「パソコンが起動しない!でもデータは絶対に取り出したい!」
そんな緊急事態に陥っていませんか?
大切な写真、仕事の資料、思い出の動画…すべてパソコンの中に入ったまま。
この記事では、起動しないパソコンからデータを安全に取り出す方法を、初心者でもわかるように詳しく解説します。
パソコンが起動しない原因
まず、なぜパソコンが起動しないのか、原因を理解しておきましょう。
1. Windowsシステムの不具合
OSのシステムファイルが壊れていると、Windowsが起動できません。
症状:
- メーカーロゴの後に進まない
- 「自動修復でPCを修復できませんでした」と表示される
- 青い画面(ブルースクリーン)が出る
原因:
- Windowsアップデートの失敗
- ドライバーの不具合
- 強制終了を繰り返した
この場合、HDDやSSD自体は無事なので、データは取り出せる可能性が高いです。
2. HDD・SSDの故障
データが保存されているストレージ自体が壊れている場合です。
HDDの故障サイン:
- カチカチ、カリカリという異音がする
- 動作が極端に遅い
- BIOSでも認識されない
SSDの故障サイン:
- 突然認識しなくなる(前触れなし)
- 読み込み速度が極端に遅い
- フリーズが頻発する
ストレージが物理的に壊れている場合、自力での復旧は困難です。
3. マザーボード・電源の故障
パソコン本体の部品が壊れている場合です。
症状:
- 電源ボタンを押しても反応しない
- ファンは回るが画面が真っ暗
- 電源ランプが点灯しない
この場合、HDD・SSDは無事なことが多いです。
4. BIOS設定の問題
起動順序などの設定がおかしくなっている場合です。
症状:
- 「Boot Device Not Found」と表示される
- 「Operating System Not Found」と表示される
この場合も、データは無事です。
データを取り出す前にやってはいけないこと
重要なデータを守るために、以下の行動は避けてください。
何度も再起動しない
起動しないからといって、何度も電源ボタンを押すのは危険です。
HDDやSSDにダメージが蓄積され、データが破損する可能性があります。
むやみに操作しない
「初期化」「リカバリー」「OSの再インストール」などの操作は、データを完全に消去します。
データを取り出す前に、絶対に実行しないでください。
データ復元ソフトをインストールしない
起動しないパソコンに、無理やりソフトをインストールしようとするのは危険です。
データが上書きされる可能性があります。
自力でデータを取り出す方法(3つ)
自分でデータを取り出す方法を、難易度別に紹介します。
方法1:セーフモードで起動する(難易度:★☆☆)
パソコンが少しでも動く場合、セーフモードで起動できることがあります。
手順
- 電源ボタンを押して起動する
- 起動途中で画面が止まったら、電源ボタン長押しで強制終了
- これを3回繰り返す
- 「自動修復を準備しています」という画面が表示される
- 「詳細オプション」をクリック
- 「スタートアップ設定」をクリック
- 「セーフモードを有効にする」を選択
セーフモードで起動できたら、外付けHDDやUSBメモリにデータをコピーします。
データの場所:
- デスクトップ:
C:\Users\ユーザー名\Desktop - ドキュメント:
C:\Users\ユーザー名\Documents - ピクチャ:
C:\Users\ユーザー名\Pictures - ダウンロード:
C:\Users\ユーザー名\Downloads
方法2:HDD・SSDを取り出して別のPCに接続する(難易度:★★☆)
パソコンが全く起動しない場合、ストレージを取り出して別のPCに接続します。
これが最も確実な方法です。
必要なもの
- SATA-USB変換アダプタ(1000~3000円)、または外付けHDDケース(2000~5000円)
- プラスドライバー
- 外付けHDD(バックアップ用)
手順
ステップ1:パソコンを分解してHDD・SSDを取り出す
- パソコンの電源を切り、電源ケーブルを抜く
- ノートパソコンの場合、バッテリーも取り外す
- 背面パネルを開ける(ネジを外す)
- HDD・SSDを探す(四角い箱型の部品)
- ケーブルを慎重に外す
- ネジを外してHDD・SSDを取り出す
注意:
- 静電気でパソコンが壊れることがあるので、金属部分を触ってから作業する
- ケーブルを無理に引っ張らない
ステップ2:SATA-USB変換アダプタに接続
- 取り出したHDD・SSDを変換アダプタに接続
- 変換アダプタのUSBケーブルを、正常に動く別のPCに接続
ステップ3:データをコピー
- エクスプローラを開く(Windowsキー + E)
- 接続したHDD・SSDが「外付けドライブ」として表示される
- 必要なデータを外付けHDDにコピー
BitLockerに注意!
