBack
# 破損したレジストリを置換
copy C:\Windows\System32\config\RegBack\SYSTEM C:\Windows\System32\config\SYSTEM
copy C:\Windows\System32\config\RegBack\SOFTWARE C:\Windows\System32\config\SOFTWARE
DISMオフライン修復
インストールメディアを使用:
# マウント
DISM /Mount-Image /ImageFile:D:\sources\install.wim /Index:1 /MountDir:C:\mount
# 修復
DISM /Image:C:\mount /Cleanup-Image /RestoreHealth
# アンマウント
DISM /Unmount-Image /MountDir:C:\mount /Commit
ハードウェア診断

メモリテスト
Windows メモリ診断:
- mdsched.exe を実行
- 「今すぐ再起動して問題の有無を確認する」
- 拡張テストを選択(F1キー)
MemTest86:
- USBブートで実行
- より詳細な診断
- 最低4パス実行推奨
ハードディスク診断
CrystalDiskInfo:
- S.M.A.R.T.情報確認
- 「注意」「異常」をチェック
コマンドでの確認:
# S.M.A.R.T.状態
wmic diskdrive get status
# 詳細情報
wmic diskdrive get model,status,size,interfacetype
温度チェック
BIOS/UEFIで確認:
- CPU温度:70℃以下が正常
- システム温度:50℃以下
過熱が原因の場合:
- ホコリ除去
- サーマルペースト塗り直し
- ファン交換
データ救出方法
Linuxライブ USB使用
Ubuntu等で起動:
- Ubuntu USBを作成
- USBから起動
- Windowsドライブをマウント
- 外付けHDDにデータコピー
Windowsインストールメディアから
コマンドプロンプト使用:
# ファイル一覧確認
dir C:\Users\
# データコピー
xcopy C:\Users\username\Documents D:\Backup\Documents /E /H /C /I
ハードディスク取り外し
最終手段:
- HDDを物理的に取り外し
- USB変換アダプターで別PCに接続
- データを救出
最終手段:クリーンインストール
データバックアップ後の再インストール
手順:
- インストールメディア作成
- 重要データのバックアップ確認
- クリーンインストール実行
- ドライバー・ソフト再インストール
インストール時の注意:
- プロダクトキーを準備
- ドライバーを事前にダウンロード
- 必要なソフトのリスト作成
予防策:二度と起こさないために
定期的なメンテナンス
必須作業:
- 月1回のディスククリーンアップ
- システムファイルチェック
- ドライバー更新
- バックアップ作成
復元ポイントの作成
自動作成の設定:
- システムのプロパティ
- システムの保護
- 自動復元ポイント有効化
- ディスク容量を5-10%確保
バックアップ戦略
3-2-1ルール:
- 3つのコピー
- 2つの異なるメディア
- 1つはオフサイト
推奨ツール:
- Windows バックアップ
- Acronis True Image
- Macrium Reflect
まとめ:パニックにならず段階的に対処
再起動ループは確かに深刻な問題ですが、必ず解決方法があります。
対処の優先順位:
- 簡単な方法から試す
- 完全シャットダウン
- 周辺機器取り外し
- セーフモード起動
- Windows修復ツール活用
- スタートアップ修復
- システムの復元
- コマンドで修復
- 高度な修復
- BCD再構築
- レジストリ修復
- ドライバー削除
- 最終手段
- データ救出
- クリーンインストール
重要なポイント:
- 焦らず一つずつ試す
- データのバックアップを優先
- 原因を特定してから対処
- 予防策を必ず実施
この記事の方法を順番に試せば、ほとんどの再起動ループは解決できます。
もし解決しない場合は、ハードウェアの故障の可能性が高いので、専門家に相談することをおすすめします。
大切なデータを守りながら、Windowsを復活させましょう!
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