中学校で体積は固体<液体<気体のように固体から気体になるほど大きくなると教わります。
しかし、それと同時に水だけは特別に固体の方が液体よりも体積が大きくなるとも言われたと思います。
水は身近な分この特徴は覚えやすいですけど、実際考えてみると不思議ですよね。
今回は、なぜ水は氷の方が体積が大きくのなるのかについて解説します。
氷の構造
まず、体積の謎を知るには氷の構造を知っておかなければなりません。
一般的な物質は温度が下がっていくと、分子の運動が小さくなり、分子同士が近づきます。
イメージとしては、学校の教室とかで寒い寒いと言って集まってる感じですかね。
では、氷はどうなっているかというと、水素結合によってハチの巣のようなスカスカの構造(クラスター構造)になっています。
さっきの話から例えると、寒い癖に周りに近づかないでオーラを出し合って距離を取ってる様な感じになっています(どんなクラスだよ・・・)。
体積の謎
では、ここから体積の謎について解説します。
先ほど説明しましたが氷はクラスター構造というスカスカの構造になっています。
物質は温めると運動が激しくなります。
氷も同様に水分子の運動が激しくなっていきます。
そして、クラスター構造の1部が崩れるのですが、ここで崩れた部分の水分子が構造のスカスカの部分に入っていきます。
そうすると、構造のスカスカの部分に入っている水分子の分体積が小さくなっていきます。
これが、氷の方が水より体積が大きくなる理由です。
おまけ
ちょっとマニアックな話をします。
今回解説した水の特徴を持つのは、実は水だけではないです。
固体の方が液体よりも体積が大きくなる性質を持つ物質には、異常液体という名前があります。
異常液体を持つものは、水、ケイ素、ゲルマニウム、ガリウム、ビスマスの5つがあります。
ニホニウムに使われるビスマスか!とかなる変な奴は基本的にはいないので、高校まででは身近な水しか取り上げられていないのだと思います。
まとめ
- ・氷はクラスター構造というスカスカの構造になっている。
- ・氷を温めると構造の1部がスカスカの部分に入っていくことによって、
体積が小さくなっていく。 - ・水と氷の体積の関係と同じになる物質が他にもある。
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