Windows 10以降のパソコンでは、BitLocker暗号化が有効になっていることがあります。
接続しても「BitLocker回復キー」を求められる場合、キーがないとデータを読めません。
回復キーは、Microsoftアカウントに保存されていることがあります。
https://account.microsoft.com/devices/recoverykey にアクセスして確認してください。
方法3:起動ディスクを作成してデータを復元する(難易度:★★★)
データ復元ソフトを使って、起動ディスク(ブータブルUSB)を作成する方法です。
必要なもの
- 正常に動く別のPC
- 空のUSBメモリ(8GB以上)
- データ復元ソフト(EaseUS Data Recovery Wizard、Recoveritなど)
手順
ステップ1:起動ディスクを作成する(別のPCで作業)
- 正常なPCでデータ復元ソフトをダウンロード
- USBメモリを挿入
- ソフトで「起動ディスクを作成」を選択
- USBメモリを選択して作成開始
ステップ2:起動しないPCを起動ディスクから起動
- 作成したUSBメモリを起動しないPCに挿入
- 電源を入れ、F2、F12、またはDelキーを連打してBIOSに入る
- 「Boot」メニューでUSBメモリを最優先に設定
- 保存して再起動
ステップ3:データを復元
- 復元ソフトが自動的に起動する
- データがあるドライブをスキャン
- 復元したいファイルを選択
- 外付けHDDに保存
この方法は少し複雑ですが、セーフモードでも起動しない場合に有効です。
データ復旧業者に依頼する場合
以下の状況では、専門業者に依頼することを強くおすすめします。
業者に依頼すべきケース
- HDD・SSDが異音を出している
- カチカチ、カリカリという音がする場合、物理的に故障しています
- 自力で操作すると、さらに悪化します
- BIOSでもHDD・SSDが認識されない
- パソコンが全くストレージを認識しない場合
- データが非常に重要
- 仕事の資料、顧客情報、唯一のバックアップなど
- 失敗が許されない場合は、最初から業者に依頼
- BitLockerの回復キーがない
- 暗号化されていてキーが入手できない場合
データ復旧の費用
データ復旧業者の費用は、状況によって大きく異なります。
目安:
- 論理障害(OSの不具合):3万円~10万円
- 物理障害(HDD・SSDの故障):10万円~30万円以上
高額ですが、重要なデータを取り戻すためには必要な投資です。
業者選びのポイント
- 無料診断・無料見積もりを提供しているか
- 成功報酬型(復旧できなければ費用がかからない)か
- ISO認証などの信頼できる認証を持っているか
- 口コミや評判が良いか
各方法の比較表
| 方法 | 難易度 | 費用 | 成功率 | 必要なもの |
|---|---|---|---|---|
| セーフモード | ★☆☆ | 0円 | 低~中 | 外付けHDD |
| HDD・SSD取り出し | ★★☆ | 1000~5000円 | 高 | 変換アダプタ、別のPC |
| 起動ディスク | ★★★ | 0~1万円 | 中~高 | USBメモリ、別のPC |
| 業者依頼 | ☆☆☆ | 3万円~30万円以上 | 最高 | なし |
よくある質問
Q1. データを取り出したら、パソコンは修理できますか?
A. はい、できます。
データを取り出した後、Windowsを再インストールすれば、パソコンは使えるようになります。
ただし、HDD・SSDが物理的に壊れている場合は、新しいストレージに交換する必要があります。
Q2. 取り出したHDDを再利用できますか?
A. OSの不具合が原因なら、再利用できます。
HDDをフォーマットして、外付けHDDとして使うことも可能です。
ただし、物理的に故障している場合は、使わない方が安全です。
Q3. BitLocker回復キーが見つかりません
A. 以下の場所を確認してください。
- Microsoftアカウント:https://account.microsoft.com/devices/recoverykey
- 会社や学校のアカウント管理者に問い合わせる
- 紙やテキストファイルにメモしていないか探す
どうしても見つからない場合、データを取り出すことはできません。
Q4. SSDとHDDで取り出し方法は違いますか?
A. 基本的に同じです。
ただし、SSDは以下の点で異なります:
- SSDは軽くて薄い
- M.2タイプのSSDは、変換アダプタが専用のものが必要
- SSDはTRIM機能があるため、削除したデータの復元が難しい
Q5. デスクトップPCとノートPCで違いはありますか?
A. 分解の難易度が違います。
- デスクトップPC:分解が簡単、ネジを外すだけ
- ノートPC:分解が少し難しい、機種によっては特殊な工具が必要
ただし、データ取り出しの方法は同じです。
Q6. Macでも同じ方法が使えますか?
A. 基本的に使えます。
ただし、Macの場合:
- 最近のMacBook(2016年以降)は、SSDが基板に直接はんだ付けされていて、取り出せない機種がある
- macOSでフォーマットされたHDDは、Windowsで読めないことがある
Macユーザーは、事前に機種を確認してください。
Q7. どのくらい時間がかかりますか?
A. 方法によって異なります。
- セーフモード:30分~1時間
- HDD・SSD取り出し:1~2時間
- 起動ディスク:2~3時間
- 業者依頼:数日~数週間
急ぐ場合は、HDD・SSD取り出しが最速です。
Q8. 自力で試して失敗したら、業者でも復旧できなくなりますか?
A. 可能性があります。
何度も再起動したり、むやみに操作すると、データが上書きされて復旧不可能になることがあります。
重要なデータの場合、最初から業者に依頼するのが安全です。
データを守るための予防策
今後、同じトラブルに遭わないために、以下の対策を実践しましょう。
1. 定期的にバックアップを取る
おすすめのバックアップ方法:
- 外付けHDDに週1回バックアップ
- クラウドストレージ(Google Drive、OneDrive)に自動バックアップ
- NAS(ネットワークストレージ)を導入
「3-2-1ルール」を実践しましょう。
- 3つのコピーを持つ
- 2つの異なるメディアに保存
- 1つは別の場所に保管
2. パソコンの健康状態をチェックする
HDDの健康状態チェック:
- CrystalDiskInfoなどのソフトで定期的に確認
- 異音がしたらすぐにバックアップ
SSDの健康状態チェック:
- SSD専用の診断ソフト(Samsung Magician、Crucial Storage Executive)を使う
3. UPS(無停電電源装置)を使う
突然の停電は、HDD・SSDにダメージを与えます。
UPSを使えば、停電時も安全にシャットダウンできます。
4. Windowsを最新に保つ
Windowsアップデートを定期的に実行して、システムを安定させましょう。
ただし、アップデート前には必ずバックアップを!
まとめ
起動しないパソコンからデータを取り出す方法をまとめます。
自力で試せる方法:
- セーフモードで起動(最も簡単、成功率は低め)
- HDD・SSDを取り出して別PCに接続(最も確実)
- 起動ディスクを作成して復元(少し複雑)
業者に依頼すべき場合:
- HDD・SSDが異音を出している
- BIOSでも認識されない
- データが非常に重要
- BitLockerの回復キーがない
重要なポイント:
- 何度も再起動しない
- むやみに操作しない
- 重要なデータは最初から業者に依頼
今後の対策:
- 定期的にバックアップ
- パソコンの健康状態をチェック
- UPSを導入
パソコンが起動しなくなっても、慌てずに対処すれば、データを取り出せる可能性は高いです。
この記事を参考に、大切なデータを守りましょう!
バックアップの習慣をつけることが、最も確実なデータ保護策です。


